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碓田のぼるさんの「団結すれば勝つ、と啄木はいう」を読んだ。

碓田のぼるさんの「団結すれば勝つ、と啄木はいう」を読んだ。
啄木についての碓田さんらしい緻密な調査で多くの新発見がある。
啄木全集に出てないことや各氏の解説への意見がたくさんある。

特に社会主義に関するところは余人の追随を許さない独自なものがある。
「大阪平民新聞』に出た資本論第一巻の解説的記事を筆写したとき同じく「大阪平民新聞』に出た「共産党宣言」は読んでいただろうという。筆写しなかったのは堺利彦の「社会主義研究」に掲載された全文を持っていたからだと言う。
などなど多くの新しい啄木についての論考がある。

この本で何と言っても白眉は 「終章 1946年の啄木」だと思う。
一九四六年、敗戦直後の石炭不足解消のために、北海道・美流渡炭鉱へ石炭増産隊として派遣された著者が、炭住の壁に見つけた啄木の歌がこれである。

地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつつ秋風を聞く

ここから碓田さんの本格的啄木研究はスタートしたと思われる。

この本が多くの人に読まれることを願っています。

以下紀伊国屋書店の開設です。
ーー
内容説明
一九四六年、敗戦直後の石炭不足解消のために、北海道・美流渡炭鉱へ石炭増産隊として派遣された著者が、炭住の壁に見つけた啄木の歌。戦争中、異国の地での強制労働に苦しむ朝鮮人労働者の心を支えたであろう啄木とは何者か?国家権力の強大化が進んだ明治後期、人としての理想を求めてもがき続けた啄木の生涯と思想に、その短歌、詩、日記、書簡、評論から迫る。
目次
第1章 小樽の雪の夜―食を求めて北へ北へ
第2章 焼けつく夏と緑の戦い―ローマ字日記の世界
第3章 妻に捨てられた夫の苦しみ―生活の発見へ
第4章 暗い穴の中で割膝をして―二つの事件と啄木
第5章 後々への記念のため―「大逆事件」との遭遇
第6章 知識人としての自覚―啄木の筆写作業
第7章 団結すれば勝つ―連帯の地平へ
終章 1946年の啄木
著者等紹介
碓田のぼる[ウスダノボル]
1928年長野県に生まれる。新日本歌人協会全国幹事。民主主義文学会会員。日本文芸家協会会員。国際啄木学会会員。歌集『花どき』(第10回多喜二・百合子賞受賞、長谷川書房)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
出版社内容情報
〈生活〉不能の天才意識、死への執着、妻の家出、病気、貧困、ナショナリズム、大逆事件――啄木を〈生きさせた〉ものとは?「ドン底に落ちた! もがけ、もがけ」――?生活?不能の天才意識、死への執着、妻の家出、病気、貧困、ナショナリズム、大逆事件……啄木を〈生きさせた〉ものとは何か。

著者は1946年、敗戦直後の石炭不足解消のために北海道・美流渡炭鉱へ石炭増産隊として派遣され、数年前まで朝鮮人労働者が住んでいた炭住の黒ずんだ壁に、米粒大の字で書かれた啄木の歌を偶然発見する。
「今日もまた胸に痛みあり。死ぬならばふるさとに行きて死なむと思ふ。」
「地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつゝ秋風を聞く」
戦争中、異国の地での強制労働に苦しむ朝鮮人労働者の心を支えたであろう歌。そのような歌を創りえた石川啄木とは何者だったのか。

ナショナリズムを沸かせた日露戦争、盛り上がる労働運動、朝鮮の植民地化、大逆事件と強権的な社会主義弾圧――国家権力の強大化が進んだ明治後期にあって、人としての理想を求めてもがき続けた啄木の生涯と思想に迫る。

はじめに

第1章 小樽の雪の夜――食を求めて北へ北へ
 (1)「此驚くべき不条理は何処から来るか」
 (2)「予算案通過と国民の覚悟」
 (3)「卓上一枝」――「一元二面観」へのゆらぎ
 (4)「真につくづくと、釧路がイヤになった」

第2章 焼けつく夏と緑の戦い――ローマ字日記の世界
 (1)「漫然たる自惚と空想とだけあって」
 (2)「予の文学は予の敵だ」
 (3)「もはや傍観的態度なるものに満足することが」
 (4)「予の心に起った一種の革命」
 
第3章 妻に捨てられた夫の苦しみ――生活の発見へ
 (1)「僕の思想は急激に変化した」――妻の家出
 (2)「今日は五月一日なり、われらの日なり」――碌山「労働者」
 (3)「服従している理由についてもっと突っ込まなければ」
 (4)「公今や亡焉」――啄木のナショナリズム
      
第4章 暗い穴の中で割膝をして――二つの事件と啄木
 (1)「平民書房に阿部君を訪ねた」――屋上演説事件と赤旗事件
 (2)「花、女、旗」――管野須賀子
 (3)「『それから』の完結を惜む情があった」
 
第5章 後々への記念のため――「大逆事件」との遭遇
 (1)「僕は今迄より強くなった」――浪漫主義との決別
 (2)「その懐疑の鉾先を向けねばならぬ」――「性急な思想」
 (3)「かゝること喜ぶべきか泣くべきか貧しき人の上のみ思ふ」
 (4)「これよりポツポツ社会主義に関する書籍雑誌を聚む」
 (5)「先づこの時代閉塞の現状に宣戦しなければ」
 (6)「九月の夜の不平」
 (7)「地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつゝ秋風を聞く」――「韓国併合」
 
第6章 知識人としての自覚――啄木の筆写作業
 (1)「幸徳の陳弁書を写し了る」
 (2)「起きてはト翁の論文を写し、寝ては金のことを考えた」
 (3)「機関士の同盟罷業のことを調べていて」
 (4)「今夜より電燈つく」

第7章 団結すれば勝つ――連帯の地平へ
 (1)「新しき明日の来るを信ずといふ」
 (2)「ピラミドンを毎日のまねばならなかった私には」――楚人冠への手紙
 (3)「深きかなしみに」
 
終 章 1946年の啄木

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