核兵器廃絶の「国際規範」確立に向けて ~新政権への期待と課題~
昨日予告しました昨日のセミナーの議事録を箇条書きで書きます。
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{ピースデポ・prime主催公開セミナー}
テーマ:核兵器廃絶の「国際規範」確立に向けて
~新政権への期待と課題~
日時:10月20日(火)午後6時半~9時半
会場:明治学院大学(白金キャンパス)本館10階・国際会議場
講師:レベッカ・ジョンソン(acronym institute for disarmament diplomacy)
:梅林宏道(NPO法人ピースデポ(平和資料協同組合)創設者・特別顧問)
第一部:レベッカ・ジョンソンさんの講演から
(バックで写真のスライドショーが流れてました。同時通訳は機会の調子が悪く逐次通訳となった為一部省略されたようです)
(最初の方は私の参加が遅れたので聞いておりません)
・核のない世界の方から逆に現在を発想してみたらどうだろうか?
・オバマ米大統領は「平和・安全・核兵器廃絶」を言っている
・核兵器は誰が使っても人道に対する罪になる
・日本でも「核の傘」論を言う人がいるが経済や相互依存などの方が遥かに有効な非核の抑止力になる
・日本の3つの課題は
1.当面:核の先制不使用を迫り迫らせること
日本国民は自分たちのために核の先制使用をしてほしくないとアメリカに言って欲しい
2.中期:北東アジアを非核地帯にすること
再開される6者協議が大事
この地域の核保有国を説得することが大事
アルゼンチンとブラジルというライバル国が地域協定が出来たので核開発を放棄した
3.長期:核兵器禁止条約の締結
核兵器禁止条約(NWC)をメインストリームに乗せなければならない
・市民社会への提言
1.2010のNPT再検討会議の重要性を訴えながらもその先を見なければならない
NGOの運動をその結果の人質にしてはならない
2020に核兵器禁止条約(NWC)を成立させる
各国政府にNWCを締結することの重要性を公文書に盛り込ませなければならない
「2008・10・24の国連事務総長の軍縮提案に賛成する」でいい
2.NWC締結のための市民と政府のパートナーシップを作る
来年のNPT再検討会議の次の週末(6・5~6・6)に世界統一行動を行おう
英国ではファスレーン(Faslane)やオルダーマストン(Aldermaton)を包囲する日本でも外務省などに行動して欲しい
ICANのWEBSITE作るので行動予定を見て書いて欲しい
世界統一のメッセージを発信することによって2010以降の影響力が強まる
NPTの2000年の合意(実施されなかった)よりも進んだものにはならないかもしれない
第二部 梅林宏道さんの講演から
新政権になって
・国連総会で鳩山首相が核不拡散のスピーチをすると聞いて心配だった。
・限られたチャンネルで政府に9・24国連総会の直後の10・5国連第一委員会で日本が毎年出す「日本決議」に盛り込むべきことを働きかけた。
・民主党の「政治主導」がある程度掴めた。
・国連総会は政治主導だった、民主党内の議論「日本は核兵器を持つ能力はあるが放棄している」がそのまま出た。
・これは危険なナショナリズムを内包しているし無言の抑止力としている
・これは日本が持っている核の傘が他からどう見えているを理解していない議論
・しかし我々は彼らの意図をよしとして働きかけるべきだろう
・2月の長崎地球市民集会第四回に外務省からも人を呼ぶことになっていたのが状況が変わった。
・我々にとっても新しい事態であり発想を変えるべきだろう
・官僚と市民が政治家を取り合う状況が続く
新政権に期待すること
・「唯一の被爆国」という言葉に生命を与えたい
・「唯一の被爆国」としての立場を訴えるなら「NO USE」にならざるを得ない
・成立した対人地雷禁止・クラスター爆弾禁止の条約のわかりやすい条文が参考になる
・単なる国連決議ではなく拘束力のあるものが必要
・核保有国は説得出来なくてもいい→「使うな!でいい」
・150を越える国は賛成するだろう。
・NPTで核兵器禁止条約を日本政府は提案すべき
・岡田外相を含む核軍縮議議連参加の多くの民主党議員も賛同署名している
第三部 質疑応答
Q(弁護士) 「NON FIEST USE」をアメリカは受け入れるかもしれないがロシアが反対した場合どう日本政府に訴えるか?
