軍隊のない国コスタリカ
昨日の三郷わせだ九条の会でのコスタリカに行った若者の話の記事にすまりさんからコメントを頂いた。
>確かコスタリカって実質的な軍事同盟を結んでいるはずですし、米軍も駐留しているはず
コスタリカは米州相互援助条約に加盟しアメリカの経済援助を受けていながら同時に軍隊を放棄している。
確かにココ島(世界遺産である)には米軍が駐留しているようだ。
なかなかしたたかな戦略だ。
コメントには
「コスタリカを批判するわけじゃありません。ただ、盲目的に信奉するのはいかがなものかといいたいだけです。」
とありましたのでコスタリカのことをもっと情報提供してお答えにしたいと思います。
コスタリカ国民は1856年のアメリカとの祖国防衛戦争以来152年間銃を取ったことがない。
コスタリカは非武装・中立宣言をしている。
コスタリカはのアリアス元大統領はノーベル平和賞を貰っている。
コスタリカは現在も戦車一両、機関銃一丁ない
コスタリカのことについて且って人生の先輩に頂いて手元にあった「母と子で見る37 軍隊のない国コスタリカ」(早乙女勝元編)を読んだ。
その中から紹介します。( )の私のコメント以外はすべてその本からの紹介です。
1975年8月に日本の海上自衛隊が公式訪問した時に21発の礼砲をとどとどろかせたがコスタリカには大砲がなく儀式用大砲はあったが火薬がなく当日はあいにくの雨で火薬は猫のくしゃみ程度しか鳴らなかった。
自衛艦の停泊中にバナナの出荷日が来たので自衛艦一隻を移動してもらった。
驚いた自衛隊側にコスタリカ側はこう言ったという。
「さよう、バナナは生きもの。一日も早くつみださないといけないが、軍隊は腐らないのでは・・・」
(朝日新聞75.12.8菊池特派員)
(軍隊のない国には軍隊の権威は必要ない、バナナという生活の糧の方が大事)
(なぜ自衛隊は行ったのかも疑問だが)
1949年に制定されたコスタリカ共和国憲法第12条はこうなっている
・常備軍としての軍隊の保有を禁止する
・公の秩序と監視と維持のために必要な警察力を保有する
・全(米)大陸間内の協定により、あるいは国民の防衛目的によってのみ軍隊を組織することができる。
いずれの場合も軍隊は文民権力に従属し、個別的であれ集団的であれ、いかなる示威行為も(戦争の)宣言を行うことはできない
(寿里順平訳)
この12条は、自衛権までは放棄していない。緊急時には大統領が国会の三分の二の同意を得て、軍隊と交戦権を復活させることが出来るのである。
(中略)
日本国憲法もコスタリカ共和国憲法も、ほど同じスタートラインから走りだしたにもかかわらず、コスタリカは現在も戦車一両、機関銃一丁ないのに、日本はどうなっているのだろうか。
(中略)
コスタリカと比べて、両者の道は、なんと大きく開いてしまったことだろう。
人間はなんにでもすぐになれる順応制を持っているが、私たちはなれてしまって悪いことにまで、いつの間にかなし崩しに、慣らされてしまったのではあるまいか。
(軍隊があること、アメリカと同盟関係にあることが生まれる前からあった我々には自然に感じられるが実は日本の憲法はそれを許さないと半世紀以上叫んでいる)
アリエス元大統領と語る
早乙女)「コスタリカと同じような平和憲法から出発したにもかかわらず、いつの間にか世界屈指の軍事大国となり、世界最大の武器輸入国になっているのは、
何度か来日されたあなたもご存知ことでしょう。どう思われますか」
アリエス)「私は考えるが、ちょっと違っているかもしれませんが、日本が武器を大量に買い始めたのは、外部の圧力によってではないですか。
もちろんアメリカが中心ですがね。日本はGNPの1%が軍事費ということですが、経済大国ですから、それでも
大変な金額でして、実に残念な事です。私が日本に求めるのは、世界に日本しかできない役割です。」
早乙女)といいますと?
