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2010年4月27日 (火)

栗木京子さんの短歌の作り方

Photo

http://www2.ocn.ne.jp/~soshinki/s41/news41.htmより


今夜は柏コンパル西口店にて現代短歌研究会があった。

テキストの檜葉奈穂「ミューズへの挑発」から今夜は栗木京子さんを研究した。

栗木京子さんは京都大理学部生物物理学科卒

歌がこんな風に理知的

難きこと語りて長く歩みしが疲るれば妻と夫に戻る
京子


栗木京子は葛原妙子の影響を受けている。

 

子の部屋に深夜子はいず緑色の雲が机に伏して眠れり
京子

 

のぞきたる或る日の居間に人をらず大き人形の腰かけていし
妙子

栗木京子の歌で有名なのはこの歌

観覧車回れよ回れ思ひ出は君には一日我には一世

栗木京子さんの短歌の作り方がよくわかるインタビューがありました。

部分的に紹介します。2004年1月号 インタビュー「栗木京子さんに聞く」
インタビュー 栗木京子さんに聞く

 時代への視線

聞き手:吉川宏志 記録:なみの亜子

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●好きな
作家、松本清張
画家 パウル・クレイ
音楽 ビートルズ サラ・ブライトマン
以下短歌の作り方に関する部分の一部です。
作歌上参考になります。

質問者の吉川さんの名前は表示してません。

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短歌以外では、俳句が好き?


栗木 好きというほどでもないですが。河野裕子さんが「塔」のインタビューで、「短歌ができない時は俳句を読む」とおっしゃってて、私もいっしょだなあ、と思ったんですけど。裕子さんは川崎展宏さんや長谷川櫂さんでしたか。私もやっぱり男性俳人の方が好きで、歌集にも引用している渡邊白泉、永田耕衣のちょっとボケが入ったような句、若い人だと岸本尚毅。誰のを一冊というより、アンソロジーのようなのをざーっと見ながら、ぱっと発想をいただいて作ることも。

歌はいつ作りますか。

栗木 家族のいない時。昼間。別に家族が帰って来てもずっと一緒にいる訳じゃないんですが、誰かが家のなかに居ると、落ち着かないんですよ。

自分の自室があるんですか?

栗木 ないんです。居間のテーブルに、私が勝手にいろいろ並べてやっている感じで。夫には夫の書斎がありますから、今は息子が家に居ないこともあって、私が完全に居間を使っています。

夜は、歌を作ったりはしない?

栗木 夜中に起きて作るとか、そういうことはないです。体力ないから。一度、朝の四時くらいに起きて作ろうとしたんですけど。なんかね、悲しくなっちゃうんですよ。朝早く起きるって非日常じゃないですか。例えば子供が熱を出して、夜中に起きて看病した時の夜明けの空気とか、そういうの思い出しちゃって駄目なんです。

歌は手書きで?

栗木 そうです。ノートを作って、そこに断片的に鉛筆で書き取っていく。

メモはとります?

栗木 うーん、とらないですね。だから、いっぱい忘れます(笑)。以前は、車を運転している時、信号待ちに書き留めたり……ということもありましたけど、最近はないです。

『夏のうしろ』に収めている歌は、連載で毎回三十首だったんですよね。これだけの数を作ったのは初めて、と後書きにありますが。

栗木 多作か寡作か、と言われると寡作の方です。作り溜めるということもなかったし。それでも十首作ろうと思ったら、三倍くらいは作って捨ててはいましたけど。今まで、そんなに大量の注文が来たことがないんですよ。

この頃、依頼が重なったんですよね。

栗木 そうなんです。また途中で短歌研究賞をいただいたんで、そうすると受賞後第一作を五十首作らないといけなかった。まだ連載の途中だし、それとはまた別に五十首があり、他の雑誌からも、二十五首とか依頼が来ていましたし。

 数を作るコツは何か、ありますか。

栗木 その時はやっぱり、俳句のアンソロジーから無理矢理拾いました。何でもいいから、みたいな。私はぼーっとしてては、浮かんでこないタイプだから。

●歌集『夏のうしろ』について

栗木 社会詠が多いとよく言っていただくんですが、ちょうどそういう事件が起きたから、題材が採れたというところがあります。


  梅雨の夜の料理番組見てをりぬ四人分なる食物の量(かさ)
 

