« Japanese Movement Against TPP Growing | トップページ | どちらが愛国者でどちらが売国奴か »

2013年5月 8日 (水)

TPP亡国論 (中野剛志著)「集英社新書」を読んだ。

二年前に出た本で私の部屋の本棚に読むべき本として並んでいた本だがやっと読む事が出来た。
この本はTPPを知ろうとする人には必須文献かも知れない。
youtubeでの派手なパフォーマンスで知っていたがこの本の明治の「開国」からの日本の歴史の中でのTPPの議論の分析はなるほどと思わせるものがあった。

◯TPP参加国9カ国と日本を合わせた10ヶ国のGDPのシェアは
アメリカ70%弱
日本25%
オーストラリア4%
残り4%
日米で90%であり日米FTAなのだ。
「アジアの成長力を取り込む」というのは最初からあり得ない嘘なのだ。

◯「種の支配者」という項で恐ろしい事実の指摘があった。
現在では、市販されている野菜類の九割以上が「F1品種」となっているという。
「F1品種」とは品種の優秀性が一代限りの性質を持つ農産物の事だそうです。
なんとその「F1品種」の種子の九割以上をモンサント社が独占しているという。
「F1品種」の種子は一代限りなので農家はモンサント社からの種子を買い続けるしかないという。
日本の野菜の自給率は八割ですがその種子はアメリカからの輸入なのだ。


◯「規制や関税に守られた既得権益と政治との癒着が、日本の農業の構造的問題なのだ。これを破壊するには、TPPのような外圧が必要だ。日本という国は、外圧がないと変わらない」

とよく言われるが、中野さんに言わせればこうなる。

「TPPによって日本の農業の既得権益とその政治力が破壊されたのち、それにとって代わるのは、もっと強力なアメリカの農業の既得権益と政治なのです。TPPという外圧自体からして、その背後にはアメリカの農業利権が控えていることでしょう。構造改革論者は、国内の利権には目くじらを立てるのに、日本を支配しようとする外国の利権については、どうして無警戒で、寛容ですらあるのでしょうか。」

◯内閣官房や経済産業省の並べるTPPのメリットのとても真面目な議論に耐えられないのにはTPP参加ありきで理由が後付けだからだという。

そしてその結論は「対米従属の安全保障を続ける為には、アメリカの主導するTPPへの参加が不可欠」という思い込みがあるからだという。
「これまでどおり、国防はアメリカに頼り切ったまま、平和と繁栄を謳歌していたい。時代が変わったという現実を受け入れたくない」からだという。

◯開国論がこの本のユニークなところだ。
幕末・明治の開国は「攘夷・開国」であって「避戦・開国」ではなかったという。
福沢諭吉は「開鎖論」で「自ら守るの力」「自立の力」を持ち独立国家として存立することを願ったという。
それであればこの本には書いてないが第二の開国と言われる戦後の改革の基礎となった日本国憲法も最近言われている成立の経緯からすれば、日本の国民の「自立の力」を持ち独立国家として生きる為の日本人の叡智が詰まったものだと言えるのではないだろうか?

そしてTPPは第三の開国と言われるが中野さんに言わせればその前に、日本は第一の開国がまだ終わっていない。

◯「おわりに」から要約的に述べれば

1.TPP賛成論には基本的事実認識の誤りが多すぎる。
・日本の関税は高くない。
・輸出先はアメリカしかない。
・日本は輸出比率がGDPの2割しかない内需大国
2.TPP賛成論者は経済運営の基本を知らな過ぎる。
・需要不足と供給過剰のデフレの時には競争激化策は講じてはいけない。
・デフレ下の貿易自由化は賃金の低下や失業の増大を招く。
・内需が大きいが需要不足にある日本は輸出でなく内需拡大をすべき
3.TPP賛成論者は世界の構造変化やアメリカの戦略を見誤っている。
・リーマンショックから米は輸出倍増戦略に転じターゲットを日本にした。
・このままTPPに参加すれば社会的・文化的に必要な規制や慣行まで撤廃となる。

◯中野さんの最後の檄はこうです。

「できるだけ多くの日本人が、歴史に思いをはせつつ、TPPへの参加の愚かさを論理的に理解し、その危うさを明確に自覚した上で、きっぱりと拒否するところまでいかなければ、日本は、この先、この厳しい世界情勢を生き抜いていくことができないのです。」