アリエス)「誰もが知る通り、アメリカは経済的にも軍事的にも超大国でして、大きな権力を持っています。
しかし、人間のモラル(道徳・倫理)面では、世界のリーダーとは言えません。それにかわるべきが日本だと思うのです。もう少し具体的に言いましょう。
今、第三世界の紛争国には、大勢の兵士がいますが、かれらにきちんとした教育を保障して一市民に戻し、産業、農業などの仕事につけるプログラムが必要です。」
(中略)
「平和主義は、平和を理想とする人びとが増えるかどうかにかかっているのです。それには若い世代を納得させられる教育が必要ですよ。人間にとって、最悪の
投資は武器の購入であって、武器は使われなくてもも、持つだけで人間が人間でなくなっていくのです。その国を荒廃させてしまいます。
1991年の湾岸戦争が人類は始まって以来の環境破壊をもたらしたことを、決して忘れてはいけません。
この世界に価値あるものはいろいろありますが、少なくともそれは軍事力ではない、と私は言いたいのです。
21世紀の人類の平和にとっていま求められいるのはそれぞれの積極的な一歩です。世界の軍縮に向けての活動に私たちは共に手を結んで行こうではありませんか」
(アメリカと深い関係にある国の大統領がここまで言うのに驚く。アメリカの押し付けではと言うのにはドキッとした。保守政治家にはきっとこれは禁句だろう。)
以上はすまりさんの
>軍隊の存在の肯定を即「戦争のできる国」に結びつけるのは、あまりに短絡的
という批判にこたえるものになっていると思います。
コスタリカは軍事費に使う金を教育や福祉使い、外国からの何人にも医療費は無料にしています。(国民の10%を占めるニカラグアからの難民も医療費は無料でニカラグアに請求することになっている由。)
日本の総予算80兆円(7200億ドル)に対して憲法9条で無いはずの軍事費が5兆円(450億ドル)もあります。
一気にその全部とは言わないがほんの一部を教育や福祉や非正規労働者の為に使おうということを保守政治家はなぜ誰も言わないのだろうか?
コスタリカに来る観光客のほとんどは環境問題に興味を持つエコツーリストだそうで古くはスチーブンソンの「宝島」お舞台になり、新しくはスピルバーグの「ジュラシック・パーク」の舞台になった島があるという。
私は昨日教えて頂いた青年に教えて貰っていつの日か写真に残らない「平和主義」をコスタリカに見に行きたいとすごく今日思っています。
今夜11月30日(金)23時からNHKBS1でエコ大紀行コスタリカがあるようです。
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ウェブサイト(http://moura.jp/scoop-e/mgendai/
)も、もうすぐ閉じられてしまうそうです。
この号は、特大号で、42年間の重要な記事やメッセージが多数掲載されています。
ぜひ購入していただきたいと思い... [続きを読む]
…何か…似たような…ハンドルネームな人がいるみたいだけど…OTL…気のせい?錯覚?私じゃないですよ!大津留さん!
