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カテゴリー「メルマガ「おは!twitter俳句」」の記事

2020年1月20日 (月)

おは!twitter俳句(大寒)とSpotify

このところ携帯でSpotifyというソフトで音楽を聴いている。

無料版で聞いていたがアルバムの順に聞けダウンロードもできるので低速時に便利な月980円のプレミアムで昨年から聞いている。

5千万曲が聞けるのはすごい。

我が家ではCDなどは今後買わない予定です。

ちなみに今日聞いたアルバムは

長渕剛 black train

rolling stones  bridges to buenos aires(live)

このところ聞いたのは

ジローズ ジローズ登場

eric clapton  forever man

アントニオカルロスジョビン best

モニュメント 五つの赤い風船

竹内まりや 竹内まりやradio

no nukes2012  yellow magic orchestra

CDなどを買わなくていいので結局安くなると思います。

おすすめします。


この一週間の俳句と短歌です。

ーー

2020年01月20日(月)



@twryossy 大寒や身体壮健深謝多謝 公彦


 

【今日の季語3675<754】大寒(だいかん):二十四節気季語の一つ。寒の入りから十五日が過ぎて暦は晩冬後半にさしかかり、一年でもっとも寒い時季を迎える。春の到来が待ち遠しい。◆大寒のひろがりいたる臼の創(きず)(中村和弘)

2020年01月19日(日)



@twryossy 紙漉の灯の灯けり山の里 公彦
2017年12月23日(土)
紙漉女子をあやすごとすかすごと 公彦


【今日の季語3674<752】紙漉(かみすき):三冬の生活季語で「寒漉」「紙干す」などの傍題でも。中国起源の技法が高句麗を経て日本に伝来し独自の和紙製法が生まれた。寒中に漉いた紙には虫が入らないとして当季のものが珍重される。◆新しき波を育てて紙を漉く(稲田眸子)


【今日の季語3674:別記①】紙の伝来については、『日本書紀』<720>推古十八年の条に、高麗王が日本に遣わした僧曇徴(どんちょう)が作ったとする記事があり、これに基づいてそのように説かれる。


【今日の季語3674:別記②】カミの呼び名は、平安期の古辞書『和名類聚抄』(934頃成立)の「紙」の項に見える「賀美(かみ)」の借音表記が古い例にあたり、この時代にはすでに和語として確立していたことが知られる。


【今日の季語3674:別記③】この和語は「簡」の字音 kan に i を添えて和様化したカニから転じたものとする説が古くからある。


【今日の季語3674:別記④】この説は、「木簡」や「竹簡」の熟字が示すように、紙が生まれる前の筆記具材として用いた薄い削板を指す「簡」字を、これに該当する自国語を持たなかった日本では、外来音に近い形で借用したものと見る立場にあたる。


【今日の季語3674:別記⑤】カミの頭拍アクセントは平安期には高い声調で、「簡」字の四声が上声であることと合致する点もこの説には有効な支援材料となるので、従うに足る語源説と考えられる。


【今日の季語3673:別記①】「一縷」は《一本の糸筋》の意が原義で、「一縷の望み」のようにきわめて僅かな繋がりを比喩的に表すのにも用いられる。例句は、凍滝に僅かに残る細い流れを「許された自在」と捉え、本語の原義を生かしてこれに冠した。


【今日の季語3673:別記②】本題の「いて(凍)」は古語動詞「凍つ」の連用形名詞で、動詞単独でも三冬の時候季語となるが、「空・雲・星・風」などの天象語や「虻・蜂・蠅・蝶」などの生類語と結び付いた複合形の季語が多い。


【今日の季語3673:別記③】イツ(凍)と類義関係にあるコホル(氷・凍)もこれと同季の時候季語にあたるが、その名詞形コホリの複合形季語はイテに比べて数が少ない。これはイテがコホリよりも比喩性が高く、《こおったような》の意に用いられる傾きがあることを示している。


【今日の季語3673:別記④】「凍」と結び付いた語には、上掲のイテゾラ・イテグモ・イテバチなどに見るように連濁形を用いるのが語理に適う姿であろう。


【今日の季語3673:別記⑤】歳時記には本題にイテタキの清音形をあてたものもあるが、このことを踏まえれば連濁形イテダキを用いるのが似合わしい。濁音形は常に好ましくないものとは限らない。


多様性の統一 統一の多様性 ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/p

2020年01月18日(土)



@twryossy 凍滝の落ち行くままに凍りけり 公彦
2012年01月18日(水)
凍滝の人の心にありにけり 公彦


【今日の季語3673<751】凍滝(いてだき):晩冬の地理季語で「冬の滝」「滝凍る」などとも。厳冬期に水量が減り、流れの細くなった水が落下せずに凍り付いた滝。流れが途絶えた滝には別題「涸滝(かれだき)」を用いる。
◆凍滝に一縷の自在ゆるさるる(山崎冨美子)

2020年01月17日(金)



@twryossy 病院に妻とある夜や寒土用 公彦
2012年01月17日(火)
寒土用毛布外れて目覚めけり 公彦


【今日の季語3672<750】寒土用(かんどよう):晩冬の時候季語。「土用」は四季それぞれにあり、一般には立秋前の十八日間を単に「土用」と称するのに対して、寒が終わりに近付く立春前の十八日間にはこの名がある。◆五臓にて味はふ水や寒土用(手塚美佐)


HAYASHI Yoshio@twryossy

【今日の季語3672:別記①】「土用」は中国の「五行」に由来する暦法の呼称で、木・火・金・水を四季に割り当て、残りの「土」を「四立」(立夏・立秋・立冬・立春)の直前18日前後の期間に配してこの名で呼んだ。


【今日の季語3672:別記②】後世「土用」を夏に限定して用いるようになったところから、歳時記ではこれと区別するために、冬には「寒土用」、秋には「秋土用」の季題が置かれているが、春にはこれに該当するものが見当たらず、この暦法が形骸化していることを示している。

2020年01月16日(木)



@twryossy 追悼歌作り直して湯冷めかな 公彦
2012年01月16日(月)
湯冷めせぬほどの温みと時間かな 公彦


【今日の季語3671<749】湯冷(ゆざ)め:三冬の生活季語で「湯冷めす」の動詞形でも。入浴で血管が拡がり、体熱が放散しやすくなって寒気を覚える状態をいう。それが同季別題「風邪」を引き起こすことも。◆身の芯に川音たまる湯ざめかな(黛 執)

2020年01月15日(水)



@twryossy 風巻(しまく)自転車道の朝まだき 公彦
2012年01月15日(日)
朝まだき日曜出勤しまく中 公彦


 

【今日の季語3670<748】風巻(しまき):晩冬の天文季語で「しまく」の動詞形傍題も。漢字が示すように風が激しく吹きまくる意が原義で、それに伴う雪や雲の動きなどを含めた「雪しまき」「しまき雲」の傍題も。◆海に日の落ちて華やぐしまき雲(角川源義)


【今日の季語3670:別記①】この語は、現代では季語に用いるほかは、方言に僅かにその名残を留めるに過ぎないが、平安時代の和歌に使用例があるところから、古くからあった風の呼び名と見られる。


 

【今日の季語3670:別記②】シマキのシが《風》の意を表すと同じ例は、《荒い風》を原義とするアラ・シ(嵐)のシにも見られ、ヒガシ(東)・ニシ(西)も本来は風位名であったのが後に方角名に転じたとされるのもここに繋がりがある。


 

【今日の季語3670:別記③】この解釈をさらに、ハヤテ(疾風)の古形ハヤチやコチ(東風)のチにも適用すれば、古代日本語には《風》の意を表す構成要素としてのシ・チが、子音交替の形で共存していたと解することができる。

2020年01月14日(火)



@twryossy まつりごと粥施行とぞ見つけたり 公彦
2012年01月15日(日)
粥施行年越し派遣村と見つけたり 公彦


 

【今日の季語3669<747】粥施行(かゆせぎょう):晩冬の生活季語。飢えと寒さから困窮者を救うために、有志が「お救い小屋」を設け、熱い粥を炊いてふるまう風習が古くから各地にあった。現代の「年越し派遣村」にもそれが息づく。◆日変わらば路上の人ぞ粥施行(馬渕兼一)


【今日の季語3669:別記①】これと類似の同季別題に「寒施行(かんせぎょう)」がある。、こちらは狐狸などの獣類に対して、餌が乏しくなる寒中に行われるもので、野の生類に寄せる素朴な信仰に根差す風習とされる。


【今日の季語3669:別記②】「施行」の両字にセ・ギョウの読みを用いるのは、仏教とともに伝来した呉音読みにあたるもので、僧などへの施しを指す仏語に由来する。この漢語を《実施》の意味に用いてシ・コウと読むのは、平安期に伝わった漢音に従う読法。


【今日の季語3669:別記③】さらに法律用語には、《法律の効力を発生させる》意に特化させるために、両音を交えたセ・コウの読みも定着している。


 

今日は成人式でした。
会場前で環境問題、憲法問題、自衛隊中東派遣問題、桜を見る会問題のシール投票と改憲発議反対署名で多くの若者と対話しました。
憲法や政治のことはあまり知らないというのが総じての印象です。それでも24人にシール投票、14人に署名して貰いました。
ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/p

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2020年1月13日 (月)

おは!twitter俳句(氷柱)と成人式  

今日は成人式でした。

会場前で環境問題、憲法問題、自衛隊中東派遣問題、桜を見る会問題のシール投票と改憲発議反対署名で多くの若者と対話しました。

憲法や政治のことはあまり知らないというのが総じての印象です。それでも24人にシール投票、14人に署名して貰いました。

娘が成人式で参加していた市会議員にも署名して貰いました。

成人を迎えた若者にエールを送ります。

選挙権が出来たので社会的課題も考えて選挙に行ってね。

今週の俳句と短歌です。

ーーーー

2020年01月13日(月)

@twryossy 戸隠の二人に在りし日軒氷柱 公彦
2012年01月13日(金)
かの人見し糸瓜の棚の氷柱かな 公彦

【今日の季語3668<746】氷柱(つらら):晩冬の地理季語で「垂氷(たるひ)」「立氷(たちひ)」の古語傍題や「銀竹」「氷条」などの漢語傍題も。居住地では軒端から滴る水が凍り付くところから「軒氷柱(のきつらら)」とも呼ばれる。◆はればれと昼の氷柱の水しぶき(飯田龍太)


【今日の季語3668:別記①】ツララは古くは《水面に張り詰めた氷》を指し《垂れ下がった氷》にはタルヒ(垂氷)の呼び名を用いた。


【今日の季語3668:別記②】『源氏物語』末摘花の巻には「朝日さす軒の たるひ は解けながら などか つらら のむすぼほるらむ(=どうして氷は凍りついているのだろう)」の歌があり、両語を上記のように使い分けている。


【今日の季語3668:別記③】ツララが現在のように垂下した氷を指すようになるのは中世以降のことと見られる。室町期の古辞書に「汴」字にツララの和訓が施されているのは、そのことを示す事例にあたる。


【今日の季語3668:別記④】この字は、中国では黄河の一支流にあたる河名を表す漢字で、意符「氵」と声符「卞(ベン)」を併せた形声字にあたる。


【今日の季語3668:別記⑤】日本ではその「卞」を「下」と同義と見なして《凍った水が下がる》意を表す会意字に和様化し、これにツララの読みを与えたもので、当時すでにツララが《下がった氷》の意を表す和語であったことが知られる。


【今日の季語3668:別記⑥】ツララが《氷》から《氷柱》の意に転じたのは、同義語コホリ(氷)によってその座を奪われたからであり、さらに、本来は《氷柱》の意を表したタルヒの座をツララが奪う連鎖反応を生んで、居場所を失ったタルヒは廃語の羽目に追い込まれた。

2020年01月12日(日)

@twryossy 寒風や家に妻あり夫あり 公彦
2012年01月12日(木)
寒風や曇る眼鏡に転びけり 公彦

【今日の季語3667<745】寒風(かんぷう):三冬の天文季語「冬の風」の傍題で「風冴ゆ」などとも。季を表す語を「風」に冠する季題は四季それぞれにあるが、当季には和語よりも強い響きを持つこの漢語傍題が相応しい。◆寒風のぶつかりあひて海に出づ(山口誓子)


【今日の季語3667:別記①】例句作者には、よく知られた「海に出て木枯らし帰るところなし」の吟があり、冬の風を「海に出」ると表したところや、それを「帰る」「ぶつかる」と擬人的に表現した点に通底するものがある。


【今日の季語3667:別記②】別吟の「海に出て」「帰るところなし」は、特別攻撃隊の名のもとに再び帰ることなく海に散った若者たちへの思いを托した句とされるが、例句にもそのことを思わせるふしがある。


【今日の季語3667:別記③】ブツカルの形が文献に姿を見せるのは幕末以降のことで、これよりもブッツカルが先行するところから、その二拍目の促音を短略した形と見ることができる。


【今日の季語3667:別記④】さらにそのブッツカルは、これに先行するブッツケルに対向して後に生まれた新語であろう。先行のブッツケルは、ウチツケル(打付)の促音形にあたり、語頭がウからブに転じたのは、これを濁音に置き換えて強調したものと解される。


