最近のトラックバック

カテゴリー

無料ブログはココログ

« 青春の歌26(あけび) | トップページ | 「大地の歌ごえ」に期待 »

2018年9月26日 (水)

新日本歌人2018年10月号10首選と読みどころ

新日本歌人2018年10月号10首選 大津留公彦

p4 アンデパンダン戦後の創始に加わりし杉本博わが師の名あり
埼玉 乾千枝子
★杉本博氏は晩年我が三郷市文化会館で指導されていた。そんな方だとは知らなかったが。
p4 喉の奥まで笑いしことも無きままに妻逝きて二年半われの光陰
千葉 碓田のぼる
★亡くなった奥様を想う絶唱です。「碓田のぼる」を喉の奥まで笑わせてみたい。
p10 多喜二忌に深紅の薔薇を食卓に一輪活けて彼の書を読む
岡山 鬼藤千春
★映画「小林多喜二」のエンディングは点々と獄舎の窓に薔薇が並ぶ。
p22 生きるため必死に覚えしひらがな字「ゆるしてください」五歳児の文
神奈川 久米武郎
★いろんな事件が起きては消えて行く。「結愛(ゆあ)」ちゃんという名を忘れない。
p27 お互いに「手をつなごう」と言えなくて黙って歩いた夜半の平和台
宮崎 白江純美
★純美さんと私は福岡で同じような青春を送ったようだ。
p40 エジプトの土産のラクダ無残にも地震の揺れに足みな折れぬ
大阪 林智恵
★大阪北部地震や西日本災害の歌が多くありましたが、事実のみのこの歌を頂きました。
特選p44 「しのび寄る」と皆が言うなら手を広げ迎えてやろう「老い」という奴
神奈川 加藤文裕(月集)
★月集に選ばれた七首の歌は皆いいですが、この歌のどっしりとした前向きさを頂ました。
p45 この戦必ず負けるとつぶやきし父よミタテと何故名づけしや
千葉 玉田ミタテ(月集)
★天皇の「御盾」でしょうがそういうお父さんなら当然の疑問ですね。一生に一度の歌。
特選 p46 花一片落つる間の一世とぞ夫の冷えゆく固き手に触る
奈良 宮森よし子(月集)
★亡くなった夫を想う絶唱です。この歌を今月の我が特選とさせて頂きます。 
p64 召集令状―/あと十分/あと五分/妻を描いた最後の一枚
長崎 岡本博
★信州の「無言館」の絵ですね。日本の政治家はみな行くべき所でしょう。
p74 六十代の我がフィナーレぞ啄木祭を百五十余名で開き得しこと
大阪 秋沼蕉子
★来年は是非七十代の最初の関西啄木祭を成功させて下さい。
以上です。

以下新日本歌人2018年10月号の読みどころです。

p12 “九条おじさん”のことなど まひる野 横山三樹
我が新日本歌人所属だった故・蓑輪喜作さんを「発見」したという話です。
小金井の九条の会の人から貰った本が「“九条おじさん”がゆく:署名は愛だ」でその帯に「集めた署名は3万5千!ひょうひょうと自然体の人気者」とあるという。
そしてこの本の跋文として市民連合の高田健さんが見事な蓑輪論を書いているという。
読んでみたいものです。

p48 ロンドンの反トランプ・デモ 渡辺幸一
今年7月のトランプ大統領訪英時の反トランプ・デモの様子のドキュメントです。
最後はこうである。
「一昨年亡くなったジャーナリストのむのたけじは生前「始めに終わりがある。抵抗するなら最初に抵抗せよ」と語った。蓋し名言である。トランプの場あたり的なやり方で世界の意思を示さねばならない。日本についても同じことが言える。安倍政権が憲法を改悪して、日本が世界のどこでも戦争が出来る国になる前に、私たちはあらゆる機会を捉まえて声をあげてゆく必要がある。反トランプのデモに参加して私はそのことを再確認した。
 ロンドンの若者たちと行進す「Dump Trump」の声あげながら」
なんとタイムリーな私たち日本に住む日本人への呼びかけであろうか。

p50 没後五十六年・秋田雨雀の短歌 木村美映
秋田雨雀の童謡は知っていたが、短歌は知らなかった。
木村さんの短歌の師である川崎むつおやその実質的師である鳴海要吉やプーシキン研究家の鳴海完造などが登場する。
初めて知ったのは宮本百合子の「道標」に出てくる秋山宇一と内海厚はそれぞれ雨雀と完造だという事です。
川崎むつおの真の歌の師匠は渋谷悠蔵という歌手淡谷のり子の伯父だそうです。
啄木の三行書きに影響を与えた土岐善麿の「nakiwarai」のローマ字歌集のあと鳴海要吉は「tuti ni naere」を発行し、雨雀は要吉「しとね」のエスペラント訳を出している。

p54 「九条」俳句不掲載問題から考える ー表現の自由、人権ー 新俳句人連盟 畠中耕
さいたま市の公民館でこの句が「公民館だより」に掲載されなかった問題についてです。
「梅雨空に「九条守れ」の女性デモ
弁護団は国家賠償を求める理由として次の5つの権利侵害を主張したそうです。
表現の自由、学習権、人格権、公の施設利用権、掲載請求権
第一審の判決は被告は5万円を払えというもので、第一審の判決は5千円を払えというものだが、「基本的人権の侵害まで裁判所が踏み込んだ判決で、勝訴である。」との事です。
更に上告審で争っています。
その他読みどころ満載です。

以上です。
2018年9月26日 大津留公彦

ーー
「歌碑のある風景」を紹介します。
私も三郷市の万葉歌碑を紹介しています。