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今、日経ビジネスオンラインが面白い。
まずこの記事を紹介します。
“立場主義”が日本を破滅させる
「魂の脱植民地化」の必要性を訴える安冨歩・東京大学教授に聞く

「立場主義」という言葉で端的に表しているが今の日本の欧米諸国と違う社会のありかたを各方面から浮き彫りにしている。

インタビューのサブタイトルごとに13の項目を立てポイントを抜き書きしました。

最後はこうです。

今の時代も、いろんな痛み、悲しみ、苦しみ、怒り、憎しみが、社会のすべての側面で、個々の家庭の中でもうごめいているという、つらい事実をまず認識する。その上でどうしたらいいのかと考えることがまず第一歩です。そのために言論の自由が保障されているわけですから。

言論の自由が押さえつけられているというも日本社会の病理の一つです。

Yasutomi
安冨 歩(やすとみ・あゆむ)氏


1.「立場」のない人にも「立場」与えた安倍政権


一方、すべての立場から排除された人には、「日本人である」という「立場」を与えることで、パイを与えずして支持を獲得しています。ご存じのように、デフレもあって20代、30代の年収は近年下がり続け、非正規雇用者比率は、2013年は36.2%と、バブル最中の1990年の20%から倍近くに増えています。そこそこの大学を出たり、能力を持っていても、ひとたび正社員のレールからはずれると、右肩下がりの経済と雇用不安から結婚や家族を持つこともままならない人が少なくありません。

 そんな人たちにとって唯一残された立場が「日本国籍」です。安倍さんが連呼する「強い日本を取り戻す」によって、彼らは自分たちの「日本人」という立場が強いものになると感じ、惹かれるのでしょう。中国との対立を煽ることで、その立場の感覚はリアルなものになっています。もし徴兵制が始まれば、それこそ本物の立場が得られるわけです。

2.
安倍政権の支持構造はナチスに似ている

安倍政権の支持構造は、この意味でナチスと似ています。ナチスは、第1次大戦の敗戦により背負った莫大な賠償金でドイツ経済が疲弊している時に、軍拡のための積極的な産業政策を展開して資本家や産業界を取り込む一方、反ユダヤ主義を掲げることで何も持たない人に「アーリア人の誇り」というものを生み出し、支持を獲得していきました。

3.
脱原発をドイツができて日本ができない理由
福島であれだけの原発事故を起こしても、いまだに日本の政府関係者の間では核武装しているか、いつでも核武装できる国が一流国家で、そういうことができない国は二流国だとわけの分からないランキングが支配しているのではないでしょうか。だから、原子力技術を放棄すれば、それは二流国家に転落することを意味すると思う。彼らが口に出すことは稀ですが、そのような古い枠組みを解体せずに思考しているのです。

 ちなみにドイツは、国が立派であるかどうかの基準は核武装とか核エネルギーとは何の関係もないということをちゃんと理解しています。だからこそ脱原発に明確に舵を切ることができたのです。

4.ラテンアメリカ系人口急増で内向きにならざるを得ない米国
米国では、白人の次に多いのは今やラテンアメリカ系で、既に人口の15%を突破しています。黒人や白人は増えていないのに、ラテンアメリカ系は年齢構成も若く凄まじい勢いで増えている。大統領選挙のたびに人口構成比で1~2%増えていて、2050年には人口の半分を超えるとされています。
米国は早晩、白人の国ではなくなるということです。つまり、米国の政治家にとっては今後、ラテンアメリカ系の票をいかに獲得するかが選挙戦で勝つカギを握るようになるわけで、そのためには社会保障や学校教育の充実が求められていく。つまり、ますます財政支出を拡大せざるを得ない。アジア太平洋の防衛に資金をさく余裕は一層なくなり、政策面でも米国はどんどん内向きになって行かざるを得ないということです。「アジア重視」というアメリカの声明は、掛け声だけではないか、と私は疑っています。

5.エリートにとっては「奥さんに怒られないこと」が重要
特にエリートというのは、基本的には頭がどこか狂っていて、自分の立場のこと、自分の給料のこと、自分の奥さんが怒らないかどうか、といったことしか考えていないんじゃないか

6.日本のガラパゴス化も夫婦関係が原因
大企業の決定権を握る連中はエリート男性です。守屋氏の小型みたいなもの。そこには、やはり、幸子氏の小型がくっついているわけです。こういう夫婦関係を大阪大学の深尾葉子准教授は「タガメ女/カエル男」と命名しました。そういうカエル男は、組織の意思決定をする際に、組織の将来のことなんか考えません。タガメ女のご機嫌を伺いつつ、意思決定するのです。つまり、自分が将来に貰う給料と年金のことしか考えません。