【今日の季語3667:別記⑤】ブッツケルからブッツカルが生まれる現象は、他動詞から自動詞が派生する事例に属する。人を主体に「漬物をツケル(漬)」と他動詞を用いる表現から、後に漬物を主体とする自動詞「ツカル」が生まれたのもこれと軌を一にする。

2020年01月11日(土)

@twryossy 新海苔の封切り豊かな夕餉なり 公彦
2012年01月11日(水)
新海苔の香りの老舗賑わえり 公彦


【今日の季語3666<744】新海苔(しんのり):晩冬の生活季語で「初海苔」「寒海苔」の傍題も。この時季に採れる海苔の初物をいう。厳冬の海の恵みを干し上げたものは色も濃く香りもひときわ高い。◆新海苔や降り出す雪の佃島(皆川盤水)


【今日の季語3666:別記①】「海苔」が古代から食されていたことは、『常陸国風土記』などの記事から知られる。その信太郡の条には、「浜浦(はま)の上に多(さは)に海苔[俗(くにひと)、乃理(のり)と云ふ]を乾せりき」とある。


【今日の季語3666:別記②】ここに施された和訓「乃理」の「乃」は、上代特殊仮名遣では乙類の/nö/を表す真仮名で、ノリ(糊)のノもこれと同じ乙類にあたる。両語はさらに「ぬらぬら」したものに用いる呼称であるところにも共通要点が認められる。


 

【今日の季語3666:別記③】さらに現代語の「血のり」にも「ぬらぬら」したものが潜んでいる。この語は本来ノリの単独形で《生血》の意を表したのが、後に説明的に「血」を加えた"重言"と見られる。


【今日の季語3666:別記④】大槻文彦編『言海』<1884>はこれらのノリの語源を「滑(ヌラ)の転」と解しているが、これはノリを象徴語「ぬらぬら」の語基にあたるヌラの母音交替形と捉えるもので、首肯に足る語源解であろう。

2020年01月10日(金)

@twryossy 重ね着の人たちの顔皆睦月 公彦
2012年01月10日(火)
父の服重ね着をして出勤す 公彦

【今日の季語3665<743】重ね着(かさねぎ):三冬の生活季語で「厚着」や「重ね着る」の動詞形傍題も。寒さを防ぐのに衣類を何枚も重ねて着る結果、同季別題「着ぶくれ」の状態にも立ち至る。◆応とでし厚着の僧の男ぶり(新庄シゲ子)

【今日の季語3665:別記①】例句の「応とでし」は、《「はい」と答えて出て来た》の意にあたる擬古的表現。作者が寺の玄関で来訪を告げた、その声に答えて現れた若い男前の僧の姿を詠んだもの。

【今日の季語3665:別記②】その「応(おう)」は「否応なしに」の形で成句にも用いられ、《不承知・否定》の意を表す「いや(否)」に対して、《承諾・肯定》の意を表すこともあるが、ここでは相手の呼びかけに対する《応答》の声を「音」として写し取った感動詞にあたる。

【今日の季語3665:別記③】その一方の「否・応」も、イナ(イヤ)・オウという声を表すのに、その字義や字音を借用した表記にあたる。

【今日の季語3665:別記④】和語の感動詞にあてられる漢字は、それに相応しい字義や字音を有するものが選ばれることが多く、「応」もその一例にあたる。この語を表す仮名は「おう」の他に「おお・あう・わう・をを」などの形も用いられ、漢字表記もまた一定しなかった。

【今日の季語3665:別記⑤】それが後に「おう」の形が主流を占め、それに応じて同じオウの字音を持つ「応」が定着することになった。

【今日の季語3665:別記⑥】その「応」字は、字音が同じというだけでなく「応答」や「応酬」などの熟語に見るように、《こたえる》の字義を備えているところにもこの感動詞の用字として相応しいものがあり、あたかも「応」が先にあったかのような錯覚を生むまでに至った。

2020年01月09日(木)

@twryossy あらぬ方へ外れし手毬の行く先や 公彦
2012年01月09日(月)
遥かなりイチレツダンパン手毬歌 公彦

【今日の季語3664<742】手毬(てまり):新年の生活季語で「手毬つく」「手毬唄」などの傍題も。正月の女児の遊びだったところから当季の季語に。古くは糸を巻き付けて作られたのが装飾品として現代に伝わる。◆あらぬ方へ手毬のそれし地球かな(川崎展宏)

 

【今日の季語3664:別記①】童歌「毬と殿様」に唱われる「手のそれた」毬の姿を、紛争の絶えない巨大な球体に見立てた例句の壮大な発想に面白さを感じつつも、当今の地球もまた国際平和の手をそれて危うい方向に転がり出そうとしている、そのことが憂慮されてならない。

【今日の季語3664:別記②】「毬つき」は、現在も新年の行事として伝わる「蹴鞠始(けまりはじめ)」の蹴鞠に由来する遊びとされる。「毬」をツクというのも、本来は「羽根突き」と同義の動詞で、「お手玉」のように空中に向けて投げ上げる遊びであったことを示す。

【今日の季語3664:別記③】その「毬」が、後に弾力性を帯びた素材で作られ、江戸後期には地面に弾ませる形を取るようになり、さらに明治期には素材がゴムに変わってその様式が確立した。

【今日の季語3664:別記④】川端康成『浅草紅団』<1929-30>には「てんてんてんと空中でマリつきをしてゐると見せかけて売るのだ」とあることや、「お手玉」をマリツキと称する高知の方言資料などから、近代にもなお「毬つき」は原姿を留めていたことが知られる。

2020年01月08日(水)

@twryossy 寒鯉を育てる叔父の元気なれ 公彦
2012年01月08日(日)
凍鯉の水面を大きく揺らしけり 公彦

【今日の季語3663<741】寒鯉(かんごい):晩冬の生類季語で「凍(いて)鯉」の傍題でも。「鯉」だけでは季語にならないが、寒中の鯉は美味であるところから「寒」字を添えて当季の季題に。◆寒鯉の色あつまりてなほ淡し(古館曹人)

【今日の季語3663:別記①】傍題のように「凍」を用いる季語は、汎称の「鳥」や「蜂・蠅・虻・蝶・鶴」などの生類から、天文・時候・植物の領域にも広く及ぶ。それらが氷りついたように動かない姿を古語動詞イツ(凍)の名詞形イテを用いて隠喩的に表した。

【今日の季語3663:別記②】このイツ・イテは古代文献には使用例が見当たらず、平安末期の歌集『堀川院百首』<1105-06頃>夏部に収める「冬さむき いてし氷を埋めおきて」が比較的早い例にあたるので、その起源はさほど古い時代にまで遡るものではないと見られる。

【今日の季語3663:別記③】江戸期の歳時記『改正月令博物筌』<1808>「凍(いてる)」の項には「氷るほどにはあらで、寒気にこりかたまるなり」とあり、イツは後代にはコホル(氷)にまで至っていない状態を表す語と解されている。

【今日の季語3663:別記④】しかし古例にあたる上掲歌では「いてし」を「氷」に上接させているところから見れば、初めからそのような明確な区別があったとは限らない。

2020年01月07日(火)

 

@twryossy 松納め第三次世界大戦という言葉 公彦
2013年01月08日(火)松明けに小さい諍いありにけり 公彦

 

【今日の季語3662<740】松納(まつおさめ):新年の生活季語「松取る」「松下し」などとも。正月を飾った「門松」を取り払うこと。六日夕から七日朝にかけて行う地域が多く、正月気分を離れて別題「松明け」の時候を迎える。◆われとわがこゝろに松を納めけり(久保田万太郎)

【今日の季語3662:別記①】例句の「われとわがこゝろ」は、形式上は「我」と「我が心」が対等に並ぶ形を取っているが、実質的には全体で《自分自身》の意を表す慣用句と解すべきであろう。

【今日の季語3662:別記②】永井荷風『腕くらべ』の「我れとわが身の浅間しさに独(り)口惜(し)涙をこぼす」にもこれと類同の「われとわがみ」の形が見える。

【今日の季語3662:別記③】この解に立てば、本句は「みづからのこころ」と詠むことも可能であるが、それでは表現面における膨らみが失われる。

【今日の季語3662:別記④】本句の運辞には、俳句の言語空間を満たすものは意味だけではないことを思わせるものがあり、その蔭には作者の技量が隠れている。

【今日の季語3662:別記⑤】ちなみにこの表現は、別の万太郎句「われとわがつぶやきさむき二月かな」「ゆく秋やわれとわが知る身のやまひ」などにも使用されており、「われとわが」は作者の好む措辞であったことが知られる。


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2019年12月30日 (月)

おは!twitter俳句(年惜しむ)と2019年の回顧

2019年もあと一日で終わりです。

世の中的には台風被害など大きな被害ががありました。

政治も桜を見る会など来年に年を越したテーマが多いです。

個人的には娘の結婚がありましたが激動の年ではありませんでした。

平々凡々これもよきかなです。

短歌八首のブログやFacebookへの投稿は25か月半となりました。

歌数は6120首ということになりました。

これが出来ているということは平々凡々の証でしょう。

俳句の毎日1句投稿は10年になりました。

こちらは10年として3650句ということになります。

そこそこに本も読め、短歌俳句の講師活動も一年を通してやれました。

来年の今年の延長ということになるでしょう。

ーー

この一週間の短歌と俳句です。

2019年12月30日(月)

@twryossy 人惜しみ年を惜しみて暮れにけり 公彦
2011年12月30日(金)
禍年も惜しむばかりとなりにけり 公彦


【今日の季語3654<732】年惜しむ(としおしむ):仲冬の時候季語で「惜年(せきねん)」の漢語形傍題も。暮れが目前に迫った年を名残惜しく思う心の蔭には、また一つ歳を重ねることになる自身への感慨も籠もる。◆迅く去れと言ひ禍年を惜しむなり(福田蓼汀)


【今日の季語3654:別記①】大きな災害のあった年には、忌まわしさの籠もる「禍年(まがとし)」の呼称が相応しい。その年の早く去ることを願いながらも、なお過ぎ行く年への惜別の思いを禁じ得ない、例句はそのような相反する心情を巧みに詠み納めた。


【今日の季語3654:別記②】「禍年」のマガは、マガタマ(勾玉)に例を見るように、具象的に《まがっている》意を表すのが本義で、下に名詞を伴って複合語を形成する。


【今日の季語3654:別記③】それが観念の世界に意味領域を拡げて、マガコト(悪事・禍事)のように《よくないことわざわい》の意にも用いられた。例句のマガトシもこれに倣って新鋳された造語と見られる。


【今日の季語3654:別記④】マガル(曲)はこのマガと同根の語で、これに語尾ルが付いて動詞化したもの。《屈曲する》の意とともに「マガッたことをする」のように《不正》の意を表す両義が現代語に受け継がれている。


【今日の季語3654:別記⑤】《不吉》の意に用いる古語マガマガシ(禍々し)もこれと同根の語で、マガを重ねた形に語尾シが付いて形容詞化したもの。古代には存在が確認されていないが、平安期以降の文献には用例があり、現代でも文語性を帯びた語として使用される。

2019年12月29日(日)



@twryossy 十年一日の如し
過ぎ去ってみれば十年も一日のようですね。

十年偉大なり
やはり十年というのはすごいです。
十年分をまとめて是非本にして下さい。

二十周年を目指して一緒に頑張りましょう!

