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カテゴリー「717短歌・俳句勉強会」の記事

2019年4月11日 (木)

啄木と一茶

啄木と一茶

たまたま持っている1997年に大阪で発行された「石川啄木の会」発行の「新しき明日」第19号に安井ひろ子さんの「啄木と一茶」という文章があった。

717短歌俳句勉強会で啄木と一茶と芭蕉の勉強を始めるに当り相応しいのでご紹介します。

この文章は軽妙なエッセイです。なにせ啄木と一茶と安井さんの三者鼎談なのですから。

(こういう文章の書き方があるのだということに感じ入りました。)

(第18号にはゲストとして前に学んだ橘曙覧も登場している。)

 

この鼎談の内容は極秘事項のようだがここに書かれていることを一部紹介しよう。

貧乏比べ

――

自分を上回る一茶の貧乏ぶりに啄木はかなり気を良くしたようだ。

 秋風や家さえ持たぬ大男 一茶

「詩集「呼子と口笛」の<>の詩が語るように、啄木にとって心から求めてしかし最後まで得られなかったのが安住の<>であった。」

梅咲くやあわれ今年も貰餅 一茶

 春立つや四十三年人のめし 一茶

 借金を重ねたまま二十七歳で逝った啄木。四十三歳まで他人のご飯を頂戴してきた一茶に比べれば何のことはない。啄木も自分の借金魔の悪評が多少なりとも緩和されたようで今回の鼎談は嬉しかったのではなかろうか。

――

春立つやの句は享和四年(文化元年)の歳旦句

貧乏比べのような様相だが、大衆性ということで通じ合うものがあるとしている。

 

江戸と東京への憧れと反発

――

ちち母は夜露うけよと撫でやせめ 一茶

(訳 父や母が冷たい夜露を受けさせるために撫でて子どもを育てたのだろうか。)

という句を一茶に披露させている。

(蕪村の「鰒(あわび)喰へと乳母はそだてぬ恨みかな」(落日庵句集)をヒントにして、一茶の継子意識から生れた句作り、貧窮問答歌の「われよりもまずしきひとのちちはははうゑこゆらむ」(万葉集・巻五)の影響もあるだろう)と「一茶句集」の解説にはある。

生涯二万句以上を残した一茶は蕪村の影響を強く受けている。

 

そして啄木の流浪生活を共感して「信濃の山猿一茶」がこういう自句群を述べている。

 春の雪江戸の奴らが何知って

初雪や江戸の奴らが何知って

名月や江戸の奴らが何知って

秋の風江戸の奴らが何知って

江戸への複雑な感情が初句以外は「江戸の奴らが何知って」で統一されている。

一茶の並々ならぬ江戸への憧れと反発が感じられる。

この句は最近大阪で発見された句か、一句も「一茶句集」には収録されてない。

 

下ネタ話

下ネタ話も共通項が紹介されている。

啄木は「ローマ字日記」で詳細に記事を残している。

ドナルド・キーンはこれを最高の日記文学と評している。

一茶は「千束町のお女郎さんや飯盛の八兵衛を相手に相当遊んだようだ」と安井さんにばらされている。

 

啄木と一茶はこれ以外にも大層筆まめなこと反エリート意識の強いことで意気投合したようだ。

安井さんは最後にこう感慨を言う。

――

今日においても金にも飾りにもならない俳句と短歌。一茶に引かれ、啄木に曳かれてこの魅力的な旋律のとりこになった人々が日々や句を歌に詠みつつ明け暮れる。

そういう私だって。

――

安井ひろ子さんは現在、秋沼蕉子さんとして「新日本歌人」誌に歌の投稿を続けている。

この四月号にこういう歌がありました。

p28このことばメールで打つたび迷うなり(素敵、素的、すてき、ステキ)どれがいいやろ

大阪 秋沼蕉子

★自由な言葉使いが素敵です。

以上です。

2019410日 大津留公彦

 

 

 

 

 

2019年度短歌717短歌俳句勉強会のご案内

2019年度三郷早稲田717短歌・俳句勉強会のご案内

名称 三郷早稲田717短歌・俳句勉強会

日時 毎月第二木曜日 10時―12時 場所〒341-0018 埼玉県三郷市早稲田7丁目1-7

 

