2007啄木祭参加記
本記事はオーマイニュースに啄木の新しい魅力として掲載されました。
本日5月20日発明会館ホールにて新日本歌人協会の主催で開催された2007年啄木祭に参加しました。
3人の講師の講演と短歌群読と啄木コンクール入賞者の表彰がありました。
第一講演は「新日本歌人」の田中礼さんの「啄木ー心と時代をうつすもの」という講演で多くの例歌及び文章を挙げての啄木の歌と評論の分析をするものでした。
第二講演は「芸術と自由」の梓志乃さんの「啄木の都市詠にみるもの」という講演で啄木の都市詠を抜き出した準備に時間のかかったと思われる講演でした。
梓さんは八丁堀のパンドラという喫茶店で短歌サロン「9条」というつどいもやられています。
短歌群読で読まれた二十一首の内一首を紹介します。
憲法の遵守を口に触りるさえ腹括るべき日は到りけり 松岡正富
啄木コンクールの入賞者はなく佳作は相澤寿美子さんと後藤瑞義さんでした。
(大津留の作品「55歳の転職」は一次選考はパスしましたが二次選考で落ちました)
傘下された田相澤さんの『午後の教室」から一首紹介します。
教卓の湯呑に挿せるフリージアの茎を回して生徒の過ぎる 相澤寿美子
第三講演は「りとむ」の三枝昴之さんの「啄木の新しい魅力」という講演。
少し中身を紹介します。
啄木はいろんなところでスポットライトが当たっている。
それはワーキングプアが
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る
と必ずセットになって紹介されていること
大正生まれの歌人にインタビューする機会があったが半分くらいが短歌を始めたきっかけは啄木だったと答えた。
昭和に起こった二大潮流である生活派(プロレタリア)短歌とモダニズム短歌はどちらも啄木が源流
短歌の三大テーマ(青春・貧乏・病気)を一人で全部持っているのは啄木のみ
更に都市生活+望郷+社会意識も持っている
芥川賞の受賞作品「蛇にピアス」や「蹴りたい背中」に啄木の作品ををイメージした。
自分なりのまだ発掘されていない啄木の魅力を探して下さい。
実相観入などいろんな短歌観があるが「手間隙がかからない・・日本人が待つ数少ない幸せの一つ」(啄木24歳
の時の言葉)という短歌観は最後まで残り百年後の人間にも適用できる。
この講演には触発されました。
こんな短歌が出来ました。
自分なりの啄木を見つけて行きたいと思います。
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