十年の俳句はなべて古日記 公彦
2011年12月29日(木)
紙魚喰いし我が青春の古日記 公彦


【今日の季語3653<731】古日記(ふるにっき):仲冬の生活季語で「日記果つ」の傍題も。これを承ける「日記買ふ」の別題もある。紙数の尽きかけた日記帳には、過ぎ去った歳月の重みが感じられる。◆すぎし刻声あげて来る古日記(金久美智子)


<今日の季語>十周年記念日おめでとう㊗️ございます。
十年の言葉です。

十年一昔
これを、いまの時代感覚だと、何年にあたるでしょうと若い人に聞いてみると一番多い回答は「五年」だったそうです。
そうするとふた昔頑張って来た事になりますね。 twitter.com/twryossy/statu


【今日の季語3653:別記②】「日記」にニッキの読みを用いるのは、「日」の呉音ニチの音便形に従うもので、平安期に伝来した漢音ジツよりも前の時代の字音が定着していたことを示す。


【今日の季語3653:別記③】本来は男性が漢文で記す公文書類などを指す呼称であったのが、平安期には女性の手になる仮名書き日記もあったことが『土左日記』の書き出しなどからも知られる。


【今日の季語3653:別記④】漢語をほとんど用いない平安期女流文学にも、この呼称は「にき」の形で登場し、その定着のほどが窺われる。


【今日の季語3653:別記⑤】この仮名表記は、当時まだ促音が日本語音韻として確立していなかったことによる促音の無表記形で、発音上はニッキと読まれたものと見られる。


@twryossy 親四人そこに在らすや冬の星 公彦
2011年12月28日(水)
冬の星二つ新たに生まれけり 公彦


【今日の季語3652<730】冬の星(ふゆのほし):三冬の天文季語で「寒星」「凍て星」「荒星(あらぼし)」などの傍題でも。季の語を冠する「星」は各季にわたるが、冬の夜空に鏤められた星群は別題「星冴ゆ」に相応しい輝きを見せる。◆庇合に一つ見ゆるや冬の星(日野草城)


【今日の季語3652:別記①】本文記事のような光景は、大気の澄んだ山間部でなければ見ることの叶わないもの。市街地には例句の捉えたような場景が似合わしい。


【今日の季語3652:別記②】例句の「庇合」は、《家と家の間の狭い路地》の意を表す古語ヒアヒの読みに従う表記。本語には別にヒアヒの形もあり、その変化形も含めた方言として日本各地に分布する。


【今日の季語3652:別記③】本語は「ヒ・アハヒ」の複合形で、後項は《二つのものの間》をいうアハヒ・アヒ(間)にあたるが、ヒに例句のように「庇(ひさし)」字を用いるのは、その字音ヒと紛れて江戸期に生まれた語源解による宛字表記。


【今日の季語3652:別記④】この呼称の文献例は、島津氏家臣の記した『上井覚兼日記』天正三年<1575>に見える「樋合」が早く、『日葡辞書』<1603>「Fiai(ヒアイ)」にも「家と家との間に設けられた導管の下にある空間」とあり、古語ヒ(樋)に由来すると見るのが妥当。

2019年12月28日(土)



@twryossy 親四人そこに在らすや冬の星 公彦
2011年12月28日(水)
冬の星二つ新たに生まれけり 公彦


@twryossy 社会鍋あればチャリンと音立てる 公彦
2011年12月27日(火)
慈善鍋今年も音を立てて居り 公彦


【今日の季語3651<729】社会鍋(しゃかいなべ):仲冬の生活季語で「慈善鍋」とも。キリスト教救世軍が歳末の街頭で行う社会福祉活動。三脚に大きな鍋を吊して街行く人に救済事業への寄付を呼びかけるところからこの名が出た。◆肩車おりて駆け寄る社会鍋(小川木久江)


【今日の季語3651:別記①】「救世軍」の記録によれば、この事業は1894年にアメリカに始まり、「クリスマス・ケトル」の名で全世界に伝播した。スープ鍋にあたるケトル(壷)を用いて恵まれない人に贈る食物を象徴的に表した原姿が、我が国では鍋に置き換えられた。


【今日の季語3651:別記②】日本では1909年にこの運動が始まり、当初は「集金鍋」と称されたのが大正期に「慈善鍋」の名に変わり、さらに1921年以降は「社会鍋」と呼ばれるようになったという。

2019年12月27日(金)


2019年12月26日(木)



@twryossy 年の瀬や悲しきことの又起こる 公彦
2011年12月26日(月)
年の瀬や慌ただしさも中ぐらい 公彦


【今日の季語3650<728】年の瀬(としのせ):仲冬の時候季語「年の暮」の傍題の一つ。残り少なになった歳末の日数を川の浅瀬にたとえた表現で、「年の尾」「年の湊(みなと)」などとも。
◆年の瀬や無口を運ぶ終電車(野田まこと)

2019年12月25日(水)


2019年12月24日(火)



@twryossy ポインセチア買って帰ろう会議あと 公彦
2011年12月24日(土)
亡き義母と語るやポインセチアの夜 公彦


【今日の季語3648<726】ポインセチア:仲冬の植物季語で「猩々木」の漢名傍題も。「クリスマスフラワー」とも呼ばれ、キリストの血にちなんでクリスマスに赤を飾る欧州の習慣が明治期に伝わり、観葉植物として普及した。◆ポインセチア肉むら厚き裸婦の像(加古宗也)


【今日の季語3648:別記①】例句の「肉(しし)むら」は《肉付き》の意を表す古語。燃えるような赤に豊満な体付きの裸婦の像を配した色と形の取り合わせが印象的。


HAYASHI Yoshio@twryossy

【今日の季語3648:別記②】シシムラはシシ(肉・宍)ムラ(群)の複合した形。シシは《身体の肉》の原義から《獣肉》の意に転じ、それを得るために捕獲する猪・鹿の総称から、《獣》一般をも指すようになった。


HAYASHI Yoshio@twryossy

【今日の季語3648:別記③】万葉集歌にはこれとは別に、《鹿・猪》を表すのに「十六」の漢字にシシの読みをあてた例も見える。これは掛算に用いる「四四十六」を転用した戯訓で、すでに奈良時代からこのような唱詞があったことも知られる。


HAYASHI Yoshio@twryossy

【今日の季語3648:別記④】一方、猪にヰノシシ、鹿にカノシシの名があるのは、単称のヰ(猪)・カ(鹿)に上記の《獣》の意に用いるシシを添えて呼び分けた形にあたり、前者は古代に始まり現代にまで受け継がれている。

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2019年12月23日 (月)

おは!Twitter俳句(名の草枯る)と閣議決定

今年も残すところあと9日です。

御用納めの27日に閣議決定?

調査の為の自衛隊の中東派兵をそんなに国民が望んでいるのか?

防衛省設置法第418号「所管業務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと」に該当するとして特別措置法を制定せず閣議決定だけで行うという。

自衛隊はアフリカ東部ジブチに基地を持っており「調査・研究」はそこで日常的に行っているのではないだろうか。この時期「調査・研究」の為に部隊を派遣する理由は有志連合の支援の為としか考えられない。

閣議決定に反対します。

ーー

この一週間の俳句と短歌です。

ーー

20191223日(月)

@twryossy 冬草枯る残り僅かの野を急ぐ 公彦

20111223日(金)

枯れ鶏頭の周りを歩む偲ぶ日や 公彦


【今日の季語3647<725】名の草枯る(なのくさかる):三冬の植物季語で「名草枯る」とも。「名(の)草」とは名がよく知られた草の汎称であるが、実際には傍題「枯荻」「鶏頭枯る」などのように、個別草名に「枯る」を配した形を用いる。◆かなぐれば枝に跡あり枯かづら(杉風)

 

【今日の季語3647:別記①】「枯る」は、現代語「枯れる」の文語形で、《草》をいう本題と並んで《木》に用いる「名の木枯る」や、さらには「蟷螂枯る」のように《虫》にまで及ぶこともある。冬の季語の筆頭に位する動詞。 


【今日の季語3647:別記②】この語は、江戸期には「冬枯の木の間のぞかん売屋敷(去来)」の「冬枯」や「冬枯れて」のように「冬」を冠した形を用いた。

 

【今日の季語3647:別記③】「草山の綺麗に枯れてしまひけり(子規)」のように「枯る」だけでも季語として扱われるようになったのは近代以降のことと見られる。


【今日の季語3647:別記④】例句の「かなぐる」は《荒々しく引き抜く》意を表す動詞で、現代では「かなぐり捨てる」のような複合形を用いるが、古くは本例のように単独でも使用された。 


【今日の季語3647:別記⑤】カナグルの本義は、ある動作が荒々しく行われるところにあり、古くから「抜く」や「捨てる」のような《脱却》の要素を含む動作に限定して用いた例が多い。


【今日の季語3647:別記⑥】ただし一方には、「かなぐり付く」「かなぐり見る」のような、これとは逆の《付着》の要素を含む複合語に用いた例もあることが注意される。


追悼!中村哲さん9 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-2cdc09.html…

 

20191222日(日)

悲しみの二つ浮かびて冬至かな 公彦


【今日の季語3646<724】冬至(とうじ):二十四節気季語の一つ。一年でもっとも日が短いこの日、風呂に柚子を浮かべて無病息災を祈る風習がある。暦は今日から仲冬後半に。

◆人肌の色に日暮れて冬至かな(廣瀬町子)


【今日の季語3646:別記①】例句の「日暮れて」の「暮れ」は、クレ・グレの清濁両様の読みが可能である。これを清音に読めば「日・暮(く)る」が二語に分かれて主述関係を構成する形になり、濁音に読めば「日暮(ひぐ)る」という一語の動詞と見ることになる。 


【今日の季語3646:別記②】平安末期に改編された『類聚名義抄』観智院本<1241書写>には「昏」字に「ヒクル」の付訓がある。これは、本来は主述関係にあたる二語が複合して一語の動詞に転じていたことを示すが、その二拍目は清音であったと見られる。


【今日の季語3646:別記③】現代語の動詞ヒグレルは、その連濁形ヒグルの一段化した動詞であり、その名詞ヒグレもまた古くは清音形ヒクレであったと見られる。津軽方言などでこれにシクレの形を用いるのは、その名残を留めるものと解される。


追悼!中村哲さん8–アフガンの天に舞う http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-d90714.html…


20191221日(土)

 潤目鰯海の憂いを溜め込むか 公彦

20111221日(水)

還暦や潤目鰯の焼ける間に 公彦


【今日の季語3645<723】潤目鰯(うるめいわし):三冬の生類季語。脂が乗る晩冬のものとする歳時記もある。大きな目が脂質に覆われて潤んだように見えるところからこの名があり「うるめ」だけの傍題も。◆一合を愉しむ潤目鰯かな(山崎ひさを)


【今日の季語3645:別記①】元禄初年<1688>成立の『色道大鏡』には「肴はうるめ、するめの両種なり」とあり、当時は「うるめ」を通り名としていたことが知られる。


【今日の季語3645:別記②】本例に見るように、酒肴を代表する二種の一方のスルメと、短称ウルメの語形のよく似ているところが好まれたのであろう。


【今日の季語3645:別記③】現在はこの魚を丸干しにして食用とするように、上掲例も同様に加工されたものであろうか。


【今日の季語3645:別記④】ただし、『猿蓑』<1691>に収める三吟歌仙「市中は」の巻には、「二番草取りも果さず穂に出て(去来)「灰うちたゝくうるめ一枚(凡兆)」の付合には「一枚」とあり、「開き」の形でも食されたことを示している。

「化石賞」 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-5faeaa.html…

 

 

 

20191220日(金)

@twryossy 賀状書く裏は業者で面はプリンター 公彦

20111220日(火)

賀状書きせぬ初めての悲しみや 公彦


【今日の季語3644<722】賀状書(がじょうか)く:仲冬の生活季語。年用意に何かと慌ただしさを覚える歳末の仕事の一つ。例句のようにこれが年に一度の挨拶の機会となった相手も少なくない。単独の「年賀状」は新年の季語。◆賀状書くだけの縁(えにし)を大事とす(片岡光子)


【今日の季語3644:別記①】「賀状」は《祝賀の書状》が原義で、季節とは関わりなく祝いの手紙を指す呼称であったのが、明治期の郵便制度の普及により年賀状に特化され、その実体も書状から葉書に簡略化された。

 

【今日の季語3644:別記②】例句の用いた古語エニシは、「縁(エン)」の末尾字音[-n]に母音[i]を添えたエニに、本稿3642「果てしなき」に言及した強意の助詞「し」の付いた形が一語に固定したもの。


【今日の季語3644:別記③】上記のエニのように子音で終わる字音に母音を添えた形が和語に転じた語には、「銭(セン)」から出たゼニ、「文(フン)」がフニを経て生まれたフミなどがあり、オニ(鬼)もまた《姿の見えないもの》を表す「穏(オン)」に由来するとされる。 


【今日の季語3644:別記④】この「えに」に「し」が結び付いたのは、『伊勢物語』<10c前半頃>所収歌「徒人(かちびと)の渡れど濡れぬえにしあれば」のような用法に基づく。

 

【今日の季語3644:別記⑤】本来は《縁がある》意の主語にあたる「えに」に強意の「し」を付けた「えにし」の形が慣用的に使用される間に、これが一語と受け止められるようになった。

 

「日本の隠された恥」 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-29866a.html…

 

20191219日(木)

@twryossy 枯葉散る三郷の巨星共々に 公彦

牢固として哲学の道枯葉舞う 公彦

20111219日(月)

枯葉舞う吸引機から零れては 公彦


【今日の季語3642:別記③】本題のように「空」に季を表す語を冠した題は各季にあるが、これを「青空」と併せた傍題は当季に限られ、例句にも本題よりこの形を好んで用いる傾向が認められる。色彩の乏しい当季に「青空」に寄せる思いが格別であることを窺わせる。


【今日の季語3643<721】枯葉(かれは):三冬の植物季語。冬の樹々の葉は色褪せて地上に降り積もるが、枯れつつもなお枝に留まるものもある。そのような凋落の姿に趣を求めた季語。◆枯葉敷き山の寝支度はじまりぬ(能村登四郎)


【今日の季語3643:別記①】例句は、散り敷いた「枯葉」を蒲団に擬え、山を主体に「寝支度」と捉えたところに擬人法の面白さを感じさせる。その背後に潜むものは同季別題の地理季語「山眠る」であろう。


【今日の季語3643:別記②】「寝支度」の「支度(シタク)」は、現在は「身支度」「旅支度」などと同様に《準備》の意に用いられるが、古くは《計算》の意を表す漢語であったのが後に意味を転じて和語化したもの。

 

【今日の季語3643:別記③】中国字書『字彙』には「仕ハ度(はか)ル也」とあり、「支度」は類義字を重ねた熟語にあたる。


【今日の季語3643:別記④】日本でも『続日本紀』慶雲三年<706>の条に本語を原義に用いた例が見られるが、それが後に《前もって計算する》意から《計画に従って準備する》意に意味領域が拡がり、さらに語義の重点が《準備》の方に移ったものと解される。

 

