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カテゴリー「啄木」の記事

2019年10月25日 (金)

碓田のぼるさんの新著「啄木断章」を読んだ

碓田のぼるさんの新著「啄木断章」を読んだ

この本の三分の二を占めるのは今年の「民主文学」の6,7月号に掲載された『啄木詩「老将軍」考』であり、残りが季論2009年秋号に掲載された『生活の風景と言葉』であり、季論2017年秋号の中村稔著『石川啄木論』の書評と20013月の国際啄木学会研究年表第四号の上田哲著『啄木文学・編年資料 受容と継承の軌跡』の書評であり、最後が三枝昴之氏との2006年の対談『生誕百二十年 石川啄木と現代』である。

夫々について感想を書いてみたいと思う。

 

①『啄木詩「老将軍」考』

一言で言って、非常に緻密な分析である。他の言葉で言えば細かく又、執念深い。

啄木の研究者でないと興味を持たないのではないかと思ったが、たまたま最近この「民主文学」の編集者と話す機会があったが彼女はこの文に非常に興味を持ったという。

啄木の入門者には厳しいと思うが文学者にはその取り組みの手法が興味深いかもしれない。

 私のような大雑把な啄木読みには誠に敬意を表するしかない。

その一部を紹介しよう。

この「老将軍」という詩は明治3811日発行の「写真画報第13号」に掲載されているが啄木の第一詩集「あこがれ」には収録されてない。昭和9年に木村毅氏によって「東京日日新聞」に紹介され、啄木全集に収録されたのは戦後になってからである。

この詩はこういう調子で始まる

 

老将軍

老将軍、骨逞しき白龍馬

手綱ゆたかに歩ませて、

たヾ一人、胡天の月に見めぐるは

沙河のこなたの夜の陣。

 

木村毅氏はこの詩が「写真画報第13号」に掲載されたことを啄木は知らなかったのではないかと推測し、忘れてしまったのではないかと推測するが、碓田氏は啄木全集には瑣末な文章の一節まで残しているので啄木が忘れてしまったという説は採らない。

啄木のご子息の石川正雄氏は「老将軍」は「日露沙河の大戦にわが三軍総司令官たりし大山元帥のことであろう」と言っている。碓田氏は中に出てくる「勝算胸に定まりて」は作戦指導の総責任者である満州軍総参謀長児玉源太郎大将の方がふさわしいかも知れないとしているがこの詩の「老将軍」の形象がかすんでいるのでどちらともいえないと言う。

むしろなぜ啄木がこの詩を「忘れてしまった」が問題としている。

明治388月の遼陽会戦で日本軍23500人の死傷者を出しロシア軍も2万の死傷者を出して北に敗走した。同十月クロポトキン率いるロシア軍を日本軍は沙河戦で日本軍20500人の死傷者を出しロシア軍も41千の死傷者という未曾有の大損害を出して終結した。

戦場での真実は知らされずこの二つの会戦の勝利に国内は沸き立ち、天皇が勝利を讃える勅語さえ出している。(この調子で紹介すると本を読む意味がなくなるのでこれから端折ります。)

碓田氏はこの詩には熱狂の反映は無く「孤独感が薄絹のベールのように被っている感じがする」と言う。同時期に岩手日報に連載された「戦雲余録」のナショナリズムと呼応しているがこの「老将軍」の23ヶ月目に書いた「マカロフ提督追悼」と比べてもその力の無さが際立っているという。リズムも「マカロフ」は3445又は79の新調リズムだが「老将軍」は旧調の75のリズムだと言う。

ここで碓田氏の「大胆な仮説」が登場する。(ここら辺からがこの文の真骨頂だが)

