政府のエネルギー・環境戦略について
政府は「2030年代に原子力発電所の稼働をゼロ」とするエネルギー・環境戦略を決めた。
財界の新聞である日経新聞は[国益を損なう「原発ゼロ」には異議がある]と題した社説で原発への未練たらしく批判している。
福島事故とその被害も実相を知ればこんな社説は書けないはずだ。
情けないというしかない。
日本に原発を導入した正力松太郎の読売新聞は自らの責任などおくびにも出さず厚顔にも政府見解の撤回を求めている。
エネルギー選択 「原発ゼロ」は戦略に値しない(9月15日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120914-OYT1T01589.htm
毎日新聞はこの政府方針に批判はしていない。
社説:原発ゼロ政策 実現への覚悟を持とう
http://mainichi.jp/opinion/news/20120915k0000m070120000c.html
東京新聞は評価して更に前に進めようという立場である。
政府のエネルギー方針 もっと早く原発ゼロへ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012091502000137.html
赤旗は志位委員長の発言で「即時原発ゼロ」実現を訴ったえている。
2012年9月15日(土)
「即時原発ゼロ」実現を
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-15/2012091501_01_1.html
毎日によれば夕べの首相官邸前脱原発行動で主催者の首都圏反原発連合のリーダーの一人のミサオ・レッドウルフさんは政府の発表したエネルギー戦略に対しこう語ったという。
「市民の力で政府から「原発ゼロ」という言葉を引き出すことができたことは大きい」
同時にこう語ったという
「大飯原発の即時停止を求めている私たちにとって、まだまだ本当の勝利には遠い」
市民の大方はこういう意見だろう。
原発推進路線を原発ゼロ路線に変えたの事は評価できる。
市民の脱原発の意見表明や行動が政府の路線転換を導いた事は疑う余地はない。
選挙を控え原発推進を掲げては戦いにならないだろう。
問題はたくさんある。
私なりにまとめてみるとこうなる。
1.2030年代に原発ゼロという事はまだ最大27年もある。
それまでに原発の稼働があれば放射性廃棄物がたまってしまう。
それまでに地震などで原発事故が起これば再度大きな被災が起こる。
2.原発使用を前提とする「核燃料サイクル」を継続するのは矛盾。
使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して再利用する
(日経の社説もこれを政策的矛盾と言っているが自分等の国民の立場との大矛盾にこそ気付くべきでしょう。)
3.高速増殖炉「もんじゅ」は研究目的に変更しやがて廃炉するというが、プルトニウムは一般の原発(プルサーマル)で使う事もやめるべきで、軍事に転用できるプルトニウムがテロの標的にもなり石原慎太郎等保守政治家の原爆所有欲をそそり続ける。
4.原発の輸出は停止しないとしている。
輸出を止めないのも政策的矛盾であり、海外に問題をつけ送りする事になる
5.再生可能エネルギーの発電量は1930年に10年比3倍の3000億kwにするというがテンポが遅く国際公約である20年に90年比25%削減という国際公約を実現出来ない。
6.廃炉ビジネスを如何に産業化するか。
(この技術を確立しビジネス化しなければならないし、出来れば日本の世界に誇れる輸出産業になる。)
7.原子力を専攻する学生の激減が予想され如何に技術者を確保するか?
(何らかのインセンティブが必要か)
8.どう原発補助金頼みになった自治体財政を立てなおすか?
(激変緩和の為の財政支援が必要か?)
9.スマートグリッド化計画と送電線の再整備計画が必要
10.再生可能エネルギー普及に向けたロードマップとマスタープランが必要
ランダムですがこんなところです。
ご意見をお寄せ下さい。
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