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2010年1月 6日 (水)

梅田望夫氏の『ウェブ時代をゆく』を読んだ

梅田望夫氏の『ウェブ時代をゆく』を読んだ

著者の『ウェブ進化論』と『ウェブ時代をゆく』は福沢諭吉の『西洋事情』と『学問のすすめ』の関係であるという。

『ウェブ進化論』は ウェブの紹介本という趣があったが『ウェブ時代をゆく』は 若者への生き方のガイドという趣がある。
どちらが名著かわからないが福沢諭吉の場合は後者だろう。
梅田望夫氏の場合はこれからの読者が決めるだろうが生き方が関わるだけにこの本の方が残るかもしれないとも思う。

この本の言葉を紹介しよう。


「リアル世界での日常に余裕がでたシニア層は、ネット世界で過ごす時間を増やし、いずれ総表現社会の重要な担い手になると私は確信している」

客観的にはシニアに近い私には元気付けされる言葉だ。

梅田望夫氏は若い人たちにシリコンバレーで学んだ3つの言葉を送りたいとp.96で書いている。
それは、

1.Only the Paranoid Survive(病的なまでに心配性な人だけが生き残る)、

2.Entrepreneurship(自分の頭で考え続け、どんなことがあっても絶対にあきらめない)、
そして、
3.Vantage point(見晴らしのいい場所)だ。

説明の必要な3についてはこう書いている。
p.96

三つ目が「Vantage Point」(バンテージ・ポイント)だ。これはシリコンバレーの投資家ロジャー・マクナミーの言葉である。若者のキャリアについて私と話をしていたときにロジャーは「若者はバンテージ・ポイントに行くべきだ」と言った。「バンテージ・ポイント」とは「見晴らしのいい場所という意味。その分野の最先端で何が起きているかを一望できる場所のことである。


司馬遼太郎は『アメリカ素描』の中で人工国家アメリカが存在しているだけで「いつでもそこ(文化で自家中毒するほどに重い気圧から開放され文明のみであなたOKですという世界)へ行けるという安心感」を我々に与えてくれると書いたが、梅田はウェブが作り出す「もうひとつの地球」がリアルの世界で窒息感を感じている人たちにとって、「いつでもそこにいける」という案心感を与えてくれる存在と捉えているところなど腰を落ち着けて考えているのだなと感じさせられる。


『「知的で明るい大人」が増えなければ、未来の創造はできない。(P14)

(これからは)「働き者の時代」なのだろうと思う。さまざまな日本の若者たちと接してみて思うのは、これからの時代に合わないのは「頭はいいけど怠惰」というタイプだろう』 (p110)

海外に向いているのは理詰めでなく前向きで明るい人だというのは私の海外経験での結論だがit の世界も同じのようだ。


「ウエブ進化論」で出された「学習の高速道路と大渋滞」がおこっているという考え方が発展させて高速道路を途中下車して「けものみち」に入る生き方を自分の生き方を例として示している。

ロールモデル思考法は「ブログを書く」ことと実に親和性が高い。
(p137)
リアル世界で満足度が高い人ほどネットには関心を持たない。
(p231)


その過去はともかくとしてビル・ゲイツとウオーレン・バッフェットの600億ドルに及ぶ慈善事業へのエールも送っている。

この本の最後はこういう言葉で占めくられている。


ネットは個をエンパワーする。「もう一つの地球」はこれからますます大きくなる。世界の課題の解決という難しい挑戦から、日々の仕事や知的生活の充実、趣味や楽しみの意外な発展にいたるまで、サバイバルした先にあるさまざまな未来の可能性をイメージしてみてほしい。そしてそれによって、一人でも多くの人の心の中にいまを生きるエネルギーが湧いてくれればと願うのだ。

以下この本の目次です。

目次 - 新刊「ウェブ時代をゆく」11月6日刊行 - My Life Between Silicon Valley and Japanより

章 混沌として面白い時代
一身にして二生を経る/オプティミズムを貫く理由/「群衆の叡智」元年/グーグルと「産業革命前夜」のイギリス/学習の高速道路と大渋滞/ウェブ進化と「好きを貫く」精神/リアルとネットの境界領域に可能性/フロンティアを前にしたときの精神的な構え
第一章 グーグルと「もうひとつの地球」
営利企業であることの矛盾/グーグルはなぜこんなに儲かるのか/奇跡的な組み合わせ/グーグルの二つ目の顔/「もうひとつの地球」構築の方程式/「経済のゲーム」より「知と情報のゲーム」/利便性と自由の代償としての強さを
第二章 新しいリーダーシップ
人はなぜ働くのか/まつもとゆきひろが起こした「小さな奇跡」/オープンソース成功の裏には「人生をうずめている人」あり/ウェブ2・0時代の新しいリーダー像/ウィキペディアのリーダーシップ/「知と情報のゲーム」と「経済のゲーム」の間に起きる齟齬/事業機会を失ってもコミュニティの「信頼」を/なぜネットでは「好きなことへの没頭」が続けられるのか/良きリーダーの周囲に良き「島宇宙」ができる/総表現社会参加者層の台頭
第三章 「高速道路」と「けものみち」
高速道路を猛スピードで走る少女/日本のシステムで息苦しい思いをしている人のために/「高く険しい道」をゆくには/「見晴らしのいい場所」に行け/高速道路を降りて「けものみち」を歩く/「五百枚入る名刺ホルダー」を用意しよう/「流しそうめん」型情報処理、つながった脳、働き者の時代/「けものみち力」とは/正しいときに正しい場所にいる
第四章 ロールモデル思考法
ロールモデル思考法とは何か/なぜ「経営コンサルティング」の世界に進んだか/ロールモデルの引き出しをあける/「十九世紀初頭の新聞小説」とブログ/日本の若者を応援するときのロールモデル/自分の志向性を細かく定義するプロセス/ブログと褒める思考法/生きるために水を飲むような読書、パーソナル・カミオカンデ/行動に結び付けてこそのロールモデル思考法
第五章 手ぶらの知的生産
知のゴールデンエイジ/世界中の講義・講演を瞬時に共有できる時代/十年後には「人類の過去の叡智」に誰もが自由にアクセスできる/手ぶらの知的生活/これからの知的生活には資産より時間/ネットは知恵を預けると利子をつけて返す銀行/「文系のオープンソースの道具」が欲しい/群衆の叡智を味方につける勉強法/ネット空間の日本語圏を知的に豊穣なものに
第六章 大組織VS.小組織
情報共有と信頼/やりたいと思う仕事に自発的に取り組む/情報共有と結果志向型実力主義/有事には情報共有を前提とした組織になる/小さな組織は情報共有で強靭になれる/小さな会社で働き、少しでもいい場所に移ろう/「三十歳から四十五歳」という大切な時期を無自覚に過ごすな/自らの内部にカサンドラを持て/「古い価値観」に過剰適応してはいけない
第七章 新しい職業
「新しい職業」と「古い職業」/「新しい職業」の誕生を信じる人は「ウェブ・リテラシー」を/オープンソースが生んだ新しい「雇用のかたち」/「志向性の共同体」とスモールビジネスの経営/スモールビジネスとベンチャー/ビル・ゲイツの後半生を徹底肯定する/世界の難題の解決にネットが本格的に利用される時代
終章 ウェブは自ら助くる者を助く
人工国家に似た「もうひとつの地球」ができれば/より求められる「自助の精神」/サバイバル優先、すべては実力をつけてから
あとがき

