過労死しそうなお金を自然物に近づける
今日も志村建世のブログから2つ記事を紹介します。
元になった懐かしの愚樵さんや帰ってきた馬場英治さんの記事はリンク先から読んで下さい。
今日はお金の話。
働き過ぎて過労死しつつあるお金を自然物に近づけようという崇高なお話
過労死は人間であれお金であれ良くないですね。
現代の病魔でしょう。
1%の一般取引税を全ての取引にかけて消費税は無くすというのは斬新なアイデアです。
株価が下がってお悩みの友人にこの話をしたら「世の中が活性化しなくなる」と言われました
しかし
消費税がなくなれば世の中はかんり活性化すると思います。
大企業はスルーするだけで何も負担がなく、大金持ちには相対的に負担の少ない税=消費税を上げないどころか無くすのがこれからの政治の最大の課題だと私は思います。
貨幣に働かせるのではなく、人間が働きましょう。
過労死や派遣切りという言葉を死語とするような
より人間らしい働き方で・・・・
以下引用
――――
2009.11.13
お金も過労死しそうだった
[ 社会時評 ]
ふと通りかかった「ろるる」さんの日記に、 「近年『お金に働いてもらう』という人間の思惑が強くなりすぎて、お金が働きすぎて?疲れてしまったのかもしれないなぁと思いました。」という記述があ
り、うまい表現だと思いました。銀行のロビーで読んだ週刊誌の記事で、資産運用の指南として「危険な投資よりも安全な定期預金か国債にしましょう」と書い てあるのを見て、今昔の感があったのだそうです。
かつては「お金は寝かせておかないで投資して働かせましょう」と、銀行までが煽っていたのですから、たぶんお金は世界的に働き過ぎだったのです。分不相応に働いたので過労死しそうになった、それで金融危機を招いたという説明ができると思いました。
通貨の本来の役目は商品の流通を助けることでした。それが経済の発達で通貨があちこちに集積されるようになると、通貨そのものが「財産」であるかのごと
き錯覚が生まれます。実際は通貨は「交換価値」でしかなく、現代ではコンピューターの中の情報に過ぎないにもかかわらずです。その情報でしかない通貨が、 コンピューターの中を移動して増えることが「お金が働く」ことだと皆が思いこんだのが金融バブルでした。
もしこれが本当だとすると、お金を働かせて地球上の人間みんなを養えるだけの利益が生み出せさえすれば、人間は誰一人として働かなくていいことになりま
す。そうなったら食糧を作る人も、工場で働く人もいなくなります。コンピューターの中に充分な財産があったとしても、そんな地球で人間が生きていられる筈 がありません。
では、どこが間違っていたのでしょうか。
通貨は集積すると利子がつく、つまり自然に増殖するというのが資本主義の大きな特徴でした。しかしそれは実体経済の成長を前提とした話であって、通貨の
増殖だけを切り離したら、つまりお金だけを無理に働かせたら、計算は成り立っても実体は成り立たないのです。その乖離が金融危機になりました。だからこれ から必要なのは、お金をしばらく静養させて、保護観察しながら必要な制限を加えて行くことです。
たとえば株や為替の取引に一定率の公的な課金をすれば、短期取引を繰り返す投機を抑制しながら、新しい財源を確保することができます。国際的な取り決めには時間がかかるとしても、すでに導入している国もあるのですから、日本でも研究する必要があるでしょう。
2009.11.14
お金を自然物に近づける
[ 政治・政党 ]
少し前の愚樵さんのところに「貨幣の摩耗と腐敗」という面白い記事が出ていました。きっかけになったのは馬場英治さんの「静かなる革命」で、その第1章で「税率1%の一般取引税を導入すれば消費税増税が不要になるばかりか、消費税そのものを廃止できる」としています。通貨が移動するたびに少しずつ摩耗すると考えれば不自然でなく、もっとも単純で効果的な税制になるというのです。
以下は私の勝手な連想なのですが、個人が所有するほとんどすべての価値あるものは、使えば使うほど、古くなれば古くなるほど価値が下がります。これが摩耗と腐敗です。ところがこれと反対に、うまく使えば使うほど、積んで放っておけば時間がたつほど増殖する、魔性を備えた価値あるものが通貨です。この魔性の部分を削いで、削り取った価値を公共の財源にしたら、貨幣は人間と長く共存できる自然物に近づくのではなかろうかという発想です。