グーグルで軽く調べてみました。
グーグルキーワード 「最高裁判所判断 自衛隊」
見てみた項目 「MSN相談箱 自衛隊が違憲か合憲か判断が分かれるところですが…?」 です。
やっぱり違憲・合憲に分かれますね。
合憲と唱える人は『「国際紛争を解決する手段として」の前提条件付きの戦争放棄」』をあげています。
違法と唱える人は「憲法を文面どおりに読めば違憲」
とあげています。
で、その他に意見を述べている人がいますが、共通している意見は、『最高裁の判断がされていない』です。
現状では宙ぶらり状態です。自衛隊は。政府は何れは白黒つけるべきだと思っています。
投稿: F104Jスターファイター | 2008年12月 7日 (日) 22時18分
北の友人へ
おばんです。
12月に入り壁紙をクリスマスモードに変えていますがうまく表示されていません。
コスタリカが自衛権を放棄してないことは承知してます。
日本の憲法は解釈によっては国民の自衛権までは放棄してないと言われてます。
ただしそれでも常備軍の保持は憲法九条で禁止されています。
元航空幕僚長のようにそれを面白く思わず変えさせようという人が自衛隊から出るのはある意味当然でしょう。
自分らが憲法違反の存在であるというのは海外から帰ってくるとはっきりと認識するのですから・・
>自衛隊が「違法になったら」・・
ではなく、軍隊の保持を許さない日本国憲法に自衛隊は明確に違反しています。
投稿: 大津留公彦 | 2008年12月 7日 (日) 00時57分
久し振りに此方方面に投稿します。
旭川はやっと12月の風情になり、季節柄、文字通り『ホワイトクリスマス』の歌詞が似合い、牡蠣や魚介類の鍋料理が美味しゅ~季節でございまする~♪(笑)…シバレルけど…(泣)生もの苦手なくせに…(ToT)
大津留さんにヤキが入りそうな芸風は取りあえず辞めて…、正座の説教は勘弁して下さい!!!(泣)
散々遣り合っているみたいですけど…。
コスタリカは軍隊が無いと言っていますが、『戦時徴兵制』を用意している国だって事をお忘れですか?私とやりあった時に確か私が提示したと思いますけど…。
自衛隊の機能を消防・警察に移管すべきみたいな事を仰る人が居るみたいですけど…。消防、警察に陸海空の機能を持たせるの?機構がやたらデカクなりますね…。陸海空の仕事をこなせますか?
長距離ミサイルに爆撃機?具体的データを希望しますよ。空自は何時の間にかB-1、B-2クラスのカテゴリーBを何時の間に導入しましたか?長距離ミサイルって…?パック3?一度調べたら?提示した人。
自衛隊が「違法になったら」と仰いましたが、「合法」になったら如何します(笑)
投稿: F104Jスターファイター | 2008年12月 6日 (土) 23時51分
特命希望さん
コメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: 大津留公彦 | 2008年12月 5日 (金) 23時57分
こんばんは、特命希望と申します。
>「オウムテロに、自衛隊(戦争を前提とした集団)以外に、BC兵器対応ができましたか?」
(通常、農薬中毒対応程度しか考えられていない薬品が大量に備蓄できてきたか)
まず言っておきます。オウムには元自衛官も大勢入っていたことをお忘れなく。
どうしてすまりさんは「自衛隊しか持ってないのは危険だ、対応するためには消防警察にも持たせるべし」という発想ができないのですか?
大体ね、サリン撒かれたとして河野さんや地下鉄のお客さんが「しまった!サリンだ!」なんてその時点で分かっていましたか?誰もがその時点ではガス漏れか何かだと思ったでしょう。そんな状態で助けを呼ぶとしたら真っ先に消防か救急隊ですよ。毒物中毒で苦しむ人間がいたとき119番すっぽかして自衛隊や防衛省に第一報入れるのはよっぽど特殊な人間でしょう。
>あの際、一部にある「自衛隊は憲法違反だから」という論理が通って、自衛隊がその能力を失っていたら、BC兵器対応部隊による迅速な解毒剤の配布や医療班の派遣が可能だったでしょうか?上九一色村一斉捜索の際、DC平気防護体制をだれが教えられたでしょうか?
自衛隊が違憲となったら、そう言う解毒剤や防護服が警察・消防に引き渡されればすむでしょう。常識で考えて削減・廃棄されるのは外国に届く長距離ミサイルや爆撃機が優先でしょう。あなた普通解毒剤で人殺そうと思います?