若者に優しい視線を向ける著者は『中央公論』2008年1月号にこう書いている。

僕はJTPAというNPOを創設し、毎年30歳以下の若者約20人を招く「シリコンバレーツアー」に関わって

います。その参加者は大変優秀な子ばかりなのに、充実した将来への希望を持てていない。僕が「シリコンバレーなんて好きなことをしている奴ばかり。自分を信じて好きなことをやればいい」とアップルCEOのジョブズの言葉などを引用しながら話すと、泣き出した子がいました。そんなことを言われたのは初めてだと。また、その場で「スタンフォードに留学します!」と宣言した学生もいました。_ 20年以上生きて、親や教師とも話し合ってきたはずなのに、日本の教育は何をしているんだろう、若者と真剣に対峙しているのか。彼らのためにも、この本を書かなければいけないと思いました。

中央公論
http://cm.chuko.co.jp/~ckoron/umeda/

日本の若者にこの本を薦めたい。

この本の白眉は「けもの道でサバイバルするためのルール、たとえば好きなことの見つけ方など」の「ロールモデル思考法」だろう。

梅田さんがあえて『ウェブ進化論』と『ウェブ時代をゆく』を福沢諭吉の二冊(『西洋事情』と『学問のすすめ』)となぞらえたり、ブログ執筆の喩えにバルザックと新聞小説の関係を挙げたりしたのもシリコンバレーは皆が大言壮語し、それが面白がられる社会。そこに活力が生まれると信じているからなのです。


ブログをやっていない人はブログをやりましょう。
Twitterをやってない人はTwitterをやりましょう。
そして
パソコンと親しくない人は親しくなりましょう!

作者の著書は以下の通りです。_私が既に読んだのは*です。

*シリコンバレーは私をどう変えたか (2001年、新潮社) *ウェブ進化論 ISBN 4480062858 (2006年、ちくま新書 筑摩書房) シリコンバレー精神 ISBN 4480422536 (「シリコンバレーは私をどう変えたか」を改題増補、2006年、ちくま文庫 筑摩書房) *ウェブ人間論 ISBN 4106101939 (2006年、新潮社、平野啓一郎との共著) *フューチャリスト宣言 ISBN 4480063617 (2007年、ちくま新書 筑摩書房、茂木健一郎との共著)* ウェブ時代をゆく—いかに働き、いかに学ぶか ISBN 4480063878 (2007年、ちくま新書 筑摩書房) ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く! ISBN 4163700005 (2008年、文藝春秋) 私塾のすすめ ISBN 4480064257 (2008年、ちくま新書 筑摩書房、齋藤孝との共著)

参考
「シリコンバレーは私をどう変えたか」 を読んだ
http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-dae5.html

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『朝鮮進駐軍』について知って下さい

今日本で起っている大変なことの意味がすべて分かります

http://www.youtube.com/watch?v=uyMLaVq4ez0 

http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-748.html

そしてできたらどうか拡散して下さい

岩下さん 梅田さんの名前は梅田望夫です。

岩下さん

早速のコメントありがとうございました。
そういう突っ込みはたくさんできる本ですが。。

現実世界で足が動かないが、アバターの世界では自由に駆け回れる~これがキャメロンの世界像だ。梅田信夫氏が福沢諭吉たらんとするならば、「もうひとつの世界」での「学問のススメ」である。でしかない。行動的な未来は、怠惰を否定するが、アメリカ的でカツマーみたいな厭な感じだ。僕は怠惰こそが人生だと思うし、ロンドンで発狂しそうになった夏目漱石に共感する。僕もパリに長く住んでたが、エイリアンでありつづけた。梅田氏みたいな楽観論ですべて、団塊世代がエンカレッジするとは思えない。ウェブに過大な期待は出来ない。ビル・ゲイツはグーテンベルグではあるとおもうが、キリストや仏陀ではない。慈善は出来るが人類そのものは、救えない。

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バルザックの名言集を集めてみました。納得いくものから、僕にはまだ理解できないものまで。 [続きを読む]

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