マイケル・サンデル教授の「白熱教室in東京大学」と宮本たけし議員
ハーバード大学のマイケル・サンデル教授出演の「教授の白熱教室in東京大学」後編を見た。
3つの正義に従って「正義とは何か?」を議論する
3つの正義とは
(1)最大多数の最大幸福[功利主義]
(2)人間の尊厳尊重(自己決定権と自律、道徳の根本原理は普遍的、個人的なこととは違う(国や時代)。)[カント]
(3)コミュニティーの共通善(何が「よい」生き方か方?)[アリストテレス]
教授から学生に出された質問はこんな感じ
「家族に対する義務:殺人を犯した弟を警察に突き出すか?」 (カントとアリストテレスの論法が、この質問の中にある。)
「日本に洪水の被害にあった。地球の裏側の国より自国を優先すべきか?それとも全ての国に等しくあるべきか」
「私の生まれる前に国が犯した責任を私も負うべきか?日本の前の世代が犯した戦争の過ちを今の世代が公に謝罪すべきか?」
「オバマ大統領は、原爆投下について謝罪すべきか? (オバマ自信は原爆を落とす決定をしたわけでない。)」
教授自身が動き回って講義形式でなくし、論争になるように対立意見を出させてそれぞれの名前を聞いて会場に立たせたままで議論するというやり方が議論のテクニックをわきまえていると思いました。
こういう授業なら少なくとも眠る人は居ないでしょう。
しkしサンデル教授は「コミュニタリアン」という言葉をしきりに使ったが西洋的なコミュニティ意識と、日本人が無意識のうちに身に着けている東洋的な仲間意識には自発性という点で少し違いがあると思う。
教授の討論のまとめの言葉はこんな感じ。
「あらゆる市民生活の中で、意見が一致しなくても互いに聞き合うことが、道徳的社会を作る方法。哲学では答えが出せない。それは過去の偉人が証明している。しかし哲学を避けることはできない。いつか世界を変えることができるのが哲学だ。その答えを日々生きている。
結論は出せなくとも、解決は不可能でも各々が考え、共に語り合い耳を傾け続けること。諦めずに・・最期まで。その議論の中で私たちは答えを生きているのかも知れない。」
押さえつけでなく話し合いで物事を解決するのは日本の得意とする所のはず。
なあなあで済ませてしまうのも得意だが・・・。
ーーー
この授業を宮本たけし共産党衆議院議員が聞いていたのを知ったのは小池晃さんのtwitterのこのつぶやきでした。
(ご本人が現場で呟いていればもっと早く知ったのですが・・・)
koike_akira 小池晃
昨夜たまたまTVを見たら、ETV特集で”サンデル教授の白熱教室in東京大学”。なかな か面白かった。学生のリベラルな応答にも感心。一番前の席に見たような人が座っているなと思ったら、日本共産党の宮本たけし衆議院議員。彼の最後のコメン トもなかなかイケてました。#sandel
9月27日
山下よしき議員のブログ
(ご本人のブログがあればもっと早く知ったのですが・・・・)
http://www.yamashita-yoshiki.jp/column/column/1285515511.html
公募で参加したわが友人・宮本たけし衆院議員も講義終了後のインタビューに登場し、「日本の国会にサンデル先生に来ていただいて、国会議員が先生の講義を聴いたら、もっといい国会になると思います」とコメント。ナイスでした!
そして最後にご本人のホームページから
宮本たけしさんのホームページ
http://www.miyamoto-net.net/column2/new/1284539748.html
ETV特集「白熱教室 in Japan」で私のインタビューが流れました!
