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カテゴリー「中国残留孤児」の記事

2006年12月 3日 (日)

安倍内閣へ突きつけた強力パンチ

前の記事神戸地裁判決についての各紙社説と前の前の記事おめでとう!(中国「残留孤児」神戸訴訟勝訴)
に続く3度目の記事になりますが中国残留孤児の神戸地裁の判決は歴史的だと思います。
私が画期的だと思うのは次の部分です。

1 戦闘員でない一般の在満邦人を無防備な状態に置いた戦前の政府の政策は,自国民の生命・身体を著しく軽視する無慈悲な政策であったというほかなく,憲法の理念を国政のよりどころとしなければならない戦後の政府としては,可能な限り,その無慈悲な政策によって発生した残留孤児を救済すべき高度の政治的な責任を負うと考えなければならない。

この憲法の理念を国政のよりどころとしなければならない戦後の政府というのは教育基本法を変えて憲法を変えようとする安倍内閣へ突きつけた強力パンチではないだろうか?
ここで「憲法の理念」というのは憲法九条に他ならないと思うからです。

以下非常にわかりやすい神戸地裁の判決の解説を紹介します。
こういうわかりやすい解説が大事ですね。

引用開始

津久井進の弁護士ノートから

 1 帰国したがっていた残留孤児に対し、政府はややこしい無茶な手続きを科したが、これは帰国妨害行為といえるので違法である
  (そりゃそうだよな)

 2 政府が、帰国した残留孤児にちゃんとした支援策を講じなかったのは違法である。政府に責任のない北朝鮮拉致被害者でさえ手厚く支援を受けているのに、それと比べてあまりに貧弱じゃないか
  (なかなか鋭い指摘ですねえ)

 3 本件は戦争損害の問題ではなく、その後何十年も経った後の帰国政策の問題だから、戦争責任受忍論の問題じゃない
  (こういう視点だと高等裁判所もひっくり返しにくいですね)

 4 ただし法律で定めた除斥期間(20年)があるので、帰国してから期間が過ぎた4人の請求は棄却する
  (ここは法律の限界か・・・)


橋詰裁判長は、判決言い渡し後に、次のようにコメントしました。

 被告、原告ともに、この判決の内容には不満があると承知しています。
 この訴訟で原告がもとめていた所得保障や老後の生活保障についてはこの判決では判断していません。
 判決内容には批判もあると思う、裁判所はそれに謙虚に耳を傾けたいと思います。
 けれど、一言いわせていただきたい。
 除斥期間、立法裁量。考えれば考えるほど、合議すればするほど、裁判による、裁判を通じての、問題の解決には、非常に大きな限界があると痛感しています。
 それから、訴え提起から3年以内でこの判決の言い渡しができた。こういう裁判にしては、それほど原告のみなさんの時間を無駄にしていないのではないか。
 それは原告被告双方の訴訟進行に対する理解、努力があったからこそだと思います。双方代理人に感謝を申し上げます。

これから、省庁を相手にした第2ラウンド突入です。
引用終了

弁護士さんたち 頑張って下さい!

2006年12月 2日 (土)

神戸地裁判決についての各紙社説

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弁護士fujita的日々 @京都より借用

朝日新聞2006/12/02(土)付社説
いま生活保護を受ける人が、全体の7割近くを占めている。国民年金は一部を受給できるようになったが、月額わずか2万円余にとどまるうえ、その分は生活保護費から差し引かれてしまう。

 生活を支えるために、判決は生活保護とは別の給付金や年金の制度が必要だとも指摘している。まったく同感だ。

 与党の国会議員がプロジェクトチームを発足させ、給付金制度を検討しているが、作業は進んでいない。新たな制度のための立法を急いでもらいたい。

 敗戦時に、そして帰国した後にも、国から棄(す)てられたと感じている孤児にとって、この裁判は人間の尊厳を取り戻す闘いだった。

 「やっと、日本人に生まれ変わりました」。晴れやかに話す孤児の思いを踏みにじってはいけない。

毎日新聞2006/12/02(土)付社説
 残留孤児の親たちは戦前、国策によって中国東北部の危険な地域に入植した。戦争末期のソ連軍侵攻に当たって、健康な男性は根こそぎ軍に動員され、残った家族は国の保護のないまま戦闘に巻き込まれたり、集団自決を遂げるなどで離散し、幼い子供たちが中国人に引き取られた。

 判決はこれらの点を「自国民の生命を軽視した無慈悲な政策であった。戦後の政府はその政策によって発生した残留孤児を救済する政治的責任を負う」と指弾した。歴史をきちんと振り返れば、当然の結論である。

