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2006年9月24日 (日)

「憲法九条を世界遺産に」(2)

九州大学同窓生九条の会のブログにフルデータの引用がありましたので再掲します。

(お帰り!太田君!)

今後とも全文引用大歓迎です。

「憲法九条を世界遺産に」(2)

続きを書きます。

「憲法九条を世界遺産に」という発想がどこから出て来たかというという事は前回書きましたが、具体的には「太田光の私が総理大臣になったら・・秘書田中。」と言う番組のマニフェストとして出したようだ。

結局テレビ局の意向で「自衛隊の駐屯地を田んぼにする」というテーマに変えさせられたようだが、彼はこのことを本気で考えている。

珍品ぶりがどこから来るのかを探る事はとても重要で、その上ではじめてそんな珍品を簡単に捨てていいのかという議論が可能になるという。

この突然変異としてのユニークな憲法論は前回述べました。

合作からうまれた価値私がひき付けられた太田の文章を引用します。

太田:
「改憲すべきだという人が、自分の国の憲法は自分の国で作るべきだと、よく言います。でも僕は、日本人だけで作ったものでないからこそ価値があると思う。

あのときやってきたアメリカのGHQと、あのときの日本の合作だからこそ価値があると。

アメリカとしては、あの憲法は日本に与えて実験的な国をつくってみようという意図があったのかもしれない。

だから、あそこまで無邪気な理想論が生まれたのでしょう。

アメリカの無邪気なセンス、僕は大好きなんです。

僕はふだん反米的なことも言っているけれど、日本国憲法を見ると、改めてアメリカっていいなって思うんですね。 

といって、あの憲法をアメリカが持ち帰って、自国の憲法にしようとしても、アメリカ人が絶対守れるわけがない。

価値があるのは、日本人が曲がりなりにも、いろんな拡大解釈をしながらも、この平和憲法を維持してきたことです。

あの憲法を見ると、日本人もいいなと思えるし、アメリカ人もいいなと思える。

すごくいいことじゃないですか。 

その奇跡の憲法を、自分の国の憲法は自分で作りましょうという程度の理由で、変えたくない。

少なくとも僕は、この憲法を変えてしまう時代の一員でありたくない。」

太田の言葉はすごく自分に引き付けている。(短歌の世界でも自分に引き付けて歌えということを私の短歌の先生である碓田のぼるはよく言う)「この憲法を変えてしまう時代の一員でありたくない。」ということは改憲を体を張ってでも阻止するという不退転の決意に聞こえる。

