随縁を享受した句会
昨日横浜で私の属する俳句会の句会がありました。
久しぶりに参加しました。
吟行俳句会でしたが吟行には参加せず俳句会の一次会と二次会に参加しました。
この会を開催するにあたって賛否両論がありメーリングリストで何通もやりとりがありました。
(3月はメーリングリストへの書き込みが既に50を越えています。)
日本中で同じような議論が行われているのではないかと思い20年間続いてきた句会の連続開催に至った経緯を紹介します。
開催反対の意見は
亡くなられた方々、被災された方々を思いますと句会を開くのは不謹慎ではないか
楽しい気分を味わっては申し訳ない気がする
全く句会を中止するというのもひとつの選択ですが、吟行、句会は取りやめ、投句をメールと〒郵送、FAXで
いただいて清記をそれぞれにお送りし、同じように選句いただく、ということでは如何でしょうか。
平成2年以来、毎月開催してきた句会を中断するのももったいないような気がいたします。
私は俳句は地震の次の日から毎朝地震の句のみを作ってtwitterに発表しています。
俳句を作るべきではないではなくて作って発表し被災者を励まし少しでも地震復興に役立てるべきだと思います。
集まるのは放射能を浴びる危険性が増す事やエネルギーを消費する事になるなと思うのみです。
是非バーチャル句会をやりましょう。
開催賛成の意見は
Aさんが句会を止めようと言うとは思いませんでした・・・
そんなもんですかね俳句って・・・不謹慎なんでしょうか?
大勢の人が死んだら句会やっちゃいけないということ?
1万人死んだら中止で、100人なら開催ですか?
1万人が海外での出来事ならやりますか?
テレビ付ければ目を覆いたくなるような場面の連続、
会社に来れば地震の処理が山積、26日の句会を息抜き
にしたいと本当に楽しみに思って、スケジュールも調整
してきましたが、残念です。
というかこういう話自体にがっかりです。
句会休会の件、そこまで考えなくてもいいのではないかと思います。
テレビもNHK、TBS、テレビ朝日以外は、相変わらずアチャラかをやっており、小生は 4ch、8chなどに向かってバカヤロウと怒鳴っていますが、公器のテレビとちがって句会は私的なもの。
Bさんが怒っている気持がわかります。
被災地はお気の毒ですが、あまり形式的な「喪」に服しても意味はないと思います。
TVを点けても娯楽関係のCMは消え、ACのCMばかり。
イベント関連は中止が相次いでいます。
だんだんと、先帝の崩御前後の所謂「自粛ムード」めいてきたように感じます。
句会の開催については、二通りの考えの方がいると思います。
「こんな時に…」という人と、「こんな時だからこそ」という人。
僕は、どちらかといえば、後者です。
ただの娯楽ではなく、我々は一人ひとりが「表現者」なのだと思います。(C)
通勤途上よくよく考えましたが、昨日あんなに納得が行かない
と思ったのは「中止する理由」の一点です。
①不謹慎だから中止
②停電・交通・放射能・節電により中止
②の理由により中止であればやむを得ないでしょう。Aさんが
おっしゃっている①の理由であればメール句会であっても楽しみ
には変わりない訳ですからダメという論理になりますね。
3月は②の理由により中止、4月は状況を見て判断ということに
なされたらいかがですか?
私の個人的な希望は無視していただいて結構です。テンション
下がっちゃったし・・・。
その他の意見(E)
歴史ある句会を中止するのは、勿体ないことですね。
Bさまのお気持もよく分かりますので、皆さまのご意見次第で開催なさってはいかがですか。どうぞ宮城県の親戚が津波で被災した私にご遠慮は無用になさって下さいませ。勿論私もお手伝いさせて頂きます。
余りの惨状に言葉どころか心も失いそうな日々が続いております。
私どもはきちんと食事をとり、暖かくして眠ることが出来るのですから、有難いことです。
被災地の方々に、心を寄せれば買い占めなどできない筈です。
官房長官が非常時に、そんなレベルの低い注意をせねばならないとは、情けないですね。
結論
26日の吟行・句会について皆様方から、
いろいろご意見をいただきありがとうございました。
結論から言うと、当初の計画どおり開催いたしましょう。
Cさんの「こんな時だからこそ」。
ただの娯楽ではなく、我々は一人ひとりが「表現者」なのだと思います。
というご意見が、皆様の代表的な意見だと思います。
Dさんからご紹介の「頑張れ日本」の多くの声に対しても
こんな時だからこそ、我々にできることを頑張ることで
応えられるのではないか、と思います。
Eさんには申し訳ないことをいたしました。
決してEさんのご意見で、私が提案したのではありませんが、
Eさんのお考えは貴重なご意見でした。
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みんながみんなの持ち場でみんなのやれる事をするのが大事だと思いました。
では句会の紹介です。
久しぶりの句会参加でしたが高点句にはやはりそれぞれ良さがあります。
まだまだ未熟な公彦を実感した半日でした。
私は直接震災を句にしましたが以下の句には地震が間接的に感じられます。
短詩形文学は直接テーマを取り上げるのではなく深い所で醸成させることが必要でしょう。
そんな事も思わせた句会でした。
高点句のみ紹介します。
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一次会(兼題 「港」「桜」「館」)(於:横浜 山手 234番館)
5点句
船笛のいくたび春の深みけり 角之助
4点句
何もかも橋の向こうに残し春 舞
春潮のまぶしさに人集いけり 角之助
刈られたる形の記憶芽吹きけり さとし
春装つめたき森を抜けにけり まさお
地震ありてより春光のよそよそし 貞夫
二次会(席題 停 草 春愁)(於:中華街順海閣)
4点句
草色の鞄持ちたる手の温し 角之助
3点句
屋根ばかり見ていて春の愁ひかな 角之助
停車ごと人入れかはり鳥雲に まさお
句会の前に港の見える丘公園中の神奈川近代美術館で行われていた 萩原井泉水と「層雲」100周年記念展 を見ました。
「句会は一期一会の随縁を享受すべし」と井泉水は言っていたそうです。
実に随縁を享受した句会でした。
おまけ
二次会でこんな物が有る事を紹介しましたがそんなものまで使って俳句を作りたくないという声がありました。
ごもっともです。
俳句自動作成マシン
被災者を励ます歌
【MAD】砂の上× 東京マグニチュード8.0
今回は以上です。
所蔵場所
http://twilog.org/ootsuru/asc
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青い鳥さん
議論の結論は青い鳥さんと同じでした。
俳句というものについていろいろと考えさせる句会でした。
投稿: 大津留公彦 | 2011年3月29日 (火) 23時23分
わたしは、俳句については、明るくありませんが、句会開催は何ら問題は無いと思います。むしろ、開催すべきだと思います。俳句は日本古来の文化で、四季折々に感じたままを句にしたためる。すごく素敵じゃないですか…。今、『無縁社会』などと言われてますが、日本人の感性・感受性が失われつつあるから、人を慮る心が削ぎ落とされていくのだと思います。 震災で無念にも非業の死を遂げられた方々に対しても、優しい句、情緒溢れる句を詠むことで、鎮魂になると思いますが如何でしょうか…。
投稿: 青い鳥 | 2011年3月29日 (火) 21時17分