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おは!Twitter俳句(秋の蚊)

この一週間の俳句と短歌です。

20190826日(月)

秋の蚊に食われし腕掻きまくる 公彦

20110826日(金)秋の蚊や母は急性期病院に 公彦

【今日の季語3528<606】秋の蚊(あきのか):三秋の生類季語。三夏の「蚊」に対して秋に入ってから活動が盛んになる種類の蚊。「別れ蚊」「残る蚊」などは弱々しさに力点を置いた傍題で仲秋の「溢れ蚊」「哀れ蚊」に近い。◆秋の蚊のしふねきことを怒りけり(富安風生) 

【今日の季語3528:別記①】例句の「しふねし」は《しつこい・執念深い》の意を表す古語形容詞。夏よりもかえって秋の方に、この語を用いるに相応しい種類の蚊がいることを思わせる。

【今日の季語3528:別記②】この形容詞は、『源氏物語』に「わが心ながら"しふねき"ぞかし」(藤裏葉)などとあるのをはじめ、これと並んで「しふねげ」「しふねがる」などの派生形も見られるところから、平安女流文学ではすでに地歩を占めていたことが知られる。

【今日の季語3528:別記③】この語は、漢語「執念」の語尾が脱落した形に形容詞を生成する接尾辞シが付いた形と見なされているが、肝心の「執念」は、漢籍や仏典に姿を見せず、寛永版『曽我物語』(南北朝頃)に「執念深げ」とあるのが比較的早く、これには疑問が残る。

【今日の季語3528:別記④】シフネシには拗音化口語形シュウネイも存在するはずで、芥川龍之介の『偸盗』に見える「執念(しふね)い夜に攻められて」はその稀少例にあたるが、これは擬古的な用法に従うもので、実際には通用語となるには至らなかった。

文化学院を知る http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-bbb94c.html…

2019年08月25日(日)



@twryossy 山椒の実弾ける前の真紅かな 公彦
2011年08月25日(木)
山椒の実例句はほとんどありませぬ 公彦


【今日の季語3527<605】山椒の実(さんしょうのみ):初秋の植物季語で「実山椒」とも。「木の芽」とも呼ばれる若芽は仲春、花は晩春から初夏、未熟の「青山椒」は晩夏と、本題を含め三季にわたって日本人の生活に馴染が深い。◆山椒の実片言すでに肥後訛(梓沢あづさ)


HAYASHI Yoshio@twryossy

【今日の季語3527:別記①】「山椒」にはサンショの短略形もあり例句もこれを用いている。また「片言」「肥後訛」とあるのは、九州方言でこれをサンシュウと呼ぶことを指す。宮崎民謡「稗搗節(ひえつきぶし)」に「庭のさんしゅうの木」とあのもこれにあたる。


【今日の季語3527:別記②】山椒は日本が原産地とされる。縄文遺跡出土の土器にその実が残っていた例もあり、古くから香辛料や薬用に使われてきたことを示している。ハジカミ(椒)が本来の和名で「山椒」の漢語形で呼ばれるようになるのは中世以降のこと。


【今日の季語3527:別記③】中国ではこれを「蜀椒」と呼び「山椒」は植物名ではなく《山頂》の意を表す。これは、「椒」には《芳しい》のほかに《頂上》の字義があることに起因する。


【今日の季語3527:別記④】この事例に基づけば「山椒」は和製漢語と解される。この熟字が登場するのは『東寺百合文書』応永二六年<1419>の条に「三文 さんせう(山椒)」とあるのが早い例にあたり《山で採れる香りの良い木》の意を表す新造語と見られる。


【今日の季語3527:別記⑤】古称ハジカミは、奈良時代以前に中国から渡来したショウガを《中国の椒》の意でクレ(呉)ノハジカミ、サンショウをナル(生)ハジカミの名で区別したこともあったが、後にそれぞれ「生姜」「山椒」の新たな形で呼ばれるようになった。

2019年08月24日(土)



@twryossy 猿酒や水屋の奥に見つけられ 公彦
2011年08月24日(水)
猿酒や人知れぬまま発酵す 公彦


【今日の季語3526<604】猿酒(さるざけ):三秋の生活季語で「猿」の古語を用いた「ましら酒」の傍題でも。猿が岩穴などに隠した木の実が雨露を受けて発酵し滋味を湛えた酒になるという伝承から生まれた。◆猿酒や炉灰に埋む壺の底(河東碧梧桐)


