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カテゴリー「啄木」の記事

2019年5月13日 (月)

東京の啄木祭が終わりました

 

昨日の啄木祭は定員の120名の会場がほぼ一杯の大成功でした。

文化行事の三浦一人さんのソロコンサートは

この啄木祭の為のオリジナル曲「思郷」を含む以下6曲が披露されまし。

1.銀杏の木

2.憂鬱

3.親子時計

4.水目桜

5.思郷(石川啄木に贈る曲です)

6.希望のうた

二次会で亡くなったお父さんを歌う「親子時計」が良かったと複数から感想が出ました。

思郷の歌詞はこれです。

「思郷」 作詞/作曲・三浦一人

 

故郷を思う 母のような温もり 愛を探している

砂のように手に掬えば 幻 こぼれ落ちてく

 

赤く染まる煉瓦通り 移り変わる人の心に

取り残され 仔犬のように独りで震えている

 

山の奥に聞こえている 旅烏が夕暮れ鳴いている

故郷の山 募らせては この心重ねている

 

赤く染まる煉瓦通り 燃え盛れ 寒さに震えている

仔犬達を温めてよ 灯火照らすように

 

川の中の石のように 時の流れが 心の刺を削ってゆく

流れて行く 母性の海を求めて 無償の愛を求めて

彼の若いファンやにわかおばさまファンに取り囲まれていました。

 

記念講演の佐藤勝さんの-啄木の歌に魅せられて二冊の「啄木文献目録」を編んで-

は膨大な資料を集められた経験の中の話を沢山披露して頂けました。

 

そのほかに啄木コンクール賞の表彰があり、入選は埼玉の木村久代さん、佳作は静岡の内田賢一さんと高知の梶田順子さんが受賞されました。

 

以下uplan三輪さんに撮影頂いた映像です。

20190512 UPLAN【前半】2019年啄木祭 三浦一人ソロコンサート・表彰式

https://youtu.be/nhRi46k-THg

20190512 UPLAN【後半】2019年啄木祭 佐藤勝『啄木の歌に魅せられて~二冊の「啄木文献目録」を編んで』

https://youtu.be/bzuofS7W3UE

以上

 

2019年5月11日 (土)

2019年啄木祭のご案内

明日5月12日(日)13:30から啄木祭が行われます。

ご参加下さい。

中継もあります。

ーー

2019年啄木祭

  • 2019/05/12 (日)
    13:30 - 16:30
  • 東京しごとセンター

     

    千代田区飯田橋3丁目10−3 日本

     

  • ¥1,000 前売券

    https://2019takuboku.peatix.com/

  • 2019年啄木祭
    日時
    2019年5月12日(日)13時開場13時半開会
    場所
    東京都しごとセンター・講堂
    千代田区飯田橋3-10ー3
    前売券1000円(当日1200円)
    記念講演
    啄木の歌に魅せられて
    二冊の「啄木文献目録」を編んで
    文化行事
    ソロコンサート
    三浦一人
    啄木祭オリジナル曲他
    http://www.shinnihonkajin.com/gyoji/2019年%E3%80%80啄木祭-2/
    2019年啄木祭 プログラム案及びプロフィール紹介



    1:30 司会 小林加津美(新日本歌人協会全国幹事)

    1:32 主催者挨拶 小石雅夫(新日本歌人協会代表幹事)

    1:35 協賛団体挨拶

    1:50 文化行事 三浦一人さん(シンガーソングライター)

    (希望の歌他)

    2:15 啄木コンクール表彰

    選考結果発表 清水勝典(新日本歌人協会常任幹事)

    受賞者挨拶

    講評(選を終えて)水野昌雄(選考委員会代表)

    2:45 休憩

    3:00 講演 佐藤勝さん

    (湘南啄木文庫代表・国際啄木学会会員)

    「啄木の歌に魅せられてー2冊の「啄木文献目録」を編むー」

    4:30 閉会挨拶 司会

    主催 新日本歌人協会 後援 国際啄木学会

    協賛 文団連(挨拶明石武美事務局長),民主主義文学会
    詩人会議(挨拶青木みつお運営委員長)、新俳句人連盟(挨拶飯田史朗会長) 

2019年4月11日 (木)

