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2008年11月29日 (土)

9条世界会議とコスタリカ(みさと早稲田九条の会)

みさと早稲田九条の会の第二回目の会議に参加しました。
内容は二本立て 一本目は9条世界会議のDVDのダイジェスト版を見ました。
2日間参加した人間として上映しながら印象や解説を補足説明しました。
そのあと議論しました。
子どもさんがピースボートで活躍しているという混雑で初日に入場できなかった人も見えていました。 改めてこの会議は世界史的な意味のある会だったと改めて思いました。
この会議に参加した人は三万人しかいないので、語り広げる事やこのDVDの普及活動も大事だと思いました。
二本目はこの夏に一人でコスタリカに行ってきた病院勤めの36歳の若者の講演があった。
話を聞きながらふと小田実が「何でも見てやろう」を書いた旅行もこんな感じだったのかなという感じがした。
彼はコスタリカの話がよく出るのでどういう国か直接行って自分で確かめようと思ったのが動機で8月下旬に決心し夏休み4日間で行ったという。
彼の積極性には教えられるところがあった。 会場で頂いた彼がこの集会用に作ってくれた冊子「軍隊を捨てた国・コスタリカへの旅」から紹介する形で彼の話を一部紹介します。
かなりいろいろと詳しくコスタリカの国情が分かっても面白いのですが9条がらみの所だけ紹介します。

まず行きの飛行機の中の政治談議から・・・
【国・政府の嘘に騙されブラジルへ渡った日本人が語る沖縄と戦争】  
ダラス行きの飛行機でお隣にブラジルへ行くおばあちゃんとすっとお話をしていた。
戦争を体験している方だった。
沖縄に住んでいる方で幼少期の0から2歳まで両親の出稼ぎで行ったきり住み着いた日本人もいるので日本語が結構通じるとおっしゃっていた。 ・・・・・・  
沖縄を守る戦いはアカと呼ばれる人々のたたかいでもあるとおっしゃっていた。
アカとは分かるかとと聞かれたので、共産党と答えると、そうだとおばあちゃんがうなずいた。  共産党の瀬長亀次郎さんという人が沖縄の人たちを守る戦いの中心人物で、アメリカ領土となった沖縄を日本に復帰する戦いが長い間続いた。
沖縄の人たちはみんな瀬長亀次郎さんが大好きで尊敬している。初めはたった一人の戦いが、沖縄の人々みんなの想いとなって、日本政府を動かし、ついに昭和47年5月くらいにアメリカが沖縄を本土へ返還する事を認めた。
本土は沖縄以外の日本列島のことだが「本土の土地=自分の国」という思いが込められている。

(飛行機の中でこういう談議ができるというのは若者の特権でもあり若者に期待する年配者の思いのなせる技でもあるだろう。)

【政治に関心が高いのは自分の国が誇りだから】  
この村で自由行動がとられたので写真を撮ったりお土産を見たりして、現地の小学生たちとお話しすることが出来た。次の大統領は誰になってもらいたい、またその理由を聞かせてと難しい質問をすると、子供たちがアイツは 自分のことしか考えていない。
アイツは国民のことをよく考えている、アイツは頑固だけれど決めたことをちゃんとやるとか子供たちで次期大統領選挙のディスカッションをし始めた。
驚いた私はまるで大人たちと話をしているのではと勘違いしそうになった。
小学校に入ると模擬選挙をしていると聞いたが本当か、なぜそんなに子どもたちが政治に関心があるのかとさらに難しい質問をして、 (心の中でこんな難しいことを聞いたら誰も答えられない、失敗したと思ったら)、すぐさま答えが返ってきた。
「模擬選挙はホントにやっているよ。
政治に関心が高いのは自分の国がほこりだからだ。
自分の国の事を真剣に考えるのは当然でしょう」と。
言われれば当たり前だが日本ではそうでもないとはとても言えなくなってしまった。

(こういう話を聞くにつれ、政治にかかわらないように教育する日本の教育と自分の国の政府が自分の国のほこりを奪っている日本の政府に思いを致します。)