毒ガス対応の装備は残されるでしょう。何しろ、サリンは長野県警様によれば一市民に過ぎない河野さんですら作れる「らしい」シロモノですからねえ。
「チベットは軍事力がないに等しい国だったのに、なぜ侵略されたか」
騙されてはいけません。
「ダライ・ラマを疑え」
http://bismarks1976.blog92.fc2.com/
投稿: 特命希望 | 2008年12月 5日 (金) 23時39分
すまりさんへ
先日の九条の会で若者が報告した内容に以下のこともありました。
国の民主主義のあり方が日本と違います。
中米がコスタリカをモデルとして進んでいるのはこういう道徳的権威があるからだと思います。
この国を攻める国は中米全体を敵に回すことになるでしょう。
日本の政治も道徳的権威を持つようになれば米軍の為の軍隊は自ずから不要の方向になるでしょう。
この5兆円の一部でも使えば国民の暮らしも経済もよくなります。
それ位の発想力と気概が保守政治家にも欲しいものです。
ーーーー
2003年3月「英米によるイラク戦争」が始まった当時「米国への支持」を表明した。
これに対し、コスタリカのフツーの大学生サモラくんが、コスタリカ政府を訴えた。
訴訟方法は国民を守る地区の護民官へ「憲法と・非武装中立宣言、国連、国際人権規約に違反するから、ホワイトハウスのホームページに掲載されている有志連合のリストから我が国の名を削除するための手続きをとるべきであることを指示する。
イラク戦争の支持は憲法違反である」
とのFAX。
それが弁護士協会や護民官の協力によって最高裁・憲法法廷まで進み、
コスタリカ最高裁はサモラくんの主張を認める判決を下した。
訴訟費用は、日本円にして十円程度の印紙代のみ。
判決が出るまでわずか1年半。
よってコスタリカ行政府は、米国政府に対して
「ホワイトハウスのホームページに掲載されている有志連合のリストから我が国の名を削除するための必要手続きをとるべきである」
と告示した。
ーーーーー
アメリカの経済援助を受けながらも自主的なあり方を貫いてりるコスタリカの批判ばかりせずアメリカいいなりの日本の政府のあり方を批判しましょう。
自衛隊はアメリカの為の違憲の軍隊です。その指揮権など日本の災害対策用に作られている組織ではありません。
サリンなどに対応する体制等は警察力の充実で行うべきだと思います。既に東京消防庁はその訓練を行っています。
チベット問題やテロ行為は自衛隊の存在を合憲にする根拠にはなりません。
投稿: 大津留公彦 | 2008年12月 3日 (水) 00時19分
ちょっと勢いで書いてしまったので改めて要点
他国軍隊がいる以上、他国の「軍隊の力」で治安を維持している事実をどう考えるか。他国軍であっても軍隊なしで平和が維持できない証明ではないか。
軍隊がなかったら侵略されない、メリットがなければ侵略されないはチベットの例で否定される。
日本が軍事的に毅然とした態度をとっていたら、竹島周辺で殺戮された漁師は死なずに済んだのではないか。
ロケット砲は明確に「武器」ではないか。
オウムに見られるテロ行為に、自衛隊(軍隊)なしで対応できたのか。
戦争が「おこっていない」のは偶然か必然かは証明できません。
しかし戦争や侵略が起こった場合、最低でも「それをしていても戦争は起こる」という証明にはなります。
チベット侵略やテロは「実際に起こったこと」です。
実質的な軍隊がなくても侵略はされます。
警察で対応不可能なテロも起こります。
これは明白な事実です。
それとも、地下鉄サリンテロ被害者で、自衛隊の救援によって助かった人は、軍隊削減という理念のもとなら死んでも仕方がなかったのでしょうか?
投稿: すまり | 2008年12月 2日 (火) 23時15分
>コスタリカの戦車一両、機関銃一丁ない警察は日本の自衛隊と違い他国の侵略を目的とする軍隊の補助軍ではありません。
申し訳ありません。対戦車ロケット砲が警察の装備とは到底思えないのですが。
また、徴兵制を認めている憲法はいったいどう説明すればよいのでしょうか?
>軍事費を削り教育・福祉・弱者救済に充てるのが正しい政治のあり方だとだと思います。
何度もいっていますが
「オウムテロに、自衛隊(戦争を前提とした集団)以外に、BC兵器対応ができましたか?」
(通常、農薬中毒対応程度しか考えられていない薬品が大量に備蓄できてきたか)
「チベットは軍事力がないに等しい国だったのに、なぜ侵略されたか」
コスタリカが侵略されないのは「偶然」か「必然」かわかりませんし、それは水掛け論です(どちらも証明できない)
しかしオウム化学兵器テロは事実として起こっており、それは通常の警察ではまったくありえない想定外の対応が必要でした。
自衛隊が対応できたのは、「汚い戦争という事実」に対応するために、使うことがありえないと思われる有機リン毒物対応の準備がなされていたからです。
そして、自衛隊縮小を考えたとき、一番最初に削られるのが「まずありえない化学兵器使用」のその部隊であることは疑問の余地もありません。
戦車や自動小銃は武器としてほんの一部にしか過ぎません。対戦車ロケット砲はある意味自動小銃より人間にとって危険な「兵器」です。
軍隊がなければ侵略されないというのは、じゃあほとんど軍隊をもっていないチベットがなぜ侵略されたか、資源もない日本が狙われるわけがないという人は、なぜメリットが見出せないチベットがなぜ侵略されたか説明できますか?