啄木と一茶

啄木と一茶

たまたま持っている1997年に大阪で発行された「石川啄木の会」発行の「新しき明日」第19号に安井ひろ子さんの「啄木と一茶」という文章があった。

717短歌俳句勉強会で啄木と一茶と芭蕉の勉強を始めるに当り相応しいのでご紹介します。

この文章は軽妙なエッセイです。なにせ啄木と一茶と安井さんの三者鼎談なのですから。

(こういう文章の書き方があるのだということに感じ入りました。)

(第18号にはゲストとして前に学んだ橘曙覧も登場している。)

 

この鼎談の内容は極秘事項のようだがここに書かれていることを一部紹介しよう。

貧乏比べ

――

自分を上回る一茶の貧乏ぶりに啄木はかなり気を良くしたようだ。

 秋風や家さえ持たぬ大男 一茶

「詩集「呼子と口笛」の<>の詩が語るように、啄木にとって心から求めてしかし最後まで得られなかったのが安住の<>であった。」

梅咲くやあわれ今年も貰餅 一茶

 春立つや四十三年人のめし 一茶

 借金を重ねたまま二十七歳で逝った啄木。四十三歳まで他人のご飯を頂戴してきた一茶に比べれば何のことはない。啄木も自分の借金魔の悪評が多少なりとも緩和されたようで今回の鼎談は嬉しかったのではなかろうか。

――

春立つやの句は享和四年(文化元年)の歳旦句

貧乏比べのような様相だが、大衆性ということで通じ合うものがあるとしている。

 

江戸と東京への憧れと反発

――

ちち母は夜露うけよと撫でやせめ 一茶

(訳 父や母が冷たい夜露を受けさせるために撫でて子どもを育てたのだろうか。)

という句を一茶に披露させている。

(蕪村の「鰒(あわび)喰へと乳母はそだてぬ恨みかな」(落日庵句集)をヒントにして、一茶の継子意識から生れた句作り、貧窮問答歌の「われよりもまずしきひとのちちはははうゑこゆらむ」(万葉集・巻五)の影響もあるだろう)と「一茶句集」の解説にはある。

生涯二万句以上を残した一茶は蕪村の影響を強く受けている。

 

そして啄木の流浪生活を共感して「信濃の山猿一茶」がこういう自句群を述べている。

 春の雪江戸の奴らが何知って

初雪や江戸の奴らが何知って

名月や江戸の奴らが何知って

秋の風江戸の奴らが何知って

江戸への複雑な感情が初句以外は「江戸の奴らが何知って」で統一されている。

一茶の並々ならぬ江戸への憧れと反発が感じられる。

この句は最近大阪で発見された句か、一句も「一茶句集」には収録されてない。

 

下ネタ話

下ネタ話も共通項が紹介されている。

啄木は「ローマ字日記」で詳細に記事を残している。

ドナルド・キーンはこれを最高の日記文学と評している。

一茶は「千束町のお女郎さんや飯盛の八兵衛を相手に相当遊んだようだ」と安井さんにばらされている。

 

啄木と一茶はこれ以外にも大層筆まめなこと反エリート意識の強いことで意気投合したようだ。

安井さんは最後にこう感慨を言う。

――

今日においても金にも飾りにもならない俳句と短歌。一茶に引かれ、啄木に曳かれてこの魅力的な旋律のとりこになった人々が日々や句を歌に詠みつつ明け暮れる。

そういう私だって。

――

安井ひろ子さんは現在、秋沼蕉子さんとして「新日本歌人」誌に歌の投稿を続けている。

この四月号にこういう歌がありました。

p28このことばメールで打つたび迷うなり(素敵、素的、すてき、ステキ)どれがいいやろ

大阪 秋沼蕉子

★自由な言葉使いが素敵です。

以上です。

2019410日 大津留公彦

 

 

 

 

 

2019年1月 4日 (金)

2019年啄木コンクール作品募集

新日本歌人協会で、「2019年、啄木コンクール」の作品を募集しています。
 作品20首。手数料1000円を添えて、締め切りは2019年1月31日消印有効
 発表、表彰は、5月の「啄木祭」の席上で行われます。
 どなたでも応募できます。
詳細はこちらで
http://www.shinnihonkajin.com/infonews/2019年度-啄木コンクール作品募集/

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2018年9月22日 (土)

