白洲次郎と「ベニスの商人」
東京の梅は今日散り始めました。
白洲次郎が好きなかみさんが図書館から半藤一利さんの「日本史はこんなに面白い」という本を借りて来てくれた。
この中に北康利さんとの白洲次郎についての対談がある。
半藤さんは文藝春秋の元編集長で白洲次郎にも会ったことがあるそうです。
先週のNHKのドラマでも紹介された天皇のプレゼントをマッカーサーが「そのあたりに置いてくれ」と言ったのに対し次郎は「かっての日本の統治者からの贈り物を、そのへんに置けとは何事か!」と怒ったのはアメリカに毅然と対峙していたからだけではなかったという。
北氏はこの事件は近衛文麿さんが亡くなった直後で近衛さんと親しかった次郎は近衛さんを踊らせて置いてはしごをはずし、死に至らしめたことへの怒りだったのではないかと言う。
半藤さんによると次郎はマッカーサーの前でベニスの商人のボーシャのセリフを延々と暗唱したという。
そしてそのセリフの中に「慈悲」という言葉が何度も出てくるのでマッカーサーはそれを聞いて、慈悲心こそ、勝者にとって最高の美徳だと思ったんじゃないかと言う。
マッカーサーはこの言葉を聞いたと思われる次郎と会った翌日「天皇を退位させたりしたら、日本国民が許さない。これを抑えるには100万人の軍隊が必要だ、だから天皇は無罪である」という手紙をアメリカのアイゼンハワーハワー参謀総長に送ったと言う。
この次郎の暗唱は幣原とマッカーサーの3時間の会談の中の話ではないかと言う。
この会談で戦争放棄が議論されたようだ。マッカーサー回顧録には「幣原が戦争放棄ということをいってきて、びっくりした」とあるが北氏も半藤氏もマッカーサーから持ち出したのではないかという。
「書きかたがいやに劇的で、いかにもクサイ」と北氏は言う。
憲法9条は憲法1条とバーターだったと言う事だろうか?
次郎は日本国憲法に関しては改正すべきだと思っていたようだが戦争放棄に関しては世界に誇れるプリンシプルだと言っていたようです。
こんな文章もありました。
「白洲次郎がすごいと思うのは、1951年に行われたサンフランシスコ講和条約の調印式から帰る飛行機のなかで、吉田さんに[もう首相をやめなさい]と言っているんです。二人の関係は以後冷えるんですけど、自分はいいたいことをいったんだからとすり寄らない。権力に対して恬淡としているんです。」
直言を受け入れるのも人間の資質だと思う。
白洲次郎のように流れに流されず大局的な立場に立ち権力におもねらず颯爽とした生き方をしたいものだ。
まずはこの本を借りて来てくれたかみさんに感謝の言葉を発しよう。
今夜はこんな所です。
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