松尾芭蕉この一句
子規についてまた書きます。
子規は芭蕉の句を批判する事で文学界に登場した。
芭蕉の各句を手厳しく批判している。
以下引用
「過半悪句駄句を以て埋められ」と切って捨てていたという。
その上で、「可なるもの200余句」とも認めていると言う。
今朝の天声人語では以上を書きながら「松尾芭蕉この一句」という俳人312人の投票による俳聖の句のランキング本を紹介している。
子規はやはり俳句の第一人者は芭蕉と認めた上で敢えてリアリズム論を展開するために芭蕉を取り上げたのではないだろうか?
そして十分それは成功したのではないだろうか?
今はやや異論のある古今和歌集を全く評価しなかった事とは少し違うだろう。
子規の「獺祭書屋俳話」
から
子規の評価する芭蕉の句と評価しない芭蕉の句を紹介します。
子規の評価する芭蕉の句
[i曰く]
此瓦石混淆の集中より撰びし好句の數五分の一に過ぎざるも亦無理ならぬ譯なり。
芭蕉の俳句盡く金科玉條なりと目せらるヽ中にも一際秀でたるが如く世に喧稱せらるヽものは大略左の如し。
古池や蛙とびこむ水の音
道のべの木槿は馬にくはれけり
物いへば唇寒し秋の風
あか\/と日はつれなくも秋の風
辛崎の松は花よりおぼろにて
春もやヽけしきとヽのふ月と梅
年々や猿に着せたる猿の面
風流のはじめや奧の田植歌
白菊の目に立てヽ見る塵もなし
枯枝に烏のとまりけり秋のくれ
梅の木に猶やどり木や梅の花
子規の評価しない芭蕉の句
(曰く)
の如き類ひ枚擧に遑あらず。拙とやいはん無風流とやいはん。芭蕉にして此等の句を作りしかと思ふだに受け取り難き程なり。
二日にもぬかりはせじな花の春
叡慮にて賑ふ春の庭竃
人も見ぬ春や鏡の裏の梅
一とせに一度つまるヽ薺かな
景清も花見の座には七兵衞
暫らくは瀧にこもるや夏の始
おのが火を木々の螢や花の宿
世の人の見つけぬ花や軒の栗
五月雨にかくれぬものや瀨多の橋
五月雨の降り殘してや光堂
目にかヽる時やことさら五月不二
文月や六日も常の夜には似ず
朝顔に我はめし食ふ男かな
ーーー
裾野から高峰攻める子規の冬 公彦
ーーー
ではまた・・・
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