石川啄木の小説「雲は天才である」を読んだ。


石川啄木の処女小説「雲は天才である」を読んだ。
明治三九年に書かれた啄木二十歳の三十五頁の中編小説です。

渋民の代用教員時代に題を取った教員集団の話として面白いと思って読んでいて妙だなと思ったのは突如その教員集団の緊張した場面の話はそのままにしてそこに突然訪問してきた珍客「石本俊吉」の話になってしまう。いつかその教員集団の緊張した場面に戻るのだろうと思って読んでいたが結局その場面には戻らずに小説は終わってしまった。
読者と激論をしていた教員集団は職員室に置き去りになったままです。
描写力には感心をしますが、まだほとんど会話をしてない「石本俊吉」の描写はなんと四頁にも及んでいます。
この小説はいわゆるオムニバス形式となっています。
当時こういう手法がどの程度あったのか不明ですが、読者のフラストレーションは再度職員室に帰って続きをやって貰わないと解消出来ない。
小説としてはその方がまとまりがいいと思いますがどうでしょうか?
しかし今さら啄木に続きを書いて貰うわけには行かないので読者がこのまま評価するしかない。

岩城之徳さんらの解題では「雲は天才である」の「雲」は放浪者の象徴だという。
すなわち主たる登場人物「新田耕助」「石本俊吉」「天野大助」の三人が「雲」です。
ゴーリキーを尊敬していた啄木は自分がモデルの「新田耕助」によせて自分を放浪者の運命を辿るものと規定したのではという。

では「天才」は誰でしょうか?
「新田耕助」でしょうか?この三人でしょうか?
いずれにせよこの題は魅力があります。読んでみる気を起こさせる題です。
昔文学学校で、題は主題と付かず離れずがいいと習いました。
主題が放浪者であればこの題はふさわしい題といえるでしょう。
この「天才」の意味は「天才」石川啄木に聞いてみるしかないですが、、

三郷の勉強会で啄木と種田山頭火を隔月で読んでいます。
この「雲」には啄木の四年先輩である山頭火がふさわしいでしょう。
「石本俊吉」あたりは山頭火に置き換えられるでしょう。
場所も境遇も作品も違いますが意外と啄木と山頭火は近いのかも知れません。
2018年9月22日 大津留公彦


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2018年7月 6日 (金)

碓田のぼるさんの「団結すれば勝つ、と啄木はいう」を読んだ。

碓田のぼるさんの「団結すれば勝つ、と啄木はいう」を読んだ。
啄木についての碓田さんらしい緻密な調査で多くの新発見がある。
啄木全集に出てないことや各氏の解説への意見がたくさんある。

特に社会主義に関するところは余人の追随を許さない独自なものがある。
「大阪平民新聞』に出た資本論第一巻の解説的記事を筆写したとき同じく「大阪平民新聞』に出た「共産党宣言」は読んでいただろうという。筆写しなかったのは堺利彦の「社会主義研究」に掲載された全文を持っていたからだと言う。
などなど多くの新しい啄木についての論考がある。

この本で何と言っても白眉は 「終章 1946年の啄木」だと思う。
一九四六年、敗戦直後の石炭不足解消のために、北海道・美流渡炭鉱へ石炭増産隊として派遣された著者が、炭住の壁に見つけた啄木の歌がこれである。

地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつつ秋風を聞く

ここから碓田さんの本格的啄木研究はスタートしたと思われる。

この本が多くの人に読まれることを願っています。

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2018年5月18日 (金)

東京啄木祭YouTube映像への反応

東京の啄木祭のYouTube配信を見た人からの感想が寄せられました。
和合亮一さんはご自身の講演の前に行われた創造集団池小の中国残留孤児に関する朗読劇を観て感動したといい、聴衆は口々に和合亮一さんの話と朗読に感動したといい、この方も映像を見て感動したという。
感動の連鎖ですね。
寄せられた言葉は以下の通りです。
ーー
先日この動画を拝見しました。この方は、息子の高校の時の担任の先生です。息子は、とても慕っており、とてもお世話になりました。改めて当時のことを思い出すと、涙無くしてこの動画を観ることは、できませんでした。この先生の思いというのは、福島県人であれば、すべての人が感じた想いであり、忘れてはならないものであると思います。心身ともにいろいろな面で疲弊されておられる方は、たくさんいる中で、心のケアにおいて、捉え方や考え方、または感じ方など文学の中にその深い心情を見出せる様にも感じました。人は、感じたり考えたり行動したりと、様々なことができるものです。そういう為にも、この和合亮一先生のお話しは、とても貴重な言葉であると感じます。この先生の書いた詩にのせて、合唱をしたことがあります。南相馬市ゆめはっと合唱団にて。とても感動的な詩に感無量となりました。ありがとうございます。
ーー
以上です。
「新日本歌人」誌上で予定している啄木祭特集にも感動が繋がることでしょう。
YouTube映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=MjUxbvp2FAI 
https://www.youtube.com/watch?v=k_ZYpMtI2GA 
前半、後半にわけて配信されてます