曰く 

『「老将軍」には、啄木が生涯の秘事とした、宝徳寺追放の屈辱を背負った父一禎のことを重ねてはいないか』

「執念深い」碓田氏は2018年に曹洞宗総本山の宗務庁宛に質問状を出している。

その返事がこの文の白眉だが推理小説の結末ではないが紹介するのはやめておこう。

詳しくはこの本を読んで頂きたい。

碓田氏は最後のこの詩は「啄木が年少期からもった熱烈なナショナリズムの急激な減退を示していないか」と言う。

この長い論考の最後の文章を紹介して終わろう。

「こうして考えてくると、啄木におけるナショナリズムの問題は、まだまだ奥が深く解明されなければならない問題が残されている思いを強くする。わけても戦後のナショナリズムの研究から深く学び取る必要を痛感する。そのことによって、石川啄木におけるナショナリズム論は、もっと総合的に、理論的に整理され、啄木の思想と文学をより深く刻み上げる事になるのではなかろうか。」

 

②『生活の風景と言葉』

明治41年四月下旬に最後の上京した啄木は金田一京助の下宿である本郷菊坂の赤心館に身を落ち着けた。

58日から45日間で小説を220枚と詩8編と短編の構想を16本分練った。しかし小説は1本も売れず、「明治41年歌稿ノート『暇ナ時』」には614日から1010日までの間に652首が収められているが、約四ヶ月の作品数としては驚くほどのものである。」

このとき啄木は他方で旺盛に読書している。(ツルゲーネフ、蕪村句集、杜甫・陶淵明・白楽天、万葉集、古今集、源氏物語)(驚くべき読書量である。)

622日に「赤旗事件」が起こった。これは「山口孤剣の出獄歓迎会が神田錦町の錦輝町で開かれたおり、「無政府共産」「無政府」などの文字を赤字に白く縫い付けた旗を立てて、警官隊と大乱闘になった事件である。堺利彦、荒畑寒村、大杉栄などと共に菅野スガ、大須賀サトなど若い女性4名を含む計16名が逮捕され」た事件である。

この事件に触発されたと思われる歌がある。

  君にして男なりせば大都会既に二つは焼きてありけむ

4ヵ月後啄木は本郷町の新坂上の高台にある蓋平館別荘に移る。

そして窓から見える富士山よりも砲兵工廠の3本の煙突に興味を持つ。「小説断章その他・島田君の書簡」でその煙を「毒竜のような一条の黒煙」と書き「いかなる健康者でも其地域に住んで半年程経てば、頭に自と血の気が失せて妙に青黒くなり、眼が凹んでドンヨリする。」と書く。碓田氏は「眼前の風景の中に人間の生活を思い浮かべ、人間の未来を見通した俊敏な詩人の想像力であった。」と書いている。

明治4231から朝日新聞校正係に就職し、616日に函館にいた家族を呼んで本郷弓町2丁目の新井という床屋の2階で暮らし始める。

その間貧困のあまり20日間の妻の家出事件が起こるが、碓田氏はこう書く「個人主義的自己充足の思想の敗北であり、それへの鋭い警鐘であった。」「啄木は、この敗北の地点から新しく歩みはじめたのである。それはあらたな「生活の発見」であり、啄木の思想と文学の画期的前進となるものであった。」

その後「食ふべき詩」「きれぎれに心に浮かんだ感じと回想」「文学と政治」「一年間の回顧」など重要な文章を立て続けに書いている。

明治436 大逆事件が起こる。(事件の解説略)

8月末から9にかけて「時代閉塞の現状」を書く。(評論の解説略)

この時期に書かれたこの歌を評している。

地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつつ秋風を聞く

 「日本は天皇の名において、韓国の国号を剥奪し、単なる日本国土の地方名としての「朝鮮」におとしめたものであった。」

碓田氏はこのいかなる地図にもありえない朝鮮国の「国」の語がまさに啄木の思想であるという。曰く「それは、天皇の名によって略奪された国家と民族への鎮魂の思いであり、遠い先での、奪われた「国」のあらたな再生への、期待であった。」と

この歌は動きのある墨を塗るイメージが強いが「国」への着目は新しい指摘であろう。

この年のこの歌も紹介している。

  新しき明日の来たるを信ずと言う

  自分の言葉に

  嘘はなけれど――

 この歌は啄木の悲観ではなく、啄木の我々に向けた問いかけだと碓田氏は言う。

翌明治44は東京市電のストライキで明けた。

 13日の日記にこう書いている。

「国民が団結すれば勝つという事、多数は力なりという事」それに続けて碓田氏はこう書いている。

「こうして啄木は、未完の「新しき明日」の歌の「――」の部分に、自歌自注を加えることよって、作品を完成させたのである。啄木はそれから4ヵ月後の明治45413にわずか262ヶ月の生涯を閉じた。」

