デモにこそ本質がある
7月20日(日)に文京シビックセンターで行われました小田実さんを偲ぶ会の報告です。
少し遅くなったので今日行われた関西の集会の報告も出るかも知れませんが書きます。
明日2008年 7月28日(月)翌日午前0:10~翌日午前1:40(90分)総合/デジタル総合ハイビジョン特集「小田実 遺(のこ)す言葉」ああります。
名称
小田実さんが掘った「井戸」を掘り続けよう
[小田実さんを偲んで]
「小田実さんの文学と市民運動」を語り考える
★語り手★
第一部
玄 順 恵さん
『小田作品の集大成である遺作「河」にこめられたもの』
(小田実さんの奥さんです。キムジハを救う運動で一緒になられました。)
・ 小田は三木清に於ける修辞学(1967)という文章を書いており「修辞学にこだわったのは三木清と僕だけ」と言っていた。
・ 「学生時代に学んだギリシャ修辞学がべ平連以後の市民運動の基礎になったのではないか」と言ったら「そうかもしれない」と答えた。
・ 「河」(最新発行の未完の小説)執筆の動機は中国に1983年に半年滞在した時に広州コンミューン(1927年中国共産党が樹立したが、間もなく国民党軍の侵攻を受けた)の生き残りに出会ったこと。(広州コンミューンにはアリランの歌の主人公も参加した由)
・ 小田は「自分の文学は市民の文学、有島武郎に似ている」と言っていた。「ハーバードを出て作家になった日本人は二人以外にいない」と言っていた。
宮田毬栄さん
『小田実と金芝河救援運動』
(元週刊朝日記者で金芝河救援運動で小田さんと親交)
・ 金芝河の「長い暗闇の中で」を訳し、救援運動依頼の文書を十数人の著名人に送り返事をくれたのが小田さんだけだった。
・ 1974年の死刑判決以降、大江健三郎、遠藤周作、サルトル、ボーボワール、マルクーゼ・・と世界の著名人が賛同してくれた。
・ 怒りの激しさとやさしさと旅人である事においてキムジハと小田は似ている。
高史明さん(作家)
・ 「河」(まだ読んでいる途中だが)で「見てやろう」から「変えてやろう」になった。
・ 日本はこういう小説が出て来なければならない時代になった。
小森陽一さん(東大教授・九条の会事務局長)
・ 「河」は読んで評論書いているので読んで欲しい。
・ 人間にとって言葉とは何かが貫かれている。
・ 関東大震災・阪神大震災・9・11で思考を深めながら書かれている。
第二部
吉川勇一さん(べ平連からの盟友)
『人間の国へ』反戦、平和、その他「市民=議員立法」運動で、
共に『井戸』を掘った『小さな人間』(市民たち)
・べ平連から43年のお付き合いだがよく怒られた。気性の激しい人だった。
・ 関係の深かった鶴見俊輔さんが小田との架空対談を発表すると言っている。
・佐世保のエンタープライズ寄港反対のデモで二人だけでデモを始めたら最後は300人のデモになっていた。
・ 小田は「デモにこそ本質がある」と言っていた。
吉岡忍さん(ジャーナリスト)
・ べ平連の活動で10代から指導受けた。
岩井健作さん(元岩国教会牧師)
・ スローガンが小田さんの提起でヤンキーゴーホームからGi!goin us!に変わった
・ 「兵士である前に人間である」と米兵は言ったが「牧師である前に人間である」と学んだ。
穀田恵二さん(日本共産党国会対策委員長)
・ 阪神大震災の被災者の個人補償を実現させる課題でお付き合いさせて頂いた。
・ 選挙の応援もして頂いた。
・ 当時の村山首相・武村官房長官は日本は資本主義国家だから個人の財産に国費を投入することはできないと個人補償を拒否した。
・ その後成立した被災者生活再建支援法が去年の11月9日に改正され支援金の使途を住宅本体の再建にも使えるようになったので日本は資本主義社会でなくなった!
・ 小田さんは「この国は人間の国か?」と言われた。
・ 自分の個人スローガンは(小田さんに頂いて)「人間の国を作りたい!」
栗原君子さん(元参議院議員で、現在は新社会党中央執行委員会委員長)
・ 被災者の補償問題では参議院の控室が「栗原サロン」と名付けられ使用された。
・ 芦屋には「小林サロン」があった。
・ 98年の選挙で落選したが広島まで何度か応援に来て頂いた。
・ 小田さんは周りの人を巻き込んで一緒に運動させる何かがあった。
・ 小田さんのやり残されたことをやる、うかうかしてはいられない。
糸井玲子さん(日本キリスト教協議会)
・ 自民党の女性議員が軍備で国を守る必要があると言ったら「そういう次元の話をしているのではない。それは戦争主義だ。日本は軍事拒否国家にならなければならない。」と言われた。
・ 戦争はいつも防衛の名前で始まると言われていた。
大河原雅子さん(民主党参議院議員)
・ 小田さんの亡くなった昨年の7月29日の夜に参議院議員になった。
・ このままだと棄民国家になってしまう。野党共闘で政権交代を!