項目別の映像はこちらにあります。
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/show/
D3d5c9f0cf6c41d39eba3c99f8d8b8e1

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2018年4月14日 (土)

2018三郷啄木祭が終わりました

2018三郷啄木祭が終わりました

第二回三郷啄木祭は以下の二本立てでした。

講談 「足尾鉱毒事件と石川啄木」 甲斐淳二

講演 現代 水野昌雄 現代短歌の幕開け 「子規と啄木と現代」-そのリアリズムについて-

アンケートによるとどちらも評判は良かったようです。

2018三郷啄木祭のまとめ

1 数字的分析
今回参加54人 前回も参加した人は16人なので7割は初参加
神奈川・茨城からも参加
甲斐さんの関係で3名参加

2 アンケートから(70代中心)
講談の評判が良かった
水野さんの講演は資料が探しにくかった
「言葉のリアリズム」についてのお話が印象に残りました。
「リアリズム」が分かりませんでした
皆さんの感想が良かった

3 その他大津留感想
アンケートは10枚だったが呼びかければもっと集まったでしょう
著名な啄木研究家である大室精一さんも参加
717短歌俳句勉強会への参加を検討するという人が2人いた
「短詩形文学」での連載記事にての紹介の可能性あり
「新日本歌人」には要約を掲載予定

4   来年予告
来年は啄木の命日である4月13日に第三回三郷啄木祭を以下の内容で行う予定です。
講演 「啄木と雨情」 元新日本歌人代表幹事 奈良達雄さん
    講談 「啄木と大逆事件」と「西行の鼓が滝」 甲斐淳二さん

以下で今日の映像がご覧頂けます。
かなりぶつ切れですが。。
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456963342 2018三郷啄木祭1(講談1)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456968179 2018三郷啄木祭2(講談2)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456973459 2018三郷啄木祭3(講談3)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456977410 2018三郷啄木祭4(水野講演1)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456983116 2018三郷啄木祭5(水野講演2)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456989666 2018三郷啄木祭6(水野講演3)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/4569963172018 三郷啄木祭7(Q&A)

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2018年4月 5日 (木)

4月14日は三郷啄木祭です

第二回三郷啄木祭の案内
2018年4月13日は啄木没後106周年です。
命日の次の日に第二回三郷啄木祭を行います。啄木の現代性を学びましょう。

「歌という詩形を持っているということは、我々日本人の少ししか持たない幸福のうちの一つだよ。」
啄木

日時:2018年4月14日(土)
場所:三郷市文化会館中会議室
時間:13:30-16:30
講演:水野昌雄
「子規と啄木と現代」ーそのリアリズムについてー
(1930年生まれ。早稲田大学大学院日本文学科修士修了。現代歌人協会・日本文芸家協会会員 短詩形文学代表)
講談:甲斐淳二(講談師)
「足尾鉱毒事件と啄木」
(甲斐淳二・プロフィール
アマチュア講談師。1952年、大分県生まれ。東京商船大学(現・東京海洋大学)卒業後、22歳で国鉄青函連絡船の航海士として函館に着任。石川啄木の住んでいた近くのアパートに暮らし始める。1988年、連絡船の終航と共に上京。1912年神田香織の講談教室に入門(甲斐織淳)。創作講談「田中正造伝」「三面記事の由来」「平民社の誕生」「石川啄木と大逆事件」「福島・夜ノ森の桜」等。古典は「西行の歌日記」「花筏」等。国際啄木学会会員。千葉県柏市在住。)
 