 

③書評 中村稔著『石川啄木論』

書評の書評というものは難しい。以下の微妙な文章を紹介するだけにしよう。

「本書を読み終わって、啄木の全生活と全作品を見る著者の視点―生活者啄木を見つめる視線―というようなものを、不図思った。 天上から見下ろしていないことは云うまでもない。それでは遠近法のような、いってみれば、遠方の詳細はわからない。という視点でもない。私の頭に浮かんできたのは、何となく、オランダの画家のレンブラントのような光線であった。」 

④書評 上田哲著『啄木文学・編年資料 受容と継承の軌跡』

 起筆から11年かけ1999年に発行された653頁に及ぶ大書だが作者は翌年に亡くなっている。ここでも思いの籠もった最後の文章を紹介するだけにしよう。

 『受容と継承の軌跡』においても、日曜日に北上川の啄木歌碑の清掃をした小学生が。駐在所で取り調べられ、進学や就職で不当な処遇を受けたことの事実が記述されている。啄木の持つ事実をおし歪めようとする力は、戦前だけのことではない。今日にもそれは及んでいよう。啄木の事実の受容と継承は、それを阻むものとのたたかいなくしては進まないことを、本書を読みながら、あらためて深く思った。」

 

⑤対談『生誕百二十年 石川啄木と現代』碓田のぼる・三枝昴之

対談のおそらく抜粋なので少し物足りない感じがあるがエピソードの部分を紹介しよう。

 

碓田 戦争末期、十五歳のころ、長野・野尻湖畔にあった鉄道工場の寮にいきまして、近くにいたドイツ人の娘さんに恋心をいだいた。自分の歌のようなふりをして、「君に似し姿を街に見る時の/こころ躍りを/あわれと思へ」「かの時に言ひそびれたる/大切な(の?)言葉は今も/胸にのこれど」の二首を贈った。啄木の歌を借用しても、自分の気持ちと矛盾しないから罪の意識はなかった(笑い)。

 

碓田 愛国少年だった私の啄木の歌との印象的な出合いは、敗戦の年で十七歳でした。高等小学校を出て長野の鉄道工場に勤めていましたが、石炭危機で「増産隊」が組織され、北海道の美流渡鉱山にいって採掘作業をやりましてね。粗末なつくりの宿舎で、汗と油のベニヤ板張りの壁に小さな落書きがあるのに気づきました。朝鮮文字に混じって、日本語で歌が書かれていました。「今日もまた胸に痛みあり。/死ぬならば/ふるさとに行きて死なむと思う。」と「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨をぬりつつ秋風を聴く」の二首でした。

以上です。 20191024日 大津留公彦

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4780719437/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4780719437&linkCode=as2&tag=kimihikoootsu-22&linkId=1905b6a3598814c2b7f193bddb29c100

2019年5月13日 (月)

東京の啄木祭が終わりました

 

昨日の啄木祭は定員の120名の会場がほぼ一杯の大成功でした。

文化行事の三浦一人さんのソロコンサートは

この啄木祭の為のオリジナル曲「思郷」を含む以下6曲が披露されまし。

1.銀杏の木

2.憂鬱

3.親子時計

4.水目桜

5.思郷(石川啄木に贈る曲です)

6.希望のうた

二次会で亡くなったお父さんを歌う「親子時計」が良かったと複数から感想が出ました。

思郷の歌詞はこれです。

「思郷」 作詞/作曲・三浦一人

 

故郷を思う 母のような温もり 愛を探している

砂のように手に掬えば 幻 こぼれ落ちてく

 

赤く染まる煉瓦通り 移り変わる人の心に

取り残され 仔犬のように独りで震えている

 

山の奥に聞こえている 旅烏が夕暮れ鳴いている

故郷の山 募らせては この心重ねている

 