【今日の季語3643:別記⑤】内田魯庵『くれの廿八日』<1898>に「来陽(はる)の準備が猶(ま)だ出来ずにゐる」の例があり、その「準備」に「したく」の読み仮名が施されている。これは本語が日常的な和語に近い性格を帯びていたことを示す事例にあたる。

 

【今日の季語3643:別記⑥】この語の別表記に用いる「仕度」は中国には例がなく、和製の慣用表記と見られる。字音読みのシ(支)に替えて「仕」字を当てたのは、このシを「仕事」などの例に準じて《行う》の意のサ変動詞「し」と解したところから生まれた用字であろう。


追悼!中村哲さん7 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-25ff3e.html…

 

20191218日(水)


田中礼歌集「燈火」を読んだ http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-576e6f.html…


@twryossy 市房の山頂仰ぐ冬の空 公彦

20111218日(日)

寒空へ駆けて行く音刺さりけり 公彦

 

【今日の季語3642<720】冬の空(ふゆのそら):三冬の天文季語で、「冬空」「凍(いて)空」「寒天」「冬天」などの傍題も。同じ季題であっても太平洋側と日本海側とでは空の様相が大きく異なる。◆カンバスは果しなきなり冬の空(早崎泰江)


【今日の季語3642:別記①】例句の「果しなき」は、《限り》の意を表す「果(はて)」に強意の助詞「し」の付いた「果し」が、否定の「なし」を伴って用いられる間に形容詞として固定化したもの。「し」を付けない「はてなし(果無)」の形でも用いられる。

 

【今日の季語3642:別記②】またその「はてし」は「なし」を伴わずに用いられることもあった。謡曲『千手(千寿)』の詞章「げにや東(あづま)のはてしまで、人の心の奥ふかき」はその一例。 


【今日の季語3642:別記②】また『日葡辞書』<1603>にも「Fatexi(果てし)」を単独の見出しに掲げ「終局,あるいは,限り」の葡語訳を添えた例が見える。


追悼!中村哲さん6 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-01a689.html…

posted at 00:03:33

 

 

 

20191217日(火)

 お歳暮や送り先一箇所増えにけり 公彦

20111217日(土)

お歳暮の行き来する階段大掃除 公彦


【今日の季語3641<719】歳暮祝(せいぼいわい):仲冬の生活季語で「歳暮の礼」とも。一般には短略形傍題「歳暮」を用いる。祖先の魂を祭る正月の祭の供物として親元に届ける習わしが後に形式化して、歳末の贈り物の呼び名に。◆歳暮鮭とけばこぼるる結び文(阿部慧月)


【今日の季語3641:別記①】「歳」をセイと読むのは呉音読みに従うもので、一般には別題「歳晩」「歳末」「歳旦」などに見るように漢音サイを用いるのが通例。本題を時候季語として扱う場合にはこれに準じてサイボの読みを用いるとされる。 

 

【今日の季語3641:別記②】ただし平安期の古辞書『色葉字類抄』<1177-81>には、「時節」の項に掲げる「歳暮」にセイホ(濁点不記)の読みを施した例がある。 

 

【今日の季語3641:別記②】一方、明治期の末広鉄腸『花間鶯』<1887-88>には「暑気見舞や歳暮などと云って」のくだりにサイボの読み仮名をあてた例があることなどから、「歳暮」にセイボの読みが固定して《歳末の贈り物》を指すようになったのは近代以降のことと見られる。 

 

【今日の季語3640:別記①】この呼び名は『東海道中膝栗毛』<1802-09>三・上に「ねぎまといふから、江戸でするよふ(=よう)だとおもった」とあるのが早い例にあたり、江戸で生まれた庶民料理であったと見られる。

 

【今日の季語3640:別記②】当時は、現代もてはやされるトロの部位が当時は逆に安値に扱われていたので、これをふんだんに用いて仕立てられたものであったろう。 

【今日の季語3640:別記③】例句はこの料理を居酒屋の卓上に置いた。葱と鮪がぐつぐつと音を立てて煮える、その鍋から立ち上る「靄」を狭い店内に立ち籠もらせて、その賑わいと暖かさを写し取った。


追悼!中村哲さん5 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-5946dc.html…

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2019年12月16日 (月)

おは!twitter俳句(葱鮪)と今年も残り二週間

今年も残すところあと二週間となりました。

今年の大河ドラマの「いだてん」も終わりました。

視聴率はそう高くなかったようですが裏番組の日曜美術館やいってℚなどは強力です(孫たちは必ず見ているようです。)ので仕方がないところもあるでしょう。五輪の宣伝番組という位置付けは当然あるでしょう。

私の最初はそういう目で見てましたがなかなかにはまりました。

見れないこともありましたがなるべく8時までには帰るようにしてました。

田畑役の阿部サダの演技の臭さはありましたが、反対を押し切って聖火の最終ランナーを1945年8月8日生まれの坂井青年にするなどは私の中学生当時あまり気にしてませんでしたがすごい人だと思いました。

毎日の俳句投稿は10年になる。

今年も連日投稿は達成出来そうです。

短歌の八首投稿は2年になりました。

これも来年もやってゆきたいと思います。

この一週間の俳句と短歌です。

2019年12月16日(月)

@twryossy 捨てる部位トロを煮込んで葱鮪鍋 公彦
2011年12月16日(金)
葱鮪鍋我に親しきものならず 公彦

【今日の季語3640<718】葱鮪(ねぎま):三冬の生活季語で「鮪鍋(まぐろなべ)」とも。ぶつ切りにした焼き葱と鮪を出汁に合わせ、鍋で煮ながら食する料理。鮪から出る旨味が葱に染み込んで佳い風味を生む冬の鍋料理の一つ。◆居酒屋に靄(もや)たちこむる葱鮪かな(井上唖々)

2019年12月15日(日)

@twryossy 雪吊りの張られて鯉は顔を上げ 公彦
2011年12月15日(木)
雪吊りやシンセサイザー震わせり 公彦

 

【今日の季語3639<717】雪吊(ゆきづり):仲冬の生活季語。雪の重みで庭木の枝が折れないように天頂から縄を円錐状に張って保護すること。雪の来る前にその作業が始まるところから当季に置かれるが、晩冬の季語とする歳時記もある。◆雪吊の縄の香に憑く夕明り(飯田龍太)

【今日の季語3639:別記①】例句の「憑く」は、物の怪などが人に乗り移ることをいう語を、「縄の香」と「夕明り」を結び付けるのに用いたもので、僅か二拍の言語空間を充当するに相応しい語を選んだ名匠の技を見る思いがする。

【今日の季語3639:別記②】本題はユキツリと清音に読むこともできるが、紐の先に結んだ木炭で雪を釣る遊びをいう同季別題「雪釣(ゆきつり)」との同音衝突を避けるために連濁形ユキヅリを用いたのであろう。

【今日の季語3639:別記③】その「雪釣」が「雪」を目的格に置いて、《雪を釣る》意を表す語構成であることに照らせば、外見は《枝を吊る》ものであっても、その本義は《雪を吊る》意から出た呼称と見るべきあろう。

【今日の季語3639:別記④】この呼び名が季題となったのはさほど古い時期のことではなさそう。ホトトギス雑詠選集『冬』<1943>所収句「雪吊や出羽の本間の大邸(齋藤鵜川)」や、当の虚子にもこれを用いた吟があることなどから、戦後にこの結社から生まれたものと見られる。

2019年12月14日(土)

@twryossy 冬服を脱ぎ捨て走る土手の上 公彦
2011年12月14日(水)
冬服や雨を弾きて寄せ付けず 公彦

【今日の季語3638<716】冬服(ふゆふく):三冬の生活季語。冬に着る厚手の防寒服を広く指す。一般に地味な色合いのものが多いが、最近ではダウンコートやジャケットなどに色彩の鮮やかなものも増えている。◆冬服着る釦ひとつも遊ばせず(大牧 広)

【今日の季語3638:別記①】かつては、本題は洋服を指し、和服には同季別題「冬着」を用いたようであるが、日常的な和服の着用が稀になったことから、「冬着」は和洋を区別しない汎称に転じつつある。

【今日の季語3638:別記②】例句の「釦」は、金銀で器物の縁(へり)などを飾る意が原義の漢字で、意符の「金」に声符の「口」を組み合わせた形声字であるが、「口」は意符としての機能も備わる。

【今日の季語3638:別記③】衣類の合わせ目を留める意の「ボタン」は葡語botãoに由来する洋語で、俳諧書『御傘』<1651>の「牡丹」の条に「衣装・踏皮(たび)などの緒にぼたんという物あり」と記したくだりがあり、江戸初期にはこの呼称が使用されていたことを示している。

【今日の季語3638:別記④】ただしその漢字表記に単字「釦」が定着したのは後代のことで、森鴎外『うた日記』<1907>に、日露戦争従軍中に落としたカフスボタンを惜しむ心を歌った詩「扣鈕」があり、これに「ぼたん」の読み仮名が施されている。

【今日の季語3638:別記⑤】この熟字は、初めは機械の作動は、呼び鈴を押す突起をいう英語buttonに由来する「ボタン」を表したのが、後に衣類の付属品を指すようになったものと見られる。このことは、明治後期頃に登場する単字の「釦」についても事情は同じである。

2019年12月13日(金)

@twryossy 鴛鴦の毎年相手を変えるとは 公彦
2011年12月13日(火)
鴛鴦の雄の銀杏羽麗しき 公彦

【今日の季語3637<715】鴛鴦(おしどり):三冬の生類季語。夫婦仲のよい鳥とされ「鴛鴦の契」などに用いる漢語「えんおう」やそれを古語「おし」に読み替えた傍題も。これを冬の景物とするのは和歌・連歌の伝統を受け継ぐもの。◆月の鴛鴦みじろぐさまの水輪かな(西島麦南)

【今日の季語3637:別記①】「鴛鴦の浮寝」のように古形「おし」を冠する傍題は、上記のほかにも「毛衣(けごろも)」「褥(しとね)」「妻」「独寝」などがあり本題と同じく冬季とされるが、「涼し」「巣」を合わせると夏季の扱いを受ける。

【今日の季語3637:別記②】別の傍題に「天女履きすてし如くに鴛鴦の沓(後藤比奈夫)」に例を見る「鴛鴦の沓」がある。これは、この鳥が番いで水に浮かぶ姿を一足の毛沓に見立てた表現であるが、それが色違いにあたるところまでは深く咎めなかったのであろう。

【今日の季語3637:別記③】鳥名の古称ヲシの語源を、雌雄が互いに愛し合うところに求めて形容詞ヲシ(愛)から出たと見る語源解があり、その正否を定めるまでには至らないが、この鳥が古くからそのように捉えられていたことを示すものではある。

【今日の季語3637:別記④】ただしそれは人の目にそう映っただけのことで、鳥類学上は他のカモ類と同じく毎年相手を替える鳥とされている。

2019年12月12日(木)

@twryossy 五島なる白良が浜の冬の浜 公彦
2011年12月12日(月)
義母見れぬ冬の浜なる大夕焼け 公彦

 

【今日の季語3636<714】冬の浜(ふゆのはま):三冬の地理季語で「冬渚」「冬干潟」などの傍題も。風波の強い日はもとより、穏やかな天候の日であっても、冬の浜辺は人影もなく閑散として寂しい。◆時失せてゆく眩しさや冬の浜(仙田洋子)

2019年12月11日(水)

@twryossy 水洟を二人同時にかむ夜あり 公彦

 

【今日の季語3635<713】水洟(みずばな):三冬の生活季語で「鼻水」および、促音の加わった「みずっぱな」の俗語形傍題も。鼻の粘膜が冷気の刺激を受けて分泌する薄い鼻汁に焦点を合わせて当季のものと定めた。◆水洟や鼻の先だけ暮れ残る(芥川龍之介)

【今日の季語3635:別記①】本題の蔭には、わびしさばかりなく軽い俳味も潜んでいる。龍之介句はそのことを示す好例にあたるもので、この季語の本意を見事に捉えた秀句と呼ぶに相応しい。

【今日の季語3635:別記②】江戸期の俳書に「水洟」が登場するのは『せわ焼草』<1656>以降のことでこれに先行する『初学抄』<1641>や『毛吹草』<1645>では「啜洟(すすばな)」の形を用いていたことが知られ、この頃に新旧の交替があったものと見られる。

【今日の季語3635:別記③】ススバナの形は、十巻本『和名類聚抄』<934年頃>巻二「洟」の項に見える「須々波奈(すすばな)」の和訓や、『枕草子』に「すすはな しありく ちご」とあることなどから、平安期に使用されていた古形であることが知られる。

【今日の季語3635:別記④】上掲古辞書に江戸期の学者狩谷棭斎(えきさい)が註釈を加えた「箋注」には、本語のススをススル(啜)と同義とする説があり、妥当な見解と思われる。

【今日の季語3635:別記⑤】ただしそのススは、動詞の語幹から出たものではなく、啜る音を「スス」の形で捉えた象徴語にあたるもので、動詞ススルは、これに動詞化接尾辞ルが付いて生まれた、ススバナとは兄弟関係にあたるものと筆者は考える。