TPP開国論を吹き飛ばせ
亡国の論
売国の論 公彦

以上です。


ーーーー
TPPを学ぼう会
事前購入はこちらから
電子チケットサービス

参考になりましたらこちらのクリックお願いいたします。
CoRichブログランキング
人気ブログランキングへ


FC2ブログランキング


ブログランキング・にほんブログ村へ

« Japanese Movement Against TPP Growing | トップページ | どちらが愛国者でどちらが売国奴か »

「TPP」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/190315/57338406

この記事へのトラックバック一覧です: TPP亡国論 (中野剛志著)「集英社新書」を読んだ。:

« Japanese Movement Against TPP Growing | トップページ | どちらが愛国者でどちらが売国奴か »

無料ブログはココログ

カテゴリー

  • 1万歩日記
  • 2014都知事選
  • 2016都知事選
  • 3.11
  • 9.11
  • abend
  • CO2削減
  • facebook
  • google
  • iphone
  • iphone apri
  • IT
  • mac
  • M男の映画評論
  • NHK
  • sst不当解雇
  • TPP
  • twitter
  • ustream
  • youtube
  • おいしい店紹介
  • お食事処
  • ことわざ
  • たっちゃん
  • どきどきブログ句会
  • まんがで読破
  • みんなの党
  • わらび座
  • アジア
  • アベロ
  • イベント紹介
  • イラク
  • インターネット新聞『JanJan』
  • エコ
  • オバマ
  • オーマイニュース
  • キャンプ
  • サッカー
  • タビサ
  • チベット
  • テレビ
  • テロ特措法
  • ネズミ講
  • バラとガーデニングショー
  • ファスレーン365
  • ブログ紹介
  • メルマガ「おは!twitter俳句」
  • メーリングリスト
  • ラジオ
  • ワーキングプア
  • 三郷
  • 中国
  • 中国残留孤児
  • 九州大学
  • 九条世界会議
  • 五島
  • 井上ひさし
  • 今日の日経から
  • 今日は何の日
  • 介護保険
  • 企業経営論
  • 会の案内
  • 俳句
  • 俳論
  • 健康
  • 共謀法
  • 内野事件
  • 創価学会
  • 労働問題
  • 北朝鮮
  • 医療
  • 原子力発電
  • 句会
  • 周辺の花・景色
  • 啄木
  • 回文
  • 国民投票法案
  • 地方自治
  • 地震
  • 埼玉
  • 大分
  • 大津留の映画評論
  • 大津留公彦
  • 大津留選俳句
  • 太陽光発電
  • 子宮頸がんワクチン
  • 安倍晋三
  • 小林多喜二
  • 小田実
  • 山頭火二豊路の足跡と句碑めぐり
  • 川柳
  • 希望のまち東京をつくる会
  • 平和への結集
  • 年金
  • 広島.長崎
  • 庄内
  • 従軍慰安婦問題
  • 憲法九条
  • 我が家の庭
  • 戦争と平和
  • 教育
  • 教育基本法
  • 文団連
  • 新宿
  • 新宿の昼飯処
  • 新日本歌人
  • 新聞
  • 日本共産党
  • 日本橋
  • 映像関係
  • 映画
  • 東京
  • 東京電力
  • 東日本大地震
  • 歌論
  • 正岡子規
  • 民主党
  • 沖縄
  • 沢田研二
  • 活動家一丁あがり
  • 消費税
  • 温泉
  • 湯布院
  • 湯平
  • 現代短歌研究会
  • 環境問題
  • 田中宇の国際ニュース
  • 短歌
  • 石川啄木
  • 社会
  • 社民党
  • 福岡
  • 福田康夫
  • 秋田
  • 立ち枯れ日本
  • 米軍保護法案
  • 経済・政治・国際
  • 署名
  • 美術
  • 美術展
  • 自民党
  • 芝居
  • 芸能・アイドル
  • 菅直人
  • 藤原紀香
  • 行事案内
  • 詩論
  • 貧困
  • 資格
  • 趣味
  • 農業
  • 連歌
  • 選挙
  • 陸前高田
  • 電子出版
  • 電気代一時不払いプロジェクト
  • 青年
  • 非正規雇用
  • 音楽
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

ウェブページ