「武士の家計簿」を観ました
昨日妻と「武士の家計簿」を観ました。
家族の大事さを感じさせる正月に相応しい映画でした。
親子4代の物語で名前だけ登場の人も入れると親子5代の物語でした。
加賀藩に勤める代々そろばんが家芸の家族のお話で戦前の主計軍人が語る4代の親を中心とした物語です。
武道はからっきし駄目だがそろばんの腕は天下一品の猪山直之(堺雅人)と妻お駒(仲間由紀恵)の夫婦の物語です。
貧しい人の救済の為のお米の会計に横流しを発見し追求すると能登に流される事になるが不正が明るみになり逆に大きく出世する。
家計の積み重なった借金を財産の売却と倹約で無くす。
鯛の絵のシーンは子どものお祝いの儀式に鯛が買えないのでお駒が書いた絵の鯛を並べている。
母親の臨終のシーンで売り払った母親の大事にしていた着物をお駒は取り返して来て母親にかけてあげる。
目頭が熱くなったシーンだ。
お駒の出産に直之はこれを舐めよと当時貴重だった砂糖を買って来て渡す。
その砂糖の袋がラストシーンにも登場した。
何だかもろもろ今の時代を考えさせる佳作でした。
家計簿からこの物語を構成した脚本家が素晴らしいと思います。
事実ほど強く訴える物はないです。
父親としても母親としても子どもとしても経営者としても公務員としても政治家としても感じるものがある映画でしょう。
この映画の視聴をお薦めします。
家族の人(特に配偶者)と観に行く事をお薦めします。
ps 小学校時代に女の子しか居ない書道部に入部の時に入れず、そろばん部にしばらく入って居た事を思い出しました。
以下公式ホームページにある感想です。
ーー
○森永 卓郎 さん (経済アナリスト)
貧しい暮らしをしても、品格がある人は、清々しい。
直之は、徹底的な倹約をするなかでも、祖父母の面倒をみて、子どもを育て、使用人の雇用を守っている。
新自由主義の経営者に、彼の生き様を見せてやりたい。
10/29実施のキネマ旬報独占試写会での感想です!
★武士もので一切アクションがないのが新鮮でした。コメディかと思っていたのですが、良い感じのホームドラマで予想外に心にしみました。サラリーマン兼父親としては主人公に共感するところが多かったです。
★淡々としている分、心に染みました。今の政府にこそ、こういう人が欲しい!主人公の品格に感じ入ります。堺さんにぴったり!キャストが皆良いですね。仲間さんの可愛らしさ、草笛光子さんのおばばさまの厚みある美しさ、松坂さんの人間くさい愛らしさも絶品。良かったです。
★こんな家族になりたい、と思いました。そしてあんなおばあちゃんになりたい、と思いました。我が家も三世代・四世代で同居するぞ!
★厳しい倹約生活の中でも、猪山家の人々がユーモラスに暖かく描かれていてとても良かったと思います。夫婦役のお二人が熱演されていて、素晴らしかったです。直之が直吉を厳しく誠実に教育する姿が美しかった。久しぶりに幸せな時間をすごせる映画に出会えました。
★大好きな俳優さんの一人である堺雅人さんの作品なのでずっと楽しみにしていました。静かな映画でした。音(BGM)が少ない中、そろばんをはじく音が効 果的に使われ心に。ひびきました。世の中が変わる大きなうねりの中で、加賀の町で静かに暮らしているそろばん侍一家のりんとしたすがたが心に残ります。皆 さんの演技がすばらしかったです。
★古き良き時代の日本の家族を見て、なつかしさを感じ、今の時代にもこの感覚が必要なんじゃないかな…と思いました。10代20代の方にどんどん見てほしいです。
★作品全体を通して「猪山直之」という人物の一貫した人間性が非常に印象的でした。時代の流れに逆らうのではなく、身を任せながら、しか し大切な物や信念を見失うことなく静かに力強く生きた姿がよく描かれていた。そしてまさに堺雅人さんにピッタリの役だったと思います。作品全体は落ち着い た印象でしたが、非常にハートフルな内容で
じわっと世界観をかみしめています。
★家族の温かさや、父の愛と母の愛は子どもに対して接し方が違うけれど、どちらも大切なのだと実感しました。どの時代も家族のあり方は同じなのですね。「武士」と一言でいえど志はそれぞれ違うのだとわかり、当時の現代にも通じる普遍さを感じました。
それへのコメントの一つです。
:tot**wai2010/12/07 17:32
坦々と、黙々と、流れていく人生。映画を見終わって私も静かに席を立ちました。確信しています、後からじわっと来る映画だと。あの堅い新書を物語におろした脚本家と演出した森田芳光監督敬意を表します、鯛の絵を持ってよこに流れるシーンは監督の「横」好きをかいま見た気がしました。(家族ゲームの食事のシーン)台詞がゆっくりなのも良かったです。
以上です。
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