東京新聞2006/12/02(土)付社説
拉致被害者は五年を限度として、生活保護よりかなり高い水準の給付金を受けている。しかも、社会適応指導やきめ細かな就労支援を受けることができる。

 その点、残留孤児は高齢での帰国者が多いのに、国の施策による日本語の習得期間も短い。十分な会話ができないため、仕事をしたくとも、ままならない不遇をかこった。
ドミニカ共和国移民に対して、東京地裁は今年六月、政府の対応を「違法」とした。それを受け、特別一時金支給法が成立した。残留孤児に対しても、知恵は出せるはずだ。

 この国の国民として生まれてよかったという施策が望まれる。各地の裁判所で今後、「勝訴」の“ドミノ”が起こる兆しかもしれない。

神戸新聞 06・12・02社説
公営住宅の優先入居や国民年金の三分の一程度を支給する特例措置が徐々に整備されたが、七割もの人が生活保護を頼りにしているのが実態だ。

 その生活保護すらも、養父母の墓参りや見舞いに中国を訪れれば、滞在期間分を差し引かれる。「祖国で、日本人として人間らしく生きたい」という願いが、全国にまたがる集団訴訟の背景である。

 「国民が等しく受忍しなければならない戦争被害」が国の主張で、最初の判決となった大阪地裁の判断はこれを認めたが、二例目の神戸地裁判決は「日中国交正常化後の政府の違法行為による損害」とした。後に続く裁判に影響を与える判決の持つ意味はきわめて大きい。

 国会では、議員立法で新たな支援策を目指す動きもある。神戸判決を機に、政府は「もう孤児と呼ばせない」支援策に向けて踏み出すべきだ。

判決は「原告の損害は政府関係者による違法な職務行為によるものだ」として、国が主張する「戦争による損害なのだから国民が等しく受忍すべきだ。孤児だけ特別視はできない」という戦争損害論を退けた。

愛媛新聞2006/12/02(土)付社説
 残留孤児は他の戦災被害者や引き揚げ者と違い、戦後日本の経済成長の恩恵を受けていない。本人の意に反して異国に何十年も置き去りにされており、むしろ拉致被害者と共通点が多い。戦争損害論は、賠償責任を免れるための理屈としか思えない。

信濃毎日新聞 06年12月2日(土)付社説
二つの点で国の責任を認めた点に、今回の判決の特徴がある。

 一つは、戦後の早期帰国策だ。1972年の日中国交正常化によって、国は具体的な対策ができるようになった。にもかかわらず、身元保証書の提出がなければ入国を認めないなど帰国を制限した、と踏み込んでいる。

 もう一つは、帰国者に対するバックアップである。北朝鮮拉致被害者への支援策を引き合いにしながら、「永住帰国後5年間は、生活の心配をしないで日本語習得などの支援を行う義務があったのに怠った」と、指摘している。
判決を受け、安倍首相は支援策を検討する考えを表明した。これ以上争うべきではない。安心できる暮らしを一刻も早く保障するのが、政府の役割である。

西日本新聞2006/12/02付 社説
注視すべきは、北朝鮮の拉致被害者に対する対応と、孤児支援策の格差を指摘したことだ。孤児たちには、拉致被害者が法律上受ける支援措置と同等の自立支援措置を受ける権利があるという。

 高齢化が進む孤児たちは、国の心からの謝罪を求めている。孤児たちの「日本人として、人間らしく生きる権利を」との切実な願いをいつまでも放置していては、国の人権感覚が問われかねない。

 国は孤児の支援策について、抜本見直しを迫られていることを自覚すべきだ。

北海道新聞 06.12.02社説
原告のほとんどは六十歳を超え、高齢化が進んでいる。帰国後の日本語教育や就労支援は十分と言えず、七割以上が生活保護を受けている。

 経済的自立を後押しするのは犠牲を強いてきた国として当然の責務だ。

 自立支援制度を創設し、年金や給付金を支給するといった救済策を早急に講じてほしい。

 中国大陸には帰国がかなわない孤児がまだ残っており、訪日調査が続く。集団訴訟の弁護団は「人間性を取り戻す訴訟」と位置づけている。

 孤児たちは中国と祖国日本で二度捨てられた。これ以上放置できない。

河北新報 06.12.02 社説
国はこれまで原告の被害を「戦争損害」と位置付けて、賠償責任はないと主張してきたが、判決は「違法な職務行為による損害」として退けた。