@twryossy 田中陽希二百名山冬景色 公彦

【今日の季語3634<712】冬景色(ふゆげしき):三冬の地理季語で「冬の色」「冬景」などとも。「景色」は春夏秋冬の語と結んで各季に用いられるが、当季の蕭条たる景観には他季にない枯淡の情趣が漂う。◆川中に川一すぢや冬げしき(曉台)

【今日の季語3634:別記①】「川中に川」と同語を二つ重ねた例句の表現には、一見して意外性を覚えるが、川底を見せている「川」の流域の中央を、水量の乏しくなった冬の「川」が細々と流れる場景を表したものであることに読者は程なく気付く。そこにも本句の面白さが。

HAYASHI Yoshio@twryossy

【今日の季語3634:別記②】《山や川などの自然のながめ》をいう漢語「景色」は中国の文献にも使用例はあるものの、その漢音読みはケイショク、呉音読みはキャウシキで、この漢語にケシキの読みをあてたのは、江戸期頃に生まれた慣用による。

【今日の季語3634:別記③】自然界の有様や物事の様子を表す漢語は、古くは「気色」の表記と呉音読みケシキが用いられ、平安期には竹取物語や源氏物語などにもその仮名書き例が見られるほどに和語化していた。

【今日の季語3634:別記④】そこでは自然界に限らず人間の動作や表情などについてもこの語が用いられているが、中世期以降、後者については「気色」の漢音読みにあたるキソク・キショクの形を用いる傾向が生まれた。

 

【今日の季語3634:別記⑤】さらに江戸期には前者の意に用いるケシキの表記に《景観》の意を表す「景色」をあてることにより、表記と語音の両面で自然と人事が画然と区別されるに至った。

2019年12月10日(火)

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2019年12月 2日 (月)

おは!twitter俳句(日向ぼこ)

この一週間の句と歌です。

歌は季節ハズレの桜満開です。

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20191202日(月)

 

@twryossy 雨歩き日向ぼこなる句は出来ず 公彦

20111202日(金)

縁側で転寝をする曽祖母と 公彦

 

【今日の季語3626<704】日向(ひなた)ぼこ:三冬の生活季語で「日向ぼっこ」とも。冬に日のあたる場所へ出て体を温めることをいう語で、古形「日向ぼこり」から出た形と見られる。◆身のうちに老の来てゐる日向ぼこ(伊東月草)


【今日の季語3626:別記①】この呼称が見えるのは『今昔物語集』<1120>巻十九に「日ナタ誇モセム、若菜モ摘(つみ)ナム」とあるのが古く、この語が「ヒナタ(日向)ホコリ(誇)」の意に解されていたことを示している。 

 

【今日の季語3626:別記②】中世の古辞書には「南向多(ひなた)北向」の宛字を用いた例があり、後部要素をボッカウ(北向)の形で捉えていたことが窺われる。現代語の(ヒナタ)ボッコは江戸期以降の文献に見える語形でこのボッカウから転じたボッコウの語末を省略した形か。


【今日の季語3626:別記③】別記①の例は、ホコリを《誇り》の意の記号語と解する立場にあたるが、これとは別に、現代語のホカホカやホッコリなどに見られる《暖かさ》を表す象徴語から出たと見る解釈もあり、筆者もこれを支持する。 


桜を見る会14-辞任しかない3 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-32616c.html…

2019年12月01日(日)



@twryossy 火の番の父の横顔残りけり 公彦
2011年12月01日(木)
火の用心訴えし子ども会今いずこ 公彦


【今日の季語3625<703】火の番(ひのばん):三冬の生活季語で「夜回り」「夜番」などとも。かつては冬に多い火事を防ぐために拍子木を打って「火の用心」を触れ回った。その寒々と響く音をいう「寒柝(かんたく)」も傍題の一つに。◆夜番の柝この世の涯に聞えつつ(山口誓子)


【今日の季語3625:別記①】傍題の「寒柝」には「柝」の字音タクを用いるのに対して、例句の「柝」にキの読みをあてたのは、訓読みに従うもの。


【今日の季語3625:別記②】「柝」は《裂く》の意が本義で、これを、木を裂いて作った拍子木の意を表す単字に転用したもの。これにキの訓をあてたのは《樹木》一般を指す語を《拍子木》に特定化したもので、芝居や相撲などでいう「キが入る」もその一例にあたる。


【今日の季語3625:別記③】火の注意を呼び掛ける「火の用心」の詞は、古くは「ヒ(火)アヤフシ(危)」の形を用いた。この呼称は幕末期頃までは使用された形跡があるものの、現行の呼び掛け詞にその座を譲って火の消えるごとくに消滅した。


【今日の季語3267:別記④】ヒノヨウジンの使用例は江戸初期の文献にさかのぼるが、他方にはヒヨウジの別形を用いた例も見られる。


【今日の季語3267:別記⑤】これは旧形ヒアヤフシがヒアヨウシからヒアヨウジに転じ、さらに短縮してヒヨウジに変化したもので、さらに短縮してヒヨウジに変化し、これに別語の「用心」への類推が働いて、ヒノヨウジンに変身したものと筆者は考える。

2019年11月30日(土)



@twryossy 曽祖母の裏山積もる柿落葉 公彦
2011年11月30日(水)
柿落葉訃を重ねては散りにけり 公彦


【今日の季語3624<702】柿落葉(かきおちば):三冬にわたる「落葉」を柿に特定して初冬に据えた植物季語。枝に実を残して樹下に散り敷く柿紅葉の姿は冬を彩る景色とするにふさわしい。◆柿落葉吾より若き訃を重ね(村上光子)


【今日の季語3624:別記①】本題と同じく「落葉」にその名を冠して冬の季語とされるものには「銀杏」「朴」などもあり、そのほか「落葉」の傍題「名の木落葉」に似合わしい他の樹木について用いることもできる。


【今日の季語3624:別記②】さは言え、同じ「名の木」ながら、春に「柏落葉」があるほか、夏に至っては「楠・椎・杉・竹・黄楊・柊・檜・松・冬青(もち)・木斛(もっこく)・樅」などの常緑樹を主とする「落葉」が、冬を凌駕する勢いで並ぶところには意外の感がある。


@twryossy 君のセーター着て友達のやんややんや 公彦
2011年11月29日(火)
金色のセーターの君に魅かれけり 公彦


【今日の季語3623<701】セーター:三冬の生活季語。西欧では前開きのカーディガンやジャンパーの類も含まれるが、日本では頭から被って着用するプルオーバー型を指すのが通例。防寒や装飾用にこれから出番を迎える。◆セーターの胸の薔薇ごと愛さるる(椎名智恵子)


【今日の季語3623:別記①】この洋語は英語のsweaterから出たもので、最近ではより原音に近い「スウェーター」などの表記を用いることもある。


【今日の季語3623:別記②】その原義は語基のsweat(汗)に名詞語尾-erを付けた《汗をかかせる服》の意にあり、フットボールのトレーニングの際にこれを着用して発汗による減量を図ったことに由来するとされる。


【今日の季語3623:別記③】日本でこの語が用いられるようになったのは二十世紀初頭頃のことと見られ、勝屋英造『外来語辞典』<1914>の「スエッター Swetter(英)」の項に「毛糸製の『襯衣』」とあるのが早い例にあたる。


【今日の季語3623:別記④】上記文献の英字綴りが原形と異なる点には不審が残るが、その音訳形「スエッター」は現代でも「スェットシャツ」に類似例があり、当時は原音に促音を加えた形で受容されたのが、逆に英字綴りに反映して和様化されたものではなかろうか。


【今日の季語3623:別記⑤】その訳語に用いられた「襯衣」は《肌着》を意味する漢語で、これには別に「シャツ」の洋語読みもあるが、方言にはこれに促音を加えた「シャッツ」の形もあり、ここにも洋語に促音を加えた事例が見られる。

2019年11月29日(金)


2019年11月28日(木)



@twryossy 耀えば隅田川なる都鳥 公彦
2011年11月28日(月)
都鳥人身事故の月曜に 公彦


【今日の季語3622<700】都鳥(みやこどり):三冬の生類季語。『伊勢物語』や謡曲『隅田川』にその名が出るところから当地の名物として知られ、傍題「百合鴎(ゆりかもめ)」の雅称と見なされている。◆都鳥とらへし波に浮かびけり(中村汀女)


【今日の季語3622:別記①】ミヤコドリは、現在はこの名で呼ばれる鳥(画像右)を指す呼称であるが、『伊勢物語』の「東下り」の段で、鳥の名を問われた渡し守が主人公に「これなむ都鳥」と教えたのは、それとは別の鳥(画像左)であった公算が大きい。


【今日の季語3622:別記②】その地の文には「白き鳥の嘴と脚と赤き、鴫の大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ」とあり、嘴と脚が赤いところは両者に共通するものの、他の記述は右の鳥にはあてはまらず、この条件に適う鳥は左のユリカモメがもっとも近い。



ETV特集「黒いダイヤは見ていた~三池炭鉱・与論からの移住120年~」 - NHK 鹿児島県与論島から三池炭鉱跡へ修学旅行でやってきた中学生。120年前、島から三池に集団移住が行われた。苦難を生き抜いてきた与論の人々とその歴史を学ぶ若者の記録。 www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2019-


@twryossy 霜月や悲しきことのありし月 公彦
2011年11月25日(金)
霜月の気色はなべで茶に染まる 公彦


【今日の季語3621<697】霜月(しもつき):陰暦十一月の別名で「神楽月」「雪待月」などとも。仲冬の時候季語とされるが、実際は初冬のうちに訪れることが多く、今日はその朔日にあたる。朝日にきらめく霜の美しさを思わせる季語。◆朝霧の中に霜月歩み来る(仙田洋子)

2019年11月26日(火)



ライオンは檻の中から出られるか今夜池袋にて憲法分かる 公彦
11月26日(火)18:00 開場 18:30 おはなし(講演後サイン会)
会場 豊島産業振興プラザ(イケビズ)多目的ホール 豊島区西池袋2-37-4 池袋駅西口歩10分 南口歩7分参加費 1000円
orili.peatix.com/view


 

@twryossy 巻繊汁椎茸昆布の出汁なるか 公彦
2011年11月27日(日)
いりこ入るけんちん汁や母の味 公彦


【今日の季語3620<699】巻繊汁(けんちんじる):三冬の生活季語で単に「けんちん」とも。宋代の中国から伝えられた普茶料理が日本化したもので、細く刻んで油炒めした野菜を湯葉などで巻いたところからこの名が出た。◆故郷がけんちん汁に混み合へり(松浦敬親)


【今日の季語3620:別記①】この料理名の「繊」は《細い》の意を表す漢字で千切りの野菜を指すもの。これにチンの字音をあてるのは伝来時の宋音に従う読み方。


【今日の季語3620:別記②】江戸末期の『豆腐百珍』<1782>は、百種の豆腐料理を解説した料理本。その二十一に「真のケンチエン」、二十二に「草のケンチエン」の項があり、正・略両様の調理法と併せて、当時はより原音に近いケンチェンの読みもあったことが知られる。


【今日の季語3620:別記③】これに対して『誹風柳多留』四一編<1808>に収める雑俳に「せうぶ(=菖蒲)湯はけんちん鍋へはいるやう」とあり、当時はすでに鍋料理として普及していたことと、現行のケンチンの呼称もあったことを示している。

2019年11月25日(月)



 

@twryossy 咳をする妻と朝なのおしんかな 公彦
2011年11月26日(土)
咳をして二人還暦迎えけり 公彦

  

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2019年11月25日 (月)

おは!twitter俳句(咳)と感慨

今週で11月も終わる。

今年も残り1カ月となる。

来週は忘年会もあり新年の行事の計画も出ている。

珍しく年賀状の準備も11月内に終えた。

語るには早いが落ち着いた一年だったという事かも知れない。

残りの2019年を充実しよう。

ーーー

2019年11月25日(月) 咳をする妻と朝なのおしんかな 公彦 2011年11月26日(土) 咳をして二人還暦迎えけり 公彦   【今日の季語3619<698】咳(せき):別題「風邪」と並ぶ三冬の生活季語。古語動詞「しはぶく」やその名詞形「しはぶき」などの傍題も。当季に多く発生する感染症をいう病体季語として用いる。◆咳の子のなぞなぞあそびきりもなや(中村汀女) 【今日の季語3619:別記①】セキ(咳)は《息がつかえて呼吸の流れが止まる》意を表す動詞セク(咳)から出た名詞形で、水の流れに用いるセク(塞)やセキ(堰)もこれと同語源。さらにこれが《通行者の流れを止める》検問所の意に転じてセキ(関)の呼び名も生まれた。 【今日の季語3619:別記②】古語のシハブキは「シハ(唇・舌)ブキ(吹)」の複合した形で、舌や唇をシハと称した痕跡は、「シハ(舌)ブル(振)」に由来するシャブルや、「シハ(舌)ハユシ(鹹)」からシホハユシを経て変化したショッパイなどの現代語の中に認められる。   【今日の季語3619:別記③】これがセキと交替するのは近世初期頃のこと。芭蕉七部集『ひさご』<1690>に収める歌仙「城下」の付合に「看経の嗽(せき)にまぎるゝ咳気(がいき)声(里東)/四十は老のうつくしき際(珍碩)」とあるのは、その比較的早い例にあたる。 【今日の季語3619:別記④】上掲長句の「嗽」に「咳気声」が並置されているのは、セキの独立性がいまだ薄かったことによるものであろう。『虞美人草』<1907>にも「ごほんごほんと咳をせく」と動詞を伴った使用例があり、明治末期頃までその傾向が強かったことを窺わせる。 桜を見る会10 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-688b67.html…

