俳人の長谷川櫂さんが「震災歌集」を出した
震災発生後10日目の2011年3月21日 (月)被災者を激励する俳句・短歌募集で紹介した俳人の長谷川櫂さんがその印税を被災者に寄付するとして出版した『震災歌集』が話題を呼んでいる。
4月28日の日経夕刊にその俳人/歌人の長谷川櫂さんがこんなことを書いていた。
「俳句や短歌は風流ごとのように思われている節もある。しかし人間の文芸である以上は人生のすべてを詠めなければウソだ。楽しいことばかりでなく、悲しいことも。つらいことは日常的に起きる。詠めないといけない。」
こんな状況で句や歌を作る気がしないという声も聞くが、それは詩歌が無力なのではなく、そういう人の作品が無力なのだ。悲楽すべてを詠むのが詩歌。今こそその力が問われている。
あめつちも鬼神も歌はうごかすと貫之書きし『古今集』仮名序
古代文学研究者 三浦佑之は読売の5月1日の書評欄にこう書いている。
「抒情と定型を本質とする短歌は、この列島に住む人々が見いだした、おのれの「心」を言葉にできる唯一の方法だった。*句作を本職とする長谷川ですら、五七五七七が口をついて出た」同じく定型表現でも、三句しかない俳句はまっすぐに心に向き合うことを避けようとし、五句の短歌は自らの思いを歌おうとする。しかも定型であるゆえに、表現された「心」は私の心であるとともに、あなたの心にも重なる。ということは類型化しやすく共振しやすいわけで、本書の歌々も、いずれは「作者未詳歌」「読み人知らず」へと昇華するだろう。そこが、個性を前面に出したい現代短歌や現代詩、あるいは小説とは根源的に違うところである。
映像を眺めているしかなかった人の無力感をどのように掬すくい取るか、今はまだ声など出せない被災者の心と言葉を、どのように拾いあげ遺してゆくか。さまざまな手段があっていいが、定型であるという点で、短歌は有力なツールの一つになるということを、本書は教えている。
<「日本は変はる」「変へねばならぬ」という若者の声轟然と起これ>
という歌を引きながらこう書いている。
言葉は無力だと打ちひしがれた人も多いでしょう。しかし長谷川さんは、言葉こそが現実に向き合うための糧であり、人の心を動かす力であるといいます。
俳人が震災に当たって作ったのが短歌だったという事には興味がある。
短歌の方が気持ちを述べられるので震災への思いを形象化するには向いているという事だろう。
しかし俳句にももっと普遍的な形で形象化する役割もあると思う
私は毎朝twitterで送られて来る季語を使って俳句を作っているが、地震の後は震災絡みの句を作り続けている。
俳人にも「震災句集」を出す人がいずれ出て来るだろう。
長谷川櫂さんが今この時期に『震災歌集』を出した事を私は大きく評価したい。
早速amazonで注文しました。
私も『震災歌集』と「震災句集」を電子出版したいと思います。
以下『震災歌集』 の歌の紹介とtwitterのつぶやきの紹介です。
『震災歌集』
「見えざる手」などあらばあれ復興の幾千万の人の「見ゆる手」
「人々の嘆きみちみつるみちのくを心してゆけ桜前線」
「日本に暗愚の宰相五人つづきその五人目が国を滅ぼす」
「高飛車に津波対策費仕分けせし蓮舫が「節電してください!」だなんて」
「夥しき死者を焼くべき焼き場さえ流れてしまひぬといふ町長の嘆き」
「かりそめに死者二万人などといふなかれ親あり子ありはらからあるを」
「降りしきるヨウ素セシウム浴びながら変に落ち着いてゐる我をあやしむ」
「火の神を生みしばかりにみほと焼かれ病み臥やせるか大和島根は
2011年05月03日(火)
RT @dacco3: 震災歌集という本を本屋さんで見かけて読んだらとてもよかった。しかもあとがきが最高によかった。ぱらぱらっと立ち読みをして帰ってきてしまったんだけど、、、うずうずするから次に寄ったらうちの本棚にあるだろう☆みなさん今日も素敵な一日でしたか?僕は遠足の前で眠れません。
posted at 18:54:21
RT @yanaiakira: 「稀代の俳人は、地震から12日間の間にやむにやまれぬ思いを119のうたに詠んだ。震災直後の記録と記憶がここにある」 『震災歌集』 http://p.tl/qVas
posted at 18:52:55
RT @vitakun: 諸般の事情に鑑み[震災歌集]に関する呟きを停止することとした。歌人は詠む。カメラマンは撮る。本来はそういうのが仕事なのだろうと思うけど惨酷は惨酷であるが故に僕が震災に就いてここで綴っても仕方がないことに気付いた。明るい話題の提供に心懸けたい。
posted at 18:50:12
RT @hahaguma: 長谷川櫂『震災歌集』中央公論新社(2011.4) http://p.tl/7eNr 「見えざる手」などあらばあれ復興の幾千万の人の「見ゆる手」 印税は被災者への義捐金として寄付されるとのこと。
posted at 18:17:51