 国にすれば、違法性を認めることは困難に違いない。だが、現状のままでは残留孤児の将来は開けない。安倍晋三首相自らの政治決断を求めたい。

高知新聞 06.12.02 社説
画期的な判決ではあるが、原告4人について帰国時期が早いことを理由に請求を認めなかった点は納得できない。行政の違法行為に「時効」を認めることの妥当性が、もっと論じられてもよいのではないか。

 高知を含め全国の同種訴訟には、永住帰国した孤児の8割以上が参加している。国はその事実を率直に受け止めるべきだ。孤児の高齢化が進む中、いたずらに訴訟を長引かせるのではなく、支援策の充実へと転換する時期にきている。

 行政の「怠慢」を放置してきた国会の責任も重い。与党のプロジェクトチームが残留婦人を含む帰国者への支援策を検討しているが、立法化を急ぐ必要がある。

 旧満州(中国東北部)への国策移民の決定から70年、戦後も既に61年になる。これ以上、「棄民」を続けてはならない。

中国新聞 06.12.02 社説
判決文の言葉が重い。旧満州(中国東北部)に、一般の邦人を無防備な状態に置いた戦前の政府の政策は、自国民の生命、身体を著しく軽視する無慈悲な政策だったというほかない―と指弾。平和憲法の理念を国政のよりどころとする戦後の政府も、孤児を救済すべき高度な政治的責任を負っているとしている。

南日本新聞 06.12.02 社説
注目したいのは、中国残留孤児と北朝鮮の拉致被害者とを比較、問題を指摘した点だ。判決は両者への政府対応に「落差」があるとし、「原告らには、拉致被害者が受けられると同等の自立支援措置を受ける権利がある」とした。
以上12社の社説のポイント部分と思われる所でした。

最後まで読んで頂いて有難うございました。
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おめでとう!(中国「残留孤児」神戸訴訟勝訴)

9
心配そうな原告達

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勝った~!
歴史的判決だ。

コメントごと弁護士fujita的日々 @京都より借用

神戸の裁判が全国で初めて中国「残留孤児」側の勝訴となった。
残留孤児に方々におめでとうといいたい。
筆者はこの問題に何の関わりもなかったが先週の日曜日の残留孤児の方を支援する集会で「残留孤児」の方々の大変な体験を聞き、またたまたま在福岡総領事をのお話を聞く機会もありこの裁判には大変興味を持っていた。
旧満州の開拓民は戦況をまったく知らされず、無防備なまま敗戦の混乱に放り出された。無慈悲な政策が生んだ残留孤児に対して、戦後の政府は救済すべき政治的な責任を負うとしたこの判決ははあとに続く15の地裁,1つの高裁で,2201名の孤児のかたが闘って居られる裁判に繋がるもので大変に意味が大きい。
判決は日本国憲法の立場にも触れておりかなり画期的なものではないか?
先週の日曜日の残留孤児の方を支援する集会で井下弁護士は兵庫と東京での裁判に勝つだろうと見通しを述べられていたがまさにその通りになった。
平成20年に判決と言われる福岡の裁判にも勝利してもらいたい。
今朝の新聞の各紙の社説はここで読めます。
ここに紹介している全ての新聞がこの判決の画期的な意義を評価し問題の前向き解決を主張しています。
(この各紙の記事のポイントについては別記事を書きました。)

以下原告団・弁護団声明と判決全文です。
(少し長いです)

神戸地裁判決・勝訴!(原告団・弁護団声明)

中国「残留孤児」国家賠償・兵庫訴訟の判決について

2006年12月1日 

中国「残留孤児」国家賠償訴訟原告団全国連絡会

中国「残留孤児」国家賠償訴訟弁護団全国連絡会

 本日,中国「残留孤児」国家賠償兵庫訴訟について,神戸地方裁判所第6民事部は,被告国の「早期帰国実現義務」および「自立支援義務」の双方の義務違反を認め,原告65名中61名に対する損害賠償請求を認める判決を言い渡した。

 原告らは,幼くして満州の地に取り残されて以来,現在に至るまで,約60年間の長きにわたって,国の誤った孤児政策によって,「日本人として,日本の地で,人間らしく生きる権利」という,日本人であれば当然に有すべき権利の侵害を受け続けてきた。
 本件訴訟は,このような原告らが,国の政策の過ちを問い,日本人としての,そして人間としての尊厳の回復を求めるとともに,国策によって子や孫を再び残留孤児にするようなことがあってはならないとの願いを込めた裁判であった。さらには,私たち国民1人1人が,戦後一貫して日本人として当然の権利から排除,隔離されてきた日本国民がいるという現実を直視し,戦後日本の民主主義の質を問い直す契機となるべき,現代的意義をも有する裁判であった。また,昨年7月,大阪地方裁判所が,中国「残留孤児」らの請求を全面的に棄却する判決を言い渡し,これに対し,大きな批判が沸き起こっていた。