参加費:無料
資料代:500円
主催:新日本歌人協会
以上
ーー
ちなみに水野昌雄さんは私を新日本歌人に導いてくれた人で、甲斐淳二君は大分の高校の同級生です。

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2018年3月26日 (月)

紅林進著『民主制の下での社会主義的変革』出版記念討論会

今夜友人の出版記念会に参加して30分話をしました。

紅林進著『民主制の下での社会主義的変革』 http://logos-ui.org/book/book-30.html
の出版記念討論会

紅林進『民主制の下での社会主義的変革』出版記念討論会
「社会主義って何だ、疑問と意見」

日時: 3月26日(月) 午後6時~

報告: 大津留公彦さん(新日本歌人協会常任幹事)
    中瀬勝義さん(海洋観光研究所)
    平岡 厚さん(元杏林大学准教授)
司会: 村岡 到さん(『フラタナティ』編集長)紅林さん出版記念会に

活発な討論も行われました。
吉田万三さんや聽濤弘さんも参加されてました。
以下私の発言です。
ーー
大津留公彦です。
歌人であり、俳人です。毎日短歌八首俳句一句を発表しています。
大津留公彦名でblog、Twitter、Facebookをやっています。
新日本歌人協会、文化団体連絡会議(文団連)、私が東京を変える、電気代一時不払いプロジェクトに属しているいます。
紅林さんとは「私が東京を変える」でご一緒させて頂いており昨年まで3年間かけて紅林さんをチューターにして資本論を読破しました。
村岡さんにも私が東京を変えるの立ち上げ時にお世話になりました。

今日は新日本歌人常任幹事の肩書ですので短歌の話から始めます。
啄木の歌ベスト100というアンケートを新日本歌人の関西の方で最近やりました。
ベスト3はなんだか分かりますか?
3位はちょっと意外ですがこれです。
子を負ひて
 雪の吹き入る停車場に 
 われ見送りし妻の眉かな (一握の砂 )
石川啄木は1907年(明治40年)21歳のとき、函館の大火に追われ、札幌の新聞社に一時勤務した後、小樽の小樽日報社に勤務します。9月から12月まで勤務したのですが、上司との折り合いが悪く、退職し、翌年1月、家族を小樽に置いたまま、釧路の釧路新聞社に単身赴任します。

この歌は小樽駅に見送りに来た妻子のことを歌った歌です。)
(因みにこの時小林多喜二とわずかでですが小樽に同時期に住んでいました。)
2位
新しき明日 ( あす )の来 ( きた )るを信ずといふ
 
自分の言葉に
 
嘘はなけれど――
                            『悲しき玩具』より 明治43年
嘘ではないと断定しないところに啄木の真実を感じます。
最後のーーに余韻がありますね。
この年の五月に大逆事件が報道されていますので啄木は朝日でこの事件をいち早く知っていたと思います。いわば大逆事件を歌った歌と言ってもいいでしょう。
26歳で死去する 2年前に評論「時代閉塞(へいそく)の現状」を執筆している。大逆事件(天皇暗殺計画をたてたとして多数の社会主義者が処刑された事件)後の圧政の中、格差や就職難を見つめながら、何とか豊かな未来を構想しようと呼びかけた。
* こんな一節がある。<明日の考察! これ実に我々が今日において為(な)すべき唯一である、そうしてまたすべてである>。理想は「善」や「美」に対する空想ではないと記し、「今日」を研究して「明日」の必要を発見すべきだとも主張している。
さて
1位です。
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る
石川啄木『一握の砂』

この歌を読む場合、「楽にならざり」で一端息を止めて、一拍置いて「ぢっと手を見る」と発語する格好になる。この深い間に、啄木の複雑な心情が込められている。
啄木は、この作品を明治43(1910)年7月26日に詠んだと言われている。前年、東京朝日新聞に校正係として入社。月給による生活を始め、家族を函館から東京へ呼び寄せた。しかし母と妻・節子の折り合いが悪く、家庭の雰囲気は悪かったようだ。

啄木の短歌を紹介したのは、特に一位と二位の歌は生活と社会主義の事を歌っており、貧困問題などでよく引用される歌であり啄木の名は知らなくても歌は知られていると思うからです。啄木は現代に生きています。
我が新日本歌人協会は啄木からの生活派の流れを引いています。
是非啄木に興味を持ってください。
啄木祭のチラシも入れておきましたので4•14の三郷と5・13の東京の啄木祭に興味のある方はおいで下さい。中継もあります。

