「天地を動かし、鬼神さえも感動させる」詩歌(長谷川櫂「震災歌集」)
長谷川櫂さん「震災歌集」が夕べamazonから届いたので夜布団の中で一気に読みました。
早速twitterに一首づつコメントを付けてつぶやきました。
取り敢えず十二首を引きました。
ブログで先に紹介した俳人の長谷川櫂さんが「震災歌集」を出した/a>で紹介した歌は外しました。
あとがきの言葉に紀貫之の「古今和歌集」の序文「仮名序」の言葉を引きながらこういうのがありました。
「生きと生けるもの、いずれか歌をよまざりける。」地球上を見わたすと、詩歌を少数の文学エリートの独占物と考える文化圏が多い中で、貫之の言う「誰でも歌をよむ」という事が日本の詩歌の最大の特徴である。
そうなのだ。本来日本の詩歌は毎日働き生きている普通の日本人のものなのだ。
また仮名序の言葉をひいてこう言っている。
歌
は恋人たちの心を通じさせ、勇猛な武士たちの心を慰めるだけでなく、天地を動かし、鬼神さえも感動させる力がある。貫之は「歌の力」を信じていた。貫之ばかりではない。日本人の誰もがこの「歌の力」を信じ、古代からずっと歌を詠みつづけてきたということだろう。
「天地を動かし、鬼神さえも感動させる」詩歌の力で日本を良くして行きたい。
最後のこの言葉を紹介して歌に入ろう。
大震災は日本という国のあり方を変えてしまうほどの一大事である。しかし、詩歌はそれに堂々と向かい合わなければならない。いつかは平安の時代が来るだろう。その平安の時代にあっても何が起ころうと揺るがない、それに堂々と対抗できる短歌、俳句でなければならない。
#shinnsaikasyuu #tankaのハッシュタグで俳人の長谷川櫂さんが作った「震災歌集」から1首づつ紹介します。簡単なコメントも加えます。 俳人が震災を俳句でなく『「荒々しいリズムで短歌が次々に沸き上がってきたのは「やむにやまれぬ思い」というしかない』と。
posted at 12:58:53
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第一首 大津波死したる者は沈黙す生き残る者かくて嘆かふ 井上ひさしの「父と暮せば」に生きているお前は死んだ俺に生かされているという父から娘への言葉があったことを思い出しました。ありがとありました。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:02:54
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第二首 みちのくの春の望月かなしけれ山河にあふるる家郷喪失者の群れ 詩情あふれる俳人の面目躍如です。望月が実にかなしいです。ここから家郷喪失者の群れも被災しなかった者も再出発をしなければなりません。shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:07:45
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第三首 酒飲みて眠りてあした目が覚めて夢だったかといへたらよきに 「救助された漁師のいへる」とト書きがあります。もしかしたら夢かもしれないと思う気持ちは良きにつけ悪きにつけ我々には時々ありますが.無念です.#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:23:22
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第四首 原子炉に放水にゆく消防士その妻の言葉「あなたを信じています」この深夜の記者会見は衝撃的だった。時にこの消防隊長と妻のメールのやり取りは感動的だった。「日本の救世主になれ」というのが妻の返信だった。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:27:32
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第五首 かかるときかかる首相をいただきてかかる目に遭ふ日本の不幸 これは俳句では表現できない。啄木は短歌の存在を日本人の持つ数少ない幸福の一つと言った。日本の不幸には日本の幸福で打ち勝とう。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:34:12
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第六首 高飛車に津波対策仕分けせし蓮舫が「節電して下さい!」だなんて なかなかこういう短歌を名のある歌人は詠めない。俳人が短歌を革新するかもしれない。短歌は玩具ではなく闘いののろしである。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:38:10
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第七首 東電の御用学者が面並めて第二の見解(セカンド・オピニオン)なし原発汚染 原発安全論を延々と述べて来た御用学者のあり方に注目したい。一貫して危険だと指摘して来た学者への注目と合わせて。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:42:14
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第八首 いきなり切れる停電のごとき哀しみがわが一生にもかってありにき 長谷川櫂が出ている。短歌の善し悪しは自分が出ているかどうかだと思う。例えそれが直接的でなくてもその人の個性が垣間見える歌がいい歌だ。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:45:21
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第九首 日本列島あはれ余震にゆらぐたび幾千万の喪の灯さゆらぐ 詩情が感動を昇華させている。国民的文学とはこういうものでなければならないと思わせるような一首です。お亡くなりになった全ての魂に合掌!#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:50:20
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第十首 石原の石くれのごとき心もて「津波は天罰」などといふらし 言葉と言うのはその人の人間性の発露である。文学者は特に責任を持つ必要がある。撤回しなければならないような言葉を文学者は発してはいけない。 #shinnsaikasyuu #tanka
posted at 13:56:12
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第十一首 「見えざる手」などあらばあれ復興の幾千万の人の「見ゆる手」「見えざる手」はアダムスミスの経済原理だろう。復興には復興する幾千万と復興させる幾千万の生き生きさせようとする生きた意志が必要だ。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 14:00:15
長谷川櫂さん「震災歌集」から 第十二首 みちのくの奥松島の松庵は月と遊びて旅寝せし宿 松島には行った事がない。松島に行った事のある人はそれを歌う事で間接的に被災者支援になると思う。この歌も自分が出ている個性的な歌だと思う。#shinnsaikasyuu #tanka
posted at 14:03:42
長谷川櫂さん「震災歌集」から取り敢えず十二首を引きました。ブログで先に紹介したhttps://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-8559.html歌は外しました。これを記事に纏めます #shinnsaikasyuu #tanka
posted at 14:10:11
ついでに今日作った私の歌もここに掲げます。
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