和田春樹さん(東大名誉教授)
・ 2010年は朝鮮植民地化100周年に記念すべき年になる。
福島瑞穂さん(社民党委員長)(電報)
・ もらった宿題に取り組んで行きます。
小田ならさん(遺族代表 娘)
『日・独・平和フォーラム20周年「訪独市民交流団」に参加して』
・私は両親が西ベルリンに住んでいた時に生まれたので日独フォーラムに関わっている。
・ 父の掘った井戸を皆さんと一緒に掘り続けたい。
他にも加藤周一さんと澤地久枝さんのメッセージが読まれました。
(著者感想)
・ 1974年に私が就職した年に「キムジハを救え詩人の集い」だか「キムジハを救え歌人の集い」だかという集会に当時の労音会館で参加した記憶がある。詩人の坪井繁治さん(坪井栄さんの夫)がご健在で参加されていた。文学関係団体は皆この運動に参加していたような感じだったがその仕掛け人は小田さんだったのだと思う。
・ べ平連の大学の先輩もいたが直接は知らなかったがこれだけの人が関係していたという人間関係のすごさも「周りの人を巻き込んで一緒に運動させる何かがあった」からでしょう。
・ 二人のデモが300人になった話や「どこへも入るところがない人一緒に歩きましょう」という横断幕を作って歩き始めたとかデモにまつわる話が多くあり、その自分の頭で何でも考え出す姿勢と「デモにこそ本質がある」という小田実の闘う言葉が私の胸に突き刺さりました。
再度書きます。
明日2008年 7月28日(月)翌日午前0:10~翌日午前1:40(90分)総合/デジタル総合ハイビジョン特集「小田実 遺(のこ)す言葉」があります。
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- デモにこそ本質がある(2008.07.27)























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コメント
一研究活動家さん
図書館で少し三木清の文章を読みました。
ドイツ留学時代のドイツ人や留学日本人との交流が彼の思想形成に大きな役割を果たし事を知りました。
彼の文章は初めて読みましたが正直少し難しいですがこれをいい機会として未だ評価が定まっていないという三木清を学びたいと思います。
二大政党論に包み込まれないことは研究者にとって大事なことだと思います。
投稿: おおつる | 2009年4月18日 (土) 17時29分
大津留さま
「三木清に於ける修辞学」の件ありがとうございます。是非よろしくお願いします!いわゆる未発表の文章なんでしょうか。
ちなみに小田実さんの活動とレトリック/修辞学との関係については、平井一弘さんの「日本の知識人のレトリカルコミュニケーション」(日本コミュニケーション学会編『日本のレトリックとコミュニケーション』三省堂、2000年)に少し書かれていますが、三木の修辞学との関係については触れられていません。
レトリック研究活動家の端くれとして、個人的にいろいろやってはいるのですが、ある学者さんが「二大政党」両方の会合に呼ばれて説得術を教授したなどという話を聞くととため息がでたりする頃々です。
レトリックが本当に必要な場所は(二大)政党政治の外側にあると思うんですけどねえ。はぁ〜....
投稿: 一研究活動家 | 2009年4月18日 (土) 11時35分
一研究活動家 さん
「三木清に於ける修辞学」は見つかりませんでした。
文章なのでなかなか見つからないかもしれませんが私も更に捜してみます。
投稿: 大津留公彦 | 2009年4月15日 (水) 22時18分
こんにちは。ブログ大変勉強にさせていただいております。ちなみに小田さんが「最後の講義」でもお話しされていた行動/運動とレトリックの関係に興味をもっておりまして、「三木清に於ける修辞学」(1967)を読んでみたいと思っているのですが、私の探し方が悪いのか見つからないでおります。もし出典情報ご存知でしたらご教授いただければとても嬉しいです。よろしくおねがいします。
投稿: 一研究活動家 | 2009年4月14日 (火) 15時21分
NHKの番組は、偶然見ました。
夜遅い時間帯ではありましたが、見てしまいました。
投稿: JUNSKY | 2008年7月30日 (水) 08時45分