【軍隊はいらない】  さらに戦争について聞いてみると「戦争はいけないんだよ、お父さん、お母さん、お姉さんの命を奪うんだ」「あと友達の命も奪うんだ」「みんな死んじゃうから戦争は絶対にしてはいけないんだ」と。
学校の授業で平和を学んでいるようで日本のことをジャパンだと教えた が誰もわからずスペイン語でハポンだよと教えると「広島・長崎」のことも知っていたし「憲法九条は平和憲法のお手本」と先生が教えてくれたよと。  
よく日本では北朝鮮が攻めてきたらという質問に攻撃される前に攻撃すると発言する自民党や日本んを守るためなら相手国を攻撃できるように憲法を改正し有事立法を正当化する公明党・民主党もある。戦争政策に反対しているのは共産党と社民党だけで、政界でも一部の 国民も戦争することを否定しない答えがあがるので、こんな質問もしてみた。
もしどこかの国がコスタリカを攻めてきたらどすると。すると「なぜ軍隊もない国に攻めてくるの」「軍隊があるから戦争になるんだ」「軍隊はいらない」と言う。
みんなとても勉強家ですごいのだが「コスタリカはアメリカに助けられているという人がいるが、それは間違えている。コスタリカには米軍も基地もない、平和・中立な国」「ハポンも9条があるから平和。
中立な国でしょう」と言うのので私はたまげたし、9条はあるが、 憲法違反の自衛隊や憲法違反にならないように憲法を改正し自衛軍にしようとしている、米軍が基地が世界で一番多い国であるとは恥ずかしくて言えなかった。」

(私もイラクに居た時に同じような会話をした覚えがある。日本で9条を守るだけでなく活用することはこういう少年たちの期待にこたえることである。)

私(大津留)私はコスタリカに魚釣りに行く若者も知っている。
コスタリカという国は今後日本人にはもっと大事な国となることだろう。
若者に教えられた一日でした。

参考
9条世界会議DVD上映会9条世界会議 ダイジェスト
大津留公彦のブログ2 カテゴリー「九条世界会議」の19件の記事

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コメント

私は、軍隊の存在の肯定を即「戦争のできる国」に結びつけるのは、あまりに短絡的だとしか考えられません。
私の批判はそういう意味です。

かつても、コスタリカやスイスを「中立で武装しない国」と誤解して持ち上げて、それと比較して日本を批判する論調がありました。
どれも「コスタリカは軍隊がない(実質軍隊的組織はある)。「スイスは中立で戦争しない国だ(実際は国民皆兵で家庭に自動小銃がある国)との誤解からでした。

コスタリカを批判するわけじゃありません。ただ、盲目的に信奉するのはいかがなものかといいたいだけです。
見方を借りれば、改憲派も大半は「徴兵制には反対」ですが、コスタリカは憲法で徴兵制を認めている国でもあります(日本より一般市民を戦争に巻き込める憲法を持っている)

それに、軍隊をもたない国になぜ攻める?という問いには、かなり前から、ほとんど軍隊を持っていなかったチベットへの侵略という明確な否定事例があります。


私が「幻滅しました」と書いたのは、そういう事実から乖離した意見に対して、盲目的に信じる姿です。
また、非武装という表面に踊らされて、徴兵制の規定や実質軍隊といえる組織を(名前が違うだけで)保有していることに触れない姿です。

>「なぜ軍隊もない国に攻めてくるの」「軍隊があるから戦争になるんだ」「軍隊はいらない」

チベットは軍隊が実質なかったに等しいのに(ロケット砲にたいして竹刀程度の軍備)侵略されたし、確かに軍隊がないために戦争することすらできず侵略されましたね。事実として軍隊がない国に対しても侵略行為をする国は事実として存在しています。軍隊があるから戦争になるのはある意味事実でしょう。軍隊がなければ戦争じゃなくて一方的な侵略や虐殺になるだけですから。
チベットに中国軍に苦戦させるだけの(侵略を躊躇させるだけの)軍事力や軍事同盟があったら、今のような悲惨な侵略や民族浄化はあったでしょうか?
チベットはまさに「侵略国に対して、物理的対抗手段をもたなかった国の悲劇」を示しているのではないでしょうか?
ものすごく悪い言い方をすれば、そういう侵略の事実をきちんと正確に伝えていても、同じように「軍隊がなければ~」という回答が帰ってきたかは疑問です。(極東アジアの出来事は、他エリアの国にしてみれば無関心と同等の国が多いと聞きますし。コスタリカでその回答をした人は、チベットが現在どういう状況に置かれているのか理解して「軍隊発言」をしたのでしょうか?)

あと、非武装中立と言っていますが、確かコスタリカって実質的な軍事同盟を結んでいるはずですし、米軍も駐留しているはずですが。自国では軍隊をもっていないが、他国の軍事バランスに依存した非武装ともいえませんか?

