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2008年9月 9日 (火)

オーマイニュースの残したもの

Yuo_ohmy_01


前の記事(オーマイニュースという市民メディアがあった)に書いたようにオーマイニュースは8月31日で終了しました。
その原因について「旅のプラズマ」さんからコメントで問いかけがあったので記事にしてお答えします。

まず私はオーマイニュースの終了が大変残念です。
鳥越俊太郎さんに期待していただけに病気後それを継ぐ第二の鳥越俊太郎が出なかったことを残念に思います。
これからメディアとitの両方に強い良識ある国民的言論人の登場を待ちましょう。

このプロジェクトに関わった多くの善意に敬意を表しておきます。

mynewjapanではその原因をこう書いていた。

営業、事務、情報システム、デザインなど含めた会社全体でも社長以下10人弱に縮小した、と報じており「大企業体質、既存マスコミ体質そのまま」や 韓国と日本の政治的な背景の違いなどが失敗の本質にあるとしている。

ガ島通信の藤代さんのオーマイニュースはなぜ失敗したか(上・下)がオーマイニュースこの2年間を総括してその原因を追及しています。
少し紹介します

つまずきの理由
・日本と韓国の政治状況やネットユーザーの違い、
・実名への過度のこだわり、
・記事の論調や質、
・鳥越氏や韓国でオーマイニュースを立ち上げた呉連鎬(オ・ヨンホ)氏を始めとするスタッフの迷走、
・経営に不慣れな記者――。
そして何よりも
・「インターネットメディアでありながら、インターネット的ではなかった」

オーマイニュースはなぜ失敗したか(上)


(「記事の質」と言われると市民記者として記事を書いていた自分としても内心コツンと当たるものがある。)


創刊直後の2006年9月2日にオーマイニュースをテーマにしたシンポジウム『ブロガー×オーマイニュース「市民メディアの可能性」』を企画した。
ここで、いくつかの重要なポイントが明確になった。
編集部がネットやブログの世界をほとんど知らなかったこと、市民記者の原稿に対して編集部自身が懐疑的であること、先行事例・競合分析をしていなかったことだ。

 それは彼らによる「ブログの世界がこんなに広がっていたとは知らなかった」や「JanJanもライブドアニュースも見たことがないので分かりません」
「市民記者の記事だから……」といった発言に象徴されていた。
読者についてもほとんど言及されることはなかった。

シンポジウムの後に会場で行ったアンケートの回答は当然のことながらオーマイニュースに対して厳しいものだった。「先行事例から全く学んでいないのは致命的。
信じられない」「既存マスメディア型の一方通行の発想しかない」「読み手についてオーマイが意識していないことがよくわかった」などだ。
にもかかわらず、「オーマイニュースは成功すると思いますか?」という質問には、成功する=3、成功しない=6、わからない=30、成功してほしい・成功の可能性あり
(これは選択肢になかったが記入者が書き加えたもの)=3で、この段階でも期待は失われていなかった。

オーマイニュースの創刊宣言はこのような言葉から始まっている。
『ニュースが生み出される方法、消費される過程を含めて、ニュースの仕組みが根底から変わります。
これまで傍観者、あるいは情報提供者にとどまっていた人々がニュースづくりの主役になるのです。
新聞社のゴミ箱に捨てられていた読者の投稿、胸に秘められていた想いなど、これまでないがしろにされてきた皆さんの声を、オーマイニュースは大切にしていきます。
オーマイニュースは日本で最も自由なメディア、ニュースを通じた市民参加の「プラットフォーム」になるのです』

 結局、市民記者の声は以前と同じようにないがしろにされ、ニュースの仕組みは何ら変わらなかった。
オーマイニュースは、ネットという新しい薄皮に包まれた古いメディア、既存メディアを真似した「劣化メディア」でしかなかった。
シンポジウム当時にオーマイニュースに期待された役割の一つは、ミドルメディアという別の形によって実現した。
掲示板やブログに拡散したネット上の情報をミドルメディアがアグリゲートし、それが大手ポータルサイトにも配信されるようになっている。
ブログの社会的な認知度、影響力も高まった。
オーマイニュースは時代の変革期に咲いたあだ花だった。
インターネット事業にも関わらずネットを知らないスタッフ、ネットユーザーの情報発信力を軽視し、参加者・読者のメリットを考えない姿勢、
そして市場環境や競合分析すらせず新たなビジネスに取り組む……。

期待裏切った2年・オーマイニュースはなぜ失敗したか(下)

上記シンポジウムの受け付けをされ記事にされた人はこう書いています。

会場では活発な議論があり、オーマイニュース編集部の回答内容には首をかしげるものもないわけではなかったけれど、かなりつっこんだ内容の質問にも一生懸命説明しようとしている態度が全面的に感じられました。 アンケートでシンポ前の印象は辛辣なものが多かったのが、シンポ後には「市民記者登録を決心した」という方を始めとして前向きなものが多く見受けられるのは、そういう姿勢が評価されたのかもしれません。