2019年11月24日(日)



@twryossy 雌熊は冬眠中も子育てし 公彦
2011年11月24日(木)
冬眠を醒ます日本の苦よもぎ 公彦


【今日の季語3618<696】冬眠(とうみん):三冬の生類季語。昆虫・両生類・爬虫類などの変温動物が活動を停止して冬を越すことをいうが、クマやシマリスなどの恒温動物に見られる同様の状態についてもこの呼称を用いる。◆冬眠の寝息こぞるか山の音(石川美恵子)


【今日の季語3618:別記①】例句の「こぞる(挙)」は、人間について《一人残らず集まる》意を表す古語動詞。その主体に「冬眠の寝息」を立てたところに表現の妙味が感じられる。


【今日の季語3618:別記②】コゾルは、上記の主格を承ける自動詞の用法とは別に、目的格を承けて《残らず集める》意に用いる他動詞としても用いられる。「四百余州を挙(こぞ)る十万余騎の敵」(軍歌「元寇」)はその一例。


【今日の季語3618:別記③】現代語ではこれらの自他両動詞を単独で用いることはほとんどないが、「こぞって(出掛けた)」のように用いる副詞はその連用形に「て」の付いた「こぞりて」の音便形にあたり、動詞の姿がわずかに残存している。


【今日の季語3618:別記④】上記のようにコゾルには《集まる》の意味要素が含まれており、「こぞって集まる」などと用いるのは同義語を重ねた表現にあたるが、この動詞の語義は中世の頃から曖昧になっていてこれを《おおぜい》の意に解する誤用が生じたものと見られる。

桜を見る会9 ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/p

 

【今日の季語3617<695】小雪(しょうせつ):二十四節気の一つ。立冬から十五日目にあたる昨日からこの節気に入り暦は初冬後半に。この頃から降雪を見るようになるのでこの名があるものの、実際は地域と年によってかなりの差が。◆小雪の箸ひとひらの千枚漬(長谷川かな女)

2019年11月22日(金)



@twryossy 突然死木内みどりの冬の影 公彦
冬の影山頭火にも一茶にも 公彦
(本行寺)
2011年11月22日(火)寒灯や二つの影の合体す 公彦

 

【今日の季語3616<694】冬の影(ふゆのかげ):三冬の生活季語で「寒き影」「寒影」などとも。別題「寒灯」「冬木影」などのように特定の対象を示さず、冬の物の影一般に用いてついてその寒々とした趣を表す。◆冬の影二人の吾の問答す(角川源義)


【今日の季語3616:別記①】現代では「光と影」の並立句に見るように両語は対義語として用いられることが多いが、本来は類義関係に立つものであった。


【今日の季語3616:別記②】古くは「日の影」や「月影」などの例が示すように、本来は《光》の意を表す語であったと見られる。それが意味領域を拡げて、光を受けて見える物の姿や、物が光を遮って生じる黒い形を表すようになった。


【今日の季語3616:別記③】三春の天象季語「陽炎(かげろう)」は、《炎》を指す古語カギロヒから《光のゆらめき》の意を表すカゲロフに転じた語であるが、そのカギロヒはこれに先行するカギルヒから出たものと見られる。


【今日の季語3616:別記④】この古語は「カギル・ヒ(火)」の複合形で、カギルは《ちらちら光る》意を表す動詞。《珠が仄かな光を放つ》意から「日・火」などに掛かる枕詞「たまかぎる」にはこの古語動詞が残存する。《光》を指すカゲも、これと同根の語と解される。

2019年11月21日(木)

@twryossy 2011年11月21日(月)
大根のペンシル削りや我が弁当 公彦
2011年03月31日(木)
荒む日やミニ大根の種を蒔く公彦

【今日の季語3615<693】大根(だいこん):三冬の植物季語で「だいこ」の短称形でも。栽培の歴史も古く、それを育てる「大根畑」、産地名を冠した「三浦大根」、調理した「煮大根」など傍題も各種多岐にわたる。◆煮大根や烏賊の諸足そり反り(松根東洋城)


【今日の季語3615:別記①】この野菜の古称には和語のオホネ(大根)が用いられた。『古事記』<712>歌謡に見える「木鍬(こくは)持ち、打ちし淤富泥(おほね)」の万葉仮名はそのことを示す一例。


 

【今日の季語3615:別記②】ダイコンの呼び名は、これにあてた「大根」の漢字を音読して生まれた和製漢語。『東寺百合文書』応永二十六年<1419>の条に収める食物の代金の控えに「十文 大こん」とあるのはその早い例にあたり、この呼称が当時すでに定着していたことを示す。


 

【今日の季語3615:別記③】中国の宋代にはこの野菜を「蘿葡(ロフ)」と称した。これに、《細かく刻む》意の「繊」を冠した料理名「繊蘿葡(せんろふ)」が禅宗文化の一つとして日本に伝わり、その名が和様化されてセロッポンに転じた。


 

【今日の季語3615:別記④】後にその語源が忘却され、細かく刻まれた数の多さをいう呼び名と受け止める民間語源解に支えられて現行のセンロッポン(千六本)なる調理名が生まれた。


 

【今日の季語3615:追記】別記③・④に関する詳細は拙著『俳人のための やまとことばの散歩道』(リヨン社:絶版)所載「千六本」の記事をご覧下さい。

2019年11月20日(水)

@twryossy 耶馬渓に寝酒召したる山頭火 公彦
2011年11月20日(日)
寝酒せねば寝れぬと友は早逝す 公彦

 

【今日の季語3614<692】寝酒(ねざけ):三冬の生活季語。季節を問わない句材を当季に配したのは、冷えた体を芯から温めて心地よい眠りに誘ってくれるところに目を向けたものであろう。◆隣室の人も来て酌む寝酒かな(古川芋蔓)

 

【今日の季語3614:別記①】ネザケの呼び名が文献に登場するのは中世末期頃から。狂言「地蔵舞」(雲形本)の詞章に見える「身共(みども)は寝酒をたぶ(=飲む)」や、『日葡辞書』<1603>に「Nezaqe. 寝る前に飲む酒」とあるのが早い例。


 

【今日の季語3614:別記②】江戸期には、酒の異名ササを用いてネザサとも呼ばれた。狂歌家集『吾吟我集』<1649>に収める「住みわぶる世の憂きふしも忘れけり呑みし寝ざさの酔ひのまぎれに」は、ササに《笹》、ヨに《節》の意を掛け、「ふし(節)」を縁語としたもの。


 

【今日の季語3614:別記③】酒の異名ササには、人に酒を勧める時の詞と説くものや、酒の異名「竹葉」の漢語に基づくとするなどいくつかの語源説があるが、サケの頭音サを重ねて隠し詞とした女房詞由来の語と見るのが妥当であろう。

2019年11月19日(火)

泥鰌掘る鼻に割り箸二本挿し 公彦

2011年11月19日(土)

泥鰌掘る田園も川も死に賜う 公彦

【今日の季語3613<691】泥鰌掘(どじょうほ)る:三冬の生活季語。温暖を好んで田や川の泥の中に潜む泥鰌を掘り返して捕獲する。「泥鰌鍋」「柳川鍋」は三夏の季語であるが、単独の「泥鰌」だけでは季語にならない。◆眠りまだ覚めざる泥鰌掘られけり(川崎栖虎)


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2019年11月17日 (日)

おはTwitter俳句(秋寂ぶ)

2019年11月04日(月)

秋寂ぶやAI俳句と遊びけり 公彦

2011年11月04日(金)

秋寂ぶや孫と遊べる五十尽 公彦


【今日の季語3598<676】秋寂(あきさ)ぶ:晩秋の時候季語で「秋寂び」の名詞形でも。冬が近付くにつれて目に触れるものが枯れを増してゆく場景にわびしい心情も籠もる。「秋寂し」はそれを表に立てた三秋の生活季語「秋思」の傍題。◆秋さぶや脇侍欠いたる黒仏(上田五千石) 


【今日の季語3598:別記①】サブは上二段活用の古語動詞で、《物が古くなる》意や《力が衰える》意の本義からさらに心情面にも意味領域を拡げて、《心寂しさを覚える》意にも用いられた。


【今日の季語3598:別記②】現代語の動詞サビル(錆)と名詞形サビや、後に語形を変えて受け継がれたサビレル(寂)はその本義を伝えるもの。中近世には、そこから事物の古びた姿に美を求めるサビ(寂)にも意味領域を拡げた。 


【今日の季語3598:別記③】現代語のサビシイ(寂)もまたこの動詞サブから転成した形容詞。古代にはサブシの形で用いられたのが中古期以降サビシに転じた。さらに近世にはサミシの形も生まれ、現代ではサビシイ・サミシイの両形が併用されている。

2019年11月03日(日)


2011年11月03日(木)
烏鳴き犬駆けて来る文化の日 公彦

【今日の季語3597<675】文化の日(ぶんかのひ):晩秋の生活季語。戦前は明治天皇の誕生日であった「明治節」を、昭和21年のこの日公布された新憲法の戦争放棄・平和と文化の精神を基幹に置く祝日として改称された。◆子の指に生るる折鶴文化の日(藤井明子) 


【今日の季語3597:別記①】新憲法の公布日を新たな祝日とした根幹にはこれを「戦争放棄を世界に宣言した日」と捉える認識があったのが、「国際的にも文化的意義を持つ重要な日」とする制定委員会の説明から「文化」に重点が移りそれが本旨とは逆の方向を辿りつつある。 

 


【今日の季語3597:別記②】この日の呼称を旧来の「明治の日」に変えようとする動きが昨今見られるのは、「文化」の仮面を脱ぎ捨てて旧姿に復帰しようとする意図に出るものであり、それが国民主権を旨とする現行憲法の破棄を目指すところに繋がることは明かである。 



@twryossy 初猟や散弾銃の平手撃ち 公彦

2011年11月01日(火)

初猟の如く唸りて頭を下げて 公彦


【今日の季語3596:673】初猟(はつりょう):晩秋の生活季語。現行規則では多くの地域の銃猟解禁日が11月15日で、これによれば初冬になるが、かつてはそれよりもひと月早かったことから、当季の季語として根付いた。◆野の風や初猟の犬すでに逸る(富田直治)


【今日の季語3596:別記①】「初猟」とは別に、これと同音の「初漁」もあるが、こちらは「初山」「初彫(はつほり)」「稼初(かせぎぞめ)」などと同じく、その年の最初に行われる仕事に「初」字を添えた新年の生活季語の一つ。


 

【今日の季語3596:別記②】この例に見るように「猟」と「漁」は同音字であるが、「漁業」「漁船」などに見るように「漁」の字音は声符「魚」が示すギョであり、「初漁」「大漁」などに用いるリョウは中国本来のものではなく、日本で生まれた「慣用音」にあたる。


【今日の季語3596:別記③】江戸後期の『誹風柳多留』(1804~1843)には、海辺の「漁師町」に「猟師町」の表記をあてた例が複数あり、古文献の使用例に照らせば後者の「猟師」が本来のものであったことが知られる。


 

【今日の季語3596:別記④】その「猟師」が、山と海の狩猟者を字面の上で区別しようとする意識から、これに「漁師」をあててリョウシと読まれるようになり、それがさらに「漁」字を含む他の熟語にも波及して、新字音リョウが定着するに至った。

2019年11月02日(土)


2019年11月01日(金)



ootsuru@ootsuru

@twryossy 陽を浴びし吊るし柿観る千曲川 公彦
2011年11月02日(水)
吊るし柿珠玉の如く輝きて 公彦


 

【今日の季語3595<674】吊し柿(つるしがき):晩秋の生活季語「甘干し」の傍題で、「干柿」「釣柿」などの別名や、動詞形で「柿干す」「柿吊す」などとも。皮を剝いた渋柿を軒先に暖簾のように吊り下げた場景は秋を彩る風物の一つ。◆吊し柿空見る窓は残し置く(笠井清女)


 

【今日の季語3595:別記①】渋柿を甘くするのに古くは串に刺して干したのが、後に縄などで吊る仕方に変わったと見られる。『慶長見聞集』<1614>に、串柿や柿餅を古来のものとして「つるし柿は近年出来(いでき)たるか」とあるのはそのことを示す一証。


【今日の季語3595:別記②】これに先行する『日葡辞書』<1603>には「Cuxigaqi(串柿)」は見出し語に立てられているものの、ホシガキやツリガキの語は見当たらない。これもまた、当時はその方法が通用していなかったことを示す事例と見られる。


 


 

【今日の季語3595:別記④】その「串柿」は、現在では新年の縁起物として重ね餅に添える飾り物にその姿を留め、新年の季語「串柿飾る」にその名を残している。pic.twitter.com/UbRdHw7Twu

2019年10月31日(木)