この本の終わりの方に太田のこんな文章もある

「・・若い人たちが、自殺サイトで死んでいくのも、この世に中に感動できるものが少ないからなんでしょう。それは、芸人として、僕らが負けているからなんだと思うんです。 

テレビを通じて、彼等を感動させられるものを、何ら表現できていない。

極論すれば、僕の芸のなさが、人を死に追いやっているとも言える。だとしたら、自分の感受性を高めて芸を磨くしかないだろう、という結論に行き着くわけです。」

対談相手の中沢はここで仰天して「かつて、こんな芸人がいただろうか(笑い)」と語っている。

太田は世界の全てを自分に引き付けている。

自分に引き受けている。

こんなまじめな人間は珍しい。

サイトで彼はウヨサイトの罵詈雑言の書き込みに非常に落ち込むというような事を書いていた。

彼には全ての人間が救済の対象なのだ。

彼は阿修羅なのだ。

彼は仏陀なのだ。

私のように罵詈雑言は無視や削除で取り合わないと言う態度ではない。

太田の芸人として面目躍如な9条論はここにある。

「僕らお笑いの人間は、面白いか、つまらないかを一つの価値基準にしています。

漫才でどれだけ頑張ってみせても、人が笑わなければ何の価値もない。

面白いのか、つまらないのか、そのお笑いの判断基準でいえば、憲法九条を持っている方が絶対面白いと思うんです。

これは確信できます。
無茶な憲法だといわれるけれど、無茶なところへ進んでいくほうが、面白いんです。

そんな世界は成立しない、現実的じゃないといわれようと、あきらめずに無茶に挑戦していく方が、生きてて面白いじゃんって思う。

憲法九条というのは、ある意味、人間の限界を超える挑戦でしょう。

たぶん、人間の限界は、九条の下にあるのかもしれない。

それでも挑戦していく意味はあるんじゃないか。・・」 「神が沈黙したときに、それでもしゃべり続けるのがコメディアン」という言葉もすごい。

「濃密な時間のあとで」というあとがきでの最後に中沢がこう言っていることを紹介してこの稿を終わります。

「憲法9条を「世界遺産」のひとつとして考えてみるときにはっきりと見えてくるこの国のユニークさだけは、明瞭にしめすことができたのではないかと思う。」

この本は9条の関係の本としては非常にユニークです。

彼は「そんなつまらないところに行きたくないと思っている」と言っているが最後にあえてもう一度言います。

太田光を9条連合の候補に推薦します。

追記

出てきた本や芸術関係の紹介です。

彼がどんなに幅広い知見を持っているかが分かります。

宮沢賢治の政治思想「月夜のでんしんばしら」「シグナルとシグナレス」に見るレーニンの影響(中沢)

田中智学の政治思想テリー・ギリアム 

映画「フィッシャー・キング」「ローズ・イン・タイドランド」

ジョン・ダワー 「敗北を抱きしめて」(岩波書店)

魂の民主主義 (築地書館)(平和憲法を作り出したアメリカ人の発想の中にある先住民の考え方)

ホメロスの詩

シオドーラ・クローバーの「イシ 北米最後の野生インデアン」(行方昭夫訳・岩波現代文庫)(アメリカインデアンと学者の交流の記録)

映画「ラスト・サムライ」にみるインディアンを殺したアメリカ人の贖罪感

ドン・キホーテ

坂口安吾 「満開の桜の下」

山本常朝 「葉隠」

チャップリン 映画「ライムライト」(薔薇は美しく咲こうなどとは思っていない。・・日本の松も・・・)

池波正太郎「鬼平犯科帳」

安楽庵策伝「醒酔笑」

三遊亭円生の落語人間の仕草についての考察

ミラン・クンデラ 「不滅」(菅野昭正訳 集英社文庫)

「きけ わだつみのこえ」の作られ方

五木寛之 「青年は荒野をめざす」のナチスのエピソード

藤田嗣治の戦争画

以上

 

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コメント

本当に、太田光のバックグラウンドはものすごいですよね。ここに挙げられた一覧は、とても参考になります。
宮沢賢治には、私も1995年頃に一時はまったことがありますが、96年の生誕百周年のブーム時には、ちょっと引いていました。その後、吉田司氏の批判的論考なども読みましたが、吉田氏の本も「憲法九条を世界遺産に」の中で挙げられていましたよね。
賢治の作品自体もまた読み直してみたいなと思っています。
あと、私が一番印象に残ったのは、中沢さんの発言の部分ではありますが、憲法九条の無力さについて、キリスト教の「神の沈黙」と重ね合わせて論じている箇所です。それでも憲法九条を守るんだ、という思想に感動しました。
これは、誰が読んでも遠藤周作の「沈黙」を思い起こさせる論考です。最近、テサロニケ氏の「世に倦む日日」がやはり護憲の話と「沈黙」を結びつけて論じていましたが、深みの点でテサロニケ氏はこの本の足下にも及ばないと思いました。
さらに、安倍の恥書「美しい国へ」も同じ遠藤の「沈黙」について言及しているらしいんですが、安倍がそこから導き出した結論は、ナナナナナント!「郷土愛」だったそうです。なんと素晴らしい知性!アベチャン万歳!
(この件について、これお・ぷてらさんのブログでコメントのやりとりをしました。
http://blog.goo.ne.jp/longicorn/e/56d4d21fccde8c2125ba9c9a42346c88)

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