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第7回現代短歌研究会のことは別に書きましたがその中の研究発表の一つについて紹介します。

この研究会は2年間同じテーマで研究する。
今年・来年は<殺し>の文学史ー歌は何を殺したのか?
なので「殺」という字がテーマに入っている。

それは日大ポストドクター森井マスミさんの研究
 「坪野哲久における<殺し>ー殺なく盗なくありしこと」

短歌を中心に要約的に紹介します。

・哲久における憤怒と<殺>

坪野哲久の「殺」という字の出る有名な歌を紹介した。

われの一世に殺なく盗なくありしこと憤怒のごとしこの悔恨は 「碧厳」

福島泰樹の行った貴重なインタビューである「月光」2インタビューではこの歌についてこう語っている。

「過去のテロリストで、処刑された人が何人もいるけれど、テロリストのい悲しみ。啄木も歌っているよ。僕も同感ですよ。本当にあの激しい生き方にね。・・・・・・人民を苦しめている輩、人民を苦しめてそれだけ富んでいる輩を、こんな連中をやっつけることができなかったということに対する悔やみなんだから。」

・故郷と母

百姓の子に生まれたるいちぶんを徹すねがいぞ論理にあらず 「碧厳」

殺生をいましめたまいし母のためつねあるごとし手首の念珠 「碧厳」

親鸞を尊敬する篤信家であった母を哲久は宗教人と呼んだという
「9月1日」はプロレタリア歌集 単なるマルクス主義かぶれではなかった。
逮捕されたが斉藤劉の口添えで釈放された。

・文学と政治

「文学と政治」あに二元ならめや一身透過の油したたる  「碧厳」

「あれも誤解しないで欲しい、文学、即、政治という意味ですから。良き思想と政治を持って星欲しいという願いですから。」(前出)

・哲久における個

「つまるところ、作家はとことんまで個に執着しなければならないのである。個を究め個に徹底すればするほど自然に社会なり時代なりに繋がりをもち、ふかく響きあふに相違ないからである」(新風十人」あとがき)

自殺も亦「個」の厳粛なる顕現なりと思考したことも既に廻かになった・(「如是記」「鍛冶」三月号、署名鉄弓)

・滅個捨身と戦争

秋草のくらきみだれをふみしだき涕かじと征くや捨身のいのり 「鍛冶」1040・11


{日本の伝統のなかで、最も大事に生かしつづけなければならないのものは、高邁なる滅個捨身の精神であろう。」)「如是記」

歌あっての日本語、歌人あっての日本国、短歌あることを忘却するなかれ(メモ 昭和63・11・1 )

以上です。

ついでに「文学と政治」にかんしてはコスモスの杜澤光一郎がこう語っている。

「私たちは政治というものから離れて存在し得ない。私たちが人間として社会というものの中で生活する限り、いやも応もなく政治にかかわらざるを得ないのだ。そうした人間の一人として短歌という日本民族の生み出した表現形式に拠ろうとするならば、時代の困難を超克して、政治も忌避することなく、詩としての表現を追求すべきではないか」 (短歌現代07・02月号)

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初評伝・坪野哲久(山本司)

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コメント

コミュニストさん

コメントありがとうございます。
坪野哲久はもっと光が当たるべき歌人でしょう。

今私の属する現代短歌研究会は月一度東京の北千住で山本司さんの初評伝・坪野哲久の勉強会をしています。

「しんぶん赤旗」(1月14日)の記事で坪野哲久を知りました。「短歌往来」(06年10月号)にも特集されていました。
壮絶な「生」を見ることができました!言葉を失いました。同時に生きる力をもらいました。三十一文字の世界はすごい!一文字一文字に「魂」がこめられていますね。山本司氏の最新刊本を購入してみようと思っています。

絶命7日前に詠んだ歌、
・われの一世(ひとよ)に殺(せつ)なく盗(とう)なくありしこと憤怒のごとしこの悔恨は

哲久絶詠に、
生きることはたのしいことだよしよしよしよしよしとす

たましいのやすらわぬこそいのちなれ煩悩具足八十二歳
憎むより愛することのやすらぎをわが生涯の結語となさん

今日の一首はありません!しばらく考えてみます!

愚樵さん コメント有難うございました。励みになります。短歌とはかくも力のあるものか書き込み一つにそれを感じる

とても感銘を受けました。
どこにどう感銘を受けたか、うまくいえません。あえて言えば、作家の方々の心構えでしょうか。

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