 本判決が,国の「早期帰国実現義務」および「自立支援義務」の双方の義務について,明確に法的責任を認めたことは,極めて重要な意義を有するものである。
 本判決は,「早期帰国実現義務」に関して,日中国交正常化がなされた1972年以降,国が「合理的な根拠なしに残留孤児に帰国を制限する違法な行政行為」をおこなったとして原告17名に対する賠償責任を認めた。
 さらに「自立支援義務」に関して,「政府は,条理に基づき,残留孤児に対し,日本社会で自立して生活するために必要な支援策を実施すべき法的義務(自立支援義務)を負っていた」と明確に認め,原告61名に対する賠償責任を認めた。
 また,本判決は,中国「残留孤児」が蒙った損害は,「戦争損害」であるとの理由で国の責任を免罪するものではないことを明快に指摘した。
 原告4名の請求を除斥期間の経過を理由として棄却したことについては課題を残したが,本判決は,国の政策の誤りによって,原告ら中国「残留孤児」らが,これまで戦後約60年にわたり苦難に満ちた人生を強いられ,未だに「日本人として,日本の地で,人間らしく生きる」という,日本人として極めて基本的な権利の実現ですら困難となっている現実を正面から認め,これらの事態が極めて重大な人権侵害であるとしたものである。

 現在,全国の15の地裁,1つの高裁で,2201名の中国「残留孤児」が原告となり,国の責任を追及する裁判を闘っている。本判決は,初めての勝訴判決であり,司法による原告らの権利および人間としての尊厳の回復の道を切り拓くとともに,従来の誤った孤児政策を断罪し,国にはこれを抜本的に転換すべき法的責任があることを認めたものに他ならない。
 
 本判決により,国の義務違反は明確に断罪された。
 国は,本判決を厳粛に受け止めて,自らの政策の誤りを率直に認めるべきである。そして,行政府および立法府は,中国「残留孤児」の権利および人間としての尊厳の回復を図るために抜本的な政策転換を果たすべきである。我々,原告団および弁護団は,本判決を機に,中国「残留孤児」に対する施策を抜本的に転換し,全国原告団連絡会が要求する全面解決要求事項について,国が,原告団および弁護団との間で早急に協議を開始し,中国「残留孤児」問題の全面解決を図るよう強く要求する。

以上

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2006年11月26日 (日)

中国残留孤児の方を支援しよう

誘われて中国残留孤児の方を支援する「中国帰国者を支援する会第四回総会」に参加した。
支援者が長崎・熊本・大分からも参加されていた。
中国残留孤児の方も二人見えていた。

また新たな邂逅があった。

残留孤児の方
中国残留孤児の方を支援しよう

井下弁護士の報告から少し紹介します。
・名称は中国残留孤児福岡賠償訴訟
・現在137名の方が福岡で裁判中
・一人当たり3千万円の国家賠償を求めている。
・多くの方は生活保護を受けている。
・2004・12・8にスタートした裁判で今年の12月8日で2周年となり、2008年までかかる
・全国10箇所以上で同じ裁判が行われている。
・日本人として生きられる事をめざす闘い。
・東京と大阪では敗訴しているが少しづつ前進している。
・国に三つの棄民責任
 1.満州の地に送り込んで見捨てた棄民
 2.戦時死亡宣告をした棄民
 3.帰国した人を見捨てた棄民
・これから判決が出る(勝てると思う)
 12・1神戸地裁
 1・31東京
・福岡の裁判には30人の弁護士が常任で付いている。
・福岡地裁で最も大きい301号法廷が傍聴者でいつも一杯になる
・福岡には塵肺や強制連行や水俣病やサラ金問題で最高裁で勝ってきた法的構成がある。
・何故帰国が遅れたのかを事細かに分析した。
・先週の公判でNHKの番組(満州への移民政策は国に責任があるというもの)を流すはずだったがNHKが抗議してきて中止になった。従軍慰安婦問題と同じ構図があると思う。
・裁判で勝つと同時に運動面の成果も得たい。(例、長野:一人3万円の特別手当て、長崎:渡航費用補助等)
・12・8に天神で署名集めのあと記者会見
・戦争をする国作りを許さない為にもこの裁判は大きな意味がある。

椛島弁護士
中国残留孤児の方を支援しよう

名和田代表・王丸さん
中国残留孤児の方を支援しよう

中国残留孤児の方の悲しみが少しわかった人は
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