「福島からあなたへ」 (私たちは東北の鬼です)
福島からあなたへ
(私たちは東北の鬼です)
武藤類子さんの 「福島からあなたへ 」を読んだ。
前に記事を書いた4月15日に草加市で行われた集会で購入したものです。
2011・9・19に開かれたさよなら原発集会の感動的なスピーチから始まります。
脱原発とネイチャーライフについて示唆を受けました。
武藤類子さんの類子という名前はとても珍しい。
特に関係はないが私の好きな歌人の一人に早坂類という人がいるのを思い出した。
どうも類は人類の類のようだ。
類子さんのお父さんは戦後共産党員として活躍された方らしい。
新聞や雑誌を作る仕事をされていたが党の内部分裂で除名となり福島県で中学校の教師となり8月15日の「終戦記念日」に生まれた子に「人類の平和の為に生きて欲しい」と「類子」という名前を付けたという。
彼女の行動はお父さんの願いが届いていると思う。
印象的な言葉を拾います。
「昔ある人に聞いた話です。海の干潟に潮が満ちとき、波は一度に押し寄せてくるのではないそうです、小さな水たまりがあちこちにいくつもでき、それがだんだん大きくなり、あるときぱっとひとつに広がります。いま、福島ではそれぞれに立ち上がった人々がいます。日本中に支援の水たまりができています。いつかひとつにつながり、新しい世界が広がっていくことを願っています。」
水たまりを作る水の一滴になろうと思います。
友人という安積遊歩さんという人はこう書いている。
「正しいと思うことについて、彼女ほど自分の無力感や好みを時に徹底的に優しくコントロールして、やりつづけている人を私は知らない。それも決して声高ではないし、あまりに淡々と愛情深くやるので、誰に対してもなんの恐れも抱かせない人でもある。」
「私の妹と類ちゃんは、妹どうしというのもあるのか、とても仲良しなので、妹にも一言類ちゃんの印象を聞いてみた。とにかく徹底的に若い人の味方であろうと、動きまわり立ち続けている人だよ、ということだった。親の背中を見て子どもは育つというが、私には類ちゃんのあったかい背中が、これから原発のない新しい世界を作り出していこうとする人が見るべき背中のように見えている。」一度話を聞いただけですが、彼女の人となりがよくわかる。
写真を担当した森住卓さんはこう書いている。
「「原発さえ無ければ」と書き残して自殺した酪農家の死を無駄にしないためにも、私たちは怒りを燃やし続けるべきだと思う。そのためにも何度でも武藤さんのスピーチを読むべきだ。胸に刻み込むべきだ。」
最後に類子さんのあとがきから紹介です。
「「9・19さよなら原発5万人集会」でスピーチをさせていただいたあと、たくさんの方々が「涙がこぼれた」「泣いてしまった」とおっしゃいます。みんな溢れそうになる涙をこらえて暮らしてきたのだなとつくづく思います。もしかしたら3・11以前からそうだったのかもしれません。この国の不誠実、誰かを犠牲にした危うい便利さ、あまりにも自然から乖離してしまった人類...。生き物としての深いところでみんな傷つき、罪悪感を持ち、どこかへかえりたいと感じていたのかもしれません。この原発震災は、もしかしたら人類が地球に回帰し、新しい世界を創造するチャンスかもしれません。赤ちゃんは、未知の世界への怖れをふるい落とすように大きな声で泣きながら生まれてきます。私たちも泣きながらも新しい世界への最初の呼吸をしなければなりませんね。」
この本は普通の主婦が鬼となる過程がよく分かります。
静かに怒りを燃やす東北の鬼です。
今こんな知的で正義感に満ちた鬼が日本中にあふれようとしています。
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以上です。
前回紹介した記事を再度紹介します。
「福島からあなたへ」武藤類子さんインタビューOurPlanetTV2/9(内容書き出し)
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あれから1年−私たちの震災歌集
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