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佐々木妙二「診療室」「仕事着」を読んで

2・24の順三・妙二忌の講演に向けて佐々木妙二の本を読んでますので何回か書きます。

最初に佐々木妙二の歌を掲げその後に私の歌なら感想を掲げます。

まずはこの歌集からです。

自由律歌集「診療室」
佐々木妙二著(昭和25年発行)より十首選

ひとの子を死なせた とおもう、夜の更けを遊びつかれて 子らの 寝息の深さ

種痘うける列の
つぎつぎ つきだす腕
どれも 逞しく 油に汚れた腕。

俺のどた靴と 行儀よく並んで
この靴も
もっとくたびれた 小さなどた靴。

巴里陥落の新聞きれが
小便壺に浮いている、
ごぼごぼ 小便する

ひと夜に降りつもった 火葬場の雪路、朝あけの雪路、父を送る

甕のなかに 父の御骨の 鳴る音は かける、地の底 ふかく

往診料だと
手に持たされた大根二本、
ぬいてきたばかりの 畑土がついて。

闘士赤木健介は よき友
医者われの言うことを よくきいて
今日は寝ている

徳球書記長も
今日は患者の一人であって
私のいうまゝに 背中を向ける

有楽座の人ごみの中で
ふとかいだ 自分の体臭
クレゾールのにおい。

ーーー
「仕事着」
佐々木妙二歌集(昭和29年発行)より十首選

手術台から抱えておろす
体重の、
ついに守りえた 一人の生命

こゝろよく金を貸してくれた順三の
店の灯に
送られて帰る。

技術と誠実が開業医だ と
答えつゝ、
そればかりでもない と、 言葉にはいわぬ。

ゆたかだということは
こんなにもいゝ、
うごくと 浴槽から
湯があふれ こぼれる。

これはひどい 性病、
米兵相手の
まだ肢体の伸びきらぬ 日本の小娘

ま夜中の戸をたゝかれては
誰よりも先に眼をさます
町医者の俺の習性

冷えきってもぐり込むふとんの中に
ふれた妻の足も
まだ温もれないでいる

呼び売りの「ハタ」が
まだあまり売れてないと思いながら
改札口の列に押されてゆく。

ーー
以下私の歌です。

2018年2月
佐々木妙二2
歌集「診療室」と「仕事着」を読んで
大津留公彦

ごぼごぼと小便つぼに小便する歌が残れり
巴里館陥落の日の
診療室

往診代の土付き大根下げて帰る佐々木妙二の歌に付箋を
診療室

赤ひげと佐々木妙二が重なりぬ治療費なしでいいという歌に

渡辺順三に金借りる歌に驚きぬ戦中・戦後金は無かりき
仕事着

区議に出る歌一首あれど選挙後の歌見つからず医者佐々木妙二の
診療室

ぼろぼろとなりて外れる各頁を庇いつつ読む歌集「仕事着」を

透明の付箋の付きし歌集「診療室」福田穂さんの付けたるものか

啄木を真っ直ぐに継ぎし生活派
順三・妙二から我らの世代に


以上です。

俳句は新俳句人連盟

短歌は新日本歌人
・・・・・・・・・・・
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