【今日の季語3526:別記①】サルナシ(猿梨)の名は、猿がこの果実を好んで猿酒にするとされるところから生まれたという。一方野生の猿が食料を貯蔵する習性はないとして猿酒の存在を否定する説もある。


【今日の季語3526:別記②】例句の「埋む」の活用形式は、古くはウヅミ・ウヅムと四段型で、「山はくづれて河をうづみ」(方丈記)のように用いられたのが、中世後期頃からウヅメ・ウヅムルの下二段型が生まれ、しばらく両形が併用された後に、後者が主流を占めるに至った。


【今日の季語3526:別記③】例句の「埋む壷」については「埋むる壷」を正格として、近現代俳句に多い"る"抜き形と見る立場もあるが、上記の旧形式にあたる四段型に従ったと解すればその批判は当たらないことになる。


【今日の季語3526:別記④】このような活用形式の変化とは別に、ウヅムには類義語にあたるウム(埋)もあり、両語とも古くから使用されていた。


【今日の季語3526:別記⑤】本来は、ウヅムが《物の上に土などをかぶせて覆う》意に用いるのに対して、ウムは《穴などに物を入れてふさぐ》意を表したのが、どちらもその物の姿が見えなくなる点が共通するところから、次第に意味の区別が失われていったものと見られる。

2019年08月23日(金)



@twryossy 乗り越えて命を繋ぐ処暑の候風 公彦


【今日の季語3525<603】処暑(しょしょ):二十四節気の一つで初秋の時節季語。《暑さ処(をさ)まる》の意で暦は今日から初秋後半に。「残暑」の峠は越えたものの、秋の暑さはまだ続きそう。◆鳰の子のこゑする処暑の淡海かな(森澄雄)


【今日の季語3525:別記①】例句の「淡海(おうみ)」は琵琶湖の別名で古くは「鳰(にお)の海」とも呼ばれた。その古称に相応しく「鳰の子」を浮かべたところに作者の用意がある。


【今日の季語3525:別記②】その湖のある滋賀県の古名「近江(おうみ)」も、この《淡水の海》を意味する「アハ(淡)ウミ(海)」の縮約形アフミに基づく国名にあたる。


【今日の季語3525:別記③】「近江」の漢字は、琵琶湖が京に近いところから「ちか(近)つ(助詞)あふみ(淡海)」と呼ばれたその意訳的表記「近江」に、短略形アフミの読みをあてて二字の国名としたもの。


【今日の季語3525:別記④】これに対して、浜名湖は京から遠くに位置する大湖であるところから「とほ(遠)つ(助詞)あふみ(淡海)」と呼ばれ、その縮約形トホタフミにこれと同様の意訳的表記「遠江」の表記をあてて所在地の国名とした。現在のトオトウミはこれの転じた形。

2019年08月22日(木)



@twryossy 城門を秋の初風吹き抜ける 公彦
2011年08月22日(月)
祭り終え秋の初風届きけり 公彦


【今日の季語3524<602】秋の初風(はつかぜ):初秋の天文季語で「初秋風」あるいは単に「初風」とも。まだ暑さが残る時季に秋の到来を感じさせながら吹き過ぎてゆく涼風。◆浦の子に秋の初風吹きにけり(大石悦子)

2019年08月21日(水)



@twryossy 艶々の椿の実あり妻の島 公彦
2011年08月21日(日)
椿の実爆ぜて砕けて飛び散りぬ 公彦


【今日の季語3523<601】椿の実(つばきのみ):初秋の植物季語で「実椿」とも。春に咲く椿は夏に色艶のよい実を付け、秋に完熟して弾けた殻の中から種子が姿を見せる。それを絞って採った油は食用油や髪油などに利用される。◆椿の実滝しろがねに鳴るなべに(橋 間石)

2019年08月20日(火)



【今日の季語3522<600】芋虫(いもむし):初秋の生類季語。蝶や蛾の幼虫で、「毛虫」に対して丸々とした毛のない類の汎称。芋の葉を好むところからこの名が出た。柑橘類を好む類は「柚子坊」の別名でも呼ばれる。◆静かさを芋虫が喰ひすすみゆく(秋山 夢)

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