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我が大学の先輩の停年退職にあたっての大学誌に掲載された文章です。
私は少し下の世代ですが同じような時代を生きた者として同感して考えさせる文章です。

例えばこんな所は今の時代に対する真正面からの投げかけです。

「どうせそんなことをしても何にもならない」という無力感がたしかに存在します.このような無力感・シニシズムが広範に存在する限り,権力者は国民の不満を気に掛けなくて済みます.ということは「民主主義」ではなくなるわけです.ちなみにシニカルな態度というのは自分の弱さを隠す,心理学で言うところの「防衛機制」の一つかも知れません.

「エンパワーメント」が時代を切り開くキーワードかも知れません。

無力感やシニシズムの反対は「エンパワーメント」,empowerされた状態で,忍耐力も伴った自信,自己肯定感ですが,これは例えば自治会のような仲間同士の連帯によって生み出されるでしょう.(メディア技術の発達した今日,たった1人でできることも数限りなくあるということも重要です.)ロングランを続けるミュージカル映画「レ・ミゼラブル」では,圧政に対抗して学生たちが革命を起こそうとします.皆さんが社会に出れば,革命ではなくても,一人ひとりの生活や権利を守っていくためにはどうしても自分をempowerしておくことが大事だろうと思います.

考えてみれば私も自己肯定感で生きて来た感じです。
学生の皆さんに広く伝わればいいと思います。
以下全文を紹介します。

自分自身をエンパワーしよう

学科ニュースのインタビューで,長年大学で学生と付き合ってきてきて,学生は変わったか,と訊かれました.学科ニュースの記者諸君に限らず,これはよく人から訊かれる質問です.返事は「よく分からない」だったのですが,インタビューでも述べたように,私の学生時代(1970年前後)と大きく違っているのは確かです.当時は,権力や権威に対する批判の風潮が強く,というより批判精神が健全に存在していて,政治の主流に対する真っ向からの反対勢力が健在でした.つまり,現在の自民v. s.民主,自民v. s.「第三極」というような,資本主義を原則肯定するような(注1),あるいはアメリカ追随を大枠では容認するような範囲内の「対立」ではない,もっとラディカルな対抗意見が市民権を持っていました.そのような社会の雰囲気に当時の若者も大いに影響されたわけです.

今日の状況は,「空気が読めない」という言葉に代表されるように,周囲に自分を合わせなければならないという圧力が強く,「個性重視」や「みんな違ってみんないい」などといううわべのかけ声とは正反対に,個人にひたすら周囲への順応だけを要求するような雰囲気が優勢のようです.もちろん昔からそういう傾向はこの社会では強かったのですが,それへの対抗勢力,抵抗勢力というのが絶滅しかかっているようです.それが若者世代にも反映しているのだと思います.学生が自分たちの共同の利益のためにまとまって行動するというようなことはほとんど見られません.いや,学生に限らず教職員すら,7.8%もの大幅でしかも意味不明の賃金引き下げに対してまともに抵抗していません.

このような状況は日本に特殊なことで,諸外国では学生自治会(注2)も健在です.健在どころか,時々ストや大学封鎖なども起こっています.しかし言葉のカベは厚く,欧米はもちろん,隣の韓国で起こっていることですら,テレビなどの大手メディアが報じなければだれも知らないという状況にあるのです.さらに,国民の「マスコミ鵜呑み度」が世界の中でもダントツという分析もあり,そうだとすると「テレビが言わないことは存在しない,起こっていない」となり,自分でネット情報を調べようともしないわけです.

言うまでもなく日本は民主主義国です.政治の主人が国民一人ひとりであるということは,決して選挙の1票のことだけではありません.生活のあらゆる場面で,個人単位や集団で意見表明をすることに大きなウェイトがあります.選挙から選挙までに起こりうるあらゆる森羅万象を,前もって1票にまとめておくことなど出来るはずがないからです.しかしそのような意見表明の最大の障害として,「どうせそんなことをしても何にもならない」という無力感がたしかに存在します.このような無力感・シニシズムが広範に存在する限り,権力者は国民の不満を気に掛けなくて済みます.ということは「民主主義」ではなくなるわけです.ちなみにシニカルな態度というのは自分の弱さを隠す,心理学で言うところの「防衛機制」の一つかも知れません.

無力感やシニシズムの反対は「エンパワーメント」,empowerされた状態で,忍耐力も伴った自信,自己肯定感ですが,これは例えば自治会のような仲間同士の連帯によって生み出されるでしょう.(メディア技術の発達した今日,たった1人でできることも数限りなくあるということも重要です.)ロングランを続けるミュージカル映画「レ・ミゼラブル」では,圧政に対抗して学生たちが革命を起こそうとします.皆さんが社会に出れば,革命ではなくても,一人ひとりの生活や権利を守っていくためにはどうしても自分をempowerしておくことが大事だろうと思います.ユネスコが1998年に発表した宣言「21世紀の高等教育 展望と行動」の中で学生について言及した一節では,問題の「分析」だけでなく「実践」も求めていますが,そのためにもエンパワーメントは大事です.
「高等教育機関は,学生を批判的に思考し,社会の問題を分析してその解決策を求め,それを実践して社会的責任を受け入れることができる見聞の広い,深く動機付けられた市民となるように教育すべきである.」(9条b項)

(注1) 「資本主義以外の制度ってあるの?」なんて言う人は,アインシュタインのエッセイ「何故社会主義か」を一度読んでみて下さい.
 http://ad9.org/pegasus/historical/whysocialism.html
(注2)学生自治会とは,学生の共通利益のための組合のようなもので,理工学部にもありましたが10年以上前に消滅しています.

ペガサス・ブログ版
学生へのメッセージ:「⾃分自身をエンパワーしよう」
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2013-02-13

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