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2019年9月 2日 (月)

おは!Twitter俳句(荻の声)

9月に入ってかなり涼しくなった。

あれほど喧しかった蝉の鳴き声も今は虫の声中心になっている。

思えば早いもので今年もあと四ヶ月

毎日八首を続けたい。


20190902日(月)

@twryossy 戦いの記憶混じるや荻の声 公彦

20110902日(金)

萩の風 今日も明日も 明後日も 公彦

【今日の季語3535<613】荻の声(おぎのこえ):「荻」は水辺や湿地に生える多年草で、単独では三秋に用いるが、荻の葉や穂を吹く風のかそけさに秋の到来を感じて初秋のものとした。「荻の風」「荻吹く」などとも。◆廃校と決まりしよりの荻の風(蓮實淳夫) 

【今日の季語3535:別記①】万葉集では「葦原」「葦辺」などを含めてアシ(葦・葭)はよく詠まれるが、ヲギ(荻)は僅か3例にとどまり、古今集にはまったく登場しない。これが歌材として好まれるようになるのは後撰集以降のことと見られる。 

【今日の季語3535:別記②】平安期の『新撰字鏡』<898-901>には「葭」に「乎支(ヲギ)」の和訓が施されているところから、当時のヲギは現在の「荻」に限らずこれと姿の似たアシやススキなども広く含めた呼称であったと見られる。 


【今日の季語3535:別記③】ヲギの語源解の一つに、この草の揺れ動くさまが人を招き寄せるように見えることから、これを《招く》意を表す古語動詞ヲクの名詞形ヲキに由来するものと解して《霊魂を招き寄せる草》の意と説くものがあり、もっともらしく聞こえる。


【今日の季語3535:別記④】両語の頭拍が古くはともにヲであった点はこの説に好都合であるが、二拍目のギ・キに清濁の相違があることと、上代特殊仮名遣では「荻」のギは乙類、「招」のキは甲類と上代語音韻の面での不一致が決定的否定材料となってこの解は認め難い。 

貴方の思いを我は引き継ぐ http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-83280d.html…


この一週間の俳句と短歌です。

2019年09月01日(日)

 風受ける二階に観たし風の盆 公彦

【今日の季語3534<612】風の盆(かぜのぼん):初秋の生活季語で「おわら祭」とも。富山県八尾(やつお)町で行われる旧盆の行事。毎年9月1日から3日の本祭を中心に唄や踊りで賑わい、全国から観光客が押し寄せる。◆夕風にふくらむたもと風の盆(瀬戸十字)

【今日の季語3534:別記①】例句の「たもと」は《手の根幹部分》をいう「タ(手)モト(本)」が原義で、肩から肱(あるいは袖口)あたりまでを指す身体部位名から転じて、そのあたりを覆う着物の袖を指すようになった呼称。奈良時代にはすでに両義いずれの例も見られる。

【今日の季語3534:別記②】タモトはさらに意味領域を拡げて「橋のたもと」の形で《かたわら》の意にも用いられるようにもなるが、他方にこれと語形の似た、山や坂について用いるフモト(麓)と競合するところがあって、広範囲には及ばなかった。

【今日の季語3534:別記③】この和語にあてる「袂」は、意符の「衣」と声符の「夬」を併せた形声字であるが、「夬」には「決別」「永訣」の「決」「訣」と共通する《わかれる》の字義があり、本字もまた《衣服からわかれて縫い付けられた部分》の意を表す漢字と解される。

2019年08月31日(土)

秋湿ローバックチェア乾かない 公彦

2011年08月31日(水)
爽やかな朝も夕には秋湿 公彦


【今日の季語3533<611】秋湿(あきじめり):三秋の天文季語で「しけ寒」の傍題も。秋は爽やかな季節として受けとめられがちであるが、雨が降り続いて梅雨時のような日が思ったよりも多い。◆肖像は苦悩の気配秋じめり(赤尾恵以)


【今日の季語3533:別記①】本語の後部要素はシメル(湿)の名詞形。この動詞は《水分を吸ってじっとり濡れる》意に用いられ、ウルフ(潤)およびその派生形ウルホフとは類義関係にあるが、両語には対立する要素も認められる。