赤く染まる煉瓦通り 燃え盛れ 寒さに震えている

仔犬達を温めてよ 灯火照らすように

 

川の中の石のように 時の流れが 心の刺を削ってゆく

流れて行く 母性の海を求めて 無償の愛を求めて

彼の若いファンやにわかおばさまファンに取り囲まれていました。

 

記念講演の佐藤勝さんの-啄木の歌に魅せられて二冊の「啄木文献目録」を編んで-

は膨大な資料を集められた経験の中の話を沢山披露して頂けました。

 

そのほかに啄木コンクール賞の表彰があり、入選は埼玉の木村久代さん、佳作は静岡の内田賢一さんと高知の梶田順子さんが受賞されました。

 

以下uplan三輪さんに撮影頂いた映像です。

20190512 UPLAN【前半】2019年啄木祭 三浦一人ソロコンサート・表彰式

https://youtu.be/nhRi46k-THg

20190512 UPLAN【後半】2019年啄木祭 佐藤勝『啄木の歌に魅せられて~二冊の「啄木文献目録」を編んで』

https://youtu.be/bzuofS7W3UE

以上

 

2019年5月11日 (土)

2019年啄木祭のご案内

明日5月12日(日)13:30から啄木祭が行われます。

ご参加下さい。

中継もあります。

ーー

2019年啄木祭

  • 2019/05/12 (日)
    13:30 - 16:30
  • 東京しごとセンター

     

    千代田区飯田橋3丁目10−3 日本

     

  • ¥1,000 前売券

    https://2019takuboku.peatix.com/

  • 2019年啄木祭
    日時
    2019年5月12日(日)13時開場13時半開会
    場所
    東京都しごとセンター・講堂
    千代田区飯田橋3-10ー3
    前売券1000円(当日1200円)
    記念講演
    啄木の歌に魅せられて
    二冊の「啄木文献目録」を編んで
    文化行事
    ソロコンサート
    三浦一人
    啄木祭オリジナル曲他
    http://www.shinnihonkajin.com/gyoji/2019年%E3%80%80啄木祭-2/
    2019年啄木祭 プログラム案及びプロフィール紹介



    1:30 司会 小林加津美(新日本歌人協会全国幹事)

    1:32 主催者挨拶 小石雅夫(新日本歌人協会代表幹事)

    1:35 協賛団体挨拶

    1:50 文化行事 三浦一人さん(シンガーソングライター)

    (希望の歌他)

    2:15 啄木コンクール表彰

    選考結果発表 清水勝典(新日本歌人協会常任幹事)

    受賞者挨拶

    講評(選を終えて)水野昌雄(選考委員会代表)

    2:45 休憩

    3:00 講演 佐藤勝さん

    (湘南啄木文庫代表・国際啄木学会会員)

    「啄木の歌に魅せられてー2冊の「啄木文献目録」を編むー」

    4:30 閉会挨拶 司会

    主催 新日本歌人協会 後援 国際啄木学会

    協賛 文団連(挨拶明石武美事務局長),民主主義文学会
    詩人会議(挨拶青木みつお運営委員長)、新俳句人連盟(挨拶飯田史朗会長) 

2019年4月11日 (木)

啄木と一茶

啄木と一茶

たまたま持っている1997年に大阪で発行された「石川啄木の会」発行の「新しき明日」第19号に安井ひろ子さんの「啄木と一茶」という文章があった。

717短歌俳句勉強会で啄木と一茶と芭蕉の勉強を始めるに当り相応しいのでご紹介します。

この文章は軽妙なエッセイです。なにせ啄木と一茶と安井さんの三者鼎談なのですから。

(こういう文章の書き方があるのだということに感じ入りました。)

(第18号にはゲストとして前に学んだ橘曙覧も登場している。)

 

