公共サービスが崩れてゆく(下)
に続いて
公共サービスが崩れてゆく(下)です。
公共サービスが崩れていく
民営化の果てに
藤田和恵 著
企画 全国労働組合総連合
かもがわブックレット
2008・1・15発行
の紹介です。
Ⅳ 「民」は「官」より優れているか
手間のかかる正社員採用支援を「民」でやれるのか
・06年以降、偽装請負や日雇い派遣、非正規雇用労働者の増加などがさかんにマスメディアで取り上げられるようになった。今やワーキングプアや格差、ネットカフェ難民といった言葉を耳にしない日はない。が、これらの問題は決して降ってわいて起きたわけではない。
・原因をさかのぼれば、90年代後半から進められた労働者派遣法や職業安定法など労働法制の規制緩和がある。
・それまでは、中間搾取や人身売買につながりかねないとして、労働者を派遣したり、職業紹介をしたりできる業種は厳しく制限されてきた。が度重なる法改正により、原則自由化された。
・今後も労働市場の規制緩和の流れはとまりそうにない。いったん棚上げされたものの、ホワイトカラーエグゼンプションや解雇の金銭解決制度の導入が再度、議論されるのは時間のも問題。
・これまでは規制緩和による犠牲は主に非正規労働者にとどまってきたが、今後は、文字通りホワイトカラーや公務員をも巻き込んだ労働ビッグバンへ発展していく可能性が高い。
Ⅴ 民営化の未来はバラ色か 郵政職場から
あるゆメイトの遺書「もっと働きやすい職場になれば」
・亡くなる1週間前から「仕事のことを考えると眠れない」「課長がうるさくて」と寝付けないひが続いていたと言う。
・妻は深夜、布団を抜け出し、ベランダでタバコを吸っていた男性の後ろ姿が忘れられない。
・妻は「忙しくて昼食を食べる暇がないと言うんです。だから、おにぎりなら食べられるだろうと、持たせたんですが、おにぎりですら残して来る日がありました。アルバイトにここまでさせないと、郵便局は民営化できなかったんでしょうか」と訴える。
おわりに
「高すぎる人件費や、コスト意識に欠けた効率の悪さ、浮世離れした特権意識は見直す必要があるだろう。
民営化や民間委託が絶対悪だとも思わない。
が、それでも「公」が担わなければならないサービスはある。
気になったのは、医療や福祉、教育といった採算がとれない、非効率にならざるを得ない分野が真っ先に「官」から「民」への対象にされていることだ。
こうしたサービスを、利益を上げなくてはならない民間に任せては、遅かれ、速かれ「安かろう、悪かろう」に陥ることは目に見えているはずなのに。
もうひとつ、違和感を覚えたのは、「官」から「民」への深刻な影響は、今のところ、中央省庁や地方自治体の非正規職員や、委託先の契約社員、単年度の
契約を繰り返す保育士や臨時採用教員た、末端の公務職場でサービスを支えている人たちばかり及んでいるように見えることだ。
彼らは一部の高級官僚と違って業者からの接待とも、天下りとも、退職金の二重取りとも無縁の人たちだ。
一連の改革に、公務員バッシングを続けた人々の溜飲は、少しは下がったのかも知れない。が、経済的な理由は住む地域によって、病院で死にたくても死ね
ない社会は本当に望まれた社会なのか。改革のいびつさのしっぺ返しは、いつ、どこで、だれに向かってくるだろうか。」
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以上全て引用です。
しかし中身は全て賛成です。
こういう素晴らしい本を出す程のまともな労働運動が日本にもあることをうれしく思います。
この本は2008年1月に出たばかりだが、改革のしっぺ返しは確実に庶民にかぶさってきている。
アメリカ発の世界恐慌で更に多くの被害が庶民に出るだろう。
政治と経済のあり方の庶民側への抜本的なシフトが今必須だろう。
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コメント
ホタル さん
コメントありがとうございました。
今スローガンは「民から官」かもしれません。
投稿: 大津留公彦 | 2008年10月12日 (日) 23時33分
はじめまして。
「官から民へ」って、初めから胡散臭く聞こえたスローガンですよね。民に移せばより良くなると根拠もなく主張するばかりでした。
採算が取れなくても維持しなければいけない分野までお構い無しに民営化。目的はより良いサービスでも効率化でもなく、公的予算のカットであることが見え見えです。
YouTubeでBS放送の「世界のドキュメンタリー」を見ました。ドイツとイギリスの水道事業民営化の惨憺たる結果を報告してました。
コイズミが続けていたら、日本もそこまで落ちていたことでしょう。
投稿: ホタル | 2008年10月12日 (日) 19時41分