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2007年12月 7日 (金)

「サラエボの花」(原題「グルバヴィッツァ」)を見た

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今日映画「サラエボの花」(原題「グルバヴィッツァ」)を岩波ホールで見た。
映画が終わってもエンドロールが終わるまで誰も立ち上がらない。
この映画の持つ力と岩波ホールの客の意識の高さを同時に感じた。
ハリウッド映画にはないテイストです。
英語の英語を見慣れているので全く分からない言葉や文字に新鮮な感じを持ちました。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナで何が起こったのか?
首都サラエボはどういう状態だったのか?
グルバヴィッツァどんな20世紀の歴史に残る犯罪が行われたのか?
地球の反対側の日本人には分からないことが多い。
この映画を見てこの地域に興味を持った。

昔私が住んでいたイラクの人たちはユーゴの人に日本人と同じような親近感を持っていた。
それは欧州の大国に蹂躙される小国の歴史を見ていただろうか?
科学技術の進んだ国という理解をしていたとも思う。
イラクの国際入札でユーゴに負けた個人的思い出もあります。

ところでグルバヴィッツァはサッカー日本代表監督だったオシム監督の育った所だそうです。
今日就任会見を行った丸くなったという51歳の岡田監督率いるサッカー日本代表は来年すぐボスニア・ヘルツゴビナと当たる。
闘病中のオシム監督が倒れる直前にこの映画への激励文を寄せています。
これを読むとこの映画のことが良く分かります。
では紹介します。

映画“グルバヴィッツァ”(邦題“サラエボの花”)は、出来るだけ多くの方に観て頂きたい映画だ。この映画は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ全域、首都サラエボ、そしてサラエボの一角、グルバヴィッツァで20世紀、人類として恥じるべき、また運命的な悲劇が繰り広げられた物語を語るなかで、人類は二度と決してこのような悲劇をいっときも、如何なる場所においても繰り返してはならないというメッセージを発している。グルヴァヴィッツァは、20世紀、人類の良心モラルがかき消され、憎悪心にあやつられた武装兵士たちによって計画的に組織された民間へのレイプ行為が繰り広げられたことで、この紛争の一大悲劇の舞台となり、世界史上においても類なく稀な場所となってしまった。 ベルリン映画祭で最高賞を受賞したこの映画は、自活しているシングルマザーのエスマと娘、サラの生活を通し、母親エスマの娘サラに対する2つの心の葛藤:キャンプで武装兵士によって犯され、生まれた自分の娘に対する測り知れない愛、一方レイプした武装兵士たちを憎しみ、留まることを知らない恐怖心、トラウマに駆られている自分自身を描いている。 我々、グルバヴィッツァの住人は、かつてサラエボのこの地区が、すべての者がともに共存し、生活を営み、サッカーをし、音楽を奏で、愛を語らえる象徴的な場所であったことを決して忘れない。我々はいまだに、そのような場所で紛争という悲劇が起きたことによって、殺戮や武装兵士による集団レイプ、諸々の憎悪に満ちた行為が繰り広げられたことを信じがたいと同時に、この様な事実を決して忘れ去ってはならない。グルバヴィッツァはいつの時代でも、慈愛深い人、スポーツ選手、インテリといった偉大な人々を生み出して来たが、他の場所からやってきた野蛮な悪人たちによって汚され、服従されようとされてしまった。しかし、この先もグルバヴィッツァの精神は生き続けるだろう。グルバヴィッツァとそこに生き続ける精神はそう生易しくかき消されることはない。
イヴィッツア・オシム(サッカー日本代表監督) 2007年11月13日 東京にて


33歳の女性のヤスミラ・ジュパニッチ監督のインタビューです。
このインタビューを読むと女性監督でなければ作れなかった映画だと思います。

Q―“グルバヴィッツァ”(原題)という単語は外国人にとっては舌をかみそうですね。グルバヴィッツァとはいったい何ですか?
私が住んでいるビルをこえたところにある一帯がグルバヴィッツァです。戦争中は、セルビア人勢力に制圧されていた場所です。今グルバヴィッツァを歩けば、ビルや人々、店、子供、犬がごく普通に存在していますが、たくさんの人々の命が犠牲になった地区に行くと、そこには目には見えない、なんとも言えない不思議な感情がわきあがるのを感じるでしょう。

グルバヴィッツァは、エスマや他の登場人物たちが一部となっている小宇宙なのです。語源でいうと、“こぶのある女性”という意味があります。確かに発音するのは少し難しいですが、この気難しそうな単語が、エスマの世界観を表しているような気がしています。

Q―この映画の源は?
戦争が勃発したとき、実は喜んだんです。なぜかというと、数学のテストがキャンセルになったので。当時ティーンエイジャーだった私の一番の興味はセックスでした。愛の最高の形がセックスだと信じていました。

でも1992年からはすべてかが変わりました。自分がまさに戦争の真っ只中に生きていることを実感したのです。セックスは戦争戦略の一つとして、そして女性に屈辱を与える手段の一つとして利用されました。ボスニア戦争中、2万人の女性がレイプされたのです。当時その地域の100メートル隔てたところに住んでいた私は戦争よりもそのことに恐怖を覚えました。

それ以来、レイプとその残虐な行為の果ての結果に、私は執着するようになりました。このトピックに関連するものはすべて読み、追いかけました。何故私はこれらを調べたのか、何を知りたいと思ったのかわかりませんが、答えは私が出産したとき見つけました。その経験は愛に満ち溢れていて、母性のすばらしさを実感したのです。

そのとき、いろんな感情の塊が私の引き金になりました。ショックでした。そして自分に問いかけたのです。憎しみという感情の中で生まれてしまった子供を持つ女性の、心を襲う感情とはすさまじいに違いないと。この瞬間、私はこの映画を撮ろうと思いました。そして子供に授乳しながらシナリオを書き上げたのです。

オシムさんの言うように「出来るだけ多くの方に観て頂きたい」ので全国の映画館の案内を致します。


■東京
【岩波ホール】      12月1日~
TEL:03-3262-5252
http://www.iwanami-hall.com/
■北海道
【シアターキノ】     春
TEL:011-231-9355 
http://theaterkino.net/
■静岡
【シネギャラリー】    春
TEL:054-250-0283 
http://sarnath.co.jp/eiga/etop.html
■愛知
【名演小劇場】      2008年2月2日~
TEL:052-931-1741 
http://homepage3.nifty.com/meien/
■三重
【進富座】          春
TEL:0596-28-2875 
http://www.h5.dion.ne.jp/~shintomi/
■京都
【京都シネマ】       2008年1月12日~
TEL:075-353-4723 
http://www.kisaragisha.co.jp/kyotocinema/
■大阪
【シネリーブル梅田】  2008年1月5日~
TEL:06-6440-5930 
http://www.cinelibre.jp/umeda/
■兵庫
【シネリーブル神戸】  2008年1月5日~
TEL:078-334-2126 
http://www.cinelibre.jp/koube/
■広島
【広島サロンシネマ】   お正月第2弾
TEL:082-241-1781 
http://www.saloncinema-cinetwin.jp/
■岡山
【シネマ・クレール】    春
TEL:086-232-2281 
http://www.cinemaclair.co.jp/
■福岡
【KBCシネマ】      2008年2月16日~
TEL:092-751-4268 
http://www.h6.dion.ne.jp/~kbccine/

youtubeからの映像1です。
監督のインタビューが最後に入っています。

youtubeからの映像2です。
これにも監督のインタビューが最後に入っています。

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