A(梅林宏道さん)ロシアは一時期不先制使用を表明しようとした、自分たちの役に立つことを我々は訴求すべきだ。
Q日本の戦争責任問題が障害になって日本の意思が海外に伝わって行かないが・・
A(梅林宏道さん)私はその問題は克服されつつあると思う。
今核兵器をなくさないといけないという認識は広島・長崎よりも世界から広まっている。
Qオバマは本物か?
A(レベッカ・ジョンソンさん)アメリカのNGOの人は本物だと言っていた。上院議員のときの大統領選挙戦でもマニフェストとして核廃絶を言っていた。(国民は信託を与えた形になっている)(ノーベル賞を貰ったバグウオッシュ会議のメンバーがブレインに入っている)
Q(私)英国が最初の核廃棄国になる可能性が高いといわれているが、ファスレーン365の運動の紹介とそのために日本が何が出来るかを尾S教えて欲しい
A議論の質が変化してきている。我々は更新の是非のにTづいて理論的には勝利した。
既にトライデント更新にいくらかかるのかという議論になっている。
首相も更新しないと言い出す勇気がないだけで核兵器をなくしたいとは思っている。
現在予定されているトライデント潜水艦4隻を3隻にしても48発の核兵器は残る
日本の方には日本の在日英国大使館経由トライデントを更新しないようレターを書いて欲しい
NPTに従え、リーダーシップを取れ、そうすれば評価が高まると書いて欲しい。
来年の6月5日には英国大使館にもデモをかけて欲しい
Q(在日朝鮮人)小沢一郎の母は韓国人だがそれを隠さないで欲しい
Q(学生組織)学生の力をどう発揮したらいい?
A(レベッカさん)アメリカ大統領選挙のオバマ当選も英国のトライデント反対運動も若い人が参加している
その存在が重要で・必要で・活動が楽しかったからだ。
多くの若い人の意見に耳を傾けるべきだ
Q日本にある基地の問題と核廃絶の問題をどう考えるべきか?
A安全保障をどう考えるかという意味で関連している
Q(大学1年生)国連決議には拘束力がないが
A(レベッカさん)ソフトパワー(決議を破った国に非軍事制裁)とハードパワー(軍事制裁)があるがほとんどのケースでソフトパワーの方が有効
99% は国連の条約に従っている。道徳的・規範的・政治的説得が一番大事
最後に
梅林宏道さん
中国は従うだろう①先制使用はしない②非核兵器保有国には使わないと宣言してる。
「言や良し」という対応すべき
新しい日中関係を新政権は提案すべき
レベッカさん
DEMAND GLOBALLY ACT LOCALLY!
国際的連帯と自国政府との(批判的)パートナーになることが大事です。
―――
参加してよかったと思います。
参加した皆さんとも今後連絡取り合いながら核廃絶の為によりコミットして行きたいと思います。
妻と一緒だったのが私には会議の意義をより強めました。
ーーー
国際賢人会議が最終会合を広島で開き来年1月に発表する報告書の最終原案をまとめた。
スケジュールはこうなっている。
以下10月21日朝日新聞社説より
2012 包括的核実験禁止条約発効
核を持つすべての国が軍縮交渉に入る。核の役割を核攻撃の抑止に限定し、非核国には使用しない。25年までに核兵器ゼロに手が届くような状態へと進む。
核保有国同士の先制不使用にも合意する。
核兵器禁止条約の作成の準備も始める。その後、核抑止が不要になるような国際環境をつくって、廃絶する。
核をなくす目標年は明示してない。
核実験した北朝鮮や、核開発疑惑のあるイランへの対応に妙案を示している訳でもない。
それでも核依存の安全保障を改め、核を非合法していく道筋を示した重要な行動指針である。
集中力な外交努力で、次々と実行に移したい。
ーーー
追記
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