【今日の季語3533:別記②】ウルフ(ウルホフ)が、窮乏状態から豊かになるという意にも用いられるようになるのに対して、シメルはその座の雰囲気などがうち沈んだ状態になることを比喩的に表すという、意味面における正負の対立が生まれ、それが現代語にも及んでいる。


【今日の季語3533:別記③】その原因は両語の《水分》との関わり方に求めることができる。ウルフは《水分の不足の充足》という点にプラス要素があるのに対して、シメルは《不要な水分の増加》というところにマイナス要素が含まれているからである。


【今日の季語3533:別記④】シメルが負の語義要素を備えていたことは、この語が古くは《火が消える》意にも用いられたところにも見られる。『日本書紀』<720>の伝本に、「火炎(ほのほ)衰時」(神代上)の「衰」字に「シメル」の古訓を施した例があるのはその一端を示すもの。


【今日の季語3533:別記⑤】上記の《水分を吸う》意の自動詞シメルに対して、後に生まれた《水分を吸わせる》意の他動詞シメスもある。『色葉字類抄』<1177-81>に収める「潤布」に「シメシ」の和訓が見えるのはその名詞形で、幼児の排便を吸わせる《おしめ》を指す。


【今日の季語3533:別記⑥】そのオシメの呼称は、上記のシメシにオを添えて語末のシを省いたもの。女房詞と似ているが、この語が文献に登場するのは明治期以降なので、その方式に倣って縫製された近代の造語と見られる。

2019年08月30日(金)

盛り上がる庭の草木に螻蛄鳴くや 公彦
2011年08月29日(月)
螻蛄鳴くや難題なれど諦めず 公彦


【今日の季語3532<609】螻蛄鳴(けらな)く:三秋の生類季語。虫自体は三夏の季語として扱われるが、秋の夜に地中でジーと鳴くところから当季にも用いる。それが別の虫と誤解され「蚯蚓鳴く」「地虫鳴く」などが生まれた。◆螻蛄鳴くや老に死といふ一仕事(近藤素子)


【今日の季語3532:別記①】例句は、中七「老」の読みと意味の相違によって句解に差が生じる。その分岐は、この語を音訓いずれに読むかに始まる。


【今日の季語3532:別記②】「老」をロウと字音に読めば、次の「死」と併せて、仏教で人間の避けられない苦しみをいう「生老病死(ショウロウビョウシ)」の「四苦」の中の二つを連ねたと見る解が生まれる。


【今日の季語3532:別記③】この解釈は「老」を「おい」と訓んで《年をとること》の意と捉えても変わりはない。いずれも「老に死といふ」の「に」を「おせん(=煎餅)にキャラメル」と同じ《添加・組合せ》の意を表す助詞と捉えたことになる。


【今日の季語3532:別記④】これに対して、「老」に「おい」の字訓をあてるのは後者と同じながら、これを《年老いた身》の意と解する立場もある。こちらは上記の「に」を、「泣き面に蜂」と同様の《動作・作用の及ぶ範囲》の意を表す助詞と捉えたもの。


【今日の季語3532:別記⑤】語法上はいずれの解も成り立つが、下五の「一仕事」は、前者の「老と死」よりも、後者の「死」に重点を置いた表現と見られるので、本句の「老に」は《年老いた我が身に》の意と解するのが妥当であろう。


【今日の季語3532:別記⑥】オイ(老)は動詞オユの名詞形で、形式的にはこのイはヤ行と見なされる。これに「老ひ」の表記をあてるのはかえって「旧仮名遣い」ならぬ「旧仮名違い」になる。ちなみに、これと語形の似たオヤ(親)をオイ(老)と同根の語と見る解もある。


2019年8月29日(木)

新しき息子を得たり胡蝶蘭 公彦
2011年08月30日(火)
蘭の香に酔い痴れ夢を見たるかな 公彦

【今日の季語3531<610】蘭(らん):初秋の植物季語。ランの種類は多く開花期も春から夏にわたる。本来の「蘭」は「菊」と並ぶ同科の香草の漢名で、日本でも古くは不特定の汎称であった。現在のランを指すようになるのは近世以降。◆蘭の香にかなひて眠る薄瞼 (飯田龍太)

