今日の日経の河野裕子と坂井修一
今日の日経から短歌からみ二題です。
まず1面の「春秋」から
「自分で年を取ったなと思ったのはいつ?』
そう言われて女優の高橋峰子さんは「明日にしよう、そう思ったときですね。前は、今日やるべきことは全部今日、済ませてた」と70歳の時答えたそうだ。
方や国文学者の故佐竹昭広さんは「今日ノ所作wヲ明日作スコト」と並んで「明日ノ所作ヲ今日作ス」のも無精だと書いていると言う。
はじめの方が懈怠(けたい)、あとは懶惰(らんだ)と呼ぶそうだ。
「日銀の金融緩和策と民主党の代表選について懈怠はないか、懶惰は忍び込まなかったか。季節が移ろうとする今、そんな目で我が身と世の動きを見つめ直すことも必要だろう。」と書いている。
(菅・小沢会談は決裂したようでまた長い懈怠か懶惰かはともかく無精が当分続く。)
(代表選の争点は 「反小沢 反菅(カン)反民(ミン)でどうだろうか?)
話題が変わってしまった。
このコラムの最後は短歌で結ばれている。
「 いちばんの大切は今の時間、卵抱く鶏がうっとりと目を閉づ 」(河野裕子)
故河野裕子さんについて最近こう書きました。
次は40面(最終面)の「交友録」歌人で私も「大津留公彦の短歌と俳句のホームページ」の頃からフォローしている東大教授で歌人の坂井修一氏が「研究室と短歌」という文章を書いている。
東北大学教授の高梨弘毅氏との出会いが短歌を始めたきっかけだったと言う。
高梨氏の恩師が馬場あき子さんの弟子だったのが短歌に興味を持つきっかけだったようだ。
理科一類同年入学の二人が萩原朔太郎などの文学を語っていたと言う。
高梨氏は文芸に見切りをつけたが坂井氏は「コンピューターを専攻しつつ、ときに生業を危うくするまで歌の世界に深入りして行った。」
坂井氏はアメリカ留学中も継続的に短歌を発信していた。
こんな発言がはなかなか言える物ではない。
「短歌を高雅な趣味と考える人は多いが、歌を作るのは、学者がネイチャー誌の論文を書いたり、技術者が社運をかけた商品を開発するのと同じ行為だ。命を削らなければ、本物はできない。
坂井さんの奥さんは同じく歌人の米川千嘉子さんで我が現代短歌研究会で近々取り上げて学習する事になっています。
坂井修一歌集『ジャックの種子』から坂井さんの短歌を紹介しよう。
• 賢者なく英雄のなき世の果てへ彗星はゆくながき尾をもて
• ハッカーとファッカーの間さまよはむWWW少年ゆるゆる太る
• とめどなく問はず語りの湧きやまぬホームページに目つむりてわれは
• ことば率て思想率ざりしあかるさよああ新世紀来ざらむごとし
• インターネットの最先端を走る歌人の面目躍如といった所です。
こんな家庭人の歌もあります
われは♯なり妻は♭なりしづくして庭の紅葉はくるくると落つ
修一の生の逞しコンピュータと短歌と家庭のクロスオーバー 公彦
以上です。
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