これはなにも奇抜なマジックではなくて、資本主義を矯正する税制の話なのです。馬場英治さんの一般取引税は、株や為替の取引では1%でも高過ぎるかもし
れません。なにしろ1万分の1のトービン税でも、まだ反対が多くて実現していないのですから。しかし本来の投資や、貿易のための為替だったら、1%の税は 適正とも言えます。デイトレーダーがコンピューターを使って分単位、秒単位で取引つまり貨幣の支払いと所有権の移転を繰り返しながら、相場を操っているこ
との方が、よほど異常なのです。
貨幣は使えば目減りする、それが自然の姿とすると、貨幣を貯蔵する、つまり貯金しておくと腐敗が進んで価値が下がることになります。これは預貯金に対す
る資産税です。金融業は預貯金に利子をつけますが、それはそれとして構いません。しかし別に一定率の資産税をかけることとします。これは一般的な財産に維 持費や資産税がかかるのと同じことです。
さて、こう考えてくると、「貨幣を自然物に近づける」論は、決して荒唐無稽な理屈の遊びではなくて、きわめて真っ当な税制改革論になってきます。税制に
所得再配分機能を持たせるためには、一般取引税に生活必需品の免税や、ぜいたく品への加重を加味することができます。預貯金への資産税も同様です。つまる ところは、貨幣を野放しにせず、人間の支配の下に置こうということなのです。お金は注意して充分な世話をしながら飼いましょう。
(追記・従来は資本主義の発展に適度なインフレは不可欠と考えられていましたが、この新しい考え方だと、永続型の貨幣循環が可能になります。)
――――
参考
愚樵空論
貨幣の摩耗と腐敗http://gushou.blog51.fc2.com/blog-entry-309.html
http://exodus.exblog.jp/11405358/
消費税に関してはここでしょう。
今日はこんな所です。
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とっぺんぱらりさん
コメントありがとうございました。
金利を取ってもグラミン銀行のような行き方は評価に値すると思います。
参考
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%b0%a5%e9%a5%df%a5%f3%b6%e4%b9%d4
確かにイスラム教の金利を認めない考え方は今評価されるべきだと思います。
こちらも銀行は手数料を取りますが・・・
こんな記事がありました。
保険大国日本とイスラム教
日本では、江戸時代から講などのように自然発生的に庶民の中から、保険を発達させました。また明治以降も西洋式の保険が導入され、現在では、世界最高水準の保険加入を誇ります。
日本では「個人の経済的な安全を守る」発想から個人が協力して集団で、保険というシステムで、経済的破綻のリスクに対処してきました。
一方、イスラム教では「個人の経済的な安全を守る」発想から「賭博の禁止」を厳格に解釈して、保険を禁じてきました。
同じ「個人の経済的な安全を守る」発想から対照的な結論を導き出しているのは興味深いことです。
リスクヘッジか、バッファー在庫か
この二つ対照的な結論の違いを、解釈するならば、リスクヘッジ(=保険)をとるか、バッファー在庫(=貯蓄)をとるか、ということになります。
http://ba-kobe.com/081019nishi.html
投稿: 大津留公彦 | 2009年11月21日 (土) 22時09分
latter_autumn さん
コメントありがとうございます。
なかなか話題のあるテーマですね。
もう少しこの提案は考えてみたいと思います。
リンク先を見て思いましたがあまり話題になってないですが証券優遇税制は来年から止めるべきですね。(政府はその気はないようですが・・。)
(このことを記事にしょうと思います)
「働き過ぎ」というのは貨幣のことで正確には「働かせ過ぎ」もっと正確には「詐欺のやり過ぎ」と言うべきでインパクトのある文学的表現と言うべきでしょう。
投稿: 大津留公彦 | 2009年11月21日 (土) 21時49分
