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2007年3月12日 (月)

雛人形(俳句)

前に掲載した俳句がネット句会で以下のように評されました。
句会で揉まれると句の問題点がよくわかります。

→で校正結果を示します。

  ひな祭り猫は陽の差すベランダに

評1  猫は子供等(女性も)キャッキャッとかん高くやかましい輩を
  好みません。ひなあられにも白酒にも興味はありません。
  ベランダにでも逃げ出すか・・・

評2 春の季語「長閑」を絵に描いたような風景。いいですねぇ。「ベランダ」は夏の季語とかいうけれど、そんなもとは全く気になりません。取合せがいいですね。(あっ、いただき損ねていました)

→ひな祭り猫は陽の差すベランダに(校正なし)

  猫と犬に囲まれているひな祭り

これも長閑な句。邪気がないのがいい。芭蕉さんなら「三尺の童子のような」と言われるかも。嫌味のない、句です。(褒めておいて採らないのはゴメン)

→猫と犬に囲まれているひな祭り(校正なし)


  曲水の宴に杯放たれり

「曲水の宴」って流れに杯を流すんですよね。ただそれだけを描いた句とも読めるし、なにかありそう、とも思えますが・・。若干薄味ではありませぬか。

この薄味をどう濃くするか

曲水の宴に杯放つとき でもいいがあまり変わらない

→曲水の宴に杯放たれり(校正なし)


 雛祭拙雛人形あらはれず

「拙雛人形」が判りませんでした。「拙」なので、自作か子供の手作りかとも考えましたが、それでは「あらはれず」がわからなくなりますもんね。どこかの有名な雛なのでしょうか。

我が家のひな祭りが長らく日の目を見ないという句意なのでやはり無理がありました。
これでどうでしょうか?

→ 雛祭我が家の人形の顔忘れ

ちょっと川柳ぽいかな?

  大宰府の雛人形に覚えあり
 
評1
 特選で頂いた。私だけ誰の句か判ってしまうので純粋な選句の楽しみはない
 が作者を思い浮かべながら、ということが出来る。以前見た記憶の雛人形に
 大宰府で出会った、また会うことがあるだろうか、というところまで読み込んで
 みた。堂々とした風情の句。

評2
大宰府天満宮にたまたま飾られていたのに出くわしたのですね。昔見たことがあるのか、他で見た雛に似ていたのか。懐かしさは感じられますが、ちょっと正直過ぎか。

大宰府のレストランにある雛人形が我が家の雛人形と同じでした。


→ 大宰府の雛人形や覚えあり

  子犬来て雛人形は日の目見ず
上五の「て」が不安感の元かも。「日の目見ず」も箱から出してやれないのか、日陰にあるのか、情景がよく摑めませんでした。もし、子犬を部屋で飼うようになったので、雛が飾れなくなった、ということでしたら、説明に終ってしまいます。

まさに説明に終わった句

→子犬撫づ雛人形は日の目見ず

  ひな飾り出さぬかというは一人のみ
雛を飾るのは一仕事です。家族は手間を嫌がって「今年は出さなくていいよ」というのを父親だけが「出そう」と言っている景を想像しましたが、「一人のみ」という表現では不十分。また私の解が当っていても、それでは報告に終っています。父の感慨を共感できる表現にもう一工夫ですね。

まさにその父親です。

→ひな飾り出そうと言うは一人のみ

「父の感慨を共感できる」かな?


 飛び梅は早放たれて何処にや

評1
  受験生を持つ方の句でしょうか。それとも歴史好き? ”何処にや”
  等とは私には決して言えない雅な表現で羨ましいです。

評2
「飛び梅」伝説って、菅原道真を慕って京都から一晩で大宰府まで飛んできたのでしょう。中七下五は伝説の梅とは違う、作者にとっての特別の梅としても、この表現では意味がよく判りません。

評3
これも「飛び梅」の意味を調べて初めて句の内容を理解しました。
どこに行くのか分からない、哀愁漂う感じが好きです。


大宰府の飛梅は散るのが他の梅よりも早いです。

→放たれし飛梅は今何処にや


校正版をまとめますと

ひな祭り 八首

雛祭我が家の人形の顔忘れ

大宰府の雛人形や覚えあり

ひな祭り 猫は陽の差すベランダに

子犬撫づ雛人形は日の目見ず

曲水の宴に盃放たれり

放たれし飛梅は今何処にや

ひな飾り出そうと言うは一人のみ

猫と犬に囲まれているひな祭り


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