いこいの家717 特定非営利活動法人三郷早稲田ライフサポートネット             埼玉県三郷市早稲田7丁目1番地7  電話:048-934-5761

 

内容 短歌・俳句の講義及び実作指導(偶数月は短歌会、奇数月は俳句会を行います。)

講師:大津留公彦(新日本歌人協会常任幹事、俳句結社河の会、天の川所属)

費用:会場代100円、資料代100

下記の予定で一年間、石川啄木の短歌と松尾芭蕉と小林一茶の俳句の学習をします。

テキスト:「新しき明日」、松尾芭蕉全句集(角川文庫)、一茶句集(角川ソフィア文庫)

411日啄木 啄木と一茶(「新しき明日」第19号から)

413()三郷啄木祭参加

59日芭蕉 春の句

613日一茶 春の句

711日啄木と嘘(「新しき明日」第20号から)

88日 芭蕉 夏の句

912日一茶 夏の句

1010日啄木と十年(「新しき明日」第21号から)

1114日芭蕉 秋の句

1212日一茶 秋の句

19日啄木の詩(「新しき明日」第22号から)

213日芭蕉 冬の句

312日一茶 冬の句

49日一茶双樹記念館まで文学散歩

412() 三郷啄木祭参加  以上です。

2018年12月22日 (土)

三郷早稲田717短歌俳句勉強会の2018年度の今までの記録

2018年度の12月までの三郷早稲田717短歌俳句勉強会の記録です。

偶数月が啄木の勉強と短歌実作で奇数月が山頭火の勉強と俳句実作です。
なかなか珍しい勉強会ですが3年目をやっています。
初年度・二年度は啄木と子規
今年は啄木と山頭火
来年は
どうしようかな、、、

以下ファイルです。

「1.docx」をダウンロード

「210.docx」をダウンロード

「1012.docx」をダウンロード

「1.docx」をダウンロード

「717_20181017.doc」をダウンロード

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2017年7月13日 (木)

ドナルド・キーン「石川啄木」の「第一章~第四章」を学びました

昨日紹介した勉強会の7月例会が今日行われました。

ドナルド・キーン「石川啄木」の「第一章~第四章」を学びました。

最初にこの映像を流しました。
ドナルドキーン 90歳を生きる 石川啄木を語る


如何議論の材料とした設問集です。
回答は本の中にあったりなかったりします。
ーー
ドナルド・キーン「石川啄木」第一章 「反逆者啄木」の20の議論のポイント

1、啄木は日本の歌人の中で一番人気がある?(p7)
2、芭蕉の俳句の中で名声に恥じないのは十に一つ?(p8)
3、「歌という詩形を持っているということは、我々日本人の少ししか持たない幸福のうちの一つ」?(p11)
4、「食(くら)ふべき詩」か「食(く)ふうべき詩」か?どこから来た言葉か(p12)
5、「啄木の詩の変わらぬ人気の秘密は各音節が示している以上に、その表現の切迫性や独自性にあった」?(p12)
6、なぜ啄木は、日戸村に一切触れなかったのか?(p15)
7、啄木はどうして多くの知識を身につけたか?(p18)
8、啄木と母との関係に何かしら「病的なもの」がある?(p26)
9、母カツの最大の関心事は?(27)
10、鉄幹との文通で自信を持った?(p38)
11、晶子の歌を模倣した?(p43)
12、評価した小説家は漱石と藤村だけ?(p62)
13、「雲は天才である」は「題も構想も恐らく破天荒なもの」として認められた? (p62)
14、「小天地」は何故1号しか出なかったか?(p65)
15、「日本一の代用教員」だったか?(p67)
16、「葬列」は鏡花漱石以上か?(p71)
17、禅寺で育ちながら、啄木が自分の問題の解決に仏教を見出さなかったのはなぜか?(p81)
18、父・一禎が報徳寺への復職を断念して失踪した後に啄木の取った行動は?(p85)
19、函館の「紅苜宿」(べにまごやし)に歓迎された理由は?(p87)
20、函館で就職した社は?(p89)