昨日NHK教育テレビで、午後10時〜11時29分放映されたETV特集「ハーバード白熱教室 in Japan」では安田講堂内最前列で講義を聴講する私の姿とともに、番組の最後に「今度はサンデル教授に国会に来ていただいて、国会でこういう講義をやっ てもらいたい。政治家こそこういう議論をやるべきだ」という、私のコメントが流れました。2中総の場でも、番組を見た多くの人から声をかけられました。以 降の放映予定は以下のとおりです。
○10月3日(日)、10月10日(日)教育 午後6時〜6時58分
「前編」「後編」
○10月17日(日)教育 午後6時〜6時58分
「白熱教室の衝撃(仮題)」
サンデル教授の講義に参加した人たちのインタビューを交えながら、「ハーバード白熱教室」が日本の社会や教育に与えたインパクトを特集します。ここに私が登場するかも…。
もちろん、インタビュー以外でも、教室の全景が映る時にはご注目を、教室の最前列に私がいます。
Last Update : 2010年09月27日
そしてこんな記事もありました。
今日の学生について考える。なぜ「ハーバード白熱教室」に参加したか。
http://www.miyamoto-net.net/column2/diary/1285828668.htm
先日開催されたわが党第2回中央委員会総会では、学生分野での「広大な空白」の克服を呼びかけましたが、私たちは、こういう社会問題に真面目に、真摯に、 わがこととして取り組んでいる若者や学生たちと、もっともっと接点を持ち、彼らを励まし応援して、それぞれの問題のおおもとにどのような政治のゆがみが存 在するのかをともに考え、ともに前進するようなとりくみが必要なのではないでしょうか。
この間、NHK教育テレビで放映されて大きな反 響を呼んでいる東大安田講堂での「ハーバード白熱教室 in Japan」に、私が参加しようと思った動機も、そこにありました。サンデル教授の講義では、「所得の格差はどれくらいまで許容されるのか」「多額の寄付 をしてくれる裕福な親を持つ子どもを大学に優先入学させることは認められるべきか」「道徳的責任は世代を超えて継承されるべきか」というようなテーマをめ ぐって、東大などの学生たちが、次々真剣な議論をくりひろげました。
私の隣に座った学生は東大の法科大学院の学生でしたが、集まった学 生たちは非常に優秀な学生たちでした。私がもっとも関心を持ったのは、そういった今日もっとも優秀と思われる学生たちが、そういう政治哲学の諸問題を真剣 に議論する時、「科学的社会主義や、わが党綱領は、果たしてそういう議論の中で、なお知的・理論的先進性を発揮しうるだろうか」ということでした。
議論が「自由競争・能力主義賛美、格差容認」というような方向や、「靖国派」のような方向に行って、私などが聞いていて違和感があるような方向に行くの か、それとも議論を深めれば深めるほど、私たちの考えとベクトルが近くなってゆくのか、そこを見極めたかったのです。私は、もはや学生ではありませんの で、もとから発言は控えるつもりでした。しかし、議論が「弱肉強食何が悪い」というような方向に行ったり、靖国派のような方向に行って、反論がなければ発 言せねばとも思っていました。
しかし結果は、発言する必要もなく、議論は学生たちの意見によって「公平な社会をつくることこそ正義であ る」「世代を超えて歴史に対する責任は負うべきだ」という方向に進んだのです。もちろん、格差が広がるような社会的構造の奥に何があるのか、「自虐史観か らの脱却」などを主張する今日の靖国派が、決してアメリカに対しては従属からの脱却を主張しない矛盾など、私たちならばもう一歩踏み込むだろう点はありま したが、ベクトルは実に正しい方向を向いたものでした。
すばらしい学生たちや若者たちは、何も日本共産党の近くにいるとは限りませ ん。そういう若者の中に飛び込んでいって、彼らを励まし、要求をかかげた運動にともに汗を流し、結論を押し付けるのではなく、サンデル教授のように彼らに 真剣に考えてもらい、一歩一歩ともに前進する、そういう働きかけが実に大切だと思います。そして2中総でも強調されたように、「その部署のいかんにかかわ らず、率先してかってでて、学生のなかで未来を語る」ことが大切だと痛感しました。
宮本たけしさんのホームページへ寄せられたこの件のメール
http://www.miyamoto-net.net/column2/letter/index.htm
本日(10月10日)のこの番組のつぶやき一覧
お気に入り
10/10マイケルサンデル『ハーバード白熱教室@東京大学』 #nhk_harvard #JusticeJP #Sandel #otakingex
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サンデル教授に見習ってデイベートする習慣を付けたいものです。
本日の放送では何故か宮本たけし議員のコメントは流れませんでした。
文教委員という事もあるかと思いますが国会議員で唯一公募に応じたというのが偉いと思います。
10月17日(日)教育 午後6時~6時58分
「白熱教室の衝撃」
も是非見たいと思います。
しかし英語が流暢な学生が多いのには心底驚いたなあ。
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yamamotoさん
コメント有難うございます。
自分の経験から言うと、いい授業とはまず学生を寝かせない授業だと思います。
参加意識を持たせる為には学生になるべく発言させる事が必要だと思います。
日本の理系サンデル教授になって下さい。
ブログ記事参考になりました。共感する所が多いです。
投稿: 大津留公彦 | 2010年10月11日 (月) 07時57分
実は最近「科学と文化」という,文系のような授業を割り当てられて苦労しているのですが,サンデル教授の,ずっと前に放映された「本家」での授業を見て,何とかまねしたいと思いました.(理系の授業で「対話型」と言えば,演習ですかね.)
ところで,先日の,宮本たけし氏も出席したはずの中央委員会総会でのディベートの水準はどうだったでしょうか?
この会議についてブログ記事を書きました.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10
投稿: yamamoto | 2010年10月10日 (日) 21時54分