【今日の季語3531:別記①】平安期にはこの呼称を「藤袴」の別名として用いた。十巻本『和名類聚抄』<934頃>草木部草類「蘭」の項に、その和名として「布知波加麻(ふぢばかま)」の真仮名表記を掲げるのはその一例。


【今日の季語3531:別記②】当時の「蘭」はラニと呼ばれた。上掲辞書の編者の私家集『源順集』に収める「らにも枯れ菊も枯れにし冬の夜のもえにけるかな小山田のはら」の「らに」は漢語ランから転じたラニのことである。


【今日の季語3531:別記③】ランをラニの形で用いたのは、シヲン(紫苑)から出たシヲニ、ゼン(銭)から出たゼニと同じく /-N/ の韻尾に母音/i/を添えて和様化したもの。これは近代に ink に母音を添えて「インキ(インク)」の形で受容した西洋語の和様化にも見られる。


【今日の季語3531:別記④】平安期にラニが和語の一陣に加わったのは別の面でも注目される。それは本来ラ行音は語頭に立たないという古代日本語の大きな特徴が崩れ始めたことを意味するが、現在でも辞書のラ行の項が極端に少ないところにはその余波がなお残っている。

 

2019年08月28日(水)



@twryossy 虫の目で見上げれば広き我が家かな 公彦
2011年09月15日(木)
掻き消すや通夜の騒動虫の声 公彦


【今日の季語3530<626】虫(むし):三秋の生類季語。「虫の声」「虫時雨」「虫すだく」などの傍題が示すように季語では秋に鳴く虫の総称。個別名でその声を楽しむようになるのは平安期以降のこと。◆虫の夜の星空に浮く地球かな(大峯あきら)


【今日の季語3530:別記①】傍題「虫すだく」のスダクは《虫が群れて鳴く》の意に用いられることが多いが、本来は《たくさん集まる》の意を表す古語。また万葉集歌「水鳥のすだく水沼(みぬま)」などの例が示すようにその主体も虫とは限らなかった。

2019年08月27日(火)



@twryossy 生きながら身を削がれたる秋の鯵 公彦
2011年08月27日(土)
秋鯵に 伸ばせし指の 止まりたり 公彦


【今日の季語3529<607】秋鰺(あきあじ):三秋の生類季語。単独では三夏の季語として扱われるが、脂がのって美味になるところから「秋」字を冠して当季の季語とされる。同じ事例は「鰹」「鯖」についても見られる。◆秋来ぬとサファイア色の小鰺買ふ(杉田久女)


【今日の季語3529:別記①】同音別字の「秋味」は、産卵期に川を遡上する「鮭」をいう方言から出た同季別題。釣り関連サイトなどではこれに片仮名表記をあてることが多いので紛れやすい。


【今日の季語3529:別記②】江戸中期に編まれた方言俗語辞書『俚言集覧』<1797>「秋味」の項には「鮭を云。又伊勢にてアヂの秋になりて味の美なるをいふ」とあり、「秋鯵」が伊勢の方言であったらしいことと、これよりも「秋味」を先行して扱っている点が注意される。


【今日の季語3529:別記③】平安期の古字書『新撰字鏡』<898-901頃>には「鰺」に「阿知(アヂ)」の真仮名による字訓があり、この魚名が古くから用いられ、その第二拍がダ行であったことを示している。


【今日の季語3529:別記④】アヂ(鰺)の語源は定かでないが、上掲の『俚言集覧』などには、これを《味のある魚》の意とする語源解があり、その当否は別として、古くは「味」も第二拍がダ行音のアヂであったこととは矛盾しない。


【今日の季語3529:別記⑤】「味」にアヂの字訓が登場するのは室町期以降のことで、『日本書紀』や『遊仙窟』では「味」をアヂハヒと訓んだ例が多いが、『万葉集』にはカモの古名や植物名アヂサヰに「味」の字訓を借りた例があり、単独でも用いられたことは確かである。

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