さて紅林さんの本の話です。
感想につきましては年末に私のブログ(大津留公彦のブログ2)に書きました。今日は全文配られているようです。
今日はその中の社会主義における分配論について喋ります。
本のp18から社会主義における分配原則が書かれています。共産主義の低次の段階では「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」高次の段階では「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」という分配原則です。

紅林さんはp19に日本共産党の2004年の23回大会でこの「ゴータ綱領批判」にある原則を綱領から削除した事を批判しています。

不破哲三 「新・日本共産党綱領を読む」によれば「ゴータ綱領批判」ではこの見方を共産主義社会の法則的な定式として絶対化していません。むしろ注意書きでマルクスはこう書いています。
[「社会主義を、主として分配を中心にするものとして」描き出すのは、俗流社会主義がブルジョア経済学者から受け継いだものだ。]
エンゲルスも未来社会の分配問題について聞かれた時にこのゴータ綱領批判での議論で回答はせず未来社会の進歩と共に分配の方法が変化すると答えています。

レーニンはこの注意書きに注目せず「国家と革命」を書き二段階論を定式化しました。
スターリンとそれ以後のソ連の指導部はこの二段階論を世界における自分たちの特別の地位を際立てる「理論的な」モノサシとして使いました。ソ連だけが第二段階で、それ以外の国は第一段階かその前だからと他にどんな問題があろうと、ソ連の現状を美化するために使いました。ソ連共産党と闘って来た日本共産党としてはその理論立てが国際関係の弊害となって来たので削除したのだと思います。

不破氏はその大会でこう発言している
ます。

「第一点。生産物の分配方式――まず「労働におうじて」の分配、ついで「必要におうじて」の分配、こういう形で生産物の分配方式のちがいによって未来社会そのものを二つの段階に区別するという考えは、レーニンの解釈であって、マルクスのものではありません。マルクスは、「ゴータ綱領批判」のなかで、未来社会のあり方を分配問題を中心において論じる考え方を、きびしく戒めています。」
第ニ点はマルクスは未来の青写真主義的なやり方は、いましめた事。
第三点はマルクスが重視したのは分配問題ではなく、生産様式をどう変革するか「生産手段の社会化」という問題だったという事。
そして第四点はこうです。
「マルクス、エンゲルスが、その未来社会論で、社会発展の主要な内容としたのは、人間の自由な生活と人間的な能力の全面的な発展への努力、社会全体の科学的、技術的、文化的、精神的な躍進でありました。」

紅林さんが日本共産党について書いたもう一つは[「ルールある資本主義」や「よりましな資本主義」の主張にとどまるのでなく、資本主義自体の問題性と限界を明らかにし、資本主義に代わる社会主義のビジョンを積極的に提示してゆくべきである。]という部分であるが日本共産党がまさに今、努力している事だろうと思います。これは紅林さんの激励的提起だと思います。

日本共産党は実は「ルールある経済社会」と呼んでいます。
志位和夫さんはこれについて、「なぜ『ルールある資本主義』とよばないのか」という疑問に対して、これは資本主義の枠内で実現すべき目標だが、その改革によって実現された成果の多くが、未来社会にも引き継がれていくという展望を持っているからだと説明しました。

こも本にはそのほかにも多くの論考がある。 私の知らなかったスペインのモンドラゴン協同組合の経験は日本で今後出て来る可能性がある企業形態であり、非常に参考になった。

以下中身には触れませんが私が興味を持ったそれ以外の論考のタイトルは以下である。
・ベーシックインカムと資本主義、社会主義
・<生活カード制>の意義と懸念
・マルクス主義の民族理論・民族政策
・民意を忠実に反映する選挙制度を!
・上田哲の小選挙区制意見裁判闘争

資本論読破への氏の貢献に感謝すると共にこの本が広く読まれ議論が起こる事を望みます。又紅林さんの二冊目の出版に期待して話を終わります。
以上です。

参考
綱領改定提案
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-01-15/00_03.html

不破哲三綱領第12回講義
http://www.jcp.or.jp/kk_kyousitu/data/12_02_koryo.pdf
2012年3月8日(木)
「綱領教室」志位委員長の第12回講義
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-03-08/2012030809_01_0.html

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