白洲次郎の「プリンシプルのない日本」を読んだ。
白洲次郎の「プリンシプルのない日本」を読んだ。
「プリンシプル」は彼の口癖だ。
プリンシプルとは原理原則 筋 真っ当さだろうか
この感想文を書く為にNHKであったそのとき歴史が動いたの白洲次郎の番組をyoutubeで見た。
その紹介は前の記事「マッカーサーを叱った男」で書いたのでそちらを見て頂きたい。
かなり番組はこの「プリンシプルのない日本」から採った分が多かったのでダブらないところを紹介したいと思います。
まずは戦前・戦中・戦後にこういう人が日本に居たということを嬉しく思いました。
この本に貫かれているのは戦争をしてしまった後世への責任という思いです。
それをすごく強く感じていることを後世の人間年として受け止めました。
それが忘れられかかっている所に今の政治の問題点が噴出しているような気がします。
その思いを紹介しましょう。
吾々の時代にこの馬鹿な戦争をして、元も子もなくした責任をもっと痛烈に感じようではないか。日本の経済は根本的の建て直しを要求しているのだと思う。恐らく吾々の余生の間には大した好い日を見ずに終わるだろう。それ程辞退は深刻で、前途は荊の道である。然し吾々が招いたこの失敗を、何分の一でも取り返して吾々の子供、吾々の孫に引継ぐべき責任と義務を私は感じる。 (文芸春秋1953年6月号)
この馬鹿な戦争を起こした政治家の子や孫が今の馬鹿な政治をしている。
白洲次郎が生きていたなら一喝するだろう。
何せマッカーサーまで一喝した「従順ならざる唯一の日本人」だったのだから・・・
白洲次郎は日本国憲法の誕生に関わっている当事者である。
マッカーサー及びGHQとの交渉の当事者である。
先頃行われた9条世界会議で喋られたベアテ・シロタ・ゴードンさんと対を成す一方の当事者である。
かなわぬことであるが二人の対談が行われたら面白かったろうと思う。
きっと同じ思いを共有できただろう。
しかし白洲次郎は当時のシロタさんたちの苦労は知らなかったようだ。
白洲次郎はこう書いている。
新憲法の原案は米軍が進駐以前、オーストラリアあたりに司令部があった時分にすでにその草案があったような気がしてならない。日本側からおそるおそる提出した憲法改正案には目もくれず、彼らの手になった新憲法案を日本政府に強圧したことは間違いのない事実である。始めから新憲法を押し付ける決心であったかどうかは別として無理のない事情もあった。それは松本蒸次博士による日本政府最後の憲法修正案も天皇主権であったからだ。終戦直後においても事態の認識はあまかったようだ。この認識のあまさが、戦争自体を誘発下ともいえるが。 p225
この押し付け論に関しては2007年4月29日NHKスペシャル 「日本国憲法 誕生」で新事実が放送された。
その内容がこの白洲の推定への一部の回答となると思うので私の記事を再掲します。
「日本国憲法 誕生」を見て紹介します。
・国民主権・生存権・義務教育・戦争放棄は民間の団体・憲法研究会の案の中に全て入っていた。
・GHQの中心人物ラウエル中佐は憲法研究会の案に感心していた。
・憲法研究会の中心人物 森戸辰男は天皇について「君臨すれども統治せず・国民の委任により儀礼を司る」と今の憲法の考え方を既に打ち出していた。
・日本側は女性の権利を歌った憲法24条は「日本の文化に合わない」と言ったので16時間通訳して眠気が来ていたベアテさんはびっくりして目が覚めた。
・この条項はベアテ・シロタ・ゴードンさんの書いた物だったがGHQ民政局のケーディス次長は通訳で日本のことを知っているベアテさんも必要といっているので残したらと言い結局「パス」した。
また9条の会を応援する有志のブログ のNHKスペシャル 「日本国憲法 誕生」のも参考になります。
日本国憲法が占領軍の不完全案を一方的に押し付けられたものではないことを、新たに明らかになったさまざまな資料から解き明かしてゆく。
GHQは、日本政府から斬新な憲法草案が提示されることに期待し、度々督促していたが、明治憲法の呪縛に縛られている日本政府の松本委員会の草稿が毎日新聞によってスクープされた内容を見て、あまりの旧態依然さに驚いた。 このままでは、埒が明かないと考えたGHQが、在野の「憲法研究会」の憲法草案に大いに感銘を受け、これも参考にしながら、25名の憲法起草チームに命じて短時間に草稿を創り上げたのである。 1週間ででっち上げたと批判する人が居るが、元となる「憲法研究会」の憲法草案を既に翻訳し終わっていたという好条件もあったのである。。この憲法研究会の草案が、自由民権運動期のさまざまな民間憲法案、特に植木枝盛の「日本国 国憲按」を研究して鈴木安蔵によって草稿が作成され、研究会に結集した鈴木安蔵を含む7名の討論によってより良いものにされていったものであることは、このブログで長期連載した
この「日本国憲法は押し付けられたか?」の連載は非常に貴重なものですので憲法に興味のある方には一読を薦めます。
またJUNSKYblog2008のNHKスペシャル 「日本国憲法 誕生」見ましたも参考になります。
さて話を白洲に戻そう。
こぼれ話を書くと
・天皇は国家のシンボルでらうの「シンボル」という英語をどう訳そうかと翻訳官から聞かれてこの英和辞書には「象徴」と書いていると白洲が答えてそういう訳になったという。
・白洲はあと3人海外のことが分かった人間が政府にいたら戦争を止められたという。
・白洲は戦争は負けると思っていた。
・そして東京は焼け野原になり尋常でない食料不足をきたすと思っていたので南多摩郡鶴川村に居を構えた。
あとがきを書いている辻井喬と俳優座を主宰した千田是也は親戚筋に当たるそうです。
まだまだ紹介したいことはありますので機会があれば更に紹介しますが是非この本を読んで頂ければと思います。
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詳しくは以下のサイトをご覧ください。
なお、矢野氏の訴状を近日中のブログで公開致します!