この鼎談の内容は極秘事項のようだがここに書かれていることを一部紹介しよう。

貧乏比べ

――

自分を上回る一茶の貧乏ぶりに啄木はかなり気を良くしたようだ。

 秋風や家さえ持たぬ大男 一茶

「詩集「呼子と口笛」の<>の詩が語るように、啄木にとって心から求めてしかし最後まで得られなかったのが安住の<>であった。」

梅咲くやあわれ今年も貰餅 一茶

 春立つや四十三年人のめし 一茶

 借金を重ねたまま二十七歳で逝った啄木。四十三歳まで他人のご飯を頂戴してきた一茶に比べれば何のことはない。啄木も自分の借金魔の悪評が多少なりとも緩和されたようで今回の鼎談は嬉しかったのではなかろうか。

――

春立つやの句は享和四年(文化元年)の歳旦句

貧乏比べのような様相だが、大衆性ということで通じ合うものがあるとしている。

 

江戸と東京への憧れと反発

――

ちち母は夜露うけよと撫でやせめ 一茶

(訳 父や母が冷たい夜露を受けさせるために撫でて子どもを育てたのだろうか。)

という句を一茶に披露させている。

(蕪村の「鰒(あわび)喰へと乳母はそだてぬ恨みかな」(落日庵句集)をヒントにして、一茶の継子意識から生れた句作り、貧窮問答歌の「われよりもまずしきひとのちちはははうゑこゆらむ」(万葉集・巻五)の影響もあるだろう)と「一茶句集」の解説にはある。

生涯二万句以上を残した一茶は蕪村の影響を強く受けている。

 

そして啄木の流浪生活を共感して「信濃の山猿一茶」がこういう自句群を述べている。

 春の雪江戸の奴らが何知って

初雪や江戸の奴らが何知って

名月や江戸の奴らが何知って

秋の風江戸の奴らが何知って

江戸への複雑な感情が初句以外は「江戸の奴らが何知って」で統一されている。

一茶の並々ならぬ江戸への憧れと反発が感じられる。

この句は最近大阪で発見された句か、一句も「一茶句集」には収録されてない。

 

下ネタ話

下ネタ話も共通項が紹介されている。

啄木は「ローマ字日記」で詳細に記事を残している。

ドナルド・キーンはこれを最高の日記文学と評している。

一茶は「千束町のお女郎さんや飯盛の八兵衛を相手に相当遊んだようだ」と安井さんにばらされている。

 

啄木と一茶はこれ以外にも大層筆まめなこと反エリート意識の強いことで意気投合したようだ。

安井さんは最後にこう感慨を言う。

――

今日においても金にも飾りにもならない俳句と短歌。一茶に引かれ、啄木に曳かれてこの魅力的な旋律のとりこになった人々が日々や句を歌に詠みつつ明け暮れる。

そういう私だって。

――

安井ひろ子さんは現在、秋沼蕉子さんとして「新日本歌人」誌に歌の投稿を続けている。

この四月号にこういう歌がありました。

p28このことばメールで打つたび迷うなり(素敵、素的、すてき、ステキ)どれがいいやろ

大阪 秋沼蕉子

★自由な言葉使いが素敵です。

以上です。

2019410日 大津留公彦

 

 

 

 

 

2019年1月 4日 (金)

2019年啄木コンクール作品募集

新日本歌人協会で、「2019年、啄木コンクール」の作品を募集しています。
 作品20首。手数料1000円を添えて、締め切りは2019年1月31日消印有効
 発表、表彰は、5月の「啄木祭」の席上で行われます。
 どなたでも応募できます。
詳細はこちらで
http://www.shinnihonkajin.com/infonews/2019年度-啄木コンクール作品募集/

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2018年9月22日 (土)

石川啄木の小説「雲は天才である」を読んだ。


石川啄木の処女小説「雲は天才である」を読んだ。
明治三九年に書かれた啄木二十歳の三十五頁の中編小説です。

渋民の代用教員時代に題を取った教員集団の話として面白いと思って読んでいて妙だなと思ったのは突如その教員集団の緊張した場面の話はそのままにしてそこに突然訪問してきた珍客「石本俊吉」の話になってしまう。いつかその教員集団の緊張した場面に戻るのだろうと思って読んでいたが結局その場面には戻らずに小説は終わってしまった。
読者と激論をしていた教員集団は職員室に置き去りになったままです。
描写力には感心をしますが、まだほとんど会話をしてない「石本俊吉」の描写はなんと四頁にも及んでいます。
この小説はいわゆるオムニバス形式となっています。
当時こういう手法がどの程度あったのか不明ですが、読者のフラストレーションは再度職員室に帰って続きをやって貰わないと解消出来ない。
小説としてはその方がまとまりがいいと思いますがどうでしょうか?
しかし今さら啄木に続きを書いて貰うわけには行かないので読者がこのまま評価するしかない。

