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2006年10月16日 (月)

映画「出口のない海」を見ました。

映画「出口のない海」を見ました。

人間魚雷に乗り込む甲子園優勝投手並木とその仲間達
「聞けわだつみの声」を思い出しました。

 戦争が終わって「回天」に残された並木の遺書にみる妻美奈子に対する思いやりが痛い。    

美奈子へ

   なにも本当のことを話さないうちに、さよならすることになってしまった。    

ごめんよ。

   謝る言葉しか浮かばない。

でも、敢えて言おうと思う。

君にお願いがある。

   しばらく僕の分身になってくれないだろうか。    

僕が見ることのできなくなってものを、君に見てほしい。.    

 たとえば、今日の夕暮れの美しさを。 

   たとえば、夏の海のきらめきを。  

  たとえば、色づいた柿の赤さを。    

 たとえば、雪で覆われた高円寺の街並みを。  

  僕の代わりに見てほしい。  

  そうして、美しいものを見ながら一年が過ぎたら、僕を忘れてほしい。

   僕を消し去ってほしい。    

 誰か良い人を見つけて、溢れるような幸せを掴んでほしい。

    たった一つ、それだけが気がかりだから、何度でも言う。

    幸せになってほしい。    

 幸せになると約束してほしい。

   君には、生きて、生きて、もう嫌だというまで生きてほしい。

    幸せに。どうか幸せに。

この手紙だけでもこの映画は芸術として成立している。

はじめの頃の海軍対潜学校の正面、便所、手洗いのシーンは九大の本学の正門辺りが使われていました。
他にも九州・山口が多く使われていたようです。

「出口のない海」 いいネーミングだと思います。

こんなネーミングを必要としない為に今何が必要か・・

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コメント

はじめまして。
並木の遺書が読めて嬉しかったです。
TBありがとうございました。

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