■元公明党委員長、創価学会を提訴=「言論活動を妨害」−東京地裁(時事通信)
訴状などによると、矢野氏は2005年5月、創価学会の施設内で複数幹部に囲まれ、政界引退後に続けていた評論活動の中止を要求された。翌6月には多額の寄付も迫られ、「言論活動を妨害され、強い不安を抱いての日... [続きを読む]
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弁護士 弘中惇一郎
同 久保田康史
同 川端和治
同 弘中絵里
同 河津博史
同 大木勇
同 品川潤
当事者別紙当事者目録記載のとおり
損害賠償請求事件
訴訟物の価額 金5500万円
貼用印紙額 金18万5000円
(以下省略)
証拠方法
追って口頭弁論において提出する。
添付書類
1,資格証明書1通
2、訴訟委任状2通
当事者目録
〒162−0856東京都新宿区市谷甲良町1番27号
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やはり、相変わらず子供を殺す親がいる。
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このパレスチナも私はさっぱり解らない。
日本がガソリンを輸出する。
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・企業等で雇われていてもその中でエコを実践し、社内にアピールすることもできる
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「肯定」:今の... [続きを読む]
コメントありがとうございました。
『語弊』あったり『大激怒』する内容はありません。
介護は介護する方には地獄です。
たまたま私の両親は九州の湯布のグループホームに入れたので今は安心していますが両親だけで暮らしている時は心配でした。
要介護度とは別に痴呆レベルもあるのですね。
私の両親の要介護度はどちらも3だと思いますが痴呆レベルはわかりません。
今度夏に帰った時にでも聞いてみようと思います。
又『語弊』あったり『大激怒』する内容のコメントをお待ちします。
徹底的に反論してあげます・・(出来れば)
投稿: 大津留公彦 | 2008年5月14日 (水) 08時36分
お久し振りです。久々に近況報告です。
母は最大の危機を脱し、現在リハビリ中ですが…母の診療結果が出ました…。
要介護が5で痴呆レベルが4です…。ま、予測はしていましたが…。でも、私の名前はシッカリ覚えています。流石母親だ…(汗)
母が倒れた時に父がデイケアで利用していた施設のケアマネージャーと即座に相談し、施設に入れるしかないなと心の準備はしていました。覚悟はしていました。近日中に施設の予約をするつもりです。
言葉に『語弊』や大津留さんに『大激怒』を食らうのを覚悟をして言いますが、『介護の地獄』を何とか回避が出来た…と、思っています。
私の父親は『統合失調症』を抱えており、しかも身障者1種2級の人間です。母が倒れた後、ケアマネージャーと市の係りの人と私の説得で施設に入る事を決めてくれました。今は空き待ちの状態です。
私はと言うと…現在勤めている会社には今月中に『結論を出す』と☎しました。
幸い…と言うか、今の会社の前に務めていた警備会社の部長のご尊父が偶々赤十字に入院しており、まだ母が赤十字に入院していた時、赤十字のロビーで偶然会ったので、最悪と言うか、渡りに船と言うか、今月に求職しそこねたら其処に潜り込もうか…などと悪魔な考えも持っています。悪魔な考えですかね…(汗)
乱筆乱文になりスミマセン。北海道も遂に桜前線が通過したみたいです。マダマダ寒くてストーブ(!)を焚いたりしていますが、確実に季節は進んでいます。
旅好きの大津留さん。北海道まで足を伸ばしてミソ~♪旭川から見える大雪山には残雪が残っていて綺麗ですよ♪
グーグルで映像検索出きるページで北海道の映像が検索出来ます。
大津留さんも私に内地(!)の綺麗な風景の情報があれば教えて下さい。見てみたいから(^o^)
投稿: F104Jスターファイター | 2008年5月13日 (火) 22時44分
私は半年ほど前に読みました。
「風の男、白洲次郎」も読みましたが、第三者の目から見た人柄もなかなか興味深いものでした。
投稿: JUNSKY | 2008年5月11日 (日) 23時42分