夫婦の技術
福岡から新宿へのバスの中でこんな本を読み終わりました。
夫と妻、いい関係 とってもいい話 安定した心理、ハリのある人生を楽しむ 斉藤茂太著 三笠書房 知的生き方文庫わたしの時間シリーズ
この本については前に紹介記事を書きましたが少し中身を紹介します。
いい夫婦の秘訣はお互い”少々ガマンする”ことだそうで黙って耐えろではなく”表現して耐える”ということらしい。
これがなかなか難しい。
今回読んだ第五章『「ほんものの夫婦」になりたい!』から紹介します。
夫婦の楽しみは、相手と自分の違いを発見する喜びにあるのではなかろうか。相手のさまざまな長所や短所を発見するのは、意外に楽しいものである。この発見は金婚式を迎えた五十年夫婦でも変わることがない。
我が家は3月で満32年 まだまだ金婚式まで間があるが・・・・。
熟年離婚に触れながら
夫婦が、二人の相互作用で築き上げられるものだとしたら、”そうなるように仕向けたこと”への責任もあるだろう。
夫婦の責任は常に50対50なのだろう。
評論家の塩田丸男さんが「愛妻物語」の中で「愛妻家であるかどうかを測るには、夫がどのように妻を愛しているかより、夫がどのくらい妻から愛されているかを観たほうがいい」といっている。妻を愛するどりょくよりも、妻から愛される努力をすることが、大切なのではないか。
人間は耳の痛い言葉に反応する。
美意識や思想が一致しないほうが夫婦はうまくいくようだが、少なくとも相手を無視する態度をとったり、相手の考えをばかにするような態度をとっていると、うまくいかない。最初から違った二人が一緒に暮らしていくのだから、違いがあるのは当然だが、その溝を、日常的な会話の中で双方が埋める努力をしなければ、うまくいかないのである。
夫婦の間には違いがあることを前提にしないと誤解が生じる。
妻への一言
心ある女性ならば、亭主が耳を貸してくれる愚痴と、そうでない愚痴をいつかは見分けるものである。そして持ち出すタイミングや、いい方にも工夫するようになる。そういう技術を身につけてこそ、はじめて円熟した夫婦といえるのではないだろか。
趣味をもっている人はうつ状態になりにくいのではないか。 今は仕事が忙しくて趣味を持つ暇がない。定年になったら悠々と探せばいい」と考えている人もいるだろうが、これは思い違いだ。暇つぶしの趣味という考えは改めたほうがいい。忙しい中でいかにそれに熱中するかということがあってはじめて、趣味は生き甲斐になるのだ。だから、忙しい人ほど趣味を持つべきだ。 俳人の故・楠本憲吉さんは、大阪の料亭「灘万」の長男だった。跡取りの立場だったが、親の期待に反し俳句の道に進んだ。 その楠本さんの口癖は。「男子は趣味に生きるべし」だった。
決して俳句だけが趣味ではない。
倦怠期にふれながら
倦怠は、要するにストレスである。ストレスはじわじわ少しずつ蓄積していく。そして、ある日急激な変化となって表れる。それがイライラだったり、ムシャムシャだったりするわけだ。 そのときにまとめてストレスを解消しようとしても、すでにお遅いのである。少しずつたまった分だけ外に放出することが、最良の解消法となる。 ・・・忘れようとするより、まったく異なった状況に自分を置いたり、普段の自分とは違ったことをするほうが、いいストレス解消法になる。つまり空想の中で、急激に変身してみるのである。 私は、深夜密かに大交響楽団の指揮者になって、手を上げたり振り下ろしたりして、大編成のナントカ・フィルハーモニーを指揮して見る。 こうして普段のペースをときどき変えてみるのだ。 「チェンジ・オブ・ペース」である。
山崎正和さんによると、明治の男性の中で、森鴎外ほど家庭というものを意識的に、いわば壊れものに触れるように取り扱った人はいないそうである。鴎外は学生時代から祖母や母や妹といった女たちと、楽しく会話することができ、”うちづら”がとてもよいとう評価を得ていた。 この、”うちづら”のよさが、やがて二度目の結婚で、気むずかしい母親とわがままな妻の間にはさまれたとき、鴎外を助けた。母には一家の家計をまかせて安心させ、妻の志げには、不満を小説に書かせて解消させた上、自らの尽力でそれを出版するというご機嫌とりまでやっている。その結果、鴎外は、一度は離婚という不幸な目に逢ったものの、その後は家庭の平和を保つことができた。 家庭は、人間の性格形成に深くかかわっている。そこでは夫婦が何らかの強い絆を持っていなければ、子供は育たないし、家庭は崩壊してしまう。 日本の男たちも、外に向いている目を、そろそろ内に向けなくてはなたない。
先月たまたま津和野の森鴎外の碑を見たので鴎外家の事に興味がありますので引用しました。
参考:津和野散策
この本の最後の行がこの
日本の男たちも、外に向いている目を、そろそろ内に向けなくてはなたない。です。
著者の斉藤茂太さんは斉藤茂吉のご子息で昨年亡くなられました。
ご冥福申し上げると共にこの本を残してくださったことに感謝します。
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