湯浅誠さんの「どんとこい貧困!」を読んだ。
湯浅誠さんの「どんとこい貧困!」を読んだ。
この本は理論社の「よりみちパンセ」という
中高生向き以上に書かれてシリーズの一冊です。
この本は「イスとりゲーム」のマンガから始まります。
本の前半は「自己責任論」への反論
後半は活動家論です。
最後には重松清氏との対談が付いてます。
「自由な働き方を求めて人は派遣になる」という話は会社で聞かされた。
だから派遣を受け入れるとという論理に私は抗った。
「切られる事ですむ場所を同時に失う、そんな働き方を自分から選択する人って、本当にいると思う!?」と湯浅さんは問う。
自己責任論と言うのはこういう発言になる。
「努力しないのが悪いんじゃない?」 _「甘やかすのは本人のためにはならないんじゃないの?」 _「死ぬ気になればなんでもできるんじゃないの?」 _「自分だけラクしてずるいんじゃないの?」 _「かわいそうだけど、仕方ないんじゃないの?」つい陥りやすい思いですが湯浅さんはこの本で厳しくそして優しく批判します。
前半の「自己責任論」から紹介します。
まずは「上から目線」から
(私も日頃態度が大きいと言われてますので心して読みました。)
「上から目線」という言葉がある。人を見下したような、自分が相手より上に立っていることを前提にしたような考え方・発言という意味だが、自己責任論をふりかざす人たちに共通しているのが、その「上から目線」だ。というか、自己責任論はかならず「上から目線」になる。「上から目線」のないところに、自己責任論は生じない。 なぜなら、自己責任論とは、そもそも仕事がうまくいかなかったり、生活が立ちゆかなくなったりした人たちに対して、うまくいっている人たちが投げつけるものだから。次は「黙らせること」が自己責任論の目的だと言うこと。
自己責任論の一番の目的、最大の効果は、相手を黙らせることだ。 弱っている相手を黙らせること。これは弱い者イジメだ。 弱い者イジメをする人間は、いつの世も、強い者には絶対に歯向かわない。強い者に対しては「自分も仲間に入れてください」と媚びる。自分が強い側にいなければ、弱い者イジメができなくなるから、弱い者イジメをしている自分はいつか仕返しされるんじゃないかと怯えているからだ。だからかっこ悪い。
この本で湯浅さんは「溜」という言葉を何度も使っている。
個人では家庭であったり、友人であったりするし、社会ではセーフティネットであったりする。
貧困状態に放置された人の選択肢は、次の5つしかないそうです。
__家族に頼る __自殺する __罪を犯す __ホームレス状態になる __NOと言えない労働者になる
「溜」をどう作るかが個人にも社会にも課題だろう。
貧困問題に付いて、湯浅さんはこう言う。
「この数年で貧困問題に対する社会の見方はずいぶん変わった。一進一退しながら少しずつだけど、それでも数年前にくらべれば、えらい変わりようだ」
派遣村村長として世の中に「貧困」を可視化した湯浅さんの貧困問題に対する社会の見方の変化への貢献は大きいだろう。
「何がいちばんいやですか?」と谷川俊太郎さんからの質問に対する湯浅誠さんの答に湯浅さんの静かな怒りがこもっている。
ごうまんな考え方。ごうまんな生き方をする人。他人を批判していい気になっている人。他の連中はバカで、自分は頭がいいと勘違いしている人。徹底的にやりこめてやりたくなる。
湯浅さんはこう書いている。
「いずれ政治が変わって、いまは「派遣切り」をバンバンやっている企業が、テレビCMで「ウチの会社は、こんなに労働者を大切にしているんですよ」と言いはじめる時代が来たっておかしくないんじゃないだろうか?少なくとも「絶対に来ない」とは言い切れないんじゃないだろうか?」
エコに反対していた大企業がこぞってエコと言う変化を見るにつけ、私はこの湯浅さんの予言は必ず当たるだろうと思う。
私は湯浅さんに東京都知事になって貰い貧困問題に対する社会的「溜」とはこういう物だと言うシステムを作って欲しいと思っている。
参考ブログ
喜八ログ
http://kihachin.net/klog/archives/2009/07/dontokoi.html
紙屋研究所
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/dontokoi-hinkon.html
福岡県弁護士会の読書
http://www.fben.jp/bookcolumn/2009/08/post_2273.html
本のブログ ほん_たす
http://hontasu.blog49.fc2.com/blog-entry-289.html
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