岩城之徳さんらの解題では「雲は天才である」の「雲」は放浪者の象徴だという。
すなわち主たる登場人物「新田耕助」「石本俊吉」「天野大助」の三人が「雲」です。
ゴーリキーを尊敬していた啄木は自分がモデルの「新田耕助」によせて自分を放浪者の運命を辿るものと規定したのではという。

では「天才」は誰でしょうか?
「新田耕助」でしょうか?この三人でしょうか?
いずれにせよこの題は魅力があります。読んでみる気を起こさせる題です。
昔文学学校で、題は主題と付かず離れずがいいと習いました。
主題が放浪者であればこの題はふさわしい題といえるでしょう。
この「天才」の意味は「天才」石川啄木に聞いてみるしかないですが、、

三郷の勉強会で啄木と種田山頭火を隔月で読んでいます。
この「雲」には啄木の四年先輩である山頭火がふさわしいでしょう。
「石本俊吉」あたりは山頭火に置き換えられるでしょう。
場所も境遇も作品も違いますが意外と啄木と山頭火は近いのかも知れません。
2018年9月22日 大津留公彦


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2018年7月 6日 (金)

碓田のぼるさんの「団結すれば勝つ、と啄木はいう」を読んだ。

碓田のぼるさんの「団結すれば勝つ、と啄木はいう」を読んだ。
啄木についての碓田さんらしい緻密な調査で多くの新発見がある。
啄木全集に出てないことや各氏の解説への意見がたくさんある。

特に社会主義に関するところは余人の追随を許さない独自なものがある。
「大阪平民新聞』に出た資本論第一巻の解説的記事を筆写したとき同じく「大阪平民新聞』に出た「共産党宣言」は読んでいただろうという。筆写しなかったのは堺利彦の「社会主義研究」に掲載された全文を持っていたからだと言う。
などなど多くの新しい啄木についての論考がある。

この本で何と言っても白眉は 「終章 1946年の啄木」だと思う。
一九四六年、敗戦直後の石炭不足解消のために、北海道・美流渡炭鉱へ石炭増産隊として派遣された著者が、炭住の壁に見つけた啄木の歌がこれである。

地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつつ秋風を聞く

ここから碓田さんの本格的啄木研究はスタートしたと思われる。

この本が多くの人に読まれることを願っています。

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2018年5月18日 (金)

東京啄木祭YouTube映像への反応

東京の啄木祭のYouTube配信を見た人からの感想が寄せられました。
和合亮一さんはご自身の講演の前に行われた創造集団池小の中国残留孤児に関する朗読劇を観て感動したといい、聴衆は口々に和合亮一さんの話と朗読に感動したといい、この方も映像を見て感動したという。
感動の連鎖ですね。
寄せられた言葉は以下の通りです。
ーー
先日この動画を拝見しました。この方は、息子の高校の時の担任の先生です。息子は、とても慕っており、とてもお世話になりました。改めて当時のことを思い出すと、涙無くしてこの動画を観ることは、できませんでした。この先生の思いというのは、福島県人であれば、すべての人が感じた想いであり、忘れてはならないものであると思います。心身ともにいろいろな面で疲弊されておられる方は、たくさんいる中で、心のケアにおいて、捉え方や考え方、または感じ方など文学の中にその深い心情を見出せる様にも感じました。人は、感じたり考えたり行動したりと、様々なことができるものです。そういう為にも、この和合亮一先生のお話しは、とても貴重な言葉であると感じます。この先生の書いた詩にのせて、合唱をしたことがあります。南相馬市ゆめはっと合唱団にて。とても感動的な詩に感無量となりました。ありがとうございます。
ーー
以上です。
「新日本歌人」誌上で予定している啄木祭特集にも感動が繋がることでしょう。
YouTube映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=MjUxbvp2FAI 
https://www.youtube.com/watch?v=k_ZYpMtI2GA 
前半、後半にわけて配信されてます