あとひとつ、大きな(常設軍がない)問題として、万が一他国と戦闘状態になった場合(あくまで万が一ですよ)、軍人同士が戦闘をするのは国際法上問題ありませんし、捕虜としての扱いも規定されています。しかし正規の軍人以外の戦闘参加は「便衣兵」「テロリスト」として扱われかねません。もし結果として侵略を許してしまう事態になって、そこで抗戦しているのが侵略された国の軍隊なら通常の戦闘行為ですが、軍隊以外の組織で対抗した場合、相手国からテロリストと規定されてしまいます。事実湾岸戦争でも、捕虜の取り扱いに沿わない形で拘束されている人間への人権侵害を糾弾された際のアメリカの主張は「彼らは軍人ではなくテロリスト(正規軍ではない)から、捕虜ではなく犯罪者として扱う」でした。

私は、実質軍隊組織(自衛隊や武装警察組織)を中途半端に持つくらいなら、きちんと軍隊として定義して、明確な文民統制の下におくべきだと考えます。それは、逆に万が一の際の国防を命を掛けて実行する人たちへの最大の配慮ではないでしょうか?(テロリストではなく、正規軍人だと明確にする)

軍隊を持たないことをコスタリカ国民は1940年代に選んだ。
83年11月の非武装・中立宣言にてそれは確定しました。
世界で日本とコスタリカしか常備軍を持たないと宣言している国はない。その事実を否定することはできないでしょう。
(日本の場合は軍隊でない隊があるが・・)

すまりさんの素早いコメントには感心しますがそのアクションの意味を私ははかりかねています。
若者のコスタリカ訪問記を「幻滅しました」などと投げ捨てコメントするあなたを尊敬するわけには行きません。

貴方は日本を戦争する国にしたいのでしょうか?
他所の国の事をどうこう言うよりも堂々と「戦争をしない国の者です」と自分の国を誇れる国にしたいものです。

これを参照下さい。
ーーーーー
コスタリカ国民は言葉だけでなく実体として非武装中立を選択した。それは何よりもまず選択であり、一つのイデオロギーである。それは非同盟の思想であり、中南米諸国、ヨーロッパ諸国との連帯の思想であり、アメリカの全一的支配からの自立の思想である。
もうひとつの結論としては、コスタリカの非武装中立は、80年代における中米人民の激しい闘争があって初めて、真の意味で実現したものである。たしかにニカラグアやエルサルバドルの闘いは、それ自体として成功したとは言えない。しかしニカラグアの闘いがコントラの侵略を跳ね返すに十分な力を持っていなかったら、コスタリカは今頃非武装中立どころか、市民警察という名の軍隊が支配する恐怖国家となっていたかもしれない。このあたりが歴史の弁証法でありおもしろいところだ。
いずれにしても、コスタリカの非武装中立を、「何よりも平和を!」という国民のぎりぎりの局面でのぎりぎりの選択として捕らえるとき、それは限りない感動と示唆をわたしたち日本の国民に与えてくれるのではないか。

コスタリカ小史
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/history/costarica.htm
後書きより

確か、コスタリカは
「即軍隊となれる能力のある警察」
があったと思いますが。

実質的に「軍隊」という名前を使っていないだけで、現実的には軍隊をもっているのと同じだと聞いたことがありますが。

それをいえば、日本だって「自衛隊」はいるけど「軍隊」はいないでしょってなるくらい、ただの言葉のマジックのはずです。

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米州相互援助条約(リオ条約)という集団安全保障体制があることと、政府とアメリカが対立すると親米派の多い軍部がクーデターを起こして政権転覆を企てることで国内混乱が繰り返されてきたラテンアメリカの歴史を反映する。ただし、コスタリカ憲法は非常時に軍隊を組織し徴兵制を敷く事を認めている。
常備軍の廃止以降、コスタリカでは警察が約8,000人の警察官により構成され、市民に対する一般的な警察サービスの提供、治安維持、国境警備等の任務に当たっている。その他、沿岸警備隊、空港警備隊があり、麻薬取締、特殊襲撃、イベント対策 (大規模群衆のコントロール)等の特別部隊も存在する。それらの中には国防を専らの目的とした組織は存在しない。ただし、警察の半分に当たる4,400人によって組織される市民警備隊は、国境警備やゲリラ対策のために対戦車ロケット砲などの火器を装備しており、英国の国際戦略研究所などではそれらを含めた総警察力を準軍隊として扱っている。このことから、コスタリカが非武装国家であると言う主張は誤りであるとの説もある。

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Wikipediaより引用
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%AB

これを見る限り、コスタリカは軍隊をもっていないのではなく
「軍隊という名の常設部隊」を持っていないだけで、多国との安全保障条約により「他国の軍隊に守ってもらっている」状態であり、かつ「徴兵制が憲法で認められている国」となりますね。また、軍隊という名前じゃないだけで、実質軍隊と同等の戦力を保持しています。
また、コスタリカには米軍も常駐しています。

コスタリカはある意味、球状の理念と完全に乖離している国だと思います。表面の「軍隊廃止」に惑わされる程度の考察しかしていないのかと、ある意味幻滅しました。

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