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2008年10月 3日 (金)

公共サービスが崩れてゆく(上)

この本を読みました。

公共サービスが崩れてゆく
民営化の果てに

藤田和恵 著
企画 全国労働組合総連合

かもがわブックレット
2008・1・15発行

二回に分けて順次紹介したいと思います。
構成は
Ⅰ 霞が関の主力は非正規労働者?
Ⅱ 「市場化テスト」は何を生み出す?
Ⅲ 崩壊する公共サービス
Ⅳ 「民」は「官」より優れているか 
Ⅴ 民営化の未来はバラ色か 郵政職場から                                                          
労働組合の立場 「小さな政府」ではなく「もう一つの日本」を

「 」付きの引用部分以外は多少私流に簡略して箇条書きで引用します。

今回はまず
Ⅰ 霞が関の主力は非正規労働者?


「社会問題化した重要書類が私の手にある」

・厚生労働省の非常勤職員のA子さんは出勤初日に上司から分厚い茶封筒を手渡された。
・中には、前任の非常勤職員が処理しきれなかった書類、およそ200件が入っていたと言う。
・都道府県からの公文書、報道機関からの問い合わせ、市民からの申請書・・・
・中でも目を疑ったのは、少し前、テレビや新聞で「国が紛失したのではないか」として大きな問題になった、ある重要処理を見つけた時だった。
・その種類は申請した市民が「確かに提出した」国は「受け取っていない」として長い間平行線が続いていた。
・そのミスにより申請者は人生を狂わせたことだろう。
・国と地方を合わせた非常勤職員は50万人とも60万人ともいわれている。
・都道府県の担当者とは、関連法令の解釈や、必要な申請書類の提出などについて専門的なやり取りを交わすこともある。
・「電話の相手は、まさか私が非常勤職員だとは思ってないはずです。都道府県からの公文書の宛先が私の名前だった時は、さすがに、怖くなりました。」
・毎月の給与は14~17万円で残業代はつかないし長く働き続けられる保証もない。
・彼女が一番傷つく瞬間はまた別にある。それは「バイトちゃん」と呼ばれる時だと言う。

Ⅱ 「市場化テスト」は何を生み出す?

「小泉さんのせいで、私もワーキングプア」

・全国に550法務局の出張所の約半分の261で証明書の発行業務に携わっているのは業務委託を受けた財団法人「民事法務協会」の職員。
・そのほとんどは女性で勤続10-20年のベテランが多い。
・その職員が月10万円の給与カットされる事態に直面している。
・07年から委託先の選定に市場化テストと競争入札制度が導入されたためだ。
・市場化テストとは、公共サービスの担い手を公的機関から民間事業者に移行することを前提に試験的に実施する競争入札制度の一種。
・07度は10か所の出張所が市場化テストの対象となり251か所で競争入札が導入された。
・結果的には、同協会がすべての業務を落札したものの委託料を大幅に抑えざるを得なかった。このしわ寄せが職員の賃金カットになった。
・同協会職員でつくる民事法務協会労働組合には「育ち盛りの子どもがいるのに」「住宅ローンが払えなくなります」「アルバイトをしないとやっていけない」等の声が寄せられている。
・休む間もなく台帳をめくっていた女性がふと顔を上げて言った。「小泉さんと安倍さんのせいで、私もワーキングプアの仲間入りです」

「しわ寄せは官僚にではなく末端に」

・財政再建を掲げる政府のスローガンは「小さな政府」だが、そもそも日本は欧米に比べて公務員数は少ない。
・人口1000人当たりの公的部門の職員は米国:80・6人、英国73・0人、フランス、96.3人、ドイツ58・4人、日本35.1人
・「日本はすでに『小さい政府』であるとして政府が目指す小さな政府論を疑問視する識者も少なくない。
・07年6月に成立した公民制度改革関連法も天下りそのものができなくなったわけではない。
・これまで各省庁が牛耳ってきた再就職の斡旋を、内閣府の新人材バンクセンターに一元化させるにすぎず、どこまで実効性があるものかは、今後の運用次第だ。
・市場化テストのメリットは確かにあるのだろう。だがそのあおりをまともに食らっているのは今のところ霞が関の官僚ではなく業務委託された財団や事業所で働く労働者だ。
・今や無駄使いの代名詞のようにも言われる官公庁の随意契約は果たして絶対悪なのか。末端の労働者に負担を押しつける手法が、果たして改革と言えるのか。
・公務職場の劣化はやがて、サービスを受ける市民にしわ寄せされる。
・こうした公務員改革のひずみは、医療や教育や福祉の分野で著しい。


Ⅲ 崩壊する公共サービス

2.奨学金編

鳴り響くsos 低賃金で返還できない

・05年度から奨学金返済の滞納理由が親の借金から奨学者自体の低所得に変わっている。
・政府の民営化大合唱の裏には、経済界からの強い要望がある、毎年300万人に300万円を貸すと9兆円になる。
・奨学金の「民間ローン化」が進んだとき返済問題が生じた場合、あっと言う間に借りた額の2倍3倍の返済を負うことになる。
・一足先に民営化されたアメリカでは、金融機関が巨額の利益を上げる一方で、強引な取り立てに苦しんだり、一生、借金の返済に追われたりする奨学生が増えている。
・大蔵省による有利子化の方針は、往時の大平正芳首相の意向で長らく封印されてきたと言う。
・大平さん自身も苦学生で、日本育英会の創設にかかわったからだと聞いているが、小泉さん安倍さんはお金がなくて学校に行けないと言う痛みは分からないのでしょう。

他に病院編 学校編 保育園編あり

以下次に続く


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