栗木 料理好きなんですよ、私。短歌以外の趣味は?と言われると、料理。凝った料理は作らないんですけど、台所に居るのが好きなんです。栗原はるみさんの、大ファン。

 あと比喩の歌もすごいです。

  大雨の一夜は明けて試し刷りせしごと青き空ひろがりぬ

「試し刷りせしごと」にはびっくりしました。直感なんでしょうか。

栗木 昔、年賀状を「プリントごっこ」で作ってたのね。最初、量がわからないからインクをべたっと乗せちゃって、それをぐーっと押すとびっくりするぐらい、強烈な色が出たの。多分、そういう何でもないような……。


ちょっとした発想があるわけでしょう?それを一首に膨らませるには、時間がかかりますか。

栗木 核になるものを呼び込んだ時には、時間はかからないですね。でもむしろ私は、裕子さんと違って、わりとウジウジと改作する方なんですよ。その歌も、上句を大分変えたんじゃないかなあ。「試し刷りせしごと青き空」はぱっとひらめいた、そのまんまなんですけど。

栗木 どうしても自分で解釈がつかない時には、歌会に出したりするんです。そうすると大体、自分でああでもないこうでもないって変えた部分は、批判されますね。


栗木 あまり考え過ぎず、ちょっと稚拙なぐらいでもストレートに出した方がいいんだろうな、と自分ではわかっているんですが。つい、いじりたくなっちゃう。

この歌もすごいです。

  わが骨盤見る日はつひになからむを庭に真白く暮れのこる椅子

自分の骨を見る、という発想の先例はあることはあるんだけども、椅子が真白く残っている、というところに存在感があって。こういう歌も、たくさんありましたね。

栗木 三十首詠の作品連載の話をいただいた時、せっかくだから何か八回通しのテーマを自分のなかに設定しようと思ったんです。だったら「恋」にしようと。四十代、五十代になって家庭をもっていたりすると、みんなぱたんと「恋」を詠まなくなっちゃうでしょ。いっそ、前登志夫さんとか岡野弘彦さんとか、あれくらいの年代の男性になると、本当にかぐわしい恋の歌があるんだけれど、その間がないのはもったいない。一応私、「恋」の歌でスタートしましたから(笑)、「恋」を捨ててはいけないと思いましてね。願望でも妄想でも何でもいいから、「恋」の気分がそこに流れている一連にしようと。

 この歌、好きですね。

ぶらんこを真すぐに止めて降りしのち二十年(はたとせ)は過ぐ恋もせぬまま

確かにある年代、生活に追われてしまう時期がありますもんね。

栗木 それと何となくブレーキがかかるところがあって、ぼかして歌っちゃったりするんです。でも「恋」という言葉を、もう一度自分の作風のなかに復活させたいな、と思って。だから、「恋」というストレートな言葉が出てくる歌が、結構多いと思います。船遊びの歌とか、一番最後の歌も「恋ごころ」。だって、「日常詠の達人ですね」と言われるより、「恋歌の達人ですね」と言われた方が、嬉しいじゃないですか(笑)。

逆にこの歌集は、家族の歌が少なかったように思いますが。

栗木 やっぱり難しいですね。赤の他人を詠むより、難しくなってきちゃいます。

「短歌往来」(十二月号)のインタビューにもありましたが、息子さんはこの時十七歳くらいでしたかね。子どもさんを詠む替わりに、十七歳の少年の事件を詠んだ感じがある……という発言もありました。

栗木 そうですね。第二歌集の『中庭(パティオ)』では総体としての女性を詠んだのが、今回子どものバージョンに移行した感じです。

 難しいですよね。子どもが十四歳くらいからは。

栗木 難しいですよ、やっぱり。ちょっと想定できない部分があります。

栗木 裕子さんのところも花山さんのところも、お子さんも短歌を作っておられます。自分も表現者としてやっている方は、家族の歌に対しても表現者としての目で見られると思います。うちの子は、全く興味をもっていませんから。

息子さんは今、東京の大学ですね?会いに行かれたりはしますか?

栗木 それはしょっちゅう。遊びがてら。

 そういう歌は作らない?

栗木 作りませんねえ。大体、私、旅の歌が作れないんですよ。旅に行くとウキウキしちゃって。自分を追い詰めて「わたしはなんて駄目なんだ、なんて不幸なんだ」……こう自虐的にならないと(笑)歌ができない。だんだん、それがひどくなりますね。

吉川 歌は、自虐的な感じがしませんけど。

栗木 でもやっぱり一つ一つ思い出してみると、何か悲しい気持ちで作ったなあ、と。

 わかる気はしますけどね。

(続く)

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