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2007年3月11日 (日)

白馬事件の全貌

従軍慰安婦の証拠・白馬事件など
に対し多くのコメントを頂き今も討論になっています。
印象としては前よりも落ち着いた議論になっているような気がします。

T.K さんからこんなコメントを頂きました。

ただ一つ気になったのは

「この事件は、このような軍の組織的な強制連行を陸軍省・参謀本部が黙認し続け、兵士の間では常態化していたことを示すものである。」の部分です。

陸軍省や参謀本部が黙認し続けていたのなら、なぜ被害者のオランダ人女性の父親の訴えを受け入れ被害者を解放し慰安所を廃止したのでしょう?

「事実を検証する上で疑問を一つ一つ潰して行くことが重要だと考えますので、何かヒントになるような史料などがあればお教えいただけると幸いです。」

このお答えは引用させて頂いたTBを頂いた美しい壺日記の 【中山成彬が狭義の強制を認める】 で回答になっていると思います。
(美しい壺日記さんタイムリーなトラックバックありがとうございました。)

以下の通りです。

この事件の重要な点は、「強制連行」の事実が陸軍省まで伝わったにもかかわらず、慰安所を閉鎖しただけで、軍としては何等処分を行わなかったことで、日本軍内ではだれも軍法会議にかけられていない。 陸軍刑法では「戦地又ハ帝国軍ノ占領地ニ於テ婦女ヲ強姦シタル者ハ無期又ハ 一年以上ノ懲役ニ処ス。」とあり、慰安婦の強制連行・集団強姦は、もちろん 日本軍の軍規に照らしても大きな罪だったわけですが、 まったく処分の対象としなかった所に、慰安婦の強制連行に対する軍の考え方が示されている。

このコメントにお答えしまして何かヒントになるような資料として以下を提供します。


半月城通信No. 11
に従軍慰安婦問題に関すること及び他の外交問題に関する詳しい記述があり大変参考になります。
(今後もこの中から何回か紹介したいと思います。)

まず文部科学大臣も強制連行の証拠と認めたという白馬事件の全貌を長いですが紹介します。


 

 01874/01874 PFG00017 半月城 「従軍慰安婦」(5)、白馬事件
(10) 96/06/11 20:37 01834へのコメント
現在、国際的に「従軍慰安婦」関係の責任者処罰が問題になっています
が、過去にグアム島やジャワ島などでは「従軍慰安婦」の関係者である日本軍
人や民間人が処罰されたケースがありました。中でもジャワ島での事件は規模
も大きく、別名「白馬事件」とも呼ばれていました。今回はこれらを紹介しま
す。
   最近、この裁判記録が発掘(92.7.21 朝日)され、ついでオランダ政府
の報告書(94.1.24 )が公表されました。さらに慰安婦にされたオランダ女性
の手記が発表され、その全容がかなり明らかになりました(オフェルネ著「レ
イプされた女の叫び」、『福音宣教』47巻5号、1993年5月)。

   ことの始まりは日本軍のジャワ島占領にさかのぼります。占領後、日本
軍は旧宗主国のオランダ人などヨーロッパ系住民を敵国人として抑留所に拘束
しました。
   そのかたわら、日本軍はここの占領地でも慰安所を設けました。しかし
「性病管理がなされている軍慰安所」の数が不足気味だったためか「駐屯軍に
性病が広がって」しまいました。
   また一方、占領地では例によって「駐屯軍の住民に対する行為がすでに
住民の反感を買って」いたため(裁判記録)、日本軍は新たに本格的な軍慰安
所を1944年2月に設けました。場所はジャワ島中部の州都スマランです。
   日本軍はこの軍慰安所開設に必要な慰安婦を集めるのですが、その対象
として手っ取り早く目をつけたのが抑留しているオランダ人女性でした。その
際、軍司令部は自由意志の慰安婦だけ雇うように指示を出しましたが、それに
反して、担当の南方軍幹部候補生隊は17歳以上の女性を無理やり連行してし
まいました。
その連行された一人が、先ほどの手記を書いたオフェルネさんです。彼
女は修道女になるためにフランシスコ会の教育大学で学んでいるとき、抑留所
に拘束されました。
   彼女によれば、抑留所は悪臭・汚物・ネズミ・下水などにまみれるなど
環境は劣悪で、その上、飢え・暴力・病気、さらには重労働が横行するひどい
所でした。