@twryossy 肌寒や独り寝に余る我が寝ぐら 公彦
2011年10月31日(月)
肌寒や猫は愛撫を所望せり 公彦


【今日の季語3594<672】肌寒(はださむ):晩秋の生活季語で「肌寒し」の用言形傍題も。秋が深まり肌に冷ややかさを感じること。同季別題「そぞろ寒」「うそ寒」が心理的な気分も含まれるのに対して、本題は皮膚感覚を表に立てた。◆肌寒や薬飲む白湯やはらかく(浅川幸代)


 

【今日の季語3594:別記①】「寒」字を含む季語は、単独の「寒し」を中心に「寒空」「寒夜」「寒き朝」などの形で冬季に用いられるが、一方には他にも「朝寒」「うすら寒」「すずろ寒」のように語幹が主語や修飾語を伴う秋の季語も多く、二極分化の傾きが認められる。


【今日の季語3594:別記②】この表現は万葉集巻二十「旅衣八つ着重ねて寝(いぬ)れどもなほ肌寒し妹にしあらねば」(4351)にすでに見られるが、本歌では独り寝の寂しさに主意が置かれ季節を直接の対象としたものではな


【今日の季語3594:別記③】上掲歌はこの語に「波太左牟志」の万葉仮名表記をあてており、三拍目の「左」は清音を表す字音仮名にあたることから、ハダサムシと読まれたことが知られる。


【今日の季語3594:別記④】その語幹を独立させた用法は、江戸期の俳書『毛吹草』<1638>巻二「連歌四季之詞」暮秋の項に「肌寒 やヽ寒」とあるのが早い例で、連歌に由来する季語であったことを示している。


 

【今日の季語3594:別記⑤】この語はハダザムと読まれることもあるが本来は清音形で、ハダガケ(肌掛)・ハダギ(肌着)・ハダジロ(肌白)などのような後接語が連濁形を取る複合名詞への類推がはたらいて、後に生まれた語形であろう。

2019年10月30日(水)



@twryossy 切り株に番人のような鬼胡桃 公彦
2011年10月30日(日)
胡桃には胡桃の思い揺るぎなし 公彦


 

【今日の季語3593<671】胡桃(くるみ):晩秋の植物季語で、個別種名や「胡桃割る」の動詞形傍題も。古くクルミと呼ばれたのは自生種の「鬼胡桃」で、皮が薄く割りやすい「姫胡桃」「樫胡桃」などは渡来種かその変種とされる。◆真二つに割れて胡桃の部屋正し(山口波津女)


 

【今日の季語3593:別記①】クルミに用いる「胡桃」の漢字は、中国の本草書などに典拠のある漢名。『博物志』には、中国前漢代の政治家張騫(ちょう・けん)がこの果実を西域持ち帰ったとする記事があり、この呼称が《胡国の桃》の意から出たことを示している。


【今日の季語3593:別記②】クルミにはさまざまな語源解解があるが、いずれも定説には至らない。これを《クレ(呉)渡来のミ(実)》の意から転じたとする『日本釈名』の解に従う説が多いが、平安期アクセントではクレとクルミの頭拍の声調が一致しないところに疑問が残る。


【今日の季語3593:別記③】上記の『和名類聚抄』に狩谷棭斎(えきさい)が註釈を加えた「箋注」には、これを《円実》の意とする解釈が施されている。これは円いものを指す「クル」にミ(実)の結び付いた形と見るものである。


 

【今日の季語3593:別記④】そのクルには象徴語クルクルやその派生語クルメク、さらにはクルマ(車)などに見られる《回転》の意義素があり、それが《円》の本義に通うところから、筆者はこの素朴な解に従うのが妥当と考える。

2019年10月29日(火)



 

@twryossy 末枯れを誘うがごとき涙雨 公彦
2011年10月29日(土)
末枯れの庭にも秩序ありにけり 公彦


【今日の季語3592<670】末枯(うらがれ):晩秋の植物季語で「末枯る」の動詞形傍題も。秋冷が草木に及んで、その葉先や枝先から次第に枯れてゆくこと。◆末枯や単線海とわかれゆく(佐野良太)


【今日の季語3592:別記①】ウラ(末)はモト(元)に対する語で、《先端》の意に用いる古語。本題のウラガレやウラバ(末葉)などの複合語の中にその姿を留める。


【今日の季語3592:別記②】ウラとは別にこれと同義のウレ(末)がある。《枝先》の意を表すコヌレは「コ(木)ノ(助詞)ウレ(末)」の縮約した語で、ここに見えるウレは、サカ(酒)がサケに転じたと同様に、語末の母音がア段からエ段に交替して生まれた名詞にあたる。


【今日の季語3592:別記③】このウラにはさらに、同音別語の《裏》の意を表すウラもあり、意味領域を拡げて《心》の意にも用いられた。


 

【今日の季語3592:別記④】こちらもウラ(末)と同じく、ウラ(心)ヤム(病)《⇒羨》・ウラ(心)ム(動詞化接辞)《⇒恨》・ウラ(心)ガナシ(悲)などの複合語の中に残存する。


【今日の季語3592:別記⑤】ウラワカシ(若)のウラには、これを《枝先が若い》意から《未熟》の意が生まれたと解する説もあるが、ウラが単独で《枝先》の意を表すと見るところにいささか難点があり、これについても《心が若々しい》意の複合語と解するのが妥当であろう。

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2019年10月28日 (月)

おは!twitter俳句(栗飯)と食欲の秋

土曜は病院のお祭りで半日焼きそば作り、日曜は団地の防災会で半日豚汁作り

食欲の秋たけなわである。

体重はもりもり増えて足の痛いのも運動不足と食べ過ぎの感がある。

食べるのを減らして運動量を増やしたい

 ーと思ってはいるのだが。

この一週間の俳句です。

ーー

20191028日(月)

栗飯や禍福は糾う紐なるか 公彦

20111028日(金)

昔ならば母の得意な栗ごはん 公彦

 

 3591<669】栗飯(くりめし):晩秋の生活季語で「栗ご飯」「栗強飯(くりおこわ)」などとも。鬼皮と渋皮を剥いた栗を味付けして米飯に炊き込んだもの。炊きあがる寸前に茹で栗を加える流儀もある。◆存問のいろ栗飯の炊きあがり(伊藤敬子) 

【今日の季語3591:別記①】この呼称が文献に見えるのは、江戸期の俳諧作法書『手挑燈(てぢょうちん)』<1745>に収める季寄せの「栗」の項に「くり飯」とあるのが比較的早い例。好んで食されるようになったのは近代以降のことか。 


【今日の季語3591:別記②】例句に見える「存問(そんもん・ぞんもん)」は『史記』などに典拠のある《安否を問う》意の漢語で、日本でも平安期以降の漢文訓読系の文章に使用例がある。例句の栗飯は、知り合いの病気見舞として炊き上げたものであろう。 


秋日和・水澄む・海螺廻し・秋深し http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-cb9919.html…


2019年10月27日(日)

@twryossy 花畑娘に子どもが出来るという 公彦
2011年10月27日(木)
連山を借景として花園あり 公彦

【今日の季語3590<668】花畑(はなばたけ):三秋の地理季語で「花壇」「花園」「花圃(かほ)」などの傍題も。販売用の草花を栽培する畑を指すこともあるが、俳句では秋の草花の咲く庭園や野原などにこの名を用いる。◆好晴や日にけに荒れて花畑(水原秋櫻子)

【今日の季語3590:別記①】本題は「花」字に引かれて春の季語と誤りやすい。また、高山植物の花が一斉に咲き出した場所をいう「お花畑」もあり、こちらは晩夏の地理季語として扱われる。例句の数では、本題に「お」を冠して比喩的に転用したこの季語の方がはるかに多い。

【今日の季語3590:別記②】さらに最近の観光案内サイトなどでは、「花畑」を季を問わずに惹句の中に用いる事例が多く、「花畑」が秋の季語としての地位を失いつつあることを思わせる。

【今日の季語3590:別記③】上掲例句に見える「日にけに」は《日増しに》の意を表す古語の成句。万葉集にはこの「けに」に「異」字をあてた例があり、《常とは異なる》意を表す形容詞ケシ(異)の語幹に「に」を添えた副詞と解される。

【今日の季語3590:別記④】これとは別に「日(け)長くなりぬ」などのように、連続した《日数》をいうケがあり、上記の成句も「日(ヒ)に日(ケ)に」の意と紛れやすいが、上代特殊仮名遣では《異》と《日》のケには区別があり、その意に解するのは相応しくない。

【今日の季語3590:別記⑤】上記のケ(日)は、フツカ(二日)・ミカ(三日)などと用いる、日数を数えるカの母音交替形にあたる。

【今日の季語3590:別記⑥】そのカもまた、ケと同じく連続した日数を表す語で、日数が単数の「一日」にはこのカが使えないため、代わりに月齢をいうツイタチ(月立)を用いたところにもそのことが隠れている。

2019年10月26日(土)

@twryossy 菊人形なんとなく思う父の顔 公彦
2011年10月26日(水)
千輪の菊人形や二本松 公彦

【今日の季語3589<667】菊人形(きくにんぎょう):晩秋の生活季語。菊の花や葉を人形の衣裳に仕立て、歌舞伎や物語の一場面などを構成して展示する。江戸後期に見世物として始まった。その細工にあたる「菊師」も傍題に。◆どこも見てゐず菊人形の白面輪(関戸靖子)

【今日の季語3589:別記①】例句の「白面輪」は《顔》の意を表す古語オモワ(面輪)に「白」を冠した複合語。使用例を見ないので作者の案出によるものであろう。「白」は名詞の上に付くところからシラと読むのがよいか。

【今日の季語3589:別記②】古代語のオモ(面)は単独でも《顔》の意に用いられたが、オモザシ(面差)・オモカゲ(面影)などの複合形を取ることも多い。オモワもその一つで、《輪郭》の意を表すワ(輪)と結び付いた熟語にあたる。

【今日の季語3589:別記③】万葉集巻九には古代の美人女性のふっくらとした顔立ちを「望月の満(た)れる面輪」と表現した例があり、この語の第三拍がハではなくワ(輪)であったことを示している。

【今日の季語3589:別記③】万葉集巻九には、古代の美人とされるふっくらとした女性の顔立ちを「望月の満(た)れる面輪」と表現した例があり、この語の第三拍がハではなくワ(輪)であったことを示している。

【今日の季語3589:別記④】現代語の「車輪」や「竹輪」などにもワの本義にあたる《丸い形》の意が残っているが、ハニワ(埴輪)にもこれが認められる。

【今日の季語3589:別記⑤】この遺物の呼称は《ハニ(埴=粘土)で作られたワ(=輪状のもの)》の意から出たもの。本来は円筒形の土器を指す呼び名で、それが人の形を象ったものについても用いられるようになったことが知られる。

2019年10月25日(金)

鶴来るやや撓みたる杖のごと 公彦

2011年10月25日(火)騒がしき芥の空に鶴来る 公彦

今日季語3588<666】鶴来る(つるきたる):晩秋生類季語で「鶴渡る」「田鶴(たづ)渡る」傍題でも。この時季、越冬ためにシベリア方面からナベヅルなど各種鶴が日本南部に飛来する。北海道丹頂鶴は留鳥。◆鶴来るために大空あけて待つ(後藤比奈夫)

【今日の季語3588:別記①】万葉集には「念鶴鴨(思ひつるかも)」のように「鶴」字の訓を借りて助動詞のツルにあてた例が多いことから、この語がすでに存在したことは明かであるが、鳥自体を詠む場合にはツルではなく専らタヅを用いる。

【今日の季語3588:別記②】これは一般語のツルに対して、タヅは歌語として使用されたことを示すものと見られる。

2019年10月24日(木)

@twryossy 霜降や半袖パジャマ頼りなし 公彦

【今日の季語3587<665】霜降(そうこう):二十四節気の一つ。前節の「寒露」から十五日を経て大気は日ごとに寒冷の度を増し、それに応じて露は霜に姿を変える。暦は今日から晩秋後半に。◆霜降の陶ものつくる翁かな(飯田蛇笏)

【今日の季語3587:別記①】例句の「陶(すゑ)もの」は《陶器》の意を表す古語で、五世紀頃に新羅から伝来した轆轤と穴窯による技法で作られた硬質の土器を指す。その別名として用いる「須恵器」の「須恵」は、この「すゑ」の万葉仮名表記。

【今日の季語3587:別記②】「須恵」の二字目にワ行の「恵」があてられているのは、この語がワ行動詞の名詞形「据ゑ」に由来するもので、これが轆轤に陶土を据えて作られることや、地上や陵墓の周囲などに据えられるものであったことから出たとする語源解がある。

2019年10月23日(水)

@twryossy 啄木鳥や牧場の紅葉進めけり 公彦
啄木鳥や十六ビートの名ドラマー 公彦

【今日の季語3586<664】啄木鳥(きつつき):三秋の生類季語。「けらつつき」の古名や、その省略形「けら」などの傍題も。樹皮の内側に潜む昆虫類を採食したり、巣穴を掘削するのに木を激しく突くところからこの名が出た。◆啄木鳥に日和さだまる滝の上(飯田蛇笏)

【今日の季語3586:別記①】古名ケラツツキから出たケラの短称は、これも傍題にあたる「小げら」「赤げら」「熊げら」などの属種名に用いられるが、そのケラツツキは中世以降に生まれた呼称で、平安期にはテラツツキと呼ばれていた。

