3・29水野昌雄さんと語ろう会を行います
湖畔短歌会の二年間に及ぶ「続・歴史の中の短歌」と「続・続・歴史の中の短歌」の学習が終わった。
真っ当な短歌の歴史を学んだ。
今後の歌作りに役立つだろう。
同時に短歌の評論の持つ意味合いについても考えさせられた。
短歌評論の勉強もしたい。
二年間の学習の纏めとして作者の水野昌雄さんをお招きして以下のテーマや本執筆の裏話などにお話をじっくりとお聞きしたいと思います。
以下ご案内を致します。
以下にてustream中継も行います。
奮ってご参加及びご視聴下さい。
テーマ:水野昌雄さんと語ろう会 日時:3月29日(金)18:45 場所:柏駅西口コンパル 講師:水野昌雄 講演テーマ:短歌の評論の書き方のポイント 討論テーマ:短歌の未来を語る 申し込み先:kohantannnka@yahoogroups.jp 定員:30名
1月と2月に学んだ所からポイントと思うところをまとめました。
ご参考にして下さい。
一部原文の通りではありません。
続・歴史の中の短歌
第四章 社会的主題の問題
◎社会的主題とは何か
のびのびと人間を見、自然を見、社会を見、そして政治を見ることが大事なのではないのか。
政治や社会的主題は生きてゆく限り当然のものとして作者の内面にあらねばならぬもののはずである。
柳田国男は白秋や茂吉のような発想が国語のためにはマイナスであるという。国民全体のものであるべき歌が、少数の勝手な言葉づかいをする人たちだけでわかりあっているのはおかしいと主張している。
社会的主題とは、作者の生きてゆく主題なのである。
◎時事詠の現代的意味
歌で言うならばこうだろう。
怒りをいえ怒りを抒情の契機とせよ今つきつめて「詩」といえる営為
近藤芳美
きみらの歌なにが高貴であるものかへなぶり一首の風刺に及かず
坪野哲久
結局、時事詠もその人の人間らしい生き方に関わってくる。時事詠いかにあるべきかとは、いかに生くべきかということと同じなのである。
それだけに時事詠は苦しく、重たい。
◎社会詠の問題
例歌
時によりすぐれば民のなげきなり八大龍王雨やめたへ 源実朝
徴兵は命かけてもはばむべし母祖母おみな牢に満つるとも 石井百代
そこのみは四十一年動かざる原爆ドームの内処の世界 大津留公彦
(すみません自分の歌がありました。)
(実朝や百代さんの歌と並べられて私の歌が社会詠の例歌として挙げられているのは非常に面映い。同じコスモスだった島田修二さんが朝日歌壇に採って頂いたものを水野さんが更に採って頂いたものでしょう。)
社会詠というのは、その時代に生きていて、腹にすえかねることを、やむにやまれずに歌い出すもの。
何よりも作者が社会の動きに心の底から感じるものがあって、はじめて生まれるもの。
目の前の出来事だけでなく、自分の体験してきたことや、広い時代認識の上に立ってとらえることが大事。
社会詠とは、要するに生きていることの確認です。そして、現実がいかにつらくとも、決して絶望することなく、広く時代をみつめて歌うこと。
◎1845年8月15日と短歌
現代の風化した歴史の忘却にはいかがわしさや恐れを感じているのである。短歌は時代の鏡と言われているが、まさにその通りである。商業的なジャーナリズムとは異なる時代に生き庶民の真実が生きている。
日本国民総ゆでがえるになりつつある。
「きけわだつみのこえ」をみると短歌形式があることによって、心の中にあふれるものを定着せしめていることがよく察せられる。
大切なのは歌わずにいられない命のほとばしりなのである。
こうした素人の短歌のもつ文化史的意義は短歌が1300年にわたって持続した根底のエネルギーを示すもの。
短歌そのものは花鳥風月だけではなくもっと広く、豊かであり、そのエネルギーが短歌を今日的文学たらしめている。
◎社会詠の今日
短歌において上手・下手ということが単純に善悪とならないのは、人生そのものが上手に生きることが感心(ママ関連か?)しないのと同じ。問題はその人の切実さだ。しゃんとした姿勢だ。文学は何の為にあるのか、という基本課題だ。
ゲーテの「ファウスト」の中のせりふを引用するなら「語ろうという気持ちが真剣なものならことばなど追いまわす必要がどこにある」ということだ
リアリズムの力強さを社会詠は教えている。
その時点でためらわず歌う大切さ
短歌は優れた歴史的証言となっている。
社会詠は 今日の短歌の源泉なのだ。
二年間にわたりまして感想などを書いてきました。
(下に過去の記事が並んでいるはずです。)
短歌に興味のある人もない人もお付き合い頂きまして有難うございました。
今後とも短歌をよろしくお願い致します。
では3月29日に!
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