RT @npkishi: 4/28日経長谷川櫂さんの記事より。こんな状況で句や歌を作る気がしないという声も聞くが、それは詩歌が無力なのではなく、そういう人の作品が無力なのだ。悲楽すべてを詠むのが詩歌。今こそその力が問われている。あめつちも鬼神も歌はうごかすと貫之書きし『古今集』仮名序 長谷川櫂
posted at 18:13:08
RT @funarumi: 【みちのく】4/29金1( @petekobayashi )「人々の嘆きみちみつるみちのくを心してゆけ桜前線」(長谷川櫂『震災歌集』より)三陸の被災地・気仙沼、大川堤の桜並木に広がる災禍の光景に、先ごろ目にした“災歌”が… (cont) http://deck.ly/~tfgXf
posted at 18:11:55
RT @vitakun: おはよう御座います。読売新聞の書評欄を興味深く読んでいます。目についた図書は[震災歌集:長谷川櫂著]。ここで扱っている内容も無常の風。当地でも、最近、強風などに見舞われており凄まじいまでの不条理に見舞われた人たちの怒気さえ含む魂魄の千の風が吹き荒れているんだと感じています
posted at 18:11:15
RT @kamimari: 読売新聞の日曜の書評欄に長谷川櫂「震災歌集」が掲載されていた。(ま、読売に連載されたものだし。)書評を読んで短歌、俳句は日常読まない私になぜこの歌集の短歌が迫って来るのか、ああそうか、そういうものかと。
posted at 18:10:33
RT @yanaiakira: 【長谷川櫂】「2011年3月11日、大地震が日本列島をおそった。その時から続いた、相次ぐ余震、津波、原子力発電所の事故などを目の当たりにして、文学はその震撼、悲憤、慟哭をどう抱きとめたのか」(続く)
posted at 18:08:08
RT @vitakun: 早速、[震災歌集:長谷川櫂著]を購入してきた。本書の印税は義援金として寄附される由。なら、BOT風の順次、そのうたを呟いてゆく。「かりそめに死者二万人などといふなかれ親あり子ありはらからあるを」
posted at 18:06:43
RT @kuriyabe11: @masa01_jp震災歌集を買いました。長谷川 櫂著 「日本に暗愚の宰相五人つづきその五人目が国を滅ぼす」 「高飛車に津波対策費仕分けせし蓮舫が「節電してください!」だなんて」けだし 名言というか 納得
posted at 18:05:51
「かりそめに死者二万人などといふなかれ親あり子ありはらからあるを」長谷川櫂http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20110502-OYT8T00402.htm
posted at 18:01:20
「降りしきるヨウ素セシウム浴びながら変に落ち着いてゐる我をあやしむ」「火の神を生みしばかりにみほと焼かれ病み臥やせるか大和島根はhttp://www.yomiuri.co.jp/book/review/20110502-OYT8T00402.htm
posted at 18:00:09
RT @KANAH0: 「抒情と定型を本質とする短歌は、この列島に住む人々が見いだした、おのれの「心」を言葉にできるゆいいつの方法だった。*句作を本職とする長谷川ですら、五七五七七が口をついて出た」(古代文学研究者 三浦佑之) / 『震災歌集』 長谷川櫂著 :… http://htn.to/g9fgZk
posted at 17:48:25
RT @hanayomuhito: 4月28日の夕刊に俳人/歌人の長谷川櫂さんがこんなことを書いていた。「俳句や短歌は風流ごとのように思われている節もある。しかし人間の文芸である以上は人生のすべてを詠めなければウソだ。楽しいことばかりでなく、悲しいことも。つらいことは日常的に起きる。詠めないといけない。」
posted at 17:46:52
RT @uminoyuma: 書店で『震災歌集』とあり、みると長谷川櫂著と。俳人が未曾有の事態に際しうたうことばは短歌であったと。。。複雑な思い。昨日の日経に荒川洋治先生の震災と詩歌論があった。
2011年05月04日(水)
RT @1tamainfo: @ootsuru フォローありがとうございます!震災歌集、よかった、というと違う気もしますが、表現する人の、歌詠みの仕事、という感じがしました。
posted at 13:13:18
震災歌集
長谷川櫂 著
2011年3月11日、大地震が日本列島をおそった。その時から続いた、相次ぐ余震、津波、原子力発電所の事故などを目の当たりにして、文学はその震撼、悲憤、慟哭をどう抱きとめたのか。稀代の俳人は、地震から12日間の間にやむにやまれぬ思いを119のうたに詠んだ。震災直後の記録と記憶がここにある。
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