「一身独立して一国独立」ー「坂の上の雲」が始まった
3年間続くというNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」が今日から始まった。
なかなか大規模な力の入ったドラマである。
正岡子規に興味を持っている私としては多いに楽しみにしている。
「一身独立して一国独立」という主人公の一人秋山好古が一番偉いと思うと言う福沢諭吉の「学問ノススメ」の言葉が印象に残った。
「勉強のしあいっこをしよう」という言葉が何度も出てきた言葉が「坂の上の雲」を目指して坂を登る青年を象徴している。
人生一生勉強である。
戦争を体験した司馬遼太郎は第二次大戦の兵士を死なす戦争の時代の前に兵士を大事にする時代があったということを言いたかったのだろうか?
文藝春秋が平成十年八月『二十世紀図書館』と銘打って、政、財、官、文化人約170人にアンケートを取った「二十世紀に書かれた本のうち、心に残る作品、後世に残したい本を国内、海外十冊づつ選ぶ」では国内国外通して 坂の上の雲が一位だった。
このアンケート結果について、作家の井上ひさしとノンフィクション作家・立花隆との対談の中で、「坂の上の雲」が第一位になった結果について井上ひさしが次のように所見を述べている。
「戦前戦中の大日本帝国は植民地主義に凝り固まってアジア諸国に大変な迷惑をかけた。これはだれにも否定できない事実でしょう。だからこそ戦後は、三流国、四流国と呼ばれても仕方がないと考えながら生きてきた。当然、歴史学者たちも、そういう国民の思いを反映して、戦前戦中の日本を全否定する本を書いた。そのうち、そう思うことに、日本人自身が疲れてきた。そこへ絶好の救いの手があらわれたんですね。近代日本もその始まりは正しかったんだ、明治という時代は明るかったんだと言うふうに。この作品はまさに絶妙なタイミングで世に現れたわけで、一位はうなずけます。」
政、財、官、文化人ではなく一般人にアンケートを取ったら違う結果かもしれない。
世代によっても全く違うだろう。
私は「坂の上の雲」を読んでいない。
この番組と同時に読もうと思います。
『二十世紀図書館』のベスト5を紹介しておきます。
順位 得票数 著 者 書 名 発表年
国内 1 32 司馬遼太郎 坂の上の雲 72
2 22 西田幾多郎 善の研究 11
3 20 夏目漱石 吾輩は猫である 05
4 17 梅棹忠夫 文明の生態史観 57
5 16 島崎藤村 夜明け前 32
海外 1 22 J,Mケインズ 雇用・利子及び貨幣の一般理論 36
2 19 魯迅 阿Q正伝 22
3 14 S,フロイト 精神分析入門 16
4 14 ガルシア,マルケス 百年の孤独 67
5 13 A,カミュ 異邦人 42
出展
“(1)「坂の上の雲」は二十世紀最高の作品か”
http://book-guerilla.hp.infoseek.co.jp/sakka-04.htm
他の参考になる坂の上の雲関連サイト
NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp/drama/dramalist/sakanoue.html
坂の上の雲マニアックス
坂の上の雲ミュージアム
http://www.sakanouenokumomuseum.jp/
坂の上の雲提供: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AE%E9%9B%B2
今日はこんな所です。
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【疑】 月刊「創」に連載中の「永六輔矢崎泰久のぢぢ放談」が好きなのだが、12月号では国家を語る中で、司馬史観について触れていた。
今年はNHKが大河ドラマの「天地人」を一ヶ月早く終わらせて、「坂の上の雲」を始めたし、来年の大河ドラマも「竜馬伝」だ。
「坂の上の雲」は今後3年間続くというし、NHKが司馬ドラマにやけに力を入れている。
司馬ブームを起こそうとしているのだろうか。
当方、もともとブームには背を向けがちなへそ曲がりなので、このNHKの司馬ブームにも、つい疑いのまなざしを... [続きを読む]
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