俵万智さんの「木馬の時間」
東京新聞の1月8日号に俵万智さんの「木馬の時間」というエッセイがあった。
放射能禍から逃れて子どもと一緒に石垣島に暮らす彼女も五十歳になったという。
「サラダ記念日」の衝撃的デビュー以来四半世紀が経ったという事だろう。
その歌集は短歌というジャンルを越えて社会現象になった。
我が娘なども口ずさんでいた。
いうならば啄木以来の「口語自由律」が彼女のおかげで短歌の世界でやっとメジャーになったとも言えるだろう。
放射能汚染という歴史的災難に遭遇し彼女の歌柄は半世紀前とは変化している。
もともと社会的視野のあった人だが子どもを通してより社会と切り結んだ歌となっている。
このエッセイの中にはタイトル以外「木馬の時間」という言葉が出て来ないが他の記事に書いている「心をこれまでにないほど揺らしてくれる。」子どもの時間の事だ。
子育ては、子ども時代を追体験することでもあると書いている。
一年の予想がつき人生の長さが見えるようになったのは40歳になった時だという。
確かに人生八十年なら四十歳が真ん中でこれからは今まで経験した長さだ。
五十歳になった彼女は把握しやすい長さとなった残り三十年を体力的には薄くても精神的には濃く生きたいという。
私は昨年六十歳になった。
私には残りは二十年しかない。
浪費をする時間はない。
精神的に濃く生きたいという思いは私も同じである。
放射能禍逃れ逃れて
島に住む
万智の子育て
濃き歌となる。公彦
「木馬の時間」は東京新聞で、俵万智さんが連載しているコラムのタイトルです。
以下2006年10月の中日新聞のコラム記事です。
「木馬の時間」俵万智
揺れながら
前へ進まず
子育ては
おまえがくれた
木馬の時間
誕生のお祝いにもらった木馬を見ていて、ふっと心に浮かんだ歌だった。
今の自分、慣れない子育てで揺れてばっかり。
前へ前へとひたすら進んできた20代30代のことろは大違いだ。
けれど、そこには不思議は充実感がある。
日々変化してゆくこどもと過ごす時間は、心をこれまでにないほど揺らしてくれる。
遠くへいかなくても、ちっとも前に進まなくても・・・。
そんな「木馬の時間」のなかから、言葉をつむいでいきたい。
参考
http://michitaroryoko.blog72.fc2.com/?no=59
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