杜甫と李白
JUNSKYさんから投げかけを頂いた。
それは杜甫と李白のどちらか好きかという難題。
今日の朝日新聞に故加藤周一さんがそう聞かれて即座に杜甫と答えたという記事が出ていたのでJUNSKYさんの行きつけの飯屋の昼飯のおかずとしてこういう投げかけを頂いた模様。
そんなことは解らないと答えたくないのがおおつる君の真骨頂。
にわか勉強致しました。
結論は杜甫です。
尊敬する加藤周一さんに影響された事もあるかも知れませが私の場合は断固 杜甫!です。
全く個人的な思いですが李白は俳句的で杜甫は短歌的な感じがします。
私は両方をやるのでこの両方の味わいの差に日頃から興味があります。
杜甫に惹かれるのは私の本フィールドは短歌だと思っているからかも知れません。
「李絶・杜律」と言われる位それぞれの絶句と律詩が評価されています。
杜甫に「江村」という詩があります。
妻や子供を歌い最後にこの微々たる身に平和で落ち着いた生活の他に何の願う所があろうと締めています。
文学はまったき個人的営為であり家族が常に中心に座っている杜甫の文学態度に私は好感を持ちます。李白は御用詩のようなものも書いていますが杜甫は立身出世を望ます社会に切り込んでいます。
「塵埃に見えず威陽橋」は戦争を憎む詩であり文学かくあるべしと思わせるものがあります。
また俳人ではありますが松尾芭蕉は杜甫に心酔しています。
夏草や 兵どもが 夢の跡を作った平泉で「国敗れて山あり城春にして草木深し」という「春望」という杜甫の有名な詩の最初の二行を惹いています。
この詩は安禄山の乱で玄宗皇帝は燭に逃げ陽貴妃は殺され長安の都は荒廃していた時に詠まれた叙事詩です。
藤原三大の栄華の跡に芭蕉も杜甫同じ思いを持ったのでしょう。
また
「あけぼのやしら魚しろきこと一寸」
という芭蕉の句は杜甫の「白小」という詩をイメージしていると言う人もいます。
杜甫は李白を発想が超越していて表現が新鮮で粋だと絶賛しています。
二人は共に各地を旅行した互いに肝胆相照らす仲でありどちらもお酒が好きでしたから今頃文学論をしているかも知れません。
もっともyoutubeで理解出来ない他国の大臣の映像を見て酒乱政治家を生む国についての政治議論をしているかも知れませんが…
今日はこんな所です。
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まろさん
コメントありがとうございました。
杜甫は李白を発想が超越していて表現が新鮮で粋だと絶賛しています。
李白の親友だった杜甫は喜んでいるでしょう。
李白ももう少し読み込んでみたいと思います。
投稿: 大津留公彦 | 2009年2月21日 (土) 00時15分
杜甫の素晴らしさは十分に評価したうえで、あえて李白に票を投じます。
高三のときに岩波文庫の『唐詩選』を読みました。
のちに、この本は詩の選び方にずいぶんと癖がある(白居易がゼロ)ことに気がつきましたが、李白の詩が強く心に残りました。
その後、李賀も読むようになりましたが、漢詩の世界の幅広さにうたれました。
投稿: まろ | 2009年2月20日 (金) 23時22分
JUNSKYさん
ご評価頂き有難うございました。
図書館で杜甫と李白の本を借りて来ましたので続きを書くかも知れません。
こうやって興味の幅が広がって行くのは有り難いことです。
コラムの幅を広げるのはトライしてみたいと思います。
投稿: おおつる | 2009年2月20日 (金) 07時12分
さすがに詩歌に博学な大津留公彦さまですなぁ~
あなたのお見透かしの通り、
「行きつけの飯屋の昼飯のおかずとしてこういう投げかけを頂いた模様。」そのものです。
その一言に対して博学+にわか勉強で豊富な内容を紹介して頂きました。
私なんぞは李白と杜甫が同時代人で友人のような関係であったことも初耳です。
もしかしたら高校の漢文で勉強したのかも知れませんが・・・
何にせよ、ご苦労様でした。
ところで、ますますこのメインコラムの幅が狭くなってきていませんか?
投稿: JUNSKY | 2009年2月20日 (金) 00時32分