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2010年1月16日 (土)

枡野浩一著 「君の鳥は歌を歌える」 を読んだ

枡野浩一著 「君の鳥は歌を歌えるか」 を読んだ

自称「日本一の特殊歌人」による文学作品の短歌化です。
今は無き詩の雑誌「鳩よ!」に連載された文章をまとめたものです。
男の「矜持」に満ちた「ますの節」炸裂で好き嫌いがあるでしょう。
でも一回読んでみてもいいかも・・・

以下参考になったフレーズです。

まずは韻文とはそもそも何かという本質論から・・・

ーーー

p64 私たちの日常は「散文」で成り立っている。わかりやすく、ハキハキと、読みまちがえのないように書かれた散文。 それに対する「詩」とは、つまり、非日常である。関節の外れた、まぶしく乱反射する破片みたいな、詩。

ーーー

そうなんだな
短歌は非日常なんだ。
短歌を日常化してはならないんだ。


さらにうまい書き手はうまさを感じさせないようにテクニックを発揮すると技巧について述べた後、ドリカムの歌が音の切れ目と意味の切れ目をわざと一致させないのも新鮮と述べ、俵万智についても同じことが言えるとこう書いている。

ーーー

p

102 なぜ俵万智が短歌の革命児だったのかというと、こうした大胆な言葉の区切り方をを採用し、しかも身近な現代語を自在に扱うことで、
<「この味が/いいね」と君が言ったから/七月七日は/サラダ記念日>
といった、親しみやすくてリズムもいいアクロバティック現代語単価を確立することに成功したからだ。
俵万智以前にも現代語を使った短歌は試みられていたが、あまり成功していなかった。
俵万智が短歌が他の現代語短歌と一線を画していたのは、「字余りや字足らずを徹底的に減らすための語尾の工夫がなされていたからだ。
その工夫は、文章力がない者には真似できない。一時、俵万智風の短歌が大流行したが、結局ほとんどの亜流は淘汰されてしまった。


「丘をこえて」南Q太を短歌化したのがこの歌です。

男運悪いだなんて思えない 目は覚めたけどいい夢だった
中島みゆきの「涙」が似合うそうです。

326 ナカムラミツル作品集(マガジンハウス)への歌
(ちなみに326はみつると読むそうです)

326の詩

人生はかけ算だ どんなにチャンスが あっても、 君が、 『ゼロ』なら、 意味がない

ますのの歌

人生はかけ算 君がゼロならば チャンスが来ても答えはゼロだ

私が作るとこうかな

チャンスがあっても  君がゼロなら意味がない   人生は二人のかけ算   だから

ーーー
「インターネットに手を出すと貧乏になる」という文章は私もときどき読む「ほぼ日刊イトイ新聞」(糸井重里)の言葉を短歌化している。

糸井「うしろあたまが すきなら そのひとがすき」

ますの「そのひとの うしろあたまがすきならば そのひとのことが ほんとうにすき」

短歌は一人称の文学なんおでこんな一人称はどうか

大津留「いわないけど うしろあたまがすきだから あなたのことが ほんとうにすき」


ーーー
リリー・フランキー「日本のみなさんさようなら」

に対してはますのが世に広めたと言っている。

ますのが涙したという前書きにはこうある。

「身近ゆえにアラが見えてしまう 邦画に厳しく、わからない洋画には甘い「日本のみなさん」の映画を観る姿勢・・・ それは古語を使った難解な歌を有り難がる短歌界の姿勢にも通じると思った。」

ますの流短歌化をするこうなる

わからないものには甘いボクたちが 間もわからない洋画を褒める


ますのの96年7月31日号のSPA!のコラムニストランキングはこうなっている
1位 リリー・フランキー
2位 爆笑問題
4位 斉藤美奈子
5位 松尾スズキ
7位 電気グルーブ
9位 赤瀬川源平

この時点で爆笑問題の大田君に目を付けたのは彗眼だと思う。

 ーー
p184にこんな歌があった。

NHKへの出演の時に作務衣を着るように言われて大喧嘩して出演自体を辞退したといういわく付きの歌二首

振り上げた握りこぶしはグーのまま振り上げておけ 相手はパーだ

馬鹿中の馬鹿に向かって馬鹿馬鹿と怒った俺は馬鹿以下の馬鹿


若気の至りでしょうか・・・

ーーーー
ますのは星新一の信奉者で星からイメージを得た歌が多い

「星さんパクってごめんなさい。」

にあるここら辺の歌もそうか?

育ちすぎた「てのりくじら」は百円でマグドナルドが買うとの噂

きょうはラの音でくしゃみをしたいから「ドレミふぁんくしょんドロップ」は青

これはパロディの歌と亡くなった星さんに謝っている。
私はなんだかわからない

バラ色の未来のために
フラスコの中で生まれた灰色のバラ

ある有名歌人に「価値観の相対化をして何が楽しい?」と全否定されたそうだがそれには反論せず「それは私の短歌へ寄せられた数々の悪口の中でもほとんど唯一、きちんと痛いところを突かれたと感じる評論でした」と書いている。
しかしそれは星新一の行き方だと書き、こう結んでいる。

ドライであること ストイックであること 平明であること を突き詰めたあげくに生まれる真の叙情。 私の理想とする文章は星新一の文章です。 星新一を軽んじる鈍感な人々を、心から軽蔑してこれからも生きていくつもりです。
ーーーー

この本の題はビートルズの曲から取っています。

あとがきのあとの最後の歌はこの歌です。

 またいつかはるかかなたですれちがうだれかの歌を僕が歌った。

スキンヘッドの30歳のますの君の振り返る姿の写真の横に・・・・


ーーー
上の歌が掲載されている「てのりくじら」と「ドレミふぁんくしょんドロップ」は図書館で数分で読みました。
基本的に絵本なので驚くほど「費用対効果」が悪い本です。
これは図書館でリクエストして読めばいいでしょう。

こういう歌は私には作れないとだけ申し上げておきましょう。

以上で3冊の感想文終わりです。

ビートルズの曲とはこれのようです。

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