項目別の映像はこちらにあります。
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/show/
D3d5c9f0cf6c41d39eba3c99f8d8b8e1

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2018年4月14日 (土)

2018三郷啄木祭が終わりました

2018三郷啄木祭が終わりました

第二回三郷啄木祭は以下の二本立てでした。

講談 「足尾鉱毒事件と石川啄木」 甲斐淳二

講演 現代 水野昌雄 現代短歌の幕開け 「子規と啄木と現代」-そのリアリズムについて-

アンケートによるとどちらも評判は良かったようです。

2018三郷啄木祭のまとめ

1 数字的分析
今回参加54人 前回も参加した人は16人なので7割は初参加
神奈川・茨城からも参加
甲斐さんの関係で3名参加

2 アンケートから(70代中心)
講談の評判が良かった
水野さんの講演は資料が探しにくかった
「言葉のリアリズム」についてのお話が印象に残りました。
「リアリズム」が分かりませんでした
皆さんの感想が良かった

3 その他大津留感想
アンケートは10枚だったが呼びかければもっと集まったでしょう
著名な啄木研究家である大室精一さんも参加
717短歌俳句勉強会への参加を検討するという人が2人いた
「短詩形文学」での連載記事にての紹介の可能性あり
「新日本歌人」には要約を掲載予定

4   来年予告
来年は啄木の命日である4月13日に第三回三郷啄木祭を以下の内容で行う予定です。
講演 「啄木と雨情」 元新日本歌人代表幹事 奈良達雄さん
    講談 「啄木と大逆事件」と「西行の鼓が滝」 甲斐淳二さん

以下で今日の映像がご覧頂けます。
かなりぶつ切れですが。。
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456963342 2018三郷啄木祭1(講談1)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456968179 2018三郷啄木祭2(講談2)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456973459 2018三郷啄木祭3(講談3)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456977410 2018三郷啄木祭4(水野講演1)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456983116 2018三郷啄木祭5(水野講演2)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/456989666 2018三郷啄木祭6(水野講演3)
https://twitcasting.tv/kimihikoootsuru/movie/4569963172018 三郷啄木祭7(Q&A)

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2018年4月 5日 (木)

4月14日は三郷啄木祭です

第二回三郷啄木祭の案内
2018年4月13日は啄木没後106周年です。
命日の次の日に第二回三郷啄木祭を行います。啄木の現代性を学びましょう。

「歌という詩形を持っているということは、我々日本人の少ししか持たない幸福のうちの一つだよ。」
啄木

日時:2018年4月14日(土)
場所:三郷市文化会館中会議室
時間:13:30-16:30
講演:水野昌雄
「子規と啄木と現代」ーそのリアリズムについてー
(1930年生まれ。早稲田大学大学院日本文学科修士修了。現代歌人協会・日本文芸家協会会員 短詩形文学代表)
講談:甲斐淳二(講談師)
「足尾鉱毒事件と啄木」
(甲斐淳二・プロフィール
アマチュア講談師。1952年、大分県生まれ。東京商船大学(現・東京海洋大学)卒業後、22歳で国鉄青函連絡船の航海士として函館に着任。石川啄木の住んでいた近くのアパートに暮らし始める。1988年、連絡船の終航と共に上京。1912年神田香織の講談教室に入門(甲斐織淳)。創作講談「田中正造伝」「三面記事の由来」「平民社の誕生」「石川啄木と大逆事件」「福島・夜ノ森の桜」等。古典は「西行の歌日記」「花筏」等。国際啄木学会会員。千葉県柏市在住。)
 
参加費:無料
資料代:500円
主催:新日本歌人協会
以上
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ちなみに水野昌雄さんは私を新日本歌人に導いてくれた人で、甲斐淳二君は大分の高校の同級生です。

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