それに自動小銃がないということは「テロリスト」に対してまったく無力ってことじゃないですか?
テロリストに「説得」や「交渉」が何一つ通用しないのはわかりきっていることなんですが。
私は軍隊盲信じゃありません(というより、そういう発言事態自分の考えに凝り固まって客観的にものを見ていない証拠だと思いますが)
現実は決してクリーンでもきれいでもありません。しかしきれいな(軍隊のない平和な社会)がよいのは当然であり、それに向かって努力することを否定しているわけではありません。
しかし理想は現実を通り抜けた後にあるものであって、理想をいくら掲げても現実を見ない理想は、ある意味一番危険な思想でもあります。
理想を一方的に提示して、それに反するものはたとえどんな犠牲があっても排除すべき。それが極端になったのがテロじゃないでしょうか。
それにコスタリカは自国軍隊はもっていませんが、他の国の軍隊に守ってもらっているのは明白な事実じゃないでしょうか?
他国軍隊から一切独立しないかぎり、単に自分の国で負うべきリスクを他国に押し付けているだけではないでしょうか?
それともコスタリカは万が一のテロ行為があったとしても、他国軍隊に一切援助を求めないのでしょうか?
でも、実際に麻薬組織との戦いでは米国軍が参加しています。
それは結局コスタリカも軍隊に依存しなければ成り立たない国ということじゃないでしょうか?
それとも、他国の軍隊の犠牲の上に成り立つ非武装が理想なのでしょうか?
投稿: すまり | 2008年12月 2日 (火) 22時59分
すまりさん
私にはあなたが軍事力に対する「妄信的な支持」があるように思います。
1965年のドミニカ内戦への警察の派遣はアリエスの前であり今と状況が違います。
コスタリカの戦車一両、機関銃一丁ない警察は日本の自衛隊と違い他国の侵略を目的とする軍隊の補助軍ではありません。
アメリカや軍事力に対する「妄信的な支持」ではなく自主独立の日本を目指し、軍事費を削り教育・福祉・弱者救済に充てるのが正しい政治のあり方だとだと思います。
今夜のエコ大紀行を見てコスタリカがエコツアーの発祥の地だと知りこの国の底深さを思いました。
投稿: 大津留公彦 | 2008年12月 1日 (月) 00時32分
コスタリカは米州機構の加盟国であり、地域内安保・外交的安保(集団的自衛権)両方で他加盟国と協調関係にあり、1965年にドミニカ共和国で起きたドミニカ内戦の時にはOAS平和維持軍の一員として武装警察を派遣し、反共の大義の下にアメリカ軍とブラジル軍の主導する占領軍に参加し、社会改革を求めたフアン・ボッシュ派(立憲派)の政権を崩壊させるのに協力した。
また、1999年以来、アメリカ合衆国はコロンビア計画に基づいて麻薬撲滅のためにコスタリカと共同でパトロールを行い、以来ココ島(世界遺産である)には米軍が駐留している。
(Wikipediaより)
まず「武装警察を集団的自衛権行使のために派遣」がありますね。これを見ても、コスタリカは「武装警察という軍隊と同等組織がある」と考えられませんか?しかも反共という大儀のものとでの活動ですから、明確に政治意図をもった軍事活動ですし、集団的自衛権(日本ではまだ認められない)もすでに行使していますよね。。
また、麻薬組織(ある意味テロ組織と同じ)には軍隊を出しています(他国軍隊であったとしても)
以上の点を見ても、コスタリカもある意味日本と同じ、至高な理念はもっているが、現実を見据えて現実的な対応をしている国ってことになりませんか?