【今日の季語3586:別記②】この新旧両形は中世末期ごろまで併用されたが、江戸期にキツツキの新形が登場し、やがてこれが主流を占めて現代に至っている。

【今日の季語3586:別記③】原形のテラツツキには、聖徳太子に滅ぼされた物部守屋(もののべのもりや)の魂がこの鳥に化して、彼の領地に建立された寺を壊そうとしてつついたところからこの名が生まれたという語源説がある。

【今日の季語3586:別記④】そのテラがケラに転じたのは、意味不明なテラを、この鳥が木の中から"虫けら"をつつき出すに引き当てて合理化した、民間語源解に起因すると見られる。それがさらにキに転じたのも、これをさらに明確にしようという意識から出たものであろう。

2019年10月22日(火)

@twryossy 秋深しHuluを見る妻Spotifyを聴く夫 公彦2011年10月22日(土)
秋闌の八ヶ岳の写真に吸い込まれ 公彦

【今日の季語3585<663】秋深(あきふか)し:晩秋の時候季語で「秋深む」「秋更(ふ)く」「秋闌(た)く」などの動詞形傍題も。秋冷が日ごとに深まるにつれて、紅葉が残り少ない秋を惜しむかのように山野を美しく彩る。◆語らざるものみな深みゆく秋に(中村田人)

【今日の季語3585:別記①】本題のフカシ(深)と傍題のフカムが同じ根に繋がる形容詞と動詞の間柄にあることは、同じ漢字があてられることからも明かであるが、表記の異なる傍題のフク(更)もまた、フカシとの間に同様の類縁関係が認められる。

【今日の季語3585:別記②】フカムは、形容詞フカシの語幹フカに接尾辞ムが付いて生まれた他動詞であるのに対して、フクはそのフカを、フケ・フクルと下二段に活用させて動詞化したところが異なるが、両語がともにフカシを母胎としているところに血の繋がりがある。

【今日の季語3585:別記③】このような繋がりは、これも傍題に出るタク(闌)と、別題「秋高し」に用いるタカシ(高)との間にも存在する。タクはタカシのタカを、タケ・タクルと下二段に活用させたところに、フカシとフクの間に見られるのと同じ関係が認められる。

【今日の季語3585:別記④】タクとフクは、それぞれある物事の状態について《高くなる》《深くなる》意を表す動詞であったのが、特に時間の経過をいうのに用いられるようになった、意義変化の面にもまた共通したものがある。

  

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2019年10月14日 (月)

おは!twitter俳句(檸檬)と台風19号の被害

台風15号の被害が回復せぬ内にもっと大きな台風19号が来た。

被害の大きさが今日位から明らかになりつつある。

歴史的な被害の状況です。

Facebookの各俳句グループにも短歌グループにも台風のことが取り上げられています。

その中でこの句が印象的だった。

  浸水の家の柱の赤い羽根 つちたにjt純一

これに対してこう書いた。

よく見てますね。リアリズムの句は訴える力が強いですね。水害の句の中ではこれが出色だと思いました。

それに対してこういう返事が来た。

ありがとうございます。俳句は時に一瞬の観察力が勝負と教えられています。ですから、とても嬉しいです。

こういうやりとりを毎日行っている。

俳句も短歌も頑張りたい。

ーーー

この一週間の俳句と短歌です。

2019年10月14日(月)



@twryossy レモンティー二杯で勇躍闘いへ 公彦
2011年10月15日(土)
冷蔵庫に忘れさられし檸檬かな 公彦


【今日の季語3578<656】檸檬(れもん):晩秋の植物季語。初夏に開いた香り高い花が当季に実を結ぶ。インド原産の柑橘類で、漢字表記は英語lemonの中国訳語に由来する。◆レモン一片ラガーの疲れはや癒ゆる(山口誓子)

2019年10月13日(日)



@twryossy 菊膾「清友」で食いし人遥か 公彦
2011年10月14日(金)
菊膾逝きたる人に生かされて 公彦


【今日の季語3577<655】菊膾(きくなます):晩秋の生活季語。食用菊の花弁を軽く茹でて三杯酢などにしてほろ苦い甘さを味わう。主産地の山形県で薄紫色のものをいう「もってのほか」の別名が最近ではすっかり定着して傍題にも。◆東京をふるさととして菊膾(鈴木真砂女)


【今日の季語3577:別記①】この別名が、ある事柄の程度が予想を超えて甚だしいさまを表す複合語から出たものであることは明かであるが、その"程度"が良し悪しのいずれにあたるかという相違に起因する両様の語源解が見られる。


【今日の季語3577:別記②】モッテノホカは本来「以外」の漢文訓読語として定着しもので、その「以」には《思う》の字義も備わるところから、《予想外》の意に用いられるようになった。


【今日の季語3577:別記③】ただしそれは好ましくない状態をいうのに用いられることが多く、この別名についても、天皇家の紋章の菊を食するのはとんでもないことだ、と捉えたところから出たと見る解がある。


【今日の季語3577:別記④】これに対して、この表現を逆に、好ましい状態を言うのに用いたものと捉えて、この食物の思った以上の美味さを表したところから生まれたと解する立場もあり一般にはこちらが支持されている。


【今日の季語3577:別記⑤】このような逆転現象は他にも類例がある。普通でない悪い状態をいうケシカラヌはケシ(怪)の強調表現で、現代語にも受け継がれているが、中世頃にはこれが逆に《並外れて素晴らしい》意に用いられていたのは、その一例にあたる。

2019年10月12日(土)



@twryossy 高鳴きの百舌の早贄串刺しに 公彦
2011年10月13日(木)
百舌鳥鳴きて散弾銃の音のごと 公彦


【今日の季語3576<654】鵙・百舌鳥(もず):三秋の生類季語。高い梢に止まって縄張りを主張する鋭い声をいう「鵙の声」「鵙の高音」や、それを天象と結んだ「鵙日和」などの傍題も。◆さだかにも庭木に鵙の好き嫌ひ(篠塚しげる)


【今日の季語3576:別記①】例句は、別題「鵙の贄(にえ)」としても扱われる、この鳥が捕らえた虫や小動物を木の枝に刺しておく習性を詠んだもの。庭木の枝に刺し置かれた捕獲物にその鳥の好き嫌いが定かに顕れていると見定めた。


【今日の季語3576:別記②】万葉集にはモズを詠んだ歌が二首あり、これを「百舌鳥」「伯勞鳥」の熟字訓としている。両例はともに「百舌」「伯勞」の漢名にもとづくもので、漢籍に由来する表記にあたる。


【今日の季語3576:別記③】「百舌(鳥)」は現代まで受け継がれた表記であるが、これは、モズが他の鳥の声をさまざまに真似るところから、《多くの声》の意を表す「百舌」の熟字表記が生まれたものと見られる。

白露 ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/p 2019年10月11日(金)


@twryossy 2011年10月12日(水)
身に入むや夏の訃報の 今日届く 公彦
身に入むや就中腰に痛みあり 公彦


【今日の季語3575:別記①】シムには「入」の他に「染・沁・浸・滲」などの漢字もあてられ、それらはいずれも「氵(さんずい)」の意符を共有している。これは、「入」が《作用》を表す用字であるのに対して、後群はその主体が《液体》であるところに主眼が置かれている。


【今日の季語3575:別記②】現代ではその意味を表すのにシミルを用いる。これは本来四段動詞であったシムが、後に上二段シムルを経て上一段に変化したもので、両活用は併用されながら、やがて江戸期の口語では現行のシミルが主流を占めるに至った。


【今日の季語3575:別記③】上記のシムが《しみ入る》意を表す四段活用(シミ・シム)の自動詞であるのに対して、他のものに《しみ込ませる》意を表す下二段活用(シメ・シムル)の他動詞が一方に存在した。


【今日の季語3575:別記④】現代語のシミジミ(古くはシミシミとも)は前者の名詞形シミを重ねた副詞であり、ニシメ(煮染)のシメには他動詞から生まれた名詞形が残存している。


【今日の季語3575:別記⑤】これらとは別に、シムにはその母音交替形にあたる同義の四段活用(ソマ・ソミ)自動詞ソムと、これに対する下二段活用(ソメ・ソムル)の他動詞も存在した。


【今日の季語3575:別記⑥】前者は「気にソマぬ仕事」などに僅かにその片鱗を見るにとどまるのに対して、後者は下一段動詞ソメルとして現代通用語の地位を保ち続けている。


2019年10月10日(木)



@twryossy 無花果の甘さとイラクの太陽と 公彦
★イラクの陽をたっぷりと浴びた果物はおいしい。トマト等は日本の昔の味だ。無花果はもともと小アジアが原産と言われこれも美味しい。その甘さはイラクの太陽に起因すると思う。
無花果を二つに割りて話聴く 公彦


【今日の季語3574<652】無花果(いちじく):晩秋の植物季語。小アジア原産で江戸初期に日本に渡来。花托内側の粒々が花にあたるが、それを食用とするところから漢熟語「無花果」が生まれ、日本ではこれにイチヂクの読みをあてた。◆無花果の中はいくさの火種かな(瀧 春樹)


【今日の季語3574:別記①】中国の本草学書では「無花果」の別名として「映日果」を掲げる。これは、この植物の中世ペルシャ語anjirの音訳表記に「果」を付けたもので、その近世中国語イン-ヂ-クヲの発音を日本ではイチヂクと聞いたと解する語源説がある。


【今日の季語3574:別記②】『大和本草』<1709>「無花果」の項には、イチヂクに添えてタウカキ(唐柿)の別名が掲げられてあり、当時は意訳によるこのような呼称もあったことが知られるが、主流を占めるには至らなかった。


【今日の季語3574:別記③】この別名は、『日葡辞書』<1603>「Caqi.(柿)」の葡語訳に「林檎に似ている日本の無花果」とあることを想起させる。自国に存在しない果物を、それに似た別のものになぞらえて捉えたところに共通するものがある。


【今日の季語3574:別記④】イエズス会宣教師ジョアン・ロドリゲス編『日本教会史』には、初めて来日した西欧人が目にした「柿」は干し柿で、その外見が西欧の無花果に似ているところから、その葡語figoをこれにあてたと解する記述がある。

2019年10月09日(水)



@twryossy 薄紅葉蒼空とまだまだ張り合えず 公彦
2011年10月08日(土)
薄紅葉朝陽を受けて揺れにけり 公彦


【今日の季語3572<649】薄紅葉(うすもみじ):仲秋の植物季語。まだ緑を残しながらうっすらと紅や黄に染まり始めた木々の葉をいう。同季別題の「初紅葉」よりもやや紅葉の度合が進んだ時季に用いる。◆ときめきはきのふのこころ薄もみぢ(上田五千石)


【今日の季語3572:別記①】旧仮名遣では、例句の「もみぢ」に見るように、この語の第三拍はヂの仮名を用いるが、これは平安期以降の語形に従うもので上代では「毛美知」などの万葉仮名が示すように清音形モミチであった。


【今日の季語3572:別記②】そのモミチは《秋に草木の色が黄や紅に変わる》意を表す古語動詞モミツの連用形名詞にあたる。この動詞は万葉集歌の「黄葉山(もみたむやま)」のモミタ(未然形)や「毛美知多里(もみちたり)」のモミチ(連用形)が示すように四段に活用した。


【今日の季語3572:別記③】この動詞の熟字表記には、上記の「黄葉」や「黄変」のように「黄」字が用いられ、名詞のモミチ(バ)にも「黄葉」が多用され、「赤葉」や現行の「紅葉」は各1例に過ぎない。


【今日の季語3572:別記④】この事例は、漢籍からの影響と併せて、大和地方では紅葉よりも黄葉に染まる草木が多かったという、植生に関する要素も大きいと見られる。


【今日の季語3572:別記⑤】上代のタ行四段動詞モミツは、古今和歌集<905-914>の「しぐれつつもみづるよりも」のモミヅルに見るように、平安期以降に上二段化し語尾も濁音化してモミヅに変化した。それに対応して名詞形もモミチからモミヂへと色を変えた。

2019年10月08日(火)



@twryossy 2019年10月08日(火)
寒露雨上がりて自転車


【今日の季語3571<650】寒露(かんろ):二十四節気季語の一つ。前々節の「白露」の頃に生じた露が、大気の冷寒のきざしを受けて次第に霜に近い状態になるところからこの名が出た。暦は今日から晩秋に。◆みづうみの光れるけふを寒露かな(伊藤敬子)


【今日の季語3571:別記①】例句の「光れるけふを」は、ここを「けふの」として、そこまでを「寒露」に掛かる連体修飾句とする詠法もあるが、作者はその途に就かずに「を」による連用格の句形を選んだ。


【今日の季語3571:別記②】このようなヲ格を取るには、語法上はこれを受ける用言が必要であるが、本句はそれを露わにせずに「寒露かな」と体言に「かな」を添える形で応じた。


【今日の季語3571:別記③】このようなヲ格を受ける「かな」の句法は、よく知られた「負くまじき角力を寝ものがたりかな(蕪村)」をはじめとする俳諧作品に少なからぬ先例がある。


【今日の季語3571:別記④】切字の「かな」には、これらの例に見るように、用言を表に出さずその中に包み込んで余韻として響かせる、俳諧的句法と呼ぶに相応しい懐の深さを感じさせるものがある。

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