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2013年9月12日 (木)

(個人声明)非親告罪化で芸術を脅かすTPPに反対します。

昨日の文団連の声明及びそれを紹介した日本農業新聞の記事には反応がありました。

表現の自由脅かす TPP反対で声明 文化団体連絡会議幹事会
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=23271
声明全文http://bundanren.jimdo.com/プレスリリース/


それを受けて更に中身を入れた私なりの個人声明を発表します。

新しい観点の議論です。
まだ考えが最終決定ではありません。
是非コメント下さい。

(個人声明)非親告罪化で芸術を脅かすTPPに反対します。

TPP交渉が十月のAPECで方向性を出すとも言われています。
TPPには多くの問題点が指摘されていますが私はあまり問題とされていない「芸術とTPP」の関係に危惧があります。

環太平洋経済連携協定(TPP)でのアメリカ合衆国の要求項目とされる文書に非親告罪化が書かれていることから、著作権法違反罪の非親告罪化がTPPにおける争点の一つとなっています。

現状日本は権利侵害については親告罪ですがTPPで非親告罪となる可能性があります。
親告罪とは訴えに基づいて発生する罪で告訴がないと逮捕も難しいし、刑事処罰はありません。
被害者の告訴がなくても検察が自由に訴追できるようにしようというのが非親告罪化の考えです。
親告罪においても、第三者による告発や警察独自の判断による捜査、あるいは現行犯逮捕などは非親告罪と同様であり、告訴は強制捜査後に受理する場合もあります。
捜査当局としても「親告罪であることが著作権法違反事件の捜査の大きな障害になっているという認識はない」としてます。

パロディかオマージュかなどは線引きが曖昧であり、非親告罪となると既成の作品やキャラクターや、既成の台詞の改変やパロディが警察や検察の国家権力による告発で規制がかかることが考えられます。
現状は親告罪なので告訴がないと逮捕も難しいし、刑事処罰はありえません。
現在もオマージュ、パロディの多くは「原作に対する翻案」で著作権者の許可がないと使用出来ず「原作の改変」でもあって、著作者人格権という権利にも関わります。
全米ベストセラー第一位だった『チーズはどこに消えた?』に対して、全体構成やストーリーはかなり細かいところまでそっくりの『バターはどこに溶けた?』という本を日本の出版社が出版。世界観は原作と正反対の、いわば批判的パロディでしたが、東京地裁は2001年、「パロディだからといって、オリジナル作品の著作権を侵害することは許されない」として出版差止の仮処分を発令されています。
非親告罪化とされると警察や検察の裁量でこういう違反の摘発が行われる可能性があります。

世界には二次創作の長い伝統があり、特にパロディは一定の条件で許可なしで行っても良いという「例外規定」がスペインやフランスにあります。
アメリカにはパロディ規定こそありませんが、「フェアユース」という広範な例外規定があり、目的や規模に照らして「公正な利用」は著作権者の許可なしに出来ることになっています。
しかしTPPで非親告罪化となると広く規制される可能性があります。

日本人は阿吽の呼吸に長けている。モノマネなどは真似された人も歓迎する文化があり阿吽の呼吸そのものといえるだろう。
漫画のコミックマーケット(コミケ)などもパロディでその多くは成り立っています。
その阿吽の呼吸や日本的芸術システムを非親告罪化は、ひょっとすると揺るがす可能性があります。
ジャーナリストの津田大介さんによると非親告罪化されると「第三者通報」が増える可能性があると言っています。
通報がされたなら警察はきっと動くでしょう。
海賊版などは勿論問題外ですが今は必要な告訴という手続きが非親告罪化で省かれたら警察や検察の裁量で著作権法違反と言われかねません。

短歌では本歌取りという手法は平安の時代から行われており現在も手法の一つです。
音楽ではカバーやアレンジという手法は確立しており既存の音楽の一部をサンプリングする中でヒップホップは生まれて来ました。
劇や映画でのパロディやオマージュという手法は一般に行われています。
その他の芸術分野も含めて非親告罪化で影響が出る可能性があります。

私たち芸術創作に関わる者は非親告罪化で芸術を脅かすTPPに反対します。
2013・9・12大津留公彦

参考) 「ネットの自由」vs.著作権 TPPは、終わりの始まりなのか
福井健策著 光文社新書
(声明)表現の自由を脅かす

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