遺伝子組み換え大豆の農薬散布を止めた母親たち
ノーベル環境賞とも言われるゴールドマン環境賞をアルゼンチンで遺伝子組み換え大豆の農薬散布を止めた母親たちの運動のリーダーのSofia Gaticaさんが受賞した。
2012年ゴールドマン環境賞受賞ソフィア・ガチカさん .
出典 Tomo's blog
このビデオから少し紹介します。
空中散布されているこのラウンドアップという薬は広く使われているようで先日の安田さんの講演でもこのラウンドアップの写真を見せると農家では必ず反応があると言っていたがそれくらい幅広く使われているのでしょう。
以下引用です。
この賞は権威あるもの。賞のことより、Sofiaさんの活動のすばらしさに感動を覚えた。単に個人的に感動を覚えるだけでなく、彼女の活動は放射能汚染を抱える日本の多くの人にとってもインスピレーションを与えるに違いないと思う。
アルゼンチンは1990年代後半から急激に遺伝子組み換え大豆の生産が拡大し、現在は世界第3位。しかし、その生産方法は広大な土地に大豆だけを植えて、飛行機から農薬を散布するというものだ。この農薬が毒性が高いモンサントの開発したラウンドアップ。
ソフィアさんは生まれてすぐの娘をこの農薬によって失った。その娘の死が受け入れられなかったソフィアさんは近くの母親たちを訪ね歩き、農薬の影響を懸念する母親たちを組織して、近所で発生しているガンなどの病気を調べ上げ、地図にまとめた。彼女たちの調査でわかったことは近所のガン発生率は全国レベルの41倍という高さだということだった。
母親たちは農薬空中散布ストップキャンペーンを始めた。コミュニティの人たちに農薬の危険を知らせた。
しかし、その後ソフィアさんは電話で「子どもを殺すぞ」という脅迫を受けるようになり、ある男に銃を頭につきつけられて「大豆と関わるのはやめろ」と脅された。「でも私は止まるわけにはいかなかった」
「ここで起きているのは隠された大量虐殺。ゆっくり、そして秘かに毒を流す」
10年にわたる彼女たちの活動はついに大統領を動かし、農薬の影響調査を保健省に命じた。
ソフィアさんは大学の研究者(Andres Carrasco氏)とも連携して、農薬が出生異常をもたらすことを確認した。
この活動の結果、住民の居住地2500メートルの範囲の農薬空中散布は禁止されることになった。母親たちは全国中の農薬空中散布を禁止することを求めてさらに活動している。
アルゼンチンの農場の6割が大豆になっている。いわば大豆ブームの中でそれに対する闘いがどれほど困難なものか想像してみる。国中が熱中しているものにノーを突きつけるということはそう簡単なことではない。最近でもアルゼンチンで農薬汚染された地下水は塩水と同じだと御用学者が言ったとか。日本の放射能汚染で聞いたような台詞だが、そういう手のものは地球の裏でもごまんといるのだろう。
実際に殺害予告もあった。大農場主が法であり裁判官であるような南米において、その大農場主を敵にするということの怖さはなかなか表現するのが難しいと思う。
しかし、彼女は負けなかった。娘の無念を晴らすということ、そして今心配を抱えているお母さんたちとの連帯がそれを可能にしたのかもしれない。
彼女の闘いは極めて冷静で理詰めであったことは特筆できる。まず実態調査を行い、さらに信頼できるAndres Carrasco博士と動くことで有効な情報を国に突きつけることができた。Andres Carrasco博士はアルゼンチンでの農薬問題が大きな人権問題であることを証明した中心的な科学者である。
今、放射能汚染にまみれる日本、医療機関は情報を隠蔽し、放射能の被害は隠されている。そんな日本においても彼女の闘いはインスピレーションを与えずにはいないだろう。
引用ここまでです。
以上
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