「ネットに弱い鳥越さんは編集長を引退したらどうか。鳥越さんには勤まらない」と言われてこう言われたそうだ。
ネットに弱い鳥越さんは編集長を引退したらどうか。鳥越さんには勤まらない」
「僕はガンの再発の可能性を抱えている。現に今も肺に陰があるといわれている。
家族や医者も友人からもそんなハードなことはやめろと言われたが、新しいことをやるということに好奇心の虫がうずくものだから。
実際には自分は実務はやれてなくて、いろんな人のインタビューとか、立ち上げまでの広告塔みたいな存在なんですよ。
引退しろと編集部全体が言うならいつでも引退します。
ただ僕はやってみて面白いなあ、と、きょうもこんなに集まってくれるし、インターネットの世界ってけっこう面白いなあというのがあるんで、簡単に引退はできないなあ」


最近ネット仲間をガンで亡くし、生前彼からガン患者として生きるということがどういうことかいろいろと聞いていた私には、この言葉はとても重みを持って感じられました。
こういう鳥越さんの「志」を直に感じられたのが、今回参加して私にとっての一番の収穫だったかもしれません。

この気持ちがオーマイニュースを今日まで支えてきたのだと思う。
報酬が高すぎたという批判される問題は確かにあるが鳥越さんのこの言葉にはジャーナリストの真骨頂があると思う。

くりおね あくえりあむ


始まって1週間で今日を予測させるようなシンポジウムはここで聞けます。
2006年9月2日にオーマイニュースをテーマにしたシンポジウム『ブロガー×オーマイニュース「市民メディアの可能性」』 オーマイニュース:シンポジウム録音ファイル公開
このシンポジウムをやっただけでもオーマイニュースは歴史的な意味があったと思います。

一部聞き書きします。

佐々木さん
・ブログの世界は完成したものを出すものではない。
・2チャンネラーを馬鹿にしてはいけない。
・編集部はメディアリテラシーが低い
・ブログの世界はファクトでなく論評分析が最大の武器
・オーマイニュースは立ち位置が難しい
・ブログからの入口を作りたい。
・編集部内の対立をどんどん外に出せばいい

鳥越さん
・ほぼ日刊糸井新聞に4年間毎日書いたが、メディアリテラシーは低い
・私は韓国人だと匿名で書かれているが事実と違う、「責任ある参加」の為には実名が必要
・右翼とか左翼とかは関係ない
・オーマイニュースは今幼稚園児でよちよち歩きだけれど「自由な言論のプラットフォーム」を作る為に協力してほしい
・2ch全体を見たことはないのだが2ch全体が「ごみ溜め」と言った覚えはない。
・女子アナサイトはまさに「ごみ溜め」
・テレビは新聞の後追いなので新聞よりも先に行きたかったが桶川の事件で新聞が追いかけストーカーー規制法までできた。
・今幼稚園児だが思春期くらいまでは行くでしょう
・自民党総裁選のときに民主党の小沢一郎をインタビューした人は他にいない
・量的変化が質的変化に転化するには数万の市民記者が必要
・市民記者が経験・体験していることを書いてほしい。メディアは網的な取材はできない。
・PJとかjanjanとの差別化

山口さん
・「市民のオピニオン」の集積に意味がある

平野さん
・オーマイニュースはブログのエリートでない人にプラットフォームを提供する
・鳥越さんと権力の考え方は違う

その他
・書き込みは全部アップすべき
・そのひとのアイデンティティが確保できればニックネームでいい
・youtubeのレスポンスのようなサイト内トラックバック機能は可能なはず
・その日の「良いコメント」の発表したらいい
・エッセイ・コラムは別ジャンルでだしたらいい
・300-500字位のファクトだけの記事でいい
・インターネットは敷居を低く気楽に書けばいい
・googlenewsのように価値判断なしで市民記者の記事を吸い上げればいい。


Q・PJとかjanjanとの差別化は?
平野
A・janjanは選挙に特徴があるがオーマイニュースはない
 ライブドアニュースはマスコミを目指している
鳥越
Q・PJとかjanjanの検証は?
A・見たことない
Q・鳥越さんは若い者に引退して若い者にゆずったら
A・インターネットの世界は面白いので簡単に引退はできない。
Q・韓国との違いは検討したか?
A・日本のメディアは一定の役割を果たしているのが韓国と違う
 双方向性がないのが今のメディアの欠点
 税金を払っている人は皆記者になれるという意味で市民記者と名付けた。
Q・トラックバック機能が欲しい
A・現在未定
平野
Q・「タブーに挑戦」のスローガンがが消えたのは?
A・他意はない、タブーに挑戦する。マイニュースジャパンとの提携もしている
Q・記者クラブはどう考えるか?
A・功罪があるがなくてもやれる日本になってきた。


ここには考え支える材料がふんだんにある。

歴史的使命を終えたオーマイニュースさんお疲れ様
改めてこのプロジェクトに関わった多くの善意に敬意を表します。

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