 それはつまり、自分の立場を守る、ということです。自分の立場を守るためには、構造的変化はよくありません。会社内で誰かが全く新しいイノベーションを起こしてしまったら、たとえ会社にとっては良いことでも、自分の相対的地位が下がってしまうのは困ります。

7.プラザ合意という転換する好機を逃した日本
随分昔の話になりますが、プラザ合意で変わるべきだった、と私は考えています。あれは立場主義の成功によって発展した日本社会へのメッセージでした。カエル男たちが、立場を守るために命がけで役を果たし、タガメ女が銃後の守りを固めると、組織が機能してうまくいった時代がありました。それが60年代~80年代の日本の繁栄をもたらしたのです。 (中略)
 かくして日本社会は、プラザ合意のメッセージを受け止め損ね、あの愚かで破壊的なバブルを引き起こしたのです。そのありあまった金でアメリカやヨーロッパの不動産や財宝を驚くべき高値で買い取り、後に、驚くべき安値で売り払ったのです。もしこのお金を、中国や東南アジアやインドに投資していれば、今頃、一体、いくらになっていたでしょうか。

8.魂に傷を負ったことがすべての原因
日本はなぜ発想の転換をできなかったのでしょうか。なぜここまでの事態に至っているのでしょうか。
安冨:それは、人々が子供時代に受けた魂の傷が原因だと私は考えています。

9.まともな人間が権力を握れないのが今の社会
そういう人々は、権力欲や上昇志向が強いので、そうでない人が我慢できないことを我慢できます。それが彼らの出世エネルギーです。そういうエネルギーの強い人が成功する社会では、まともな人間が権力を握ることはまずありません。

 そうすると、彼らはその権力を利用して、他人の魂を傷つけようとするのです。かくして社会が傷ついた魂によって満たされてしまうとうわけです。これで世の中がうまくいけば、私は驚きます。

10.中国の人々の怒りを日本に向けて爆発させたいのか
日本が変なことをすれば、日本に向けて爆発してくる。確かに中国政府がそう仕向けているところもあると思います。ただ、私は日本は自ら積極的に右傾化していくことで、中国の人たちがこんなに負ってきた傷を日本への怒りとして爆発させたいのか、と聞きたい。

 それよりどうしたら中国の人も、日本人も、自分たちの負ってきた傷を少しでも治癒できる方向に進むことができるのかを、共に考えることが必要ではないでしょうか。まず日本人が人を癒やせるようになるまで自分を癒やさないとだめで、それによって中国人が魂に負った傷を何とかしない限り、世界は崩壊します。間違いなく。

11.私が女性の服を着るようになったのは…
私はいわゆるストレートですが、何か内面的には女性であると…。50年間も気づかなかったのですが、気づいた。なぜ気づくに至ったかというと、1年前にやったある健康法によるダイエットがきっかけでした。それで体重が10キロ以上減った。それだけ痩せると、それまでの服がすべて着られなくなりました。で、新しい服を買いに行くわけですが、体に合うズボンがない。太腿と腰が太い割に、自分で言うのもなんですが、ウエストが細くて、どうも合わない。そこでパートナーの彼女に勧められて、女物のズボンをはいたらぴったりだった。驚いたのは、体に合うだけでなく、それまでにない異様な安心感を覚えたんです。

 最初は体にフィットした服のせいかと思っていたのですが、しばらく考えるとそれだけではないな、と感じるところがあって、ほかにもいろいろ女性の服を着てみたらますます自分の心が安定していく、ということが分かったのです。

12.不満や怒りが表出することは社会にとって大事
不満、怒りが「出る」というのは非常に大事なことなんです。日本が右傾化しているかどうかということではなく、これまではそうした不満が表に出てくることはあまりなかった。基本的に最も虐げられている人たちの力はすごい。この「虐げられている」というのは経済的な意味というより、精神に傷を負った人たちのことで、そういう人たちの傷というものの力はすごい。そういう傷がいわゆるファシズムや差別や戦争といった集団的暴力を生み出すからです。傷というのは、隠されていればいるほど力が強くなる。だから例えば、この記事に反応することで怒り、不満が露呈する方がおられるとすれば、それは大変ありがたいことだと私は考えています。

13.怒りの表出の仕方は時代によって異なる
今の時代も、いろんな痛み、悲しみ、苦しみ、怒り、憎しみが、社会のすべての側面で、個々の家庭の中でもうごめいているという、つらい事実をまず認識する。その上でどうしたらいいのかと考えることがまず第一歩です。そのために言論の自由が保障されているわけですから。

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