アパホテルに泊まるのは止めよう!4
12月9日の NHKのテレビ番組 『クローズアップ現代 No.2672 』は、「空幕長論文は こうして発表された」と題して、先の大戦に関して政府見解と異なる主張をし憲法改定を主張することを問題化された田母神氏の論文を特集していました。
基本的には空幕長論文を批判的に取り上げた内容でした。
司会者は、「実力組織のトップが政府見解と異なる発言を内部で公言することが問題にならない自衛隊の現実を露わにし、
文民統制(シビリアンコントロール)が機能していないのではと、不安や危機感を社会に与えたのです。」と述べていました。
津曲元空幕長は、「ろくな国でなかったとなれば国の為に頑張るとなはらない」と述べていました。
田母神氏は、
「武力組織の長であるからこそ不安感を与えるようなことを言ってはいけないということについてどう思うか」という記者の問いに対して、
「不安を与えるからものを言うべきでないということは、結局は発言を封じているということになると思う。
自分達の先輩が残虐行為をした、侵略をしたロクな国ではなかったというふうなことを教え込まれたのでは、国の為に頑張るという自衛隊はできませんね。」
と言っていました。
NHKの社会部の 石山 健吉記者が、「田母神氏の更迭という異例の事態に多くの部下は、当初整理がつかない状態だったが、
次第に議論を重ねられるうちに、国民の信頼を損なうものだったと話す隊員が増えてきたと思う」述べていました。
かなり多くの自衛隊員にインタビューされたようです。
防衛大学校長の五百籏頭真氏が意外と存在感があった。
学生との対話が紹介されていたが「広い視野で」と言う事を言われていた。
タイに留学した学生が「国を守ることを真剣に考えなければならないと思った」等と前がかり口調で述べたのに対し視野狭小にならないようにと諭していた。
政治から意見を求められる時にちゃんと答えられるようにならなければならないと言っていた。
wikiによれば五百籏頭真氏は
「左派的な立場から日本外交に批判的な論者からは「御用学者」との批判を受けている一方で、アジア外交や歴史認識問題についての発言に対しては、「親中」「戦後民主主義」的であるとして、右派の論者、活動家から批判を受けている。」そうです。
又、槇初代防衛大学校長の自衛隊の「服従への誇りをもつ」という言葉を紹介し、「自衛官が主権者である国民が決めたことに進んで従うことは、
立派に誇りになりうるという意味が込められている」と紹介しました。これはシビリアンコントロール下の部隊の心得でしょう。
このような伝統を守ろうとする人と田母神氏のような改憲前がかり派が自衛隊の中でせめぎ合っているのかも知れません。
そもそも日本国憲法は軍隊を認めていない。
自衛隊は軍隊ではなくシビリアンコントロール下の災害救助などにも役にたつ必要最低限の実力組織、専守防衛に徹し、海外派兵しない部隊として保守政治は説明してきた。
国民も災害対策等で役に立つとしてその違憲性にも目をつぶってきたところがある。
しかし海外に出るようになって自衛隊の中でその制約とぶつかる事態になった。
「ろくな国でなかったとなれば国の為に頑張るとなはらない」と言う論理で戦前の皇国史観が是認され日本は一切悪くなかったという論理が横行するようになった。
陸上自衛隊と海上自衛隊は専守防衛の範囲がかなり明確に定義できるが航空自衛隊はその範囲が海外に及んでいる。
そういう意味ではこの問題は航空自衛隊から起こる必然性があったのかもしれない。
いうなれば自衛隊の中でクーデターが進行していたということだ。
これは看過できない。
当面、自衛隊の予算は大幅に減らすべきだ。
特にイラクから帰ってくる事もあり航空自衛隊の予算は減らすべきだ。
火のついた国民の暮らしの為にその浮いた分を緊急に使うべきだ。
来年度の予算編成で本気で検討してもらいたい。
それが「田母神事件」に政府が反省の姿勢を見せることでもある。
明日もこの問題を続けます。
このテーマはアポが論文募集をやめるまで続ける予定です。
ーーー
以下参考
先の大戦をめぐり政府見解と異なる内容の論文を公表して、前航空幕僚長が更迭された問題。前空幕長が論文を公表するきっかけとなった民間企業の「懸賞論文」には、航空幕僚監部が全国の隊員に組織的に論文応募を促していた事実が確認されている。また前空幕長によって、自衛隊の高級幹部を育成する「統幕学校」に「歴史観・国家観」というそれまでになかった新たな講座が設けられていたこともわかってきた。 前空幕長によって、組織はどう動いたのか。そして、前空幕長はなぜ論文を発表したのか。証言や入手した資料をもとに検証する。その一方で、将来の幹部自衛官を育成する防衛大学校を取材。教育現場では何が教えられているのか、兵器を持った実力部隊の幹部に求められる資質とは何かを考える。
(NO.2672)
スタジオ出演 : 石山 健吉
(NHK社会部・記者)
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