日本がコスタリカを見習うことは、警察が他国の軍隊と一緒に集団的自衛権の行使を行えるくらいの装備と訓練を行い、テロ組織対応には、他国軍隊との協調も認める。
そういうことなんでしょうか?
現実では、最終的に軍事力に頼らざるを得ないという、日本の現状とそう変わると思えないのですが。
そういう意味で「盲信はおかしい」と言っています。
投稿: すまり | 2008年11月30日 (日) 23時28分
コスタリカの理念はすばらしいと思いますし、それ自体を否定するわけじゃありません。
「盲信はおかしい」
といっているだけです。
コスタリカは、軍備に使うお金を福祉などに使っているからとおっしゃっていますが、米軍が駐留し、軍事同盟保護下にあるということは、本来自国で負担すべき防衛コストをタダで他国に丸投げしているとも考えられませんか(米軍はそれだけ余分に負担をしているわけですし)
それとも、自国がよければ、他国の負担は問題ないということでしょうか?
>武器は使われなくてもも、持つだけで人間が人間でなくなっていくのです。
でも、ロケット砲という武器は持っていますけどね。
おかしくありませんか?矛盾を感じませんか?
それとも対戦車ロケット砲は武器じゃないのですか?
その発言ではすでに「対戦車ロケット砲を持っているわが国は、人間を人間でなくなっている国」ってことですよね。
機関銃や戦車だけが武器じゃないですよ。
(当然対戦車ロケット砲は人間相手でも使えます)
日本は常設軍は持っているが、徴兵を憲法で認めず自ら戦争を仕掛けることを禁止している。
コスタリカは常備軍は持っていないが、軍隊を編成し徴兵により強制的に軍人にさせることを認めている。
方向性は違うにしろ、どっちも軍隊を完全否定しているわけではなく、同時に侵略や自国の利益のために他国を攻撃することはしないのは同じですね。
コスタリカ側から見れば「日本は強制的に戦争に行かされない国」ってことにもなりますし。
そう遠くない過去。日本は世界的にも例をみない化学テロを経験しました。
あの際、一部にある「自衛隊は憲法違反だから」という論理が通って、自衛隊がその能力を失っていたら、BC兵器対応部隊による迅速な解毒剤の配布や医療班の派遣が可能だったでしょうか?上九一色村一斉捜索の際、DC平気防護体制をだれが教えられたでしょうか?万が一教団のやけくそのテロ行為があった場合、それを警察だけで制圧できたでしょうか?(武装減りまで所有していた団体です。警察が武装ヘリを止められますか?)
戦争を(やむを得ずであっても)想定していた自衛隊だから、民間ではめったに使用しない有機リン系への解毒剤を大量在庫し、中毒の際の医療手段を教育訓練された医療グループが存在し、それを迅速に有効な活用ができたのではないですか?またその対応方法について警察に指導し、毒物の無力化を行えたのではないでしょうか。
だれだって、一部の異常者(あえてこう言います)を除き、戦争など真っ平ごめんに決まっています。
でもそれと防衛力(軍隊)の整備は決して矛盾しません。
それを「軍隊整備論理は戦争をやりたがっている」というレッテル貼りをして、軍隊に対する論議をとめてしまうのはいかがなものでしょうか?
警察だって、本来は犯罪者の摘発などしなくてもよい社会(犯罪者がいない社会)が良いに決まっています。
しかし犯罪がある以上、警察はそれに備えた訓練や装備、治安維持を求められます。
もちろん、社会全体で犯罪をなくすための努力(貧困解消、教育の充実等)は重要でしょう。
しかしそれにこだわって、警察力強化を批判するのはおかしくないでしょうか?
同じように、世界から戦争やテロをなくし、平和な世の中を望むことと、
現時点で防衛力(軍隊)を整備し、侵略に備えるべきという論理は矛盾しないと考えています。
最初でも言ったように、コスタリカの理念を否定するわけじゃありません。
ただ「妄信的な支持」はおかしいと言いたいだけです。
投稿: すまり | 2008年11月30日 (日) 23時18分