「金利」「利息」という概念や制度はいつの時代にできたのでしょう。生産物の間接的交換手段としてできた「通貨」。その通貨自体が独り歩きをして、「実態のない生産」=「商品」になり、多額の不労所得を生み、実体経済をも支配すること自体が異常だと思います。
変動相場制という通貨の商品化は、ニクソンのアメリカによってなされました。通貨の取引という生産を伴わないシステムになって40年経ちました。何も生産しないのに莫大な利益を生む経済システムというのは、バクチと同じです。そういう世界で「金融」だとか「投資」などを業としている人は、人の金でバクチをしているタダの博徒にしか見えません。
イスラム教の教えでは、利息を取ることは禁止されているそうです。(外国から=他宗教を除き)
この面ではアメリカなどが敵視しているイスラム世界の方が、より「道徳的」に見えてきます。
預け入れ金利0.4%、貸付金利5~20%。どちらも不労所得です。
金利を禁止するということを私は考えています。(一時的に社会的大混乱はあるでしょうが)
投稿: とっぺんぱらり | 2009年11月21日 (土) 12時12分
>「税率1%の一般取引税を導入すれば
>消費税増税が不要になるばかりか、
>消費税そのものを廃止できる」
「静かなる革命パンフレット」とこちらを見ましたが、
http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/set/kess/index.htm
馬場さんの言っている「一般取引税」は絵に描いた餅、「限りなく公正で経済に透明」「脱税ゼロ」どころか簡単に脱税できるシロモノでしょう。すなわち、金の受け渡しを銀行を介してではなく直接やれば「一般取引税」を払わなくて済む。
パンフの5ページ目や17ページ目にも書いてありますが、「非常に徹底した提案」というのは、抜け道を塞ぐためにそのように「徹底」しようとしているのですから。
>馬場英治さんの一般取引税は、株や
>為替の取引では1%でも高過ぎるかも
>しれません。
>しかし本来の投資や、貿易のための
>為替だったら、1%の税は 適正とも
>言えます。
>デイトレーダーがコンピューターを
>使って分単位、秒単位で取引つまり
>貨幣の支払いと所有権の移転を繰り
>返しながら、相場を操っていること
>の方が、よほど異常なのです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-12-01/2007120112_01faq_0.html
現行の株式譲渡益課税よりもずっと低率の一般取引税(しかもザル法同然)が投機を有効に制限できる手段になる、というのであれば、全く非現実的でしょう。
>たぶんお金は世界的に働き過ぎだった
>のです。分不相応に働いたので過労死
>しそうになった、それで金融危機を招
>いたという説明ができると思いました。
金融危機の原因は、むしろ詐欺みたいなもんです。高リスク金融商品のリスクの実態を伏せて高リスクではないように装って乱発した訳ですから。
こういう不労所得を指して「働き過ぎ」などと形容するのも、センス的に如何なものかと。
投稿: latter_autumn | 2009年11月20日 (金) 17時24分
愚樵さん
コメントありがとうございました。
お金の問題を考えて行きたいと思います。
来月マイケル・ムーアのマネタリズムという映画が公開されるようです。
期待したいと思います。
投稿: おおつる | 2009年11月20日 (金) 06時56分
大津留さん、ご無沙汰しております。
記事の紹介、ありがとうございます。
そういえば少し前に村野瀬さんのところで、資本主義に疑問を持つ人が増えているという内容の記事がありました。
資本主義に疑問をもつ、その根っこであるお金の在り方に疑問をもつ。いいことだと思います。
今の世の中は明らかに大きな変革期です。ですので、さまざまな疑問が生まれてくるのは当然のこと。社会の大きな変革は混乱をもたらすのが常ですが、もしかしたらネットは、そうした混乱を小さくする力があるのかもしれませんね。
なお、当方へのTBが出来ない、コメントが弾かれるという問題は、私にもわけがわかりません。特に制限をかけているわけではないのですが。
投稿: 愚樵 | 2009年11月20日 (金) 06時30分