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2017年6月16日 (金)

橘 曙 覧(たちばなあけみ)の獨 樂 吟を学んだ

717短歌・俳句勉強会6月例会(6・8)のご報告

啄木と子規を交代で学んでいる子規の会でしたが子規が「歌よみに与ふる書」で絶賛している橘 曙 覧(たちばなあけみ)の獨 樂 吟を取り上げました。

第一部は7人の参加者に「獨 樂 吟」から10首づつ選んで貰いました。

得票上位の結果はこうです。


獨 樂 吟       橘 曙 覧(たちばなあけみ)


1位、7票

9.たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無(なか)りし花の咲ける見る時

2位、6票

51.たのしみは野山のさとに人遇(あひ)て我を見しりてあるじするとき

3位、5票

6.たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時

24.たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき


1位の歌には票が入ると思ったが満票というのには驚いた。

実は事前に用意した資料にこういうのがあったので影響されるといけないと思って事前には出さなかった。


橘曙覧の長男、今滋に『橘曙覧小伝』がある。また彼は父の残した歌を編集し、1878年(明治11年)『橘曙覧遺稿志濃夫廼舎歌集』(しのぶのやかしゅう)を編纂した。正岡子規はこれに注目して1899年(明治32年)、「日本」紙上に発表した「曙覧の歌」で、源実朝以後、歌人の名に値するものは橘曙覧ただ一人と絶賛し、「墨汁一滴」において「万葉以後において歌人四人を得たり」として、源実朝・田安宗武・平賀元義とともに曙覧を挙げている。以後、子規およびアララギの影響下にある和歌史観において重要な存在となる。
彼の歌を編纂したもので『独楽吟』(どくらくぎん)[1]がある。どれも「たのしみは」で始まる一連の歌を集めたものである。1994年、今上天皇、皇后がアメリカを訪問した折、ビル・クリントン大統領が歓迎の挨拶の中で、この中の歌の一首「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」を引用してスピーチをしたことで、その名と歌は再び脚光を浴びることになった。wikipediaより

なぜクリントン大統領の周辺に独楽吟が伝わっていたのか。新井氏が作家・上坂紀夫氏のリサーチの成果として伝えるところでは、ドナルド・キーン氏が編纂した『日本文学選集』の中に独楽吟の八首が英訳付きで紹介されていた。
ホワイトハウスのスタッフの一人がこの歌に注目、クリントン大統領も共感して、日本を代表する詩文に「たのしみは」が取り上げられたという。
中外日報(京都の新聞)
http://www.chugainippoh.co.jp/NEWWEB/n-shasetu/08/0812/shasetu081220.html

人間の植物にかける思いは世界共通ということだろう。


第一部は楽しみはで始まる短歌・俳句を作って頂き投票しました。

票の入ったものを紹介します。

1位、5票

楽しみは朝陽を仰ぎ今日の日も命ありしをたしかむる時 喜美代

2位、3票

楽しみは友のたよりを受け取りてつつがなきこと確認しあうとき たま代

3位、2票

楽しみは孫と二人で絵に会いに美術館へと出かけたる時 幸子(生まれて初めて作った短歌)

4位、1票

楽しみは子規・啄木を学ばんといこいの家に人の寄るとき 公彦

楽しみは庭で育てた藍の葉を白き布地に浅き青色 澄江

楽しみはぐすり眠りさあ今日はあれをしようと決意するとき たま代

楽しみを楽しみと思わずにすぎゆきしわれのおごりよ たま代

たま代さんは二十分の間に十二首も作られました。一晩で百四十首作った啄木以上のペースです。


次回は7・13(第二木曜)10時に以下でドナルドキーンの「石川啄木」をテキストに行います。
〒341-0018 埼玉県三郷市早稲田7丁目1-7
いこいの家717 特定非営利活動法人三郷早稲田ライフサポートネット             
埼玉県三郷市早稲田7丁目1番地7  電話:048-934-5761

参考までに「獨 樂 吟」前五十二首と右端の数字が我々の投票結果です。


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