さて、強制連行された彼女たちは、すぐ慰安所に送られました。そこの
食堂で恐怖にうち震え泣き叫んでいた少女たちはやがて一人ずつ無理矢理引き
ずり出されていきました。彼女たちは激しく抵抗しましたが屈強な軍人たちの
力には到底かなうはずがありません。
   オフェルネさんも自分の番が来たとき、激しくもがき抵抗しました。し
かし「蹴っても、叫んでも、抵抗しても無駄」でした。そうした彼女の「反抗」
に業を煮やした軍人は刀を抜いて彼女の身体に突きつけ、彼女を裸にし、刀で
身体を撫でまわしました。
   こうした人間を世間ではよく「ケダモノ」と言いますが、これは適当で
はないと思います。ケダモノは強姦はしません。相手が合意しないと最終的に
はあきらめます。ケダモノは人間のようにレイプなどの恥ずべき行為は決して
しません。

  余談はさておき、ここの軍慰安所にいたヨーロッパ系の女性2ー300
人中少なくとも65名は「売春を強制された」とオランダ政府報告書は結論づ
けました。
   ところで、この軍慰安所はわずか2ヶ月で閉鎖になりました。閉鎖は、
この慰安所に娘をとられた抑留所のリーダーのねばり強い努力のたまものです。
たまたま視察に来た日本陸軍省の大佐に彼が直訴したのが功を奏しました。し
かし、このときは関係者の処罰は行われませんでした。日本軍の明確な指令違
反は黙認されたままでした。兵士たちに性のはけ口を提供するという行為は当
時にあっては戦意高揚のために軍律違反でも容認されたものと思われます。

   しかし、こうした日本軍本位の行為は国際的に許されるはずはありませ
ん。終戦後、関係者の軍事裁判がオランダにより1948年バタビヤで開かれ
ました。中心人物の陸軍少佐が死刑になった他、10人が懲役刑になりました。
しかし、裁判ではアジア人慰安婦に対する罪は裁かれませんでした。あくまで
もオランダ人などヨーロッパ系の女性に対する罪のみを対象にしました。(吉
見著「従軍慰安婦」、岩波新書 1995)
   インドネシア人や朝鮮人慰安婦に対する罪まで範囲を広げると問題が大
きくなり過ぎるため自制したのでしょうか。それとも、自国民の権益しか眼中
になくアジア人を軽視したためでしょうか。ちょっと惜しい機会を逃したよう
です。

   他方、グアム島での裁判資料は、95年11月に「朝鮮人強制連行真相
調査団」によりアメリカの国立公文書館で発見されました。その記録によると、
処罰されたのは日系の民間人で、当時、日本軍が占領していたグアム島で19
42年2月、現地の女性二人に「本人の同意を得ることなく売春を強制した」
というものでした。この被告は反逆罪にも問われており判決は死刑でした。
   これに対応する関連資料が法務省で発見されました。それによると同被
告の起訴理由は「婦女を慰安婦として日本軍にあっせんした」と記され、慰安
婦の強制が日本軍のためであったことが確認されています(共同通信ニュース
速報、95.11.27)。
(つづく)                   半月城


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- FASIA MES(10):【アンニョンクラブ】    韓国・北朝鮮 96/08/17 - 02888/02888 PFG00017 半月城 白馬事件(2) (10) 96/08/17 13:13 「従軍慰安婦」32

   「従軍慰安婦」の日本人関係者が処罰された数少ない事件のひとつに
「白馬事件」がありました。この事件は以前、ここの会議室#1874で紹介
したとおりです。ただし「従軍慰安婦」にされた当人、オランダ人のオフェル
ネさんは「自分は慰安婦ではない。強姦罪の犠牲者である」と主張しています
ので「従軍慰安婦」という名前は彼女の意に沿わずふさわしくないかも知れま
せん。しかし、「従軍慰安婦」の他に適当な呼び方がないのであえてこの呼称
を使います(#1874は希望があれば転載します)

   このオフェルネさんが16日、NHKの海外番組紹介「50年の沈黙を
破って・慰安婦にされたオランダ人少女」に出演していました。これをご覧に
なった方も多いと思いますが、ここに私の感想を綴りたいと思います。

   彼女の話から、軍慰安所の生々しい実態が手に取るように伝わってきま
した。少女たちは強姦されようとするとき、相手を蹴ったり、叩いたり、天井
裏部屋に隠れたり、あげくの果ては大事な髪を切って丸坊主になったりして抵
抗しました。そのいたいけな少女たちに、皇軍兵士たちはここでも日本刀を突
きつけ服を引きちぎるなど暴力的に迫り自分たちの欲望を遂げました。こうし
た野蛮な行為はどれほど恐ろしいことか。考えるだけでも身震いします。さら
に、強姦は兵士に限らず、倫理をわきまえているはずの軍医にも犯されたそう
でした。

   しかし、彼女たちから肉体や、自尊心や、自由などあらゆるものを奪っ
た皇軍兵士も、彼女の「神への信仰」だけは奪えませんでした。この番組をみ
て、信仰を持った人は強いなあ、と無心論者の私はつくづく感心しました。あ
れだけのトラウマ、精神的外傷を受けながらも戦後、オフェルネさんは神への
信仰や家族の愛に支えられ、幸せな結婚生活を送ることができました。といっ
ても、何回も流産して大手術を受けたり「従軍慰安婦」時代の傷は後々までか
なりの後遺症を彼女に残しました。
   これは精神面でも残り、その時の恐怖の思い出が突然に、それも夫に抱
かれているような時などにも容赦なく彼女を襲ったのでした。信仰をもってし
ても、トラウマはそう簡単にいやされるものではなさそうです。

そうした彼女の話の中で、一つ強く印象に残る話がありました。彼女は、
『日本人のしたことを許した。しかし、忘れることはできない』
と語りました。この達観したような言葉は誰にでも簡単にいえるものではあり
ません。これは修道女になりたかった彼女の、信仰に基づく博愛精神からきた
ものでしょうか?

この言葉を「明るい日本」議連の奧野議員や板垣議員はどのように聞く
のでしょうか。「従軍慰安婦」の商行為を信じている彼らは「お金は貰ったの
か?」とワンパターンで質問するのでしょうか。

http://www.han.org/a/half-moon/      半月城


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「従軍慰安婦問題」カテゴリの記事

コメント

やった奴が当時の日本軍人の朝鮮人という事実は無視?

なんでこういうう嘘をさらっとつくんだろう

>こうした人間を世間ではよく「ケダモノ」と言いますが、これは適当で
はないと思います。ケダモノは強姦はしません。相手が合意しないと最終的に
はあきらめます。ケダモノは人間のようにレイプなどの恥ずべき行為は決して
しません。

通りすがり さん

通りすがりのコメントありがとうございました。
もうマスコミを頼りにする時代は終わったと思います。

何が真実か自分らで極めて行きたいと思います。

こんばんは。通りすがりの者です。
まず、この事件を知り驚きました。
でもちょっと違和感を覚えました。
無知で恐縮なのですが、このような事実があるのに左派と呼ばれる朝日新聞やテレ朝などの報道陣や野党議員は、何故この事を大きく報道したり、国会で突っ込まないのでしょうか?
もし私がマスコミか政治家だったら、もっと大きく伝えていると思いますが、どう思いますか?

そう言われても困るかもしれませんが、国会や報道番組などを見てると焦れったいんですよね。
失礼しました。

ん~へんなコメントと思われてしまいましたか…

白馬事件を語る上で白馬事件の被告を裁いたバタビア裁判は避けて通れないものです。
バタビア裁判の被告の40%は抑留所に勤めていた人たちですし、その中には多数の朝鮮人の方々も含まれています。
その中には半月城通信に書かれているような暴行や虐待をしたとして死刑となった朴成根さんも含まれていますし、バタビア裁判では捕虜収容所に勤める人や憲兵隊などよりも抑留所に勤めていた人々を先に裁いたことでも抑留所に勤めていた人々の罪を重くみていたことがわかります。
バタビア裁判では60人以上の朝鮮人の方々が戦犯として有罪の判決を受けており、現在でも冤罪だと訴えている人や日本への賠償を求めている人がいるデリケートな問題です。
ですので、バタビア裁判の判決は全て正しいとするような白馬事件の取り上げ方は危険であり、白馬事件の被告の中に朝鮮人がいたかどうかも問題となるのです。

コメントありがとうございます。

ちょっと疲れるけど息子たちと話しているつもりです。

半月城通信と美しい壺日記を私のよくおじゃまするサイトに登録させて頂きました。

こんばんわ〜
自分なんかアホなコメントには、いちいちかまうのやめちゃいましたから
へんなコメントにも丁寧に対応してる大津留公彦さんの姿勢を尊敬します
自分も白馬事件を調べたとき、半月城通信を読みましたよ
ブログのリンクにも追加しちゃいましたしw

これからも気軽にTBくださいね、ではでは

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今世間を騒がせている、従軍慰安婦問題。これについて、新党誠の公式見解を示そうと思います。 [続きを読む]

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今日はもう一つ記事を上げます。今日、3月10日は「東京大空襲」の日です。 [続きを読む]

» [慰安婦問題]軍による